【感想・ネタバレ】無人島に生きる十六人(新潮文庫)のレビュー

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青空文庫で再読。
小学生か中学生のときに読んだはず。
大学の教授とウミガメの話をしていて、「ウミガメを食べる描写の本を最近読んだ」って言われて思い出したので記念に再読。

語り口調で読み進めやすい。読書感想文向き!

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2023年06月07日

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ネタバレ

たんたんさんの感想を見て読みたくなった本

無人島生活を送った16人のお話
そして、実話⁉︎
有名な物語とかじゃないの?ってのが一番の感想でした。

調査船が座礁で有名なとこで同じ様に座礁してしまい
無人島生活を余儀なくされる

若者やお年寄り(実は、そんなにお年寄りでない)
たちが助け合い支え合い生活する。
夜の見張り番をしてるときに、海を見てたら悲しくなりあらぬ事考えてしまわないよう若者ではなく老人にさせたり
運動や作業をして、常に体を動かす
服を大事に取っておくため、裸の生活を送る
亀の牧場を作り食事に困らないようにする
塩を作る

いろいろな工夫をして生活して無事に全員助け出されてよかった
無人島生活をし怖い思いをした後も、船乗りとしてまた海に出る人たち
強すぎる

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2023年01月11日

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one for all, all for one.
みんなが、いつも気持ちよく過ごせるように気配ること。
衣食住が足りて、礼節を保つ。とはいうけど、苦境のときこそ、高潔に、誇り高く生きる様が人間力だと感じた。

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2022年11月10日

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ネタバレ

明治の時代に本当にあった『十五少年漂流記』。実際に漂流したのは南方の漁場を調査するために船に乗り込んだ屈強な海の男たちであり、子どもではないのだが、並の大人なら恐らく船が難破した時点で死んでただろうし、無人島に漂着してからも10日を待たずに死んでただろうな、という、壮絶な生活が記されている。

無人島に漂着してからの生活の工夫は最後まで緻密かつ深謀遠慮に満ちていて、明治時代という幕末から文明開化の激動の時代を潜り抜けた直後の逞しい人たちであったということを差し引いても、その忍耐力や統率力、集団で一致団結しての行動力には驚かされるばかり。頁を繰る手が止められず、250ページをあっという間に読み終えてしまった。

このぐらいの胆力のある海の男たちであればこその、冒険とスリルの連続。つくづく、ゴールディングの『蠅の王』にはなるはずも無かったんだね、という安心感というか信頼感が、頁の隅々に満ちている。

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2022年11月05日

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太平洋で難破した龍睡丸、乗組員の奮闘を物語として綴るノンフィクションの一冊です。
珊瑚礁の絶望的な孤島に漂着した日本男児16名は、故国への生還を前提とした無駄のない誇りある毎日を過ごします。
その中で培われた規律や研究の大切さ、友の存在と生きることの素晴らしさを感じました。
ウミガメやアザラシの家畜化にも感激しましたが、研究で印象深かったものは食塩の生成です。
以下、引用します。
「海綿の大きなのを集めて、海水をかけ、天日にかわかしては、また海水をかける。これを、いくどもくりかえして、しまいに海綿が、塩分のたいへんにこい汁をふくむようになったとき、その海綿からしぼり出した汁を煮つめたら、いいと思う」
いやぁ…脱帽しました。

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2022年07月30日

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子供(小4)に「面白かったよー」と勧められて、
『親子のコミュニケーションに…一応読んどくか』程度の軽い気持ちで読み始めたんですが…とても面白かった。
最後は涙が…笑

普段ナショナリズム的な感情なんてゼロなんですが、
十六人の規律や、伝馬船に乗り込んで助けを呼びに行くときにも服をちゃんと着たりと、かつての日本人って素晴らしいなと思った。

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2022年04月26日

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日常、文明から離れて無人島で生き残ろうとする頼もしい16人。

助け合いの大切さや人の逞しさ、
文明を離れたからこその自然への敬服、
美しさへの感嘆、
生き物への共感、
最後に船を見つけて甲板に乗り込む前に服を着る(その時の為にも裸で過ごす)など人間の人らしさも気高さも忘れない明治の海の男。
どのシーンも良かった。

何ヶ月も無人島で暮らしながらも人間関係が良好、むしろ思いやりと協力で生き抜く姿に感動。

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2022年01月05日

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十五少年漂流記の日本人版といった趣きの本ですが、私はこちらの方が好きです。みんなで明るく前向きに困難に立ち向かう様が実にいい!
気持ちを前向きにしてくれるステキな本です…オススメ!

