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すごく良かった。「嫌われた監督」を書いた鈴木忠平さんが、エスコンフィールドが出来上がるまでの舞台裏を書いた本。自分の知らない世界を体感できる良書。
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200万人都市の札幌に対し、対立候補の北広島市の人口はわずか5万人。ファイターズ職員としてプロジェクトを推進した前澤氏と三谷氏は言うに及ばず、人口5万人の小規模自治体にプロ野球を誘致するなどという常人には想像すら難しい離れ技をやってのけた北広島市職員の熱意に心を動かされる。北広島市側の担当者である川村氏がかつて白球を追いかけていた甲子園球児だったというのも何の因縁かと思った。
2010年に前澤氏と三谷氏の間でボールパークの構想自体はあったがその当時の球団幹部へのプレゼンはYESもNOもなくあっさりスルーされた、というのは現実味があって世の中のサラリーマンが共感できるポイントになっていると思う。そのときはダメでも、後々に環境や人など前提条件が変わることで急転直下物事が前に進んでいくこともあり、後から振り返れば総スカンを喰らった当時のプレゼンも無意味ではなかった、というのはある種の希望になり得る。そこから学べる教訓は、実現できるかどうかよりもまずは変化への意思表示をすることが大切で、すぐに思い通りに事が運ばなくても、何かしら行動を起こす事で誰かの目に止まったり、共感してくれる仲間ができたりするのだということだ。
今回のプロジェクトが実現したのは運が良かったというよりも運を引き寄せた結果なんだと感じた。
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誰もがまだ見ぬボールパークを創ろうとする男たちの物語。ビジネスノンフィクションだが、けっこうハラハラ・ドキドキする。映画にしても面白いかもしれない。
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日本ハムファイターズの新球場・エスコンフィールドができるまでの軌跡を描いた力作。
ファイターズは北海道移転後は札幌ドームを本拠地としてきましたが、設備面での改修要望などにドーム側が応えてきませんでした。それでファイターズは新球場を新設してそこを本拠地とすべく動き出します。
本書はファイターズ事業統括本部長、前沢賢を中心に最終本拠地となる北広島市、さらに札幌市との交渉過程も克明に描かれています。マスコミ報道等では伺いしれなかった情報がわかりとても面白かったです。
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2023年春に日本ハムファイターズの新球場としてオープンした「ES CON FIELD HOKKAIDO」が出来上がるまでの経緯が書かれている。当時は新聞報道で目にするくらいで、札幌ドームはそのグラウンド特性から野球選手には良くないから出ていく、北広島は街の名前は聞いたことがあるくらいで、そんなところに良くスタジアムを作ろうと思ったな、新千歳と札幌の間にあるなら、それほど不便ではないのかな、くらいの認識でした。
ただ読み進めてみると、球団の中の人は随分と前からボールパーク構想を持っていたこと、一度球団を離れた人が戻って来てから話が前に進んできたこと、札幌市の中の人も頑張っていたこと(外から見ていると、公務員の殿様商売で折り合いを付けないから出て行かれたように見えていたので)などがよく分かった。
それよりも何よりも、こんなに規模の大きな開発なのに、その推進力となっているのが、机上の収支(それはもちろん計算されてプロジェクトを支えているけど)てはなく、そこに関わる人たちの情熱であることに大きな感銘を受けた。
何かにつまづいた時、悩んだ時、またこの本を読み返したいと思う一冊です。
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興味深い内容でした。
我が街でもJ2に登って来たサッカーチームのスタジアム建設を検討中。
北海道にならってスタジアムを起点とした人々の交流を図る新しい街づくりという夢のあるプランと
既存の公営競技場を改修するという現実的なプラン。
今作と同様に様々な人間模様、ドラマがあることでしょう。
国内では長崎や金沢でサッカー専用スタジアムが完成、MLBではラスベガスに新球場建設計画、当事者は苦労も多いでしょうが、端から見てる分にはワクワクします。
鈴木忠平さんの次作にも大きく期待!
