【感想・ネタバレ】がらんどうのレビュー

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ネタバレ

引っ越しとか、親が死んだとかはいちいち発表しないのに、なんで結婚や出産は特別なことみたいに取り上げるの?p50
淡々と日常を描いているだけなのに、そこに独身アラフォー女とつくとどうしてこんなに息苦しく虚しく感じてしまうのだろうか。久能整さんが言ってたけど「「女の幸せ」って言葉はおじさんが作った」と。自らの人生を作られた枠組みにはめてしんどさを感じるのなら、そこから一度出てみることも重要。絶対的な幸せはない。でもできないから苦しむんだけどね…。

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2023年09月18日

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ネタバレ

38歳独身女性の平井。仕事ではなんとなか経験を積んだけど、DXの波に飲まれて仕事を失うかもしれない未来を憂いている。
周囲と波風立てずに、ひたすら地味で普通のど真ん中をいくような彼女は、推し活仲間で42歳の同じく独身女性・菅沼からルームシェアしようと誘われる。
副業として犬のフィギュアを3Dプリンターで作る菅沼は、どこか風変わりでエキセントリックな魅力があるけど、結婚に関しては絶対にしないと決めている。
そんな菅沼との同居を決めるのは、結婚や出産を諦めるのと同義でもある。それでも同居に踏み込んだ平井は、やがて菅沼の推しの結婚を経て、過去のトラウマを意識するようになる……15歳の頃に母親の再婚相手に出会った時の生理的嫌悪感がもとで、彼女は男性に恋愛感情をもつことができないし、男性から性的な目で見られると過呼吸を起こしてしまう。
それでも彼女は、35歳の時に卵子の凍結保存をしていたのだった……

淡々と抑制的に進められていくお話にひきこまれました。
静かに、深く鋭く、アラフォー女性の抱えるジレンマや孤独が描き出されています。
女性は出産に関して年齢に限界があるので、余計に生き方が難しい。
平井が時々死んだように身体を投げ出すベッドの冷たさは、委細は違えど、私にも覚えがあると、共感を誘われました。

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2023年08月29日

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第46回すばる文学賞作品。

そうかぁ、という感じ。自分のこと全部解るわけじゃない、むしろなんで?って、折り合いをつけるのにも一苦労していることがままある。
誰にでもあることだろうし、でも「解るよ〜」と言えるほどには共通ではなくて、その意味でこの小説は自分からさほど遠くなかったのだけれど、
じゃあその個人差はどこから発生しているのか? という部分にも興味があります。

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2024年05月11日

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ネタバレ

30代後半と40代前半の女性がルームシェアする話。おもしろかった。
結婚も子どもを持つことも個人の自由だと言いつつ、腹の底ではそれが求められている。期待に応えられないことや、自分本位に生きていることへの罪悪感はいつまでも付き纏うのだろう。
恋愛感情を持てないけど、子どもを持つ将来を捨てきれずに卵子凍結している平井が、菅沼に3Dプリンターで赤ちゃんを作ってと言うのは若干ホラー感あるけど、これはハッピーエンドだと私は思った。捉え方は人によって違うのかもしれない。

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2024年03月27日

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ほぼ前情報無しで読んだのだけど、すごく好きな話だった。
平井も菅沼も、ぜんぜん自分とはタイプが違うし、友達にもいないなと思うんだけど、同世代かつ独身という共通点があるからなのか、抱く虚無には共感もあって。
最後もこうきたかー!とタイトルの回収も含めてグッときた。
淡々としてるんだけど、読んでるうちに心の奥が熱くなるような話だった。

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2024年03月04日

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こういう人生もありなのかなと。
"産まない"と"産めない"は違う。
"産めない"の方が圧倒的に辛いと思い込んでいた。
"産まない"に諦めの意味が含まれる場合もあると気づけていなかった。

