【感想・ネタバレ】小川さゆり、宗教2世のレビュー

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Posted by ブクログ

非常にナイーブで書きづらい内容を、
ご自身の体験を元にしっかり書かれています。
ニュースだけでは分からない部分を知ることで、
改めてしっかりと自分の考えを持つことができると思います。
支え続けた旦那さんと、小川さんの最後のまとめが本当に素晴らしかったです。

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2023年05月21日

Posted by ブクログ

まず辛い過去と向き合い、文字に起こした著者である小川さんのご苦労を労いつつ感謝の気持ちを伝えたく思いました。

ご自身の半世を紐解くにあたり、宗教の暗部だけでなく、明るく幸せだった部分も明るみにし発信することは、正義の矛先や発信する意義を問いただす作業でもあり様々な葛藤があったと察します。

また、教会内部には良い人も沢山いて、信仰により幸せな人達がいたという事実。これらは世論が統一教会潰しに振り切っている中でメディアが触れない不都合な事実でもあると思いますが、小川さんは実直にその事実も述懐されています。

教会の全てを否定することはせず、良い思いをしたことも踏まえ、それでも教会と対立する姿勢を決意した小川さん。この境地に達するまでどれだけの思考の反芻があったのか、心中察するに余り有ります。

なにより、本書の終盤に「自分の(被害者救済の)活動はたくさんの人(信仰者)の人生を巻き込んでしまっている」「恨むより、許したい」とありますが、これらの言葉こそが、被害者救済を多面的に見続けてきた小川さんの思考の跡を端的に表現している気がします。

私は無宗教家で、親からネグレクトを受けたこともありません。ですから、統一教会絡みのニュースに触れるたび、被害者の気持ちを知り支援はできても、その辛さを完全には想像・共感できないことを心苦しく感じていました。本書はそんな私の想像を補完してくれる書籍だと思いますが、それでもまだ、小川さんはじめ橋田さんのような被害者の苦しみを完全に理解出来ているとは言い難いと思います。

私に出来ることは被害者や当事者の気持ちに到達せずとも知る努力を続けることだと改めて感じました。

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2023年03月18日

Posted by ブクログ

子供の幸せは親次第なんだなと考えさせられる。
こんな過酷な幼少青年期を過ごしても不貞腐れず、今魂を燃やして生きている姿にただただ尊敬。
エッセイは自分の狭まった視野を広げてくれるから好き。

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2024年01月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2023/08/12 予約 6
荻上チキのラジオ番組で取りあげられているのを聞き、読んだ。
最初から驚いた。
記者会見に入ってきたFAX。
「精神の疾患で嘘をつくので会見を中止せよ」
しかも、両親の署名入り。
彼女にとって酷なことだったが、結果的にこれも親から離れる大きなきっかけになっている。自分の稼ぎを当てにされるより、どんなに堪えただろう。

祝福2世(信者同士が合同結婚式などで結ばれて生まれた子ども)と呼ばれた宗教2世である著者の生の生活。
当たり前だと思っていた自分の家は、よそと違うことを意識してから、いじめを受け、居場所が教会だけになっていった。両親が教会内でエリートであり、教会での顔と自宅での違いが大きすぎて、信仰が揺らいでいく。さらに厳禁である恋愛でも、教会内でのセクハラを受け、その相談への対処方法にも疑問を持つ。

マスクをしても顔出しはよく決心したと思う。
やはり個人情報などをさらされ、誹謗中傷で体調悪化。それでも発信し続けることを尊敬する。

最後の
恨むのではなく許したい
とのメッセージ、そんなにいい子にならなくていいのに、と感じた。

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2023年10月24日

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小川さゆりに顕示欲を感じ取り、マスクから覗く美しすぎる二世教徒というアイコンを自他に利用している印象を持った私は間違いなく堕落世界の人間だろう。本人に欲はなく、苦しんだ日々を世間に向けて語りながら、同じ苦しみを救いたいという純粋な心の発露のはず。ただ、言葉は心をマスクのように隠すから、見えているものだけで判断する訳にはいかなかった。本を読んで良かった。本人が語る悲惨さには脚色がなくて、真実に近いと思えたからだ。

ー すごくいい先生たちだね。堕落世界にも良い人たちはいるからね。そういう先生たちに本当は神様のことを教えてあげないといけないんだよね

何故、押しつけるのだろうか。一人で静かに金とは無縁に信仰する事ができず、故に自己増殖を必要とするなら、富豪に操られている資本主義と変わらないシステムじゃないか。常に成長が必要。そのために疲弊し、悩む。全く、馬鹿げている。

信仰にお金が必要だという時点で、それは全て偽物だと思っている。戒名みたいな、信仰者数の多さから正当化されたっぽいものもあるが、平静な精神状態なら誰しも分かる事。問題は、人間が弱く、誰かに支えて欲しい時、そこに寄り添う集団組織は、社会通念からズレた存在である可能性が高いという事。企業は弱者を切り捨て、地域住民との関係は希薄な場合が多いから。そうして集団のズレた価値観が、弱者を飲み込んでいく。

どうやら、どのサピエンスの組織、イデオロギーにおいても、弱者が搾取されるようだ。弱者とは、政治や肉体や頭脳よりも、精神の弱者の事。イデオロギーにも信仰にも、騙されないように自衛しなければならない。

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2023年08月06日

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現代社会の問題、社会課題として知っておきたいと読んだ。無宗教者は知らない世界の内側、親子の葛藤、さゆりさんが感じられた様々な違和感を知ることができた。思い切って行動された著者に感謝。

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2023年06月24日

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安倍元首相銃撃事件から1年経ってないのに、ニュースの記憶が自分の中で風化してきている。気付けば何ひとつ変わることない選挙前のメディア。TVで見るたび凛とした姿から勇気をもらった小川さゆりさんの本から、その真摯な言葉で、自分の心を正す。

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2023年03月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

⚫︎受け取ったメッセージ
子どもは、親を選べない。
宗教2世に生まれた苦しみ、脱会から現在の心境

⚫︎あらすじ(本概要より転載)
旧統一教会の「教会長の娘」として生まれ、絶望の末に脱会した彼女は、なぜ両親から止められ、教会から妨害されても屈せず、「涙の告発」を決意するに至ったのか?「被害者救済法案」成立の立役者となり、「宗教2世」のシンボルになった小川さゆりさんの覚悟の手記、緊急刊行!

