ユーザーレビュー がらんどう 大谷朝子 引っ越しとか、親が死んだとかはいちいち発表しないのに、なんで結婚や出産は特別なことみたいに取り上げるの?p50 淡々と日常を描いているだけなのに、そこに独身アラフォー女とつくとどうしてこんなに息苦しく虚しく感じてしまうのだろうか。久能整さんが言ってたけど「「女の幸せ」って言葉はおじさんが作った」と。...続きを読む自らの人生を作られた枠組みにはめてしんどさを感じるのなら、そこから一度出てみることも重要。絶対的な幸せはない。でもできないから苦しむんだけどね…。 Posted by ブクログ がらんどう 大谷朝子 38歳独身女性の平井。仕事ではなんとなか経験を積んだけど、DXの波に飲まれて仕事を失うかもしれない未来を憂いている。 周囲と波風立てずに、ひたすら地味で普通のど真ん中をいくような彼女は、推し活仲間で42歳の同じく独身女性・菅沼からルームシェアしようと誘われる。 副業として犬のフィギュアを3Dプリンタ...続きを読むーで作る菅沼は、どこか風変わりでエキセントリックな魅力があるけど、結婚に関しては絶対にしないと決めている。 そんな菅沼との同居を決めるのは、結婚や出産を諦めるのと同義でもある。それでも同居に踏み込んだ平井は、やがて菅沼の推しの結婚を経て、過去のトラウマを意識するようになる……15歳の頃に母親の再婚相手に出会った時の生理的嫌悪感がもとで、彼女は男性に恋愛感情をもつことができないし、男性から性的な目で見られると過呼吸を起こしてしまう。 それでも彼女は、35歳の時に卵子の凍結保存をしていたのだった…… 淡々と抑制的に進められていくお話にひきこまれました。 静かに、深く鋭く、アラフォー女性の抱えるジレンマや孤独が描き出されています。 女性は出産に関して年齢に限界があるので、余計に生き方が難しい。 平井が時々死んだように身体を投げ出すベッドの冷たさは、委細は違えど、私にも覚えがあると、共感を誘われました。 Posted by ブクログ がらんどう 大谷朝子 第46回すばる文学賞作品。 そうかぁ、という感じ。自分のこと全部解るわけじゃない、むしろなんで?って、折り合いをつけるのにも一苦労していることがままある。 誰にでもあることだろうし、でも「解るよ〜」と言えるほどには共通ではなくて、その意味でこの小説は自分からさほど遠くなかったのだけれど、 じゃあそ...続きを読むの個人差はどこから発生しているのか? という部分にも興味があります。 Posted by ブクログ がらんどう 大谷朝子 30代後半と40代前半の女性がルームシェアする話。おもしろかった。 結婚も子どもを持つことも個人の自由だと言いつつ、腹の底ではそれが求められている。期待に応えられないことや、自分本位に生きていることへの罪悪感はいつまでも付き纏うのだろう。 恋愛感情を持てないけど、子どもを持つ将来を捨てきれずに卵子凍...続きを読む結している平井が、菅沼に3Dプリンターで赤ちゃんを作ってと言うのは若干ホラー感あるけど、これはハッピーエンドだと私は思った。捉え方は人によって違うのかもしれない。 Posted by ブクログ がらんどう 大谷朝子 ほぼ前情報無しで読んだのだけど、すごく好きな話だった。 平井も菅沼も、ぜんぜん自分とはタイプが違うし、友達にもいないなと思うんだけど、同世代かつ独身という共通点があるからなのか、抱く虚無には共感もあって。 最後もこうきたかー!とタイトルの回収も含めてグッときた。 淡々としてるんだけど、読んでるうちに...続きを読む心の奥が熱くなるような話だった。 Posted by ブクログ 大谷朝子のレビューをもっと見る