【感想・ネタバレ】花ざかりを待たずのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

夫婦と娘2人の4人家族。八十近い父親が病を得、みるみる弱っていく。その間の家族それぞれの葛藤、日々の生活を綴るある意味地味なストーリーなのに妙に心に沁みた。
身近な人の死は思いがけないものをもたらしたりする。長女の由希子は自分自身の道を見つけ、妻の慶子は「おまえが、一番だ」という夫の最後の言葉を糧に、きっと充実した人生を全うするだろう。悲しさの中に心温まる満足の読後感。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

共感できるシーンやセリフがたくさんあった
主人公と同じく区切りの言葉は言えなかった
死刑宣告と同じだったから

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2024年02月10日

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 乾ルカさんの作品で、湖永さんのレビューを読んで私も読みたいと思いました。湖永さん、ありがとうございます。泣けました…。

 ストーリーは、79歳の椎名利夫が末期がん(ステージⅣのすい臓がん)と診断、余命は1年との説明を受けたことから、妻として、娘として、どう関わるべきかを模索するもの…。妻の慶子は74歳、利夫とは当時は珍しい恋愛結婚、利夫と慶子の一番の心配は、長女で40歳の由希子のこと…40歳になっても結婚もせず、両親と同居し小説を書いていたこともあるが今はバイト生活…次女の真理子は結婚し家庭を築いているのに…というもの…。由希子が結婚してくれることが利夫と慶子の願いだったが…由希子は自身の結婚の話になると話をはぐらかしていた…。そんな利夫だが、刻一刻と病状が悪化し余命1年も過ごせない状況に陥り…逝くもの、遺されるもの…その後の人生…そんな重いテーマでした。

 序盤あまりにも、由希子に結婚、結婚と押し付けるかのような両親の態度に少し疑問を感じました。利夫は最期まで頑張ったなぁ…と、利夫のことをふたりの娘は「昭和脳」だと揶揄しますが、私は利夫のキャラ、好きですね♪辛くともいつでも、「大丈夫、心配するな」って…そして、会話の中にもユーモアもあってね!モスバーガーのシーンは本当によかったです。

 そして、私の父と重なる部分がありました…。父は利夫の年齢より早く逝きましたが、最初に告げられた余命とほぼ同じくらい生きました。最期はみているのが辛かったし、何を伝えたいのか汲み取ってあげられなかった…。がんはお別れが言えるとは言っても、父にはお別れちゃんとできなかったなぁ…とか、しみじみ思っちゃいました。

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2023年12月01日

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病室でモスバーガー食べるシーンは
もう、泣いちゃう。

昭和感全開の価値観のじいちゃん達だが
気持ちも分からんでもない。

長女由希子の心の動きが
リアリティがあり
希望の持てるラストでよかった。

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2023年11月16日

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ネタバレ

父のどうも身体の調子がよくないからと検査入院してから癌が発覚。
余命一年と言われたが、あまりにも進行が速い。

いつもちょっとした冗談を言っておちゃらけるところも変わらず、心配はさせまいとする父。
母もセカンドオピニオンを受けたらどうかと言うほどであったのだが、一気に腹水が溜まり入院。

結婚もせずに40歳まで両親と同居している長女の由希子は、相変わらずバイトだけの日々で小説を書いたこともかあったのだが…。
次女の真理子は両親から見れば優等生で、今は2人の子どもを持ち仕事もしている。

まだ一年あると思っていた父の病状の悪化。
それに伴い、母から結婚を願われる由希子。
川崎から勝手に恋人ヅラされて別れを言われる由希子。
友人の愛美から親の病気がショックなのは結婚せずにいまだに実家暮らししているからだと言われる由希子。
だが母には、自分の気持ちをしっかりと話した日から波立たせた感情が鎮まり、書きたい世界が広がったようであった。

しっかりと最後まで食べれば治ると信じている父と寄り添う母と姉妹。
最後は母に看取られ余命一年が36日という短さで亡くなった。
「……ありがとうな」
「おまえが、一番だ」
これほど泣けることばはない。

別れを前にした家族の在り方は、どういうふうにあれば良いのかわからないけれど家族がいる限り訪れることで、温かさを残したこの物語にはとても感動した。



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2023年05月26日

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最初の方は、乾さんらしくない内容でつまらないと思ったけど、最後の方の数十ページは大感動。乾さんの新境地に立った作品だった。ありきたりの状況をこんなにも上手く表現しており、流石ですね。