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2021年12月25日

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ネタバレ

小説のカテゴリーとしたが、実話に基づく話。
いまから100年以上も前に日本の帆船が太平洋で難破、無人島で十六人が生きのびた話。
水がない、食べ物がない中で、なんとか飲み水をつくり、亀をとったり、魚を捕まえて生き延びる。
 十六人のうち体弱るものもいたものの、なんとか生き延びる。そして約4ヶ月後に日本の船に救助される。
救助されるために、狼煙の準備や船をみつけるための物見櫓の設置など、万全の準備をしている。
 そして無人島でも勉強会を開いたり、色々な仕事を分担したりするなど規律があり、とても偉かったと思う。
明治時代の人のエネルギーを感じる冒険譚であった。

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2021年10月22日

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すごく面白かったし文体が素敵。子供向けの雑誌に連載されたというから当時の子供たちはどんなに品位のある文章を読めていたことか。
知らなかったことも沢山あった。小笠原諸島に捕鯨していた西洋人が帰化していたのも知らなかった。
文章の格調高さと海の話ということからどくとるマンボウを再読したくなった。

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2021年10月04日

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海の民なら男なら・・・

明治31年、海洋調査中の帆船龍睡丸は太平洋上で座礁。脱出した出身地も年齢も様々な16名は無人島に漂着する。場所はハワイ諸島の北西、あのミッドウェー島のやや南西。

船長を中心に残った数少ない道具や流木、島のアホウドリやウミガメを活用し、たくましく生き抜く冒険譚。

明治の世になり日本人が鎖国から太平洋に乗り出していく希望に満ちた空気が本書の随所に現れている。最初の発表も戦前。日本海軍にも本作を読んだことのある人は多く存在したことだろう。

「海の民なら男なら みんな一度はあこがれた 太平洋を乗り越えて」。これは太平洋行進曲という軍歌の歌詞の一部だが、海洋国家ニッポン、本書といいまた南洋への進出など戦後は忘れられた歴史の1頁なのだろう。

無人島だった小笠原諸島「ボニン島」つまり無人(ぶにん)島にアメリカ人漁師が住み着き、日本領とした確定した後に日本に帰化した事実も本書に登場。猟師上がりの範多など名前の由来も楽しい。

こんな名作に今まで全く気づかず。船長のリーダーシップなどちゃちな事を考えずとも単純に楽しめる痛快な冒険譚でした。

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2021年09月25日

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われわれが、この無人島にいた間、さびしかったろう、たいくつしたろう、と思う人もあるだろう。どうして、どうして、そんなことはなかった。


ぽかんと手をあけて、ぶらぶら遊んでいるのが、いちばんいけない。

この人たちは、何年先となるか分からない無人島で暮らす期間を、修行期間と捉えて、心を磨き、より成長して日本に帰り、お国のために働こうと決めた。

だから知恵と工夫を凝らして、愉快に暮らすよう心がけた。そうするための規律を作って、守った。

自分だったら、そういうふうに考えられるだろうか?

1900年代初頭の話だから、今ではあり得ないことも擬似体験出来て、面白かった。

ウミガメを捕まえて(数百キロの個体も、後ろから仰向けにすれば一人で簡単に捕獲出来る)食べる。ウミガメは藻を食べるので、その肉は臭みがなく美味しい。甲羅はウミガメの油が深く染み込んでいて、割って乾かせば火種になること等々。カメやサメから油をとる話が頻出するので、YouTubeでやり方を調べたり。夏休みの自由研究みたいで楽しかった笑

学用品にも驚きの工夫が。3本のシャベルを並べて石板の代わりにし、ウニの針を天日にさらして乾燥させるとまっ白になるので、それを石筆としたそうだ。すごいの一言。のちに万年灯にたまった油煙を集めてインキも開発するっていう・・驚き通り越して尊敬の念を抱くレベル。ファブルもびっくり。

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2021年08月08日

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ネタバレ

明治時代の遭難漂流記。島の絵と簡単な海図があるのでどこにいたのか(特に遭難するまで)がわかりやすかった。殆ど何もない島で元いた船や近くの島で
明治31年の暮れに東京を出港したものの、約1ヶ月後に釣りをしていたら錨が3つもなくなるトラブルでハワイ付近まで流されてしまう。ホノルルで修繕をし4月4日に出港して帰還するはずが5月20日に座礁してしまう。どうにか住めそうな場所に拠点を作り、9月3日に近くを通る船に救助されるまでの3ヶ月強生き抜いた16人。体調不良は出たものの大きな怪我や死者もなく全員が帰還できたのは本当に凄いと思う。島に住んでいたアザラシを手なづけていていざという時は食料にしようとしていたり、冬に備えて食料などを調達していたのが無事杞憂に終わった。
小笠原島に米国出身の捕鯨者が住んでいて明治に入ってから日本の領土になったというのは初めて知った。帰化して日本語名になったとのことだが「日本男児」たちには実は欧米人も含まれていたのがなんとも不思議。

