【感想・ネタバレ】画家とモデル―宿命の出会い―(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「画家とモデル」と言われると、あとがきや解説にもあった通り、男性画家と美人モデルを想像しがちだが、それだけに留まらないのが中野先生。
勿論、妻に隠したまま愛人を描き続けたなんていう某有名画家の話もあるが、個人的に印象的だったのは、ある女性画家の話。
多毛症の少女をあんなに愛くるしく、そして慈愛に満ちた視線で描いた絵に持っていかれた。
彼女に対する当時の世間での価値観や評価をものともせずに。
絵の背景を知った方がよりその絵に入り込めるのは、確かにその通りだとは思うが、説明されなくても伝わってくるものも確かにあると思う。
この絵はまさに、そうだと思う。
説明不要の愛。

他にも画家とその絵のモデルに関する様々なエピソードが盛りだくさん。
ベタなものから、変わったものまで。
中野先生節は今回も健在で、読みやすく勉強にもなる一冊でした。
本編中には実物が掲載されていない絵のエピソードも多数出てくるので、ぜひ画像検索しながら読むといいかと。

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2023年04月15日

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