感情タグBEST3
美丘を読んで
この物語は原作もドラマもありますが、原作の方が圧倒的に読み応えもあり、深さもあります。私の中ではおそらく一番感動できる恋愛小説です。
たった1人の人と出会ったことで大きく太一の人生は変わり、恋愛観、人としとも大きく成長する過程はとても見どころです。また美丘の生き方は誰もがしたいけど出来ない、美丘だからこそできる生き方で心の中で燃えている灯火がひしひしと伝わってきます。
ただ自分の将来のために学ぶ場ではない大学という一つの社会。人間関係の葛藤も一つの見どころと言えるでしょう。
何回も読み繰り返しても飽きない石田衣良さんのこの小説はイチオシです。
Posted by ブクログ
自分の生き方を考えさせられる物語だった。人生はいつまで続くかわからない。だからこそ、自分の好きなことを好きなだけしながら生きていくべき。このことは頭で分かっていても、本心から理解することは難しいと思う。でも、それは紛れもない事実で、死ぬ直前に痛感するのだと思う。いつ終わるかわからない、頭に入れて過ごしていきたいと思う
Posted by ブクログ
美しい言の葉で流れる四季、世界を表現した物語。
美丘の人生は短かったが、人はそれぞれの季節を生き、人生を終える。できれば、燃焼し尽くして、生を全うしたい。
Posted by ブクログ
読む前は美丘を可愛らしい女の子と思っていたが、実際は行動力や積極性のある力強い女性であった。太一と美丘はやたらと欲望に飲まれることが多く、ラストにどのような感動があるのかと不思議に思っていたが、美丘が病気を告白した後から物語のスピード感が増し、病状も悪化していった。脳がスポンジのようになるという病気で次第に体の自由がきかなくなる美丘は今までの快活さもなく、物語前半の美丘と別人みたいだった。太一が美丘の約束から逃げていた最中、美丘の家族集まっての病院で美丘が「やー、やー、やー」「やー、くー、くー、そー」と言った場面は一番苦しかった。クリスマスに太一が美丘の約束を果たす場面では、2人の愛が苦しいほど伝わってきた。
Posted by ブクログ
何か新しい作品を読んでみようと軽い気持ちで手に取った一冊でしたが、いい意味で期待を裏切られました。自分は今まで書籍を読んで涙を流すことは無かったのですが人目を憚らず泣いてしまいました。主人公の恋や揺れる心など設定はありふれたものかもしれませんが、性描写や人の汚い部分まで描かれていて共感できる部分が多い点が他の作品とは違う部分かもしれません。
ほっておけない子
美丘が一番ということではない。
でも、ほっておけない。
もっとましな子がいるのに、
ほっておけないから
美丘を選んでしまう気持ちもわかる。
欠けたところがあるから惹かれるのかもしれないし。
とんでもないことをするのはそれで魅力だ。
極端な状況は続かないし、
彼女も崖っぷちにいるが、
悲愴というよりとても強い。
強いのも魅力だ。
バランスが崩れた状態で
人が普通はしないことをやってしまう
ぞくぞくする感じ。
意外にと言っては何だが
情があるし。
単に性的にリミッターが
外れているだけじゃない。
だから、
存在がなくなっても
やわらかい体の感触と、
強いだけじゃなくて優しい心も
あかあかと蘇える。
Posted by ブクログ
不治の病の美丘と、少し優柔不断だが芯のとおった太一が描く濃密な恋愛。将来の大きな不安の中、今という時間を全力で生き、立ち向かっていく姿に心を打たれて号泣(´;ω;`)
美丘と太一という魅力的な二人の行動によって、命や健康や若さや時間など色々な大切さをあらためて感じた。
Posted by ブクログ
自由奔放な女の子、美丘。彼女はクロイツフェルト・ヤコブ病に罹患しており、太一と同棲後に発症してしまう。恐ろしいスピードで進行する病状。やがて最後の時を迎える。ラストは号泣かと思ったが意外にそうでもなかった。でも、いい話でした。
Posted by ブクログ
岸見一郎の『人生は苦である、でも死んではいけない』で紹介されていた文章が素敵だったので、手に取りました。
心に響くセンテンスやフレーズがいっぱい‼︎
病と死を扱っているのに、熱い涙と共に、心のピュアな部分が加速的に広がり、読後、幸せなエネルギーが満ちてくるなんて・・・嬉しい誤算でした。
Posted by ブクログ
美しい丘と書いてミオカ。
タイトルは綺麗な曲線美を彷彿させるけれども物語は断崖絶壁。
標高が高く険しい環境を猛スピードで下っていく。
いきることの尊さを噛みしめさせられる。
電子書籍で読むべし
今連続して2回目を読んでいる途中で思ったこと、物語の始まりはエピローグだった。2回は読むことをお薦めしたい。
それと電子書籍で読む方が良い。
本だと終わりに近づくと残りページでもう終わってしまう事がページをめくっている間に分かってしまう。
デジタルであれば残りのページが分からないようもできる
