初めて『不毛地帯』を読んだとき、圧倒的な感動が胸に押し寄せ、しばし呆然としてしまいました。けして、楽しいばかりの話ではありません。戦争の話、抑留の話、友の死、そして―。
“結局、古き良き昭和の話だよねー”と言う人もいるでしょう。でも、そんな陳腐な言葉は寄せ付けないほどのドラマがここにあると、私は声を大にして言いたい!!
また、私が山崎豊子さんの作品の中で一番『不毛地帯』を好きな理由は、途中はいろいろな困難と挫折に見舞われながらも最後に「救い」があるからです。油田がねえ…。彼女ともねえ…。いかん、ここからはネタバレ!!
さてさてどんな救いなのか?は、あなたの目で確かめてください。
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1~4巻までの感想。
山崎豊子さんの取材力に感服。
シベリア抑留、航空機、車、石油等、商売と政治の絡みが描かれており今はどうなっているのかと気になった。結局人は金と地位を得ると固執してしまうものなのか。ただ、壹岐さんは違った。国益のために奮闘し、運も味方して事業に成功した結果会社を辞めた。でも亡くなった奥さんのことをもっと考えてほしかった。仕事も家庭もどちらも考えることはやっぱり無理なのかな。
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自動車会社の提携話を土壇場でひっくり返されたり、イランでの石油開発に苦労したり、と商戦の裏側のとてつもない熾烈な闘いを描いている第4巻。
ストーリーとして、最終巻でのフィナーレに向かってゆきます。
それにしても想像するだけでも大変な世界・・・
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アメリカの大手自動車会社との提携もライバル会社にかっさらわれ、次に浮上してきたには、イランの石油採掘。が、公社の思惑通り、他の総合総社とも共同事業で権利は微細に抑えられる。次なる一手出ようとするも、大博打の感は拭い去れない。千里との関係も、最終巻に向けてどうなるのか?
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千代田自動車とアメリカ・フォーク社との資本提携は、フォークからのたった1枚のビジネス・レターで交渉の打ち切りが決定された。
そこにはライバルである東京商事・鮫島の暗躍があった。
新規合弁会社の設立を強引に押し進めようとする里井副社長と、あくまでも千代田の利益を損なわないよう交渉を行う壹岐。
商社のことが何もわからない僕が読んでも、2人の力量の差は歴然としていると思った。
里井副社長には心臓病の不安があるため、この時点で専務である壹岐が実質的に近畿商事のナンバー・2になった。
そして、壹岐は資源に乏しい日本の将来を見据え、石油確保の手段を模索しはじめた。
イランのサルベスタン鉱区に入札することを決め、日本石油開発公社の吉良総裁に資金援助を申し出るが、鮫島らの策により、出資比率10%という納得できない結果を突きつけられることになる。
この公正を欠く出資に甘んじ、公社グループについて資本参加にとどまるか、あるいは公社グループを離脱して外国の石油会社と組み、独自に国際入札に挑戦するか。
壹岐は悩んだ末に、アメリカのオリオン・オイルと組んで鉱区を入札する方針を打ち出した。
国賊呼ばわりされかねないこの決断を、「公社グループが落札できなかった場合の“安全弁”」と言ってのける壹岐の口の巧さに感服!
商社に入って、壹岐はいろいろな仕事で手を汚してきたけれど、その心の中にはいつも「戦争の過ちを2度とくり返してはいけない」という強い意思があるように思える。
朔風会への協力を惜しまないのも、石油の確保を願うのも、根底にはそのような思いがあるからで、壹岐のそういう真っ直ぐな態度はすごく尊敬できる。
壹岐にとって、商社マンとして最後の仕事になる石油開発はどうなるのか?
