感情タグBEST3
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創元社の新シリーズ「あいだで考える」の創刊ラインナップ。現代を考える問いかけとして「あいだで考える」というコンセプトはたいへん秀逸で、それに文学紹介者という自らのフィールドからきっちり応えているいい本だった。
ただ、10代のための本が真に10代のための本になっているかは、既存の他シリーズ(よりみちパン!セの昔から)を読んでもわたしはよくわからないままなので、それは評価できない。
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自身の難病経験や文学からの引用で解きほぐす身体論。自分を支えるこころとからだを様々な観点から分かりやすく語ります。頭木弘樹さんの著作は過去に読んでおりどれもおすすめですがこれもとてもよかった。巻末の作品案内だけ読んでも十分楽しめます。
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自分の心と体を社会がどう評価するか、これが、自分の疲れの原因なのだろう。人の評価なんて関係ない、俺は俺と言いながら、やっぱり、気になる。
そういう、心の考え方が現実と理想の違いが疲れさせるのだろう。
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面白い。考え方が面白い。それを色んな文学などを例に理路整然と攻めてくる。心と体、白と黒どちらかではなく、間、グラデーションという捉え方。
三島由紀夫と太宰治のくだりも面白かった。
私はあなたの文章が嫌いですと、わざわざ太宰に言いに行き、きてくれるということは本当は好きなんですよ。と言われて激怒する話笑。
内臓とこころ 三木成夫しげお
ウツ婚!死にたい私が生き延びるための婚活
石田月美
隠悩録 筒井康隆
僕と彼女のペケ3つ 森永あい
山と獣と肉と皮 繁延あづさ
記憶する体 伊藤亜紗
面白くて眠れなくなる植物学 稲垣栄洋ひでひろ
弱いロボット 岡田美智男
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心と体について語るのに、色々な話が引用されていて、とても面白かったです。特に首から上と首から下が入れ替わるインドの伝記が印象に残りました。
頭木さんは本や漫画、映画といった幅広い作品に触れていて本当にすごいなと思いました。
あとがきに、「自分の考えを一方通行で提示するのではなく、読者にも一緒に考えてもらって良い一冊にしたい」という主旨が書いてあり、とても好感を持ちました。
「自分」というものを考える時、僕は思わず「体」ではなく「心」の方ばかりに目がいっていました。でも、体が感情を作っているという文章をみたとき、体あってこその心なんだと思えました。例えば、ある男性を目の前にして胸がドキドキしている…その後で、そうか!私は彼のことがスキなんだ!と解釈する。
体も心もとても大切なのだと改めて感じることができ、また自分とはなんなのかを考えられる素晴らしい作品でした。
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もっと著者の主張が強いタイプの自己啓発系の本かと思ったけど、色んな本やコンテンツを引用しながら読者の思考整理を手助けしてくれるような本だった。
ずっと自分から逃げられないならどう付き合ってく?
心と体の関係って?
心と脳はどう違う?みたいな問い。
劇的な主張やエポックメイキングな言葉が散りばめられてるわけではないのだけど、そこが心地よかった。
夏目漱石や寄生獣を読みたくなった。
自分疲れの処方箋にはならないのだけど
少し自分疲れの正体に近づいた気がした。
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ココロとカラダについて、文学的に説明しているユニークな一冊。
専門用語が使われていたり、科学的データ満載で語られると全然ピンとこないようなテーマが、小説の一節を引用して説明されているとストンと腑に落ちるのが面白い。
個人的に興味深かったのは、以下のとおり。
・性的指向はグラデーション
・昆虫は生涯で最も美しいときに死ぬ
・人はわからないものを分けようとする
なんとなく『あいだ』を漂っているのは、全然悪いことじゃない。むしろ、それは自分疲れから解放される1つの方法。
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あいだで考えるシリーズ第1弾として、これ以上ない良書。
自分とは何か?
心?体?
グラデーションだ、という答えに辿り着いた時、途端に楽になった。
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頭木さんの本は以前読んだことがあるので、重なっている部分もあったが、面白かった。
いつもたくさんの本が(マンガ、映画なども)紹介されていて読みたくなるが、今回も三木成夫や繁延あづさ、大和ハジメなど、すごく読みたくなった。
サブタイトルが「ココロとカラダのあいだ」となっていて、心と体の関係や、そのコントロールの難しさ、境界の問題など、読書だけでなく実体験に基づいて語られている。
三木成夫によると体は内臓系(いわゆるハラワタ)と体壁系(手足、頭を含む、ハラワタ以外)に別れ、内臓系の中心が心臓で、体壁系の中心が脳である。「心」の漢字は心臓の象形文字である。「胸が熱くなる」とか「肚の底から」というように心(感情)は内臓に根差したことばである。「頭」は体壁系で、「頭が切れる」と言うように判断や思考力を示す。なんてところがとても面白かった。
心は千々に乱れるものだと皆理解しているが、体だってパーツによってそれぞれバラバラの衝動がある、という経験はなかなか普通に暮らしていると実感できない。が、赤ちゃんに歯が生えてくると噛みたがるのも、あれはむず痒いからだと思っていたが、「噛みたい」という顎の衝動が歯が生えることで芽生えたからというのもあるのではないかと思った。
イラストは『ベルリンうわの空』の香山哲。不気味かわいい絵が最高。
とても良い読書経験だった。
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自分の本体は「体」なのか「心」なのかについて、考えてみようよ!という本。文学や科学やアニメやマンガなどを引用して、「自分とは何か」について考察を深める。著者は消化器系の病気をされていて、「自分の中にも大腸があること」や「食事をとって、排泄をコントロールできるのは当たり前のようでいて、実は凄いこと」などということを考える。
「なぜ大小便を漏らすと社会は冷たくなるのか」とかとか、そういうことも書いてある。
計画通りに動けない自分に苛立ち、私はこの本を手に取った。自分らしく生きられてないなとか考えたこともあったけれど、著者が言うには「本当の自分なんてものはなく、そのときどきの自分がいるだけだ」ということ。つまり、自分の奥底に「本当の自分」が眠っているわけではなく、思い通りにいかない今の自分も「本当の自分」なのだということか。
最終的には「心か体かではない。その間にある。なんでも白か黒かつけてしまわない方がいい。もっと曖昧にグラデーションで物事を考えていこうよ」と着地している。
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”自分に疲れる” 原因とは何か。
生きづらさの原因が解れば少しでも生きやすくなるのか
著者が様々な視点から考えたり、自身の経験談を交えて文字化している。
解っているようでこうして文学化されることで、そうだよなと自覚出来る。
著者の体験談の部分では、真面目に書いてあることなのだが、どうしてか
クスリと笑ってしまった。本人にとっては一大事なのだが、どうしても思い通りにならない事はある。
皆やり過ごしながら生きづらい世の中を生きているのかなと感じた。
理由や原因探しも良いかもしれないけれど、もしかしたら他に大事な事があるかもしれないと思えた。