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街の中にあった球場がほんの少し移るだけでも、なかなか大変だった。何もないところに、新たな夢を築いたチームに感服。
では、そろそろチームをさらに強くすることを期待。
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さすが鈴木忠平。単なる球場建設の話(いろいろモメてはいましたが)を、ストーリー構成、人物描写を巧みに描くことで、感動作に仕上がってました。札幌市の高飛車な態度が北広島移転の原因なんでしょうけど、そこはあえて掘り下げず、札幌市もいろんな問題があって北広島に負けてしまったのはしょうがない、とオブラートに包んで上手に描いたのが、この本を下世話な作品にしなかった勝因かと考える。
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情熱を注いで夢を実現させた男たちの物語。
それぞれの立場奈良ではの想いや葛藤が入り乱れる中、最後までブレない信念を貫き通したことで大きな仕事を成し遂げた。
過去形で終わる文章が続く文体でも野暮ったさがないのは、一文が短くてリズミカルだから。
スタジアムを作るということの意義、意味に触れることができる読み応え抜群のノンフィクション。
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鈴木忠平氏の本ノンフィクションはどれも最高である。
リアルに現場というか様子が想像できるというか、様々な立場の登場人物の心情までわかってくる。
だからこそ思いや熱意が伝わって、なぜか毎作品泣いてしまう…
フィールドオブドリームスを見ようと思ったし、エスコンにも行きたくなる。そして前澤さんのように、熱意を持って、声がかけられるような人になりたい…
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嫌われた監督も好著でしたが、この作品も素晴らしかった。新球場の招致に成功した北広島市と失敗した札幌市の両自治体の苦悩を臨場感たっぷりに描き出していました。もちろん、球団と親会社とのやり取りも。さらっとした1行に綿密な取材の跡がうかがえます。ファイターズファンのみならず、野球ファンにオススメの1冊です
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北広島にボールパークをつくった男達の現実の物語。球場をつくり大都市からプロ野球球団を移転させるために官と民のせめぎ合いを制した仕事には尊敬させられる。この本を読んだ多くの人が感銘を受けたであろう「どこで何をやるのかよりも、誰とやるのか?そのほうが大事だな」と言っているように、本人に人を巻き込む熱意とその人間的魅力に溢れているからこそこれが大事なのだと感じているであろうし、「出来ないことに出来ない理由を整理するのではなく、あらゆる可能性を追求し、その方向性を見出す。」という言葉を自分に引き寄せたときに、それができているか自問させられた。
このくらいの熱量を持って仕事をせねばと教えられた。
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タイトルは「ボールパークを創った男たち」だけど、創れなかった男たちの話も濃い。官と民。民といっても一企業でなく超一流エンタメ組織。理想と現実の狭間の役人たちの苦労や決意が秀逸。
そうだよな、何かを産み出すのはきっと、一人の情熱や気持ちや、行動力。無謀に思えても突き進む信念。その先に、北広島市、札幌市の両実務者が、「たとえ破れても」と言える心持ちになっていたことが印象的だった。
普段は野球をそんなに観ていなくて、日ハムがなぜ札幌ドームを出たのかも分かってなかったけど、この人間ドラマは泣ける。みんなすごい。
俺も前向きに。
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日本ハムファイターズが本拠地を移転するまでの壮大なドラマ。野球より球団経営サイドと札幌市、北広島市の職員に焦点をあてた傑作。
エスコンフィールドに至るまでの日ハム球団、親会社や札幌ドーム運営の札幌市を含めた壮大なドラマ。
筆者の今までの著作と同様に感じられる下積みの人々への共感が素晴らしい一冊でした。
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これは自分が日ハムファンで道民という当事者意識を除いても断然面白い。
新ボールパークへの夢あふれる話!というより、むしろ官と民、夢見る者と守りたい者、理想と現実が衝突する重苦しいエピソードが続く。
でもそのせめぎ合いを丁寧な取材でつぶさに描き出しているのが読みどころ。
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札幌ドームからエスコンフィールド建設地決定までのノンフィクション。移転決定→建設地決定までのプロセスがしっかり取材されていて1つの小説読んでるみたいで面白かった!