最終巻も一気に読めそう。
−−−−−
唐沢さんの「WANDA」のCM、最後に岸部四郎さん(里井副社長)が出てくるのがおもしろい。
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現在であってさえも、コレを巡って世界のあっちこっちで利権やら紛争やら何やらと大騒ぎの「石油」にお話が移行しました。 KiKi は外資系の会社でのお仕事が長かった関係で、米国とか西欧諸国、そしてアジア諸国(除く共産圏)とのビジネスっていうのはそこそこ関与する機会があったんですけど、さすがに中近東っていうのは相手にしたことがないので、オイルビジネスの描写はかなり興味深く読むことができました。
ただ、第3巻でもちょっと感じてはいたんですけど、この第4巻に至って、ものすご~く違和感があったのが、壱岐さんにしろ里井さんにしろ、大手商社のナンバー2 or 3の割にはやっていることがプレイング・マネージャー的だなぁ・・・・・ということです。 これは時代の違い・・・なのかもしれないんだけど、何て言うか、組織で仕事をしているっていう感じがあんまりなくて、個人技で仕事をしている・・・・そんな印象なんですよね。
まあ、根回し的な、交渉的なことっていうのは最後は組織の上の方の人たちの顔やら繋がりやら何やらかにやらで動く部分が多いのは事実そうなんだけど、かたや副社長、かたや専務という肩書を引っ提げている割には KiKi なんかがイメージするマネージメントっぽさがない・・・・・とでも言いましょうか??
これが兵頭さんクラスの人たちだったり、壱岐さんにしても、いくら社長のお声掛かりと言えども嘱託職員に過ぎなかった頃であればまあ、こういう動き方・働き方もさもありなんと思えるんだけど、これが財閥系商社を向こうに回して台頭してきた日本でも指折りの大商社という設定の中で、しかもいわゆる「経営陣」というポジションにいながらにしてこの動き方っていうのはアリなんだろうか??とちょっと疑問符がついちゃうところがあるように感じました。
そしてもう一つ。 あの時代に石油を確保するということは国益にかなうことであったということ自体を否定する気はないんだけど、何となく壱岐さんが「国益のために・・・・・」というモチベーションで動いているっていうのはちょっと綺麗ごとに過ぎるんじゃないかなぁ・・・・・と。 まあ、この物語で性格づけられた壱岐正というちょっと理想的に過ぎるきらいのある人物設定だとこうならざるを得ないのはわかるんだけど、天邪鬼の KiKi としてはどうしても胡散臭さを感じちゃうんですよね~。
まして、この物語の中でも描かれているように、本来ならその「国益」をもっとも追及していて欲しい政治家の皆さんにとって石油というものは「利権」「覇権」の対象ではあっても必ずしも「国益」なんていう高尚なレベルのものとは言い切れなかったわけですし・・・・・。 KiKi はねぇ、「国益」という言葉にはもともと懐疑的なスタンスをとりがちなんですよね。 これっていわゆる「目くらましワード」の筆頭だよなぁとさえ思っているぐらいで・・・・・(苦笑)
さらに、さらに・・・・です。 兵頭 & 壱岐陣営がいわゆる国策プロジェクト(公社とか商社数社による共同プロジェクト)から離れ、インディペンデントの米企業と組んで油田開発に応札するという流れにしても、政治家を丸め込む(言葉は悪いけど ^^;)ための方便として、「国策プロジェクトがとれなかった時のためのセイフティ・ネットが必要です。」的なことを言っているわけだけど、それが最初にあったわけじゃなくて、その国策プロジェクトでのポジショニングに納得できないというところから、そこから離脱して外資と組むという選択をしているわけで、そこで見え隠れするのは「国益第一!」というような哲学では決してなくて、「わが社の利益追及」「財閥系商社にとってかわりたいという欲」以外のナニモノでもないわけです。
KiKi はそこのこと自体はビジネスである以上、必ずしも悪いとは思わないし、あの方便自体も間違っているとは思わないんですよ。 それに近畿商事がある意味で軽視されたいきさつを見れば「ナニクソ! 今に見ておれ!」と思ったというのもよ~く理解できます。 でも壱岐さんがここで敢えて「国益のために・・・・・」なんていう綺麗ごと発言をするあたりに、このキャラクターの矛盾と言うか、必要以上にこのキャラを美化しようとしている限界みたいなものを感じてしまいました。 まあ、KiKi はこの物語が描く時代の元軍人さんに対する世間の目の厳しさ・・・・・みたいなことが必ずしも理解できているとは思わないので、現代人感覚での評価に過ぎないことは百も承知なんですけどね。