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2023年09月12日

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結婚をしなかったら出産をしなかったらがらんどうなのか。
それを意図したタイトルかは分からないけど考えてしまった。
推しを通して出会った年代の近いアラフォー女性二人のルームシェア生活。
語り部である平井さんとは男性への接し方などが似ていて共感。次回の芥川賞候補になるのではと勝手に予想。

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2023年07月29日

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私は結婚し子供も産んだので、この主人公2人の女性とは違う人生を歩んでいるけれど、2人のように親の離婚や再婚を経験していたら結婚に夢を持てずに違う人生を歩んでいたかもしれない。

女性として生まれたからには結婚して子供を産むのが普通という考えはそろそろ無くなって欲しい。その人にとっての幸せが何かなんて人それぞれだし、親の期待や周りの考えにプレッシャーを感じて苦しくなるのは辛すぎます。

3Dプリンターで作った出来損ないのがらんどうの赤ちゃん。それを胸に抱いて、自分にぴったりという平井さんが切なくて泣けてしまった。

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2023年07月16日

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同世代の女性ふたりの物語なので、ずしっときた。

細かい描写が好き。
それ以外のこと(感情)はうまく言葉にできない。

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2023年07月07日

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ネタバレ

女友達と一緒に住む
だからと言って、最近流行りのLGBTQの話でもない
安易にそこに突っ込んでいかなくて良かったと読みながら思った
物語に大きな起伏はなく、平坦な印象
でも、伝わってくる日常の切実さ

何かになれるかもしれないし、なれないかもしれない
出来るかもしれないし、出来ないかもしれない

んな主人公の平井が菅沼に3Dプリンターで赤ちゃんを作ってもらう
中が空洞で失敗作なそれを抱いて満足する平井
完全でない自分との共感とタイトルの回収

平井、菅沼の軽い感じは会話は平坦な物語のアクセントになっていて読みやすかったです

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2023年06月23日

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年代が同じなので共感できる部分はかなり多かった。子供を産めるリミットが近づくこの年代が一番周りからの圧とかすごくてしんどい。
結婚していても子供は欲しくないの?とか不妊治療していたと言ってもまだ諦めたらだめだよって。
いっそのこと、あなたはもう産めないので諦めてくださいお疲れ様でしたって言われれば、納得できると思う。自分の気持ちと現実でなかなか折り合いがつかないことはよくある。

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2023年06月02日

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胸がギューっとなる。

まだ子供を持つこともできるし
結婚もできる。
選択肢があるだけに迷走する
アラフォー女子の心の内がよく分かる。

作品の淡々とした雰囲気、好き。

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2023年04月22日

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アラフォーの女性2人のルームシェア
お互いがちゃんと相手の事を見ていて対応している
婚活アプリや卵子凍結等も含めて人との繋がりを求めていると思った

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2023年04月06日

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今のままでいいのかと思う30代。
他の人と比べたりするけど、結局は無理な事は無理。
自分が出来る事しか出来ない。
自分の気持ちを大切に生きていくしかないのかなぁ。

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2024年02月03日

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読みやすい文調と文量で半日で読破。
確かに、年を重ねてくると、不安と生きづらさが比例して増えてくる。30代既婚者には軽く読めても、未婚者には…
一風変わった2人の女性ルームシェアという非日常の日常を描いたストーリー。「諦めないことが正解じゃないように、諦めることも正解じゃない」が胸に沁みました。どこかで使いたいフレーズです!