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2023年05月14日

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最後の由希子の人生の選択に凄く共感できました。
子どもが幸せに生きていることが親にとって一番ありがたいことなのだと、当たり前のことを再認識しました。

末期癌のお父さんが、ホスピスに転院もせずセカンドオピニオンも受けない、癌に対して攻めていかない生き方も、こういうことも普通にあることなのかもしれないと思わせるものでした。

すごいことが起こったり、素晴らしい人格の人がいたりする話しではないけれど、老親や年頃の子どもをもつ私としては等身大の家族の話として面白かったです。

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2023年09月27日

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余命一年と言われたのにあれよあれよと病状が進み…人生末期の親になにが出来るだろう。独身の娘は花嫁姿を見せるのが親孝行になるの?両親揃って娘に結婚を急かすシーンはあまりにもくどくてイライラさせられたけど、人生を終えようとしている父親に寄り添う娘や妻の姿がなんだか泣ける一冊でした。

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2023年09月11日

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ネタバレ

昨年、父を亡くした私には
リアルすぎて切なかった

最初の告知からの病気の進行が早すぎるし
痛み止めをなかなか出してくれない
奥村医師にイライラした
最期も病院におらんし

なのに、奥さんも娘さんも
冷静に対応していて
私はこんな風に冷静には
無理やったなと思った

由希子が結婚しないことに
たいしての母親や親戚の反応は
あるあるやなぁ
でもホント1番いいのは
本人が幸せと思うことだよね

最期まで我慢強いお父さん
いつもふざけてるとこも
頑張ってご飯食べるとこも
自分の父親と重なり
色々思い出した

変に御涙頂戴にしない
リアルなストーリー
良い本だった

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2023年08月02日

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80歳近い男性が突然体調不良からがん宣告後急変していく様を妻と娘2人の家族の視点で描かれている。描写がリアルで臨場感たっぷり。思わず一気読みした後、続けて2回目も読んだ。
闘病ストーリーではなく、本題は長女が結婚しないことを本人が、家族が、どう受け止めいくかにあったように思う。
自分は妻の立場で何度も頷きながら読んだ。

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2023年07月02日

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末期癌で突然の余命宣告を受けた父。
そこからあっという間に病状は悪化する。
そのスピードを自分に置きかえてみたら、ただただ怖かった。
家族は残された時間をできるだけ幸せなものにしようと頑張るのだけど、その「幸せ」って一体何なんだろうと考えさせられた。
父利夫のキャラクターが昭和の親父っぽい部分は困るけど、お茶目なところもあって憎めない。
読み終えて、なんだか自分の親に会いたくなってしまった。

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2023年05月30日

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ネタバレ

末期癌の宣告を受けた父親とその家族。

世の中の常識と、家族の幸せ。
この家族は、いいなあと思える。「常識」に振り回されるところはあるにしても、最終的に親が求めるのは娘が笑っていること。娘も「常識」の呪縛から逃れる。

娘に対して「常識」を押し付けてくる「親友」の言葉は、彼女自身が受けている呪縛を思わせる。
恋人気取りの男は言わずもがな。自分の考えが多数派で常識だと思える人はある意味幸せだ。それを他人に押し付けていいとは全く思わないが。

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2023年05月25日

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沢山の岐路があって一生が終わるのだと思いました。誰もが一番いいと思う選択をすると思いますが、渦中にいる時は悩みますね~
心の揺れが共有できましたが、チョッと一般的過ぎて面白味に欠けたかな。

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2023年10月31日

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79歳の椎名利夫は体調不良を訴え内科を受診した。本人は季節外れのインフルエンザを疑っていたが、処方された薬は効かなかった。再訪した利夫に、医師は消化器内科への紹介状を書く。検査入院の結果、ステージⅣの膵臓がんと診断された利夫の闘病生活とそれを支える家族の話かと思いきや、主人公は40歳になっても親元を離れない長女だった。
小説家としてデビューし3冊の本を上梓したが鳴かず飛ばずで、現在はアルバイトで生活している。しつこいほどに結婚を迫る周囲の声に辟易するが、彼女が結婚しない本当の理由が明かされ愕然となった。
ステージⅣの膵臓がんといえば、どうしても山本文緒さんを思い出してしまう。進行が早いうえ発見が難しく、数多いがんの中で最も死亡率が高い難病だ。

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2023年05月27日

Posted by ブクログ

父の病により 4人家族がそれぞれの生き方を考え 思い合う姿が良かったです 妻の切羽詰まった心情や 娘の 言葉にしてこなかった言葉 皆切ないですが救いはあります

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2023年05月07日

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