・・・・・とは言うものの、やっぱりこの物語は面白い!!(笑) 残すは最終巻です。
(全文はブログにて)
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『不毛地帯』第4巻
妻・佳子を不慮の事故で失い、単身、アメリカへ行き、アメリカ近畿商事の社長となった、壱岐正。
アメリカ自動車メーカー・フォークと千代田自動車との提携に奔走するが…
副社長・里井により、担当を外される…
資源に乏しい日本の先々を考え、原油を確保する道を探していた…
フォークと千代田との提携は、東京商事・鮫島の暗躍によって…
副社長・里井の壱岐への嫉妬はみっともない。
壱岐にまかせておけば…
自らの功としようとするばかりに、壱岐の意見を聞き入れなかったために。
昭和の会社とはこんなものなんだろうか⁇
息子・誠の壱岐への態度は受け入れられない。
シベリア抑留中のことも、近畿商事入社後の時期戦闘機導入戦でのことも…
壱岐がしてきたことは何も知らないではないか…
近畿商事で働き続けていることだって…
川又が亡くなって、1番苦しんだのは、壱岐なのに。
家族のためを思い、昼夜働き続けてきた父に感謝すべきだろう。
父の想いをわかろうとしてほしい。
最後にはわかりあえるのだろうか、壱岐と誠は…
昭和の時代とはいえ、突然、家を訪れたり、近くまで来て電話をしたり、もう少し相手に対して、配慮があってもいいと思うが…
千里とはどうなるんだろう…
しかし、長かった…
が、面白い。
いよいよ最終巻。
最後は、壱岐がすべて商戦を勝ち抜き、スカッと終わって欲しい。
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自動車編からいよいよクライマックスの石油編へ。
実際はどうか分からないが(100%とは言えないまでもだいぶあるのだろうが)、石油というのはもろ政治だというのが率直なところ。
資源開発であるし、動くカネの膨大さからしても、まあ当然か。
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自動車会社の提携、イランでの石油採掘、色恋話に戦争の記憶、ライバルの心臓病やトローリング。話がかなり拡散してきた。登場人物が多く、文体は読みやすいのに読みにくい。長すぎてだんだんとだれてきた。それでもだれさせる手前で色恋話が入ってきたりして絶妙。主人公に全然魅力は感じないけど。
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壱岐正の勤める近畿商事はいよいよ石油開発に挑む。
壱岐は専務に昇格し、社内での地位をますます高めてゆく。しかし昇進すればするほど周囲との確執も大きくなり、里井副社長と激しく対立する事になる。
石油開発ではイランの油田の開発権を得るために、日本の商社グループを抜け、アメリカの会社と組んで落札を狙うという、ある意味日本を裏切ったとも受け取られかねない決断をする。一方、千代田自動車とフォードの提携では東京商事の鮫島の暗躍もあり、敗れる。そこでもすぐに次の手を打ち、千代田自動車とユナイテッドモーターズの提携を画策する。
この巻でもっとも印象に残ったのは、中東の不毛地帯での石油利権を巡る争いだ。五菱商事の上杉や近畿商事の兵頭があらゆる手段を駆使して石油に関する決定権をもつミスターXに会おうとしのぎを削る。砂漠、土漠の乾いたすさまじい自然の描写も、まるで自分が砂地獄に迷い込んだような気分になる。
展開も早くスラスラ読めた。
本来は正義感の強い人間でありながら、商売のために手を汚さざるをえない壱岐が哀れになってきた。
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「不毛地帯(4)」山崎豊子
社会小説。黄色。
舞台はアメリカ自動車産業から中東の石油掘削ビジネスへ。
ハイリスク・ハイリターンの事業に挑む心の裏には、先の戦争におけるエネルギー政策の失敗という苦い経験があるのだった。
仕事とは、何のために為るのか?
会社員の使命感とは何なのか?