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2024年01月27日

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テーマはありふれていて、物語は冗長で、でも描写の雰囲気はよく、十代のときこういう小説好きだったなー、でも今はもう飽きた感じ。と思いながら読んだ。
『生まれる森』のころの島本理生さんに似てる。
ただ、菅沼の副業は面白いし、それに絡んでくるラストのまとめ方がとても美しかった。

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2023年10月09日

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ルームシェアしているアラフォー女性2人の淡々とした日常の物語。この年齢ならではのどこにも進めない閉塞感がリアルで一気読み。
独身で結婚も出産もしないなら、女同士でルームシェアするのも全然アリだよな。

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2023年09月28日

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ネタバレ

どうして『普通』になれないんだろう、と苦悩する平井が終始痛々しい。最初に同居することを菅沼の方から提案されたこともあり、どこかで菅沼よりは自分の方が普通と思っていたのかもしれない。でも菅沼が既婚者の男性と交際していると知り、そういう部分では自分の方が普通ではないと気づいてしまったことがショックだったのだろうなと感じた。

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2023年09月28日

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暗い話に展開しそうでそうではない。現実とは、こんな空気感だなという感じ。
身体的にも妊娠可能なこの年代は、こういうモヤモヤした気持ちを色々な角度で感じるし、錘となってどんよりと毎日を支配するけど、過ぎてしまえばそうでもないと感じる。

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2023年08月11日

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なんだかなぁ。
なんだかなぁ。
しっくりくるのに、しっくりこん感じ。
あと、お腹の底の方にズシっとくる感じ。

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2023年08月10日

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恋愛感情が持てないことや、子どもを産まないことを、空虚なことのように思わせるのは、誰だろう。
がらんどう。抱える焦りが伝わる。思い込まされているものだとしても、それは巣食っているし、満たすのは時間がかかる。いろんな生き方があるってこと、みんながぼんやり受け止められるようになればいいのになあ。

土屋仁応さんの彫刻の装丁、いいなあ。

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2023年06月29日

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40歳、出産可能性の境界にいる女性。産むか産まないか。結婚はあるか?赤ちゃんが欲しいのはなぜか?本能か刷り込みか?多様な生き方を肯定的に捉えるのは難しい。自分の中から湧いてくる様々な感情に折り合いをつけて、幸せに生きていけるよう応援したい、と思わされた。

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2023年05月21日

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二人の関係性が明らかになるまでの物語のテンポが、映像を見ているようで非常に心地良かった。ただ、今を映す数々の事象が明らかになりながらも、読者に投げつれるようなぶっ飛んだ展開や、問いかけはなかったように感じ少し残念だった。

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2023年05月20日

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女性の生きづらさ、日本社会の古い考えを感じ、痛いほど共感できる感情がありました。結婚だけが全てではない。でも子供が欲しいと思う。その気持ち、とてもよくわかります。身動きの取れない女性の感情がよく表現されていました。

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2023年05月01日

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四十手前の「平井佐和子」は、四つ年上の推し活仲間である、「菅沼」から、コロナ禍で人と会えない寂しさが募ったことでルームシェアを提案された事に、最初こそ躊躇いを覚えるものの、結局は承諾する事になる。

その躊躇いは、平井にとって、『菅沼との同居を決める=諦めるということ』であり、彼女の人生は承諾した時点で、既に何かが終わってしまった感を受けそうだが、その後もそうした雰囲気を、例えば、3Dプリンターで死んだ犬を作る事が、菅沼の仕事であることや、平井がいつも歩く、通りの街路樹の重なり合った葉が『嘘みたいに』鮮やかな緑色に感じられたこと等からも察せられるように、どこか生と死の境界線が曖昧になった空虚な世界で、ひとり孤独に生きているような、そんないたたまれなさを感じさせられ、それは『まやかしの身体をフィギュアとして現世に残し、あの世では魂の尻尾を振りながら駆け回る』といった、平井の思いからも酌み取れる。

また、そうした思いに至る、ひとつの理由として、本書では『結婚』があり、平井も菅沼もそれぞれに、母親の結婚に対するマイナスの影響を意識していることから、菅沼はそれを、『負ける可能性の極めて高いギャンブル』と感じており、平井は、十五の時に母親が再婚した男に嫌悪感を抱いているものの、彼女の価値観としては迷走している点もあって、それは『「わたしにも」と「わたしには」が混じり合う』や、『したくない。でも、できる、かもしれない』といった、揺れ動き続ける思いに表れていて、こうした葛藤に、きっと共感できる女性もいるのだろうと思わせる、その切迫感に襲われる様には、人生とは何なのだろうと、思わず感じさせずにはいられなかった。