本書の後書きにも書いてあったけど、各組織・個人がそれぞれの正義を持ってプロジェクト進めた結果であって、一概に札幌市が悪かったっていう印象は薄れたかな。ただ大都市であるが故の意思決定の難しさとかはめっちゃ感じた。北広島の話よりかは札幌の話が面白かった。ってかよく札幌側の取材がここまでできたなって思う。
他のノンフィクションタイプのビジネス書読んでいつも思うけど、こんな熱い思い持って仕事したいなぁってめっちゃ思うわ。
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2023年のプロ野球開幕に合わせてオープンした日本ハムファイターズの新球場エスコンフィールド。新球場建設という巨大プロジェクトの、球場建設地選定にスポットを当てたノンフィクションです。
札幌ドームを本拠地としていたファイターズが、なぜ札幌ドームを出て新球場建設を求めたのか。その発端となる背景や、動き出した新球場建設計画の中で候補地選定の段階において、実際に選定された北広島市と、札幌ドームが位置する札幌市との交渉の推移まで、詳細に描かれています。
「なぜ札幌ドームを出るのか」、「人口数万人の地方自治体(北広島市)になぜ新球場が必要なのか」等々新球場建設プロジェクトは「既存の枠組みの否定」の連続です。その一つ一つに向き合って議論を重ねるプロセスが丁寧な取材で明らかにされています。
描かれているのはファイターズの球団職員の方々や、北広島市、札幌市の市職員の方々。普段はプロ野球球団の運営の裏方や行政の裏方を支える人たちです。一人一人の現在の職場にたどり着くまでの経緯やエピソードを丁寧に描くことで、一社員、一公務員である彼らがなぜここまで熱く、真摯に向き合って交渉を重ね続けたのかが伝わって来ます。
本書最終章で候補地選定の結論が出される日本ハム臨時取締役会の様子は、それまでの様々な経緯を本書を通じて疑似体験してきた読者にも、緊張感がひしひしと伝わって来ます。
札幌市vs北広島市、札幌ドーム残留派vs新球場建設派、といったステレオタイプな対決構造ではなく、本書あとがきに「球団にも大都市にも地方都市にも、善と悪、勝者と敗者の分かりやすい境界線は見当たらなかった。それぞれに行動原理があり、正義があった」と記されているように、どの立場の人も公平に描かれているのが読み終えて感じる清々しさの源であるような気がしました。
落合博満氏を描いた「嫌われた監督」、清原和博氏を描いた「虚空の人」など著者の鈴木氏の本で期待を裏切られたことは一度もなかった中、アスリートではなく新球場建設に携わった裏方さん達を描く本書も期待を裏切らない素晴らしいノンフィクションでした。
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2024年 22冊目
北海道に新たなボールパークを作るにあたっての様々な人間模様が描かれた本作品。球団側だけでなく行政の考えや思いも細かく取材されており、読み応えがあった。撤退された札幌ドーム側が今度は気になる。
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当時の報道や経緯はあまり知らず最終決定の事実くらいしか知らなかったけど、これだけの巨大プロジェクト、関係者との調整や根回しの労力は想像を絶する。何をやるかじゃなく誰とやるかという件は共感。
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In the biginning,no one believed the project had a chance.
最初は誰も、できると思っていなかった。
あなたの心にフロンティアはありますか?