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2023年07月11日

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こんな実話があったんだなー。おじさんたち(青年もいるか)皆で力を合わせて創意工夫して愉快に過ごしていて、すばらしい。面白かった。当時の少年雑誌の連載のため、安心して子どもにも読ませられるかと。日本人の誇り、みたいなところに時代を感じるけど、それもまた。

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2023年04月12日

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ネタバレ

自然の厳しさと人間の団結の力強さ。1人ひとりの知識、経験を活かし、誰一人諦めずに懸命に生きていた。

僕が幼いときは無人島で生活してみたいだなんて思ってたけど、ここまで厳しい生活はしたくないな笑

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2022年08月28日

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ハワイ沖で帆船が座礁、船長以下乗組員16名が流れ着いた無人島における生活を描いた実話。
子供向け雑誌に連載されたとのことで言葉遣いは極めて平易で、エンタメ性と分かりやすさが重視された結果だろう、生き残るために取った行動と思考に焦点が絞ってあり、絶海の孤島でのサバイバルという状況にも関わらず悲愴感は薄く全体として軽やかで読みやすい。

子供向けであるという制約に加え、作者の美学というか意図から、ネガティブな要素はざっぱり切り落とされており、特に心情的な部分において記録としては正確さを欠く部分もあるのではないかと思われる。
が、それを加味しても、16人の忍耐力と平常心、統率への信頼は驚くべきものがある。
船の破損が決定的となり、これから数年帰れないと思い準備するようにという衝撃に指示にも粛々と従い、飲水の確保や見張り櫓の設置など生存と生還に向けて必要な実務を全員が一体となり強い信頼と結束でこなしていく。形態としては上意下達だが、それは押し付けられたものではなく、そういったシステムを含めた「自分たちの社会」に対する全幅の信頼がベースとなっているように思われる。
果たして今の日本人に同じことができるかというと、これはかなり難しいのではないかと思う。

何はともあれ、16人はいつ終わるともしれない無人島生活を受け入れ、一致団結して生活基盤を築いていく。帰国後を見据えての勉強会すら開催している。
この強さ、向日性はいったい何なのか。



Live as if you were to die tomorrow,
Learn as if you were to live forever.

明日死ぬかのように生きよ、
永遠に生きるかのように学べ。


上記はガンジーの言葉だが、いつの時代でもどんな場所でも人間として大事なことはそうは変わらないのかもしれない。

まずは今日一日を頑張って生きてみよう。

そう思わせてくれる一冊でした。

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2022年07月15日

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「須川邦彦」の『無人島に生きる十六人』を読みました。

「須川邦彦」が東京高等商船学校の実習生だったときに教官であった「中川倉吉」先生が自分の体験談として話されたことを物語にしたものです。

-----story-------------
大嵐で船が難破し、僕らは無人島に流れついた!
明治31年、帆船「龍睡丸」は太平洋上で座礁し、脱出した16人を乗せたボートは、珊瑚礁のちっちゃな島に漂着した。
飲み水や火の確保、見張り櫓や海亀牧場作り、海鳥やあざらしとの交流など、助け合い、日々工夫する日本男児たちは、再び祖国の土を踏むことができるのだろうか?
名作『十五少年漂流記』に勝る、感動の冒険実話。
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明治時代に起こった実話をもとにした漂流記です。

無人島に上陸するときに「中川」船長が船員に語った言葉、、、

「これから愉快に暮らそう。できるだけ勉強しよう。
 きっとあとでおもしろい思い出になるだろう。」

船が難破し、なんとか無人島に辿り着いた… 水も食料も限られている、、、
そんな事態に遭遇したとき、その事実を前向きには捉えることは難しいと思うんですよね。

でも、そのポジティブな考え方や発言が、仲間に影響し、困難な環境で生きる力を与えたんだと思います。

こんな状況でネガティブ思考になったら、まずは精神的に参っちゃうでしょうからね。

本当は辛くて苦しいことも多かったと思うんだけど、それが強調されてなく、ノンフィクションだということを忘れ、オレも体験したいなぁ… と感じるくらい、知恵と工夫と努力で乗り切った無人島の生活が魅力的に描かれているところが素敵でした。