『苦しくならないで、何もかもすべて諦めて、生きていくことはできない』

タイトルの『がらんどう』は、第四十六回すばる文学賞を受賞した時の、「空洞を抱く」を改題したものであるが、それらに込められた意味は、まさに上記の平井の絞り出した思いに集約されているように感じられ、人には何かを為したいといった、心の意思を持っていて当然の存在であるはずなのに、その意思が、がらんどうの状況である事には、本来、諦めるというのは、どこか吹っ切れた感を覚えて、清々しささえ感じるような充足感があるのだが、平井の場合、自ら捨て去ってしまった、それは本来、望むべくした事では無かった事がとても辛く苦しいのだと言っているようで、この諦めるということを許してくれないような、見えない闇の存在というのは、おそらく、現代社会のそこかしこで、未だに燻っているのだろうと思うと、多様性やジェンダーフリーなどと謳われる今だからこそ、より考えさせられるものもあり、そのあまりの闇の深さに気が遠くなりそうになる。

しかし、平井の『がらんどう』に対する思いは、新たな視点によって見直される事になり、そこで見られたのは、どこか自分から離れていきそうな距離感を持った菅沼とは違い、まるで鏡に映った自分自身の心の中を見出したような愛おしさであり、そこには過去に抱いていた、『あきらめる=苦しくなる』から解き放たれたかのような印象を受けると共に、何かを手放してしまったかのような悔恨めいた思いも覗えそうだが、それは、誰も咎めたり嘲笑したりする事の出来ない、彼女自身の生き方であることを決して忘れてはいけないのだと思った。

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2023年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

同じアイドルが好きな人とのルームシェア生活を軸に、婚活だったり推しの結婚だったり、自分の人生だったり、喪失と混迷と何気ない日常が延々と続いていく。自分たちは日々何かしら失って、こんなでもねえな、こうじゃなかったかな、ああしとけばよかったのかな、なんて迷う。迷って、悩み、凹んで、立ち止まって、また歩き出して、また止まってを繰り返してる。短い話の中にそれが詰め込まれていて、3Dプリンタの中身のない人形(見方によって失敗作)に充される主人公に切なさを感じてしまった。
婚活でマルチにあったら凹むなあ。

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2023年04月21日

Posted by ブクログ

独身38歳女性の日常を描いたショートストーリー。
自分はもうこういう人生を送るしかないのだ、と割り切っているつもりでも、周りの目は気になり、すがりついてしまう、という切ない主人公の心の動きに、こちらもキリキリ心が痛くなる。

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2023年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

母親に周囲に結婚を期待されながらも、同じ推しを持つ女性とルームシェアを始めたアラフォー女性の話。
マッチングアプリで会った人がマルチだったり、卵子凍結保存の更新をするか悩んでいたり色々な出来事はあるが、わたしの感情の振れ幅は小さく、つっかかりなく物語が流れていく。
がらんどうの赤ちゃんのフィギュアを抱いて満たされた、わたしの気持ちはすごく個人的なもので、読者に共感を求めてはいないのかなと思った。

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2023年04月09日

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がらんどう

タイトルのままに
主人公の心の様子が描かれている

そんな風になることある
心の描写、上手いと思う

でもずっとがらんどうの主人公は切なくなる

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2023年04月08日

Posted by ブクログ

赤ちゃんが欲しいという気持ちがこんなに切実なのかと、最後に出来損ないの赤ちゃんフィギュアを抱いて深く満足する主人公を見て思った。がらんどうでもそのフィギュアを持つ人を慰めることができるならとてもいいことです。こういう人たちがあちこちにいるような気がします。

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2023年04月02日

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