【感想・ネタバレ】消費社会を問いなおすのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

昨年、出会った本で脳みそ直撃だった「サブカルチャーを消費する:20世紀日本における漫画・アニメの歴史社会学」「消費は誘惑する 遊廓・白米・変化朝顔 一八、一九世紀日本の消費の歴史社会学」の著者、貞包英之の新書。本屋さんで見つけてすぐ購入。ちくま新書ならではの特典が顔写真がカバーに入っていること。まあ、顔知ってどうのこうの、ということもないのですが、自分的にはどんな人の論考に揺さぶられたのか、興味あった訳です。前著二冊から今回は時代が引き寄せられていて100円ショップに代表されるデフレ社会の消費、サブスクリプションという新しい消費、さらにはコンマリ現象、ゲーム、住居、さらにはスポーツ、ドラッグも対象にしています。そして消費社会の限界を示しつつ、その先の可能性としてのベーシックインカムに至って、そうくる?という衝撃がありました。ただ今回、この感想を書くにあたって「サブカルチャーを消費する」の自分のレビューを読み返したら、そこでもベーシックインカムを示唆していることを思い出しました。ものを消費する、という行為がひとの自由の発露であるという視点が一貫しています。この新書、また次の本に繋がると思いますが、著者自らいう「粗雑なスケッチにすぎず…」というその部分をさらに深掘りして、揺さぶって欲しい!とにかく時代批判としてのありきたりな80年代消費社会論を超えていく著者の論考、楽しみです。

0
2023年04月05日

Posted by ブクログ

「消費」と「労働」のデカップリングという発想が斬新だった。そして環境破壊など消費の限界から私たちはどうしても「脱成長」の方向に進まざるをえなくなるのではないかと考えてしまうが、「消費する自由」とは「尊厳」であるといい、国家や労働への依存することなく消費の自由を保つにはどうすれぱよいかという問いかけに、思考停止してなるものかという心意気を感じた。
きっと、道はあるはずである。

0
2023年03月11日

Posted by ブクログ

学術的な話をベースにしているので読むのにやや難しいものの、今話題のベーシックインカムにも触れられていて、それでいて地に足の付いた理論を構築されているような気がしました。

自分は就職氷河期世代の未婚中年男性で、給料も少ないので消費は少ないほうだと思います。欲しいものがないわけではないのですが、現行の製品として流通しているもの・新製品に欲しいと思えるものがほとんどありません。
子どもの頃は、こんな高級なステレオが欲しいとか、寝台列車に乗りたいとか、この楽器が欲しいとかたくさんありましたが、大人になったらそれらは皆販売が終わっていました。給料も贅沢できるほどはもらえていない(ステレオはもう必要なくなったし、楽器はビンテージになって当時の販売価格の数倍で手が出ない)ので、そうするとそんなに買い物をする必要もないと、特に中年になってからは悟りの境地になりました。そういった贅沢、できればしてみたかったのですが。

今お金があっても、欲しい物は過去の物ばかり。本は古書で手に入るので、現在の楽しみはそれぐらいですね。今の経済に貢献できてないのは申し訳ないですが。

さて、これからの日本・世界の経済はどうなっていくのでしょうか。安くはない税金を粛々と納めながら、投票にも行きつつ、時には声をあげながら、見守っていきたいと思います。

0
2023年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

消費社会の外側には出られない、だからベーシックインカム。という論法なんだが。説得力あるんだがどうも騙されているような気になる。こういうのをもやもやするというのだろう。ゆっくり何回か読んだらもうちょっとはっきりしそうなんだが、でもそこまで関わりたいかというとそう思っていない。さて困った。

0
2023年02月15日

「ビジネス・経済」ランキング