突然の最後の1ページに号泣してしまった。
死期は分かっていてもだ。
石田衣良氏の構成と表現力に感謝。
Posted by ブクログ
石田衣良さんの作品は、数年前に「約束」を読んでちょっと苦手かも…と敬遠していました。でも、レビューが良かったからと読んでみて正解。印象としては、約束よりもクセがない、くどくないという感じ?(過去の記憶なので違ったらすみません)ですっと入ってきた。美丘の強さ、主人公の想いのまっすぐさに後半ずっと泣かされました。
Posted by ブクログ
涙でぐしゃぐしゃになった。明日は確実に目が腫れる。
美丘の精一杯生きる姿とそれを支える太一に本当に勇気をもらえる。もっと精一杯生きていきたいと思った。
2人のドラマチックな生活に溢れる一つひとつの振る舞いが、優しくて温かくて、自分とも重ね合わせて、心がじんわりとした。
Posted by ブクログ
一つの作品として楽しむには
めちゃくちゃ良かったけど、
最近フェミニズムや男女差についての知識を
得る中で、やはり物語の中で輝きながらも死んでしまうのは、若い女の子が多いなぁ、と。
単純に感動出来ずに、感情がぐちゃぐちゃになったけど、それも含めて読んでよかったと思える作品でした。
Posted by ブクログ
人物描写がとても魅力的な本だった。美丘以外は主人公も含め凡庸で、特に直美なんて空気レベルで数合わせのようで可哀想だが、美丘は確かにいきいきとしており頁を進めるごとに彼女に惹かれていく太一に共感できる。
あらすじは、美丘に太一が惹かれていき交際を始めるも、彼女は不治の病に侵されているというありきたりなもの。しかし、ありきたりな設定でこそ著者の力量が試されるもの。結末は予想できても涙が溢れた。戸田恵梨香が出てた若年性アルツハイマーのドラマを観ていた時も感じたが、どんどん自分が自分でなくなっていく恐怖は計り知れない。ちゃんと約束を果たした太一の深い愛情に胸を打たれた。
Posted by ブクログ
主人公のぼくは大学2年生の橋本太一、ある日峰岸美丘という自由奔放な女性に出逢う。太一は麻理という誰が見ても素敵だと思うであろう女性とつきあってみて、はじめて美丘へ抱く恋心に気づく…。太一は麻理に別れを告げ美丘と結ばれるが、子供のころ交通事故で移植手術を受けたことにより、クロイツフェルト・ヤコブ病を発症する可能性がある…もし発症した場合は脳がスポンジのようになり歩行障害からはじまり記憶障害、日常生活が送れなくなり、最期には食事もとれず息もすることもできなくなるという…。どうあろうとも2人でこれからも過ごしていこうと決意したが、不幸にも美丘が発症してしまう…。
「…生きていることは奇跡で永遠に続くものではない。…命には終わりがあるって頭ではわかっている。でも心と身体の底から限界を感じているのはわたしだけ。…この世界ってきれいだね。」この美丘の言葉…美丘だからこその感じ方なんでしょうね!
美丘を支える太一が健気で献身的…美丘も当たり前なんだけれど発症前と発症後では全く違う印象が異なる…ラストが切なすぎて、心が震えました(泣けはしなかったけど)…。
Posted by ブクログ
ドラマを見ないで小説を読みました。
途中から感動系だと分かって、泣かないようにしてたけど、最後は泣いてしまった。
愛する人が亡くなるのは辛い。
途中の喧嘩でサラリーマンをボコボコにした復讐で殺されるのかな?と思ったら普通に病気か。
愛情なんて、別にむずかしいことではまったくない。
相手の最期まで、ただいっしょにいればそれでいい。それだけで、愛の最高の境地に達しているのだ。
いい言葉だなぁ。
全ての愛する人がいる人に読んでほしい。
Posted by ブクログ
「ぼくは学んだのだ。誰かを選ぶことは、誰かを傷つけることでもある。その勇気は持ち続けなければいけないし、悪や痛みは引き受けなければならない。考えてみれば、僕は生まれて初めて恋愛をしていた。自分を守りながら、誰かをほんのすこしだけ好きになる。そんな逃げ腰ではなく、恋愛の生むあらゆるプラスとマイナスを、自分の身体で受けとめていくこと。」
「死神でも、天使でもいいけど、そいつがきたら、みんなおしまい。永遠に生きられると思ってるやつは、夢でも見てるんだ。わたしはひとりきり、真夜中でも目覚めてる。」
「光り輝くときは、いつもそうと気づかぬうちにすぎてしまう。ただ普通に暮らしていただけなのに、振り返るとまっすぐに見つめられないほどまぶしい日々がある。きっと誰でもそんな宝石のような時間を持っているのだろう。思い出の戸口に立つだけで、自然に口元に笑みが浮かび、目はこの世界ではなく、やわらかに過去の光に吸い寄せられている。」
「わたしの命の火が燃え尽きる最期のときまで」
「わたしは病気なんかじゃなく、大好きな人に殺されるほうがずっといいよ。私は自分が生きてきたように死にたい。それは贅沢な願いなのかな。」
