感情タグBEST3
Posted by ブクログ
さらっと読める小作品としては、悪くない。
序盤のスピード感のある出だしから、
主婦目線の戸惑い・不安・困惑。
誘拐だけじゃなくて、もう一つ別の要素と
組み合わせて、ハイブリッドさせたやり方は
なるほどと思わせる。
ただ、そこまでの深さと長さもないので
さらっと読んで楽しむ程度の作品止まり
という面もある。
Posted by ブクログ
車の目撃の場面、犯人の失敗などつじつま合わせの感はありましたが、物語の形式・謎の内容・解決ともおもしろかったです。やっぱりこの方面にはまると恐ろしい。
Posted by ブクログ
吉敷竹史シリーズ
巨人の投手・川口の息子誘拐事件。犯人に言われるまま身代金を持ち駆け回る吉敷。突如として取引の中止を宣言し息子を解放した犯人。自分の町を周る白いライトバンが気になった甲斐佳子。夫に相談するが関心を持たない。ある日夫が会社やめたと知らせて来た阿佐田と名乗る男。ライトバンを運転する夫・留広を目撃。誘拐事件と留広の関係を疑った吉敷と小谷の訪問。逃亡しようとしマンションから転落死した留広と死の原因を作った隣人の磯田憲子の自殺。野球賭博と事件の関係。
2007年3月23日初読
Posted by ブクログ
最初は良くある系かなぁと思ったんですがそんなこともなく。吉敷がトリックを解明するポイントが分からない。
"主婦"についてがとても良く書かれてると思う。
Posted by ブクログ
犯人が身代金受取を放棄するというのは新しく、"保険のための誘拐"というのも面白かった。
ただ、白いバンに関しては無理矢理つけ足した感が
否めず、あまり驚かなかった。
内容としては可もなく不可もなくといったところだが、それでもこれだけ読ませるのはやはり島田氏の圧倒的筆力によるものだろう。
また、著者は『北の夕鶴2/3の殺人』では情熱的な吉敷を描いているが、今回は吉敷はドライに感じられる。
本格ミステリーは、「人が描けてない」と言われることがあるが、おそらく、ある程度の筆力が伴った推理作家の場合、"描けない"のではなく、"描いていない"というだけだろうと感じた。
Posted by ブクログ
う~ん、野球賭博と白いライトバンの後ろが連絡場所と何か関係あるのではないかとは感づいていたのだが、なるほど、誘拐事件が保険として絡んでくるとは読めなかった。
『眩暈』、『アトポス』、そして『異邦の騎士』と、所謂島田流「本格ミステリ」が御伽噺めいた幻想性を前面に打ち出しているのに対し、この吉敷シリーズは市井の犯罪を描く贅肉を削ぎ落とした「本格推理小説」。
この軽さがタイミング的に合っていて一服の清涼剤になった。
Posted by ブクログ
島田さんの提示する謎は、いつもとても派手で魅力的である。しかし、それだけに「トンデモ解決にならないかな・・・?」と心配してしまう気持ちも毎回ある(^^;)。
今回の謎はあまり派手さはなかったものの、とても不可解で魅力的だった。綿密に練られた誘拐計画、しかし犯人は身代金を受け取らずに、あっさり誘拐した子供を解放してしまったのだ。
解決にはなるほどね、と思ったものの、問題→解決までの調子があまりにあっさりしていたので、もったいない、と感じた。これだけの謎と解決を考えたにしては、なんだか中途半端だなと思ったのである。もうちょっと膨らませるか、あるいはぎゅっと濃縮して、キレのいい短編にした方がよかったのでは。
やっつけ仕事で書いた作品だったのかもしれないな、とも思った。クオリティはなかなか高い一品だけに、ちょっと残念である。