印象に残った言葉である。
登場人物の心の中がよくわかるし、頭の中で映像が浮かぶので、
映画やドラマになりやすいのではないかと思った。
この先きっと、北海道が注目される。
大谷やダルビッシュが大リーグ選手と共に北海道の球場で試合をしてくれたらと思うとワクワクした。
エスコンフィールド球場に行こうと思った。
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総工費600億。親会社の利益は400億。巨大都市を離れ小さな周辺市へ。無謀な挑戦。突き動かしたものは何か…移転発表後に知れ渡った旧本拠地側の傲慢。しかし、本書ではそこには一切触れていない。「インフラ整備の後は、ゆとりを享受できる都市へ」。奇しくも去られた側の市長の言葉が響く。竣工して1年。まだ、成功と言うには早いが、男たちの抱いた浪漫が現実となったことは確かだ。ボールパーク。未踏の地に踏み込んだ。既にそこを体験した人は何人もいる。前例は誰かがやらねば作られない。大志を抱けば道は拓ける。勇気をもらった。
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スポーツ物のノンフィクションを書かせたら著者に敵う人を私は知りません。
今回もかなりの大作でした。
ノンフィクションという特性上、大どんでん返しや痛快な言い回しなどがあるわけではないのですが、登場人物がとても丁寧に描かれています。
誘致に負けた結果となった巨大都市札幌のことも悪く描かず、損する人を作らないこともノンフィクションを描く人にとっては大切なことなのでしょう。
この本を読んだ札幌市の人も悪い気がしないはずです。
勉強になります。
物語の描き方や話の天丼表現がとても巧みです。
万が一自分が文章を書くことがあれば、鈴木忠平さんの本を読み返すことは間違いないと思います。
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感動でしかない!
今月末にエスコンフィールド北海道へ行くので、予習がてらに読みました。
様々な人が様々な想いを詰まった球場。
早く、行きたいと思ったのと他の球場のできるまでのストーリーも読みたいと思った。
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ファイターズのエスコンフィールド北海道をつくった男達のノンフィクション。この本を手に取るまでに3回エスコンに行ったが、今までにない開放感、音響、フィールドと観客席との近さ、見晴らしなど、「世界一のボールパーク」を謳うだけある最高の球場だ。そんなエスコンに興味を引かれ、どんな方々が作ったのかが知りたくなって、読んでみた。日ハム側だけでなく、北広島市役所、札幌市役所、スポーツ新聞記者、日ハム本社の取締役会など、いろんな方々がかかわりあって、やっとの思い出完成にこぎ着けたことがわかり、非常に興味深かった。ファイターズファンはもとより、野球やスポーツが好きな方、大規模プロジェクトにかかわっている方などは面白く読めると思う。個人的には★5だが、このジャンルに興味がない方にはおすすめしづらい為、★4つとした。
良かった
日ハムの移転理由や、北広島の選定理由、地元のしがらみ、もちろん日ハム本社でのネゴシエーションそして自治体との折衝、色々知りたいことが知れた内容でした。
ありがとうございます。
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この規模のプロジェクトなのに思いのほか、スピーディー。それが小回りの効く小さな自治体の利点になったか。様々な角度から人に焦点を当てて進めていくストーリー。特に札幌市長の悩みがリアルに感じました。
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面白かった
感じたことを思いついたまま書く
前沢さんとは絶対、友だちになりたくないな
場を凍らせるエピソードをみると
まったく空気読まなそう
「野球好きなやつ
絶対、フィールド・オブ・ドリームス大好き説」
は立証された感あるな
九章の運命の日は、
結果はわかってても少しドキドキする
札幌市の担当とも同士という絆があったんだな
とそこだけは、ちょっと意外だった
ボールパーク
エスコンフィールド
には、ぜひ成功してもらいたい
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「嫌われた監督」著者によるルポタージュ。
相当な取材をされた力作です。
出来たばかりのエスコンフィールドで
ここまで内情を描くとは脱帽です。
日ハムが札幌市から出て行ったしまったことは
いかなる理由があれど、個人的には札幌市長の最大の
失政だと思ってますが、先日選挙で再選されました。
それが日ハムに対する札幌市民の冷めた部分が体現されたと
思っております。
※アンビシャスというタイトルはボーイズビーアンビシャスから来ているのですが、札幌のプロバレーボールチムー名が「アンビシャス」なので、混同する方もいるかも、です。
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プロ野球 日ハムの本拠地エスコンフィールドが出来るまでの物語
つい最近の実話なので特に悪役はおらず、関係者への利害調整が大変だった事が良くわかる話
藻岩山から見ると
札幌ドームとエスコンフィールドが十数キロしか離れていないことが分かる