漂流記として楽しく読めるだけでなく、生き方/考え方についても学ぶことのできた一冊でした。

子どもの頃にワクワクしながら読んだ『十五少年漂流記』や『宝島』、『ロビンソン・クルーソー』、『コンチキ号漂流記』等の漂流モノを(『宝島』は漂流モノじゃないか… )を思い出しましたね。

巻末に付いている「椎名誠」の解説のタイトルは『痛快!十六中年漂流記』でした。
的を得た巧い表現ですよね。




16人が日本に帰還したのが明治32年12月23日… 本書を読み終えたのが、同じ12月23日でした。
偶然とはいえ、不思議な気分になりましたね。

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2022年05月23日

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「「火星の人」の読後感に近い。ポジティブであるということはサバイバルにとって不可欠な要素なのだな。いたずらに悲観せず、やるべきことをやって日々朗らかでいることが生存の秘訣なのだ。

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2021年12月26日

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なりゆきで、沖縄で潜水業の手伝いを半年ほどすることになりました。海に出られる日は船を出してタンクを背負い、潜ります。
海が少し身近になってきた、そんな時に行った整体に本書が置いてあり読みました。

漂流記と言うと、飲水がなく食べ物がなくなり病気になり…その後は語るも悲惨な物語を思い浮かべますが、本書は最後まで痛快。勿論ハッピーエンドです。
あまりにうまく出来すぎていて、フィクションじゃないかと思いますが実話のようです。(勿論脚色はあるのでしょうが)

勤勉で真面目、思いやりとユーモアを常に持ち続けた海の男達の話です。さらっと読めて良い気持ちになれます。前向きになりたいときにおすすめです。

十五少年漂流記も読んでみます。

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2021年12月16日

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主人公の先生が学生に昔あった本当の話を語っている形式

1〜100pくらいまでは、無人島に着くまで
100〜から無人島での話

無人島でどうやって生きてくのか?例えば、蒸留水の作り方とか食べ物とか魚釣りとか冬の過ごし方とか、助けサインの出し方とか、ウニ使って筆記するとか細かいシーンまで見ることができる

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2021年10月25日

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「日本のため」みたいな暑苦しさはあるけれどもリアルな漂流記として面白かった

どのへんの島なのか地図で見てみたい

もう少し救助が遅ければビタミンC不足で死んでいたに違いない

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2021年10月11日

Posted by ブクログ

船が難波し、無人島で生活することになった16人の男たちの実話ということなんだけど、そんな状況なのに無人島で暮らす男たちに全く悲壮感が感じられないのが素晴らしかった。どんな状況でも出来ることを精一杯やって楽しんで生きていこうという姿勢にいろいろ励まされた。
そしてアザラシの鼻じろが殺されずに済んだのは本当によかった。
久しぶりに冒険心をくすぐられた。

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2021年07月21日

Posted by ブクログ

明治時代の練習船がハワイ諸島のパールアンドハーミーズ礁に難破し、乗船していた16人が無人島生活をし、最後に救出される冒険譚。こう言う場面に遭遇したら如何にメンタルをしっかりと保つかと言う事が大事なんだとよく分かった。船長以下統率が取れた集団で、みんな明治期の綺麗な心の持ち主だからこそ全員生き残ったのかな。もちろん比較的早めに船が通ってくれたと言う幸運もあった。水の確保が先ず大事で、色々な事を知っているというのも大事で、大事な事は多いな。とても良いお話で読後感も良し。

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2021年07月10日

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面白かった。これが実話であることが清々しい。みんな偉いなぁ。電子書籍だと無料で読めたように思うけれど、もの凄くお得だと思うな。

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2021年06月28日

Posted by ブクログ

◆読んだ本◆
・書名:無人島に生きる十六人
・著者:須川邦彦
・初版出版社:講談社
・初版発行日:1943年

◆おすすめ度◆
・和製『十五少年漂流記』度:★★★★
・ハラハラドキドキうるうるのサバイバル生活度:★★★★
・昔の人は立派です度:★★★

◆感想◆
明治32年、日本の帆船・龍睡丸が時化にあい難破。近くの無人島に十六人が上陸しサバイバル生活を送ることに。この実話を、少年向け冒険小説ふうに記した物語。

子供向けの冒険物語と侮るなかれ、大人が読んでも十分面白い。
無人島に上陸した十六人の男たちが、どうやって共同生活を送ったのか。
水は? 食料は? 寝るところは? 着るものは!
次々と持ち上がる問題に、船長をはじめ全員が一位団結して立ち向かう。