(4)
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油田の入札についてがメイン。これまでの戦闘機受注や自動車会社提携において企業の利潤追求して来た主人公が、国の資源安全保障のためと掲げ石油に注力する。
企業のためから国のためへ、参謀であった原点へと回帰する姿は納得できる。
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日本に戻ってきた壹岐。
今度は油田開発に乗り出す。
戦争時に燃料の重要性を感じている壹岐は、
その思いも人より大きいが・・・
物語も終盤、砂漠という新たな不毛地帯を舞台にして
どのような結末を迎えるのか・・・次はいよいよ最終巻。
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色々な葛藤や、どれだけ真剣にやっていても時の運によって仕事の流れや人生の流れが大幅に変わってしまう…
ああ一体、最終巻はどうなるのか!?
少しは幸せになってほしいのだけど…
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不毛地帯、第四巻。
フォーク千代田の提携と、石油開発を中心に物語はすすみます。
前巻からエキサイトしていた里井副社長ですが四巻でも多いにエキサイトしてくれちゃってます。
というか、この巻の影の主役は里井副社長だと思っています。
病気の上に、完全に冷静さを欠いてしまった里井さん。なんでもかんでも「壱岐のせい」「壱岐の差し金」。大門社長から見ても困ったさん。
そしてこの時の大門社長は、実に頼りがいのあるワンマン社長だったんですがねー・・・。
角田常務も含め、会社内の人間関係はドロドロ。でもそこが面白い。
エキサイトサトイさんは置いておいて、兵頭を筆頭とする、次世代を担う熱き商社マンたちが石油開発に向けていよいよ動き出す!
ストーリーはドラマで見たので知っているのに、目が離せない展開・・・・いよいよラストの五巻!
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すごい話だった。
抑留されたときの描写の迫力がすさまじく、脳裏に当時想像した映像がこびりついている。
著者の作品はどれも読んでいて絵が浮かぶ。
内容もボリュームもかなり読みごたえがあった。
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商社では異例の,石油開発をはじめようとする近畿商事。
現地スタッフの努力。環境の悪さは想像以上。
それでも壱岐は石油の重要性を自身の敗戦の経験からも知っており,
今後の核となることを直感している。
軍人上がりからついに会社のトップ2へ。
秋里との関係もきになるところだ。
商社にまつわる綿密な取材だけではなく,
男女の機微にいたるまで,筆力に舌を巻く。
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里井のジェラシー、鮫島の強引なやり方にも負けず、
壱岐が石油開発というプロジェクトを通して、国益のため
に腐心する姿が目に浮かぶほどの文章力。素晴らしい。
いよいよクライマックス!!
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「そんなこと心配しなくていいんだよ、会社で借りられるし、お父さんのことだ、贅沢なのを買わないから金の心配はいらないよ、総務部に、手頃なのを探して貰うことにしているよ」
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舞台が中東になって、話がどんどんデカくなり、かつ、これまで以上に利権も複雑で厄介になり、信念やモラルに野心と政治とお金と個人的感情とがグデグデに絡み合っている中をなんとかして出し抜こうとするお話。まあ言ってみればオスの縄張り争いの延長なんだけど、とにかくタイヘン。各方面の意見調整の様子は、渋いタヌキじじい的工作とアクロバティックな離れ業とのミックスで、しびれます。
こんな仕事してたら、ワークライフバランスとか、男女平等とか子育てがどーとか絶対言ってられないね~。ハハ。(←完全に他人事)
商社の人たちって、1泊3日でヨーロッパ出張とか行って、朝日本に戻ってきてその足で出社とかのハードスケジュールも全くないわけじゃないとか聞くけど、そもそも体力の劣る女子にはハードル高い仕事ですね。
エネルギーがどんなに大事か、そして日本にとってその確保がどんなに大変か、ということを読んでいてひしひしと感じて、胸が苦しくなった。
そういうことを普段まったく考えずに当たり前に電気やガスを使って暮らしている人が(私もそうだけど)多すぎるだけに、無理解が招く問題も多そう。さらにお金が招く嫌な人間関係もとっても多そう。