〈家族の生活の中心だった統一教会を私はどうして信じるようになり、そしてなぜ脱会しようと思ったのか。与えられた家族の価値観からどのように脱し、新たな家族を築く道を選んだのか。
 この本のなかでこれから書いていくのは、私がなぜ、自分の顔を出して2世問題に取り組むに至ったかの半生です。〉(「はじめに」より)

貧困、いじめ、セクハラ、精神疾患、脱会、結婚、出産、そして告発――
「2世家族」で育った彼女が、壮絶な半生を綴る。



【編集担当者からのおすすめ情報】

教会から妨害を受けても、両親から会見の中止を迫られても、自らの顔を出し、「宗教2世」の苦悩を発信し続けてきたのが小川さゆりさんです。
小川さんは0歳の子どもを育てるひとりの母親でありながら、「この苦しみはここで終わらせないといけない」と懸命に誠実に原稿を作り続け、この本を完成させました。
ここに書かれているのは、画一的な「宗教に染まった異様な家族風景」だけではありません。自分の中心だった教会と両親の価値観から離れ、新たな生き方を自分で選択した彼女の生き方は、「人生の自己決定」という全ての人に共通したテーマを含んでいます。
老若男女、全ての人に読んでほしい一冊です。


⚫︎感想
幼い時からの洗脳から脱会まで小川さんの半生が環境、心情共に語られる。このように、手記を出すことはかなりの覚悟が必要だったと思う。この本が、苦しむ宗教2世に届いてほしい。

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2023年11月21日

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旧統一協会の2世信者であった著者の、教会に家族ごと依存していた日々、教会や家族の在り方に疑問を持ち脱会、そして「小川さゆり」名義で情報を発信して現在の日本のカルト宗教を規制する方法を模索しながら2世の人権を訴える内容だった。
教会に依存するがために他のコミュニティから排斥されさらに教会に依存する、そしてじわじわと彼女を蝕んでいく苦しみの日々が赤裸々に描かれていた。
無条件に愛し愛されること。その大切さを実感していく。
過剰な依存は宗教に限らず、他のものにも当てはまるが、カルトに関してそこから抜け出す難しさや、孤独になることの弊害なども伝わってきた。
彼女が今度こそ幸せな家庭を築いていくことを願う。

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2023年10月30日

Posted by ブクログ

「精神の疾患で嘘をつくので会見を中止せよ」。記者会見。2世の元信者の告発。突如入ったFAX。真実を隠したいのか?逆に信憑性が増す。…本書は決して読みやすい文体ではない。プロが書いたものではない。それ故に伝わる”生の声”。生まれて育った家の習慣。当たり前のこととして受け入れる。自分達だけが知っているという選民意識。貧しくても苦しくても、特別な存在と意識づけられる。学校では疎外され、教会活動では受け入れられ、仕込まれる連帯感。…信仰の自由。親の自由でも子どもには選択余地がない。”宗教2世”を救う法整備は急務。

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2023年08月26日

Posted by ブクログ

統一教会の二世信者としてメディアに出演している小川さゆり氏の手記。小川氏は恐らく私と同年代だ。そして、詳細は伏せるが私も宗教二世だ。だからこそ、小川氏が経験してきたことはかなり共感できた。統一教会がどのような団体なのかを知るには良い資料だと思う。以前宗教二世をテーマにした漫画を読んだことがあるけれども、そこで紹介されていた例ともかけ離れておらず、信ぴょう性は高いと感じた。ただ、家庭によって細かな違いはあるようだ。
私が一点気になったのは、小川氏が一人暮らしをした後に、また実家で生活をしていたりパートナーを両親に紹介するため家に呼んでいたところだった。もちろん個々の事情があるとは思うが、そこの経緯がかなり省かれていてモヤモヤしてしまった。小川氏を取り巻く環境はかなり複雑で、自分の全てを明らかにすることはとても勇気がいることだと思う。一読者として酷なことを承知で意見するならば、宗教など関係なくもっと自分自身をさらけだしてもらいたかった。まだまだ語っていないことはたくさんあると思う。もしもまた機会があれば、この本で書いていないことも知りたい。

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2023年08月01日

Posted by ブクログ

辛い過去についてご自分で整理されて書かれてありました。自分も勉強になりました。ただ、この本以外にも問題の構造に迫っている本も読んで、俯瞰してみたいなと考えます。

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2023年05月29日

Posted by ブクログ

渦中の人、小川さゆり氏の半自伝的作品。
まず、匿名による批判や行き過ぎた誹謗中傷が蔓延する現代において、顔を出したうえで、自分自身をここまで出し切った小川氏、そしてそれを支える配偶者のその覚悟は、誰もが真似できるものではないと考える。

10年以上前の大学入学時、「統一教会の勧誘にはご注意」というビラをもらったことを薄ぼんやりと覚えている程度の私にとって、この団体が抱える問題の深刻さに気付かされた。

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2023年04月22日

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