なんたって島での生活をするにあたり決めた約束が
 一つ、島で手にはいるもので、くらして行く。
 二つ、できない相談をいわないこと。
 三つ、規律正しい生活をすること。
 四つ、愉快な生活を心がけること。
サバイバル生活の約束事じゃないよね。
今現在の風潮なら、規則を無視するやつとか、喧嘩をするやつとか、食料をがめて自分だけ助かろうと画策するやつとか絶対いそうだけど、そうはならない。
みんなが相手のことを考えながら共同生活を送るという、「一人のすることが、十六人に関係しているのだ。十六人は一人であり、一人は十六人である」という考えの大人たちばかりなんである。
昔の人は立派です。

また、子供だったら思わず友人にその知識を自慢したくなるサバイバル術も随所に。
ほんのわずかな油が波をしずめるとか。(本当?)
ウミガメのお腹には真水が入っているとか。(マジ?)

厳しいサバイバル生活を描写している割には、ほんわかした雰囲気の文章だし、挿絵も可愛らしい感じ。
子供が読んでドキドキワクワクすることがあっても、悪夢を見そうな酷いシーンは無いから安心。

青空文庫で読めば無料です。

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2020年05月13日

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船舶航海関係者で著作家の須川邦彦さんによる、明治31年に実際におきた遭難から帰還までの冒険小説。昨年は、舞台化されているようです。そして、椎名誠さんが選ぶ漂流記のNo.1。
太平洋資源調査中の帆船が、大嵐で難破して、(水無し、食無し、樹木無し)の小さな無人島に、全員無事漂着する。乗員は、帰化人も含む全員日本人。船長から見習いまで、年齢もさまざま。彼らは、島の中で規律を守り、悲観する事なく、節約と創意工夫に励んで、日々を乗り越える。
規律1:島で手に入る物で暮らす
規律2:できない相談を言わない
規律3:規律正しい生活をする
規律4:愉快な生活を心がける
この規律は、現代でも活用できそうですね。
食料や住居などの困難に対応していくことはもちろん、日本に戻った時のために、年長者が若者に教育を与える時間まで確保していた。救助を求める行動にもパワフルに活動して、大和魂を読めます。15少年漂流記も良いですが、こちらも良いです。

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2023年03月15日

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無人島に表流し、そこで生活した16人の男たちの物語。

のみみずの確保や海亀牧場、海鳥やアザラシとの交流など、悲惨な毎日の中に、ユーモラスな一面も。

これらは実話なんですね。
全員、無事に祖国の土を踏むことができて良かったです。

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2022年04月23日

Posted by ブクログ

明治から昭和初期にかけての軍国主義下にある価値観が反映された書きぶりが見られ、内容に多少の脚色はあろうが、資源に乏しい無人島で知恵を絞り創意工夫を重ね、16人もの男たちが総員、数ヶ月を生き抜いて帰還する様には、素直に驚愕する他ない。
私のようなやわな現代人なら1週間も保つかどうか…心身ともに屈強な当時の海の男たちの高いサヴァイヴァル力に、心底感服。
また、こういった有事においては、リーダーさえ有能であれば、滅私奉公、上意下達の構造がとても有効に働くのだろう、ということも分かる。

読後に振り返れば、例えば「エンデュアランス号漂流」や「大西洋漂流76日間」といった海外の漂流記に比べ、事の深刻さを排しきった、根拠のない底抜けの能天気さのようなものさえ感じられ、ノンフィクションとしての凄味に欠ける…という一面はあるかも。

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2022年01月15日

Posted by ブクログ

実話である事がびっくりなくらい壮絶なサバイバル小説。船の背景知識がないと少しだけ読むのに時間がかかるが、当時の船の構造とかサバイバル方法とかが面白い。ストーリーも面白い

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2021年11月24日

Posted by ブクログ

まず実話だということに驚きます。
生きるために必死であったことも、不思議と生き抜くということを心から楽しんでいるようにも感じました。

はるか先のことまで見据えて行動しながらも、今を楽しむことを忘れない無人島での生活。たくさんの便利なツールに囲まれながらも将来に不安を感じたり今を楽しめなかったりする現代社会の私達にも、学ぶことが多いのではないかと思います。
「1人のすることが、十六人に関係しているのだ。」という言葉は、自分という存在の価値をさらに強く感じさせてくれるはずです。
自分以外の他者を支え助けたいという気持ちは、もしかしたら何よりも強く生きる力に変えてくれるのかもしれないと思いました。

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2020年05月13日

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