Posted by ブクログ
石田衣良さんのエッセイが好きなので小説も読んでみた。大学生の話なので、自分のことと重ねながら物語に入っていけた。仲のいい友達グループとか恋人とかいいなーと思いながら、ところどころ貫くような言葉も挟まれていて、楽しむこともできたし、考えさせられることもある本だった。すごい切なく、驚いて、明るく、しんみりする本だった。
Posted by ブクログ
いつもの5分の1くらいのペースでしか進まなかった。10代の頃にこういうお話を読むと感情移入し過ぎて堕ちてしまう事があった。流石にこの歳ではそのような事はないが、人が亡くなる話は苦手なのかもしれない。
Posted by ブクログ
病気で人が死ぬというストーリーはドラマや映画にありがちで、今までそういったもので泣いたことはなかった。去年母が病気になり自分にとって病気が身近に感じられるようになったせいか、ラストは涙なしでは読み進められなかった。
1人の少女が真正面から死に立ち向かう姿が描かれており、闘志のようなメラメラした感情に心を打たれた。自分や愛する人が同じ病気になった時、どんな風に余生を過ごすのか想像しただけて泣けてしまった。そして太一のように美丘との約束を守れるだろうか。
今まで当たり前だと思っていたことにもっと感謝して、声に出して人に伝えていきたい。
1日であっという間に読んでしまったが、辛いことがあった時に読み返したい。
Posted by ブクログ
再読。
初めて読んだのは高校生の時、
部屋で1人で泣きながら読んだ。
2度目は社会人になってまた読みたくなって購入。
そしてまた5年ぶりに3度目の美丘!
石田衣良さんの描くラブストーリーが本当に好き。
“大学生”と“日本の四季”って
合わさるとなんでこんなに美しいのか……
Posted by ブクログ
「人生は火のついた導火線」というフレーズが印象的。全力で日々生きる美丘の美しさが文章を通して伝わってきた。
「自分はいつか必ず死ぬ存在だと意識することで、生を輝かせることができる」と別の本で読んだことがある。美丘を見ていると全くその通りだ。一日一瞬に命を燃やす美丘はとても眩しい。
一方で僕のような並の一般人が日常生活で死を意識するのはとても難しい。若いので尚更である。しかし本作のような死を扱う小説を時々読むことで、毎日少しずつではあるが確実に死に近付いていることを多少身近に感じられると思う。
Posted by ブクログ
美丘が最後の最期まで全力で自分らしく生きたいと訴えてて、最後のほうは特に 簡単に読み進めてはいけない気がして一文一文ゆっくり読んだ。
回りくどい表現してるのに美しい文章に感じるの凄い。
認知症のおばあさんとの美丘の関わり方が印象深い。
ドラマとは違ったよさ
ドラマをみてから原作が読みたくなり本屋に言ったのですが少し表紙で躊躇してしまい電子書籍で購入しました。 原作はドラマのような美しいけど荒々しい感じではなくただただ美し言葉が似合うような感じでした。ドラマは最後は普通の終わり方というかベターな感じでしたがやっぱり小説だからかラストの終わり方はすごいおどろかされました。また読み返したくなる本です。
Posted by ブクログ
今を全力で生きるということ、それが妙に納得できる話です。
人間の弱さ、強さがしっかりと表現されていると感じました。
悲しい結末を想像しながら読んでいたけど、美丘はずっと元気な女の子のままだったと思います。
性描写は多いけど、私はまったく下品さは感じなくて、むしろそれが二人の生きた証としてとても印象に残っています。
記憶をなくし経験が消えてしまう事で、今まで表現できたことができなくなって、言葉と結びつけられなくなる。
とても悲しい事ですね。
石田衣良さん初読みでした。
この本書店では中々見つけられなかったです…
探した甲斐はあったかな。
Posted by ブクログ
この本のおかげで、自分は、現実とかけはなれすぎてる小説は嫌いだと分かった。リアルでは言わないようなセリフやファンタジーみたいな展開があると、感情移入できないから。
だけど、描き方がうまいから最後は感動した。
太一「こういうのは面倒で、あまりぼくの趣味じゃないな。いちいちプレゼントしたり、気を使ったり。そういうのでなくて、もっと自然に、変に力を入れたりせずに女の子とつきあえないものかな」
美丘「あのさ、最近の男子って、みんなそういうんだよね。恋をする時でも、楽ばかりしようとする。自分を変えたくない、新しいことはしたくない。それなのに、Hだけはしたがるんだから、たちが悪いよ」(94)
Posted by ブクログ
よくある話のような感じだけど、なかなか破天荒なヒロインが魅力的で良かった。主人公や友人達は、いまいち入り込めなかったかな。お嬢さん、お坊ちゃん然としていて、あんまり共感できるタイプの人たちではなかった。