大変な仕事です。
前巻で、朔風会元ソ連抑留者の会で献身的に働く谷川大佐が「今のように物資は豊かでも、精神的な不毛の中に生きる方が、生き辛いと話し合っていたんだ」と言うシーンがあったが、「不毛地帯」というタイトル、実に含みがあって、商社マンの生きざまを描いたこの小説には非常にふさわしいと思う。
読む前は、単純に砂漠の中の油田のことを指しているのかと思っていたけど。
いやしかし、よくこんな話書けるなあ。戦闘機から自動車産業の再編からオイルマネーまで、それぞれに別々に膨大な取材が必要じゃないかと思う。彼らのおかれた状況や背景のいちいちが私にとっては未知のことだらけで、非常に興味深いです。
あ、そうそう、前巻でとかく目障りだった陶芸家の女だが、やっと手に入れた壹岐という男は、はっきり言って付き合って楽しい男では全然ないということが分かってきて、しかも日陰の女扱いをされるのが不満で(当たり前だ)、なにかとイラついていて、ちょっと意外な展開で笑ってしまった。
かわいそうと言えばかわいそうだけど、勝手に横恋慕しておきながら、奥さんとニアミスした時にものすごく嫌な態度をとっていた器の小さい女なので、まあしばらくは苦しめばよかろう!笑
どうでもいいが、「おしゃれ」の代名詞的に出てくる「パンタロン」が完全に死語で、パンツの一種なのはなんとなく分かるが、正確にはどういう服なのか知らなくて調べてしまった。ベルボトムのことだったとは・・・・
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自動車メーカーの資本提携は、ライバルの東京商事に持っていかれ、主人公の会社は辛酸を舐める。
そして、次なるビジネスは、中東における石油開発。第二次世界大戦は石油に始まり石油に終わったため、主人公は会社の利益ももちろんのこと、国益のために石油開発に積極的に携わる覚悟を決める。
そして、開発のために国内の機関とは連携せず外資と資本提携を組む。
成功すれば青天井の利益が出るが、失敗すれば莫大な損失となり、会社の屋台骨を崩しかねないため、社運、命をかけた、まさにビッグビジネスである。
主人公は、これが商社での最後のビジネスと覚悟を決める。
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元軍人参謀の壹岐正が復員後巨大商社でのし上がっていく話のシリーズ4巻。
日米自動車メーカーの合弁交渉を経て石油商戦へと突入して行く。壹岐も専務へ昇進し近畿商事No.3となりニューヨークから東京本社へ転勤する。
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山崎豊子「不毛地帯 4」、2009.3発行、557頁。第4巻は自動車、石油に関する話。壹岐正は専務に昇進、近畿商事のナンバー3に。秋津中将の娘、秋津千里との仲は進展するも壹岐の態度は煮え切らず。娘や息子、社員などに2人のことを隠そうとする姿勢が。千里への思いやりが感じられないし、自分勝手。仕事に関しては決断力があるが、女性に関してはぐずぐずしてダメな男に設定されている。次の最終5巻でどうなるのか・・・。
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弱小自動車メーカを外資とくっつける話がメイン。里井副社長が壹岐に嫉妬して横からごちゃごちゃやって挙句心臓病で倒れて合併も東京商事に一杯食わされてちゃんちゃん。大佐の娘との老いらくの恋が意外に長くて面倒、要らんパートだと個人的には思ってしまう。。。
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嫉妬に狂う里井が憎たらしいいこと。
失敗していい気味みたいな。
油田開発の話も良く調べて、まとめたなと。。。
商習慣やら、入札やら、、、
こんだけ登場人物多くて、どう頭のなかで整理しているのか。
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1960~70年代のアメリカの自動車ビックスリーメーカーが日本へ進出しようとせん時代を背景とした場面。
日本市場を虎視眈々と狙い日本の自動車メーカーとの提携を模索するアメリカの自動車。
株式で外資乗っ取りを規制する経済産業省。
表側では日本経済を守るという名分を打ち出しつつも、したたかに自社の利益拡大・外資の日本進出を促進する総合商社。
外資からの資本参加を頑なに拒む日本自動車メーカー。
外資の日本進出すらも自分たちの利権にしてしまおうとする政治家たち。
さまざまな思惑が絡まって、日本のマーケットが国際化されていく物語は今から見てもなかなか面白い。