【感想・ネタバレ】靴に棲む老婆〔新訳版〕のレビュー

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ネタバレ

製靴業で成功したポッツ家の強烈な女主人、イカれた3人の子どもとまともな3人の子ども。無茶苦茶な決闘から始まる連続殺人……

ポッツ家のメンバーの強烈なこと!まともじゃない家族たちには『Yの悲劇』のハッター家を連想したけど、向こうよりなんだか魅力的だったな。
ねじれにねじれた展開で、最後の怒涛の解決編はもう夢中で読んじゃった!いやあ面白かった。

エラリイも警視もポッツに振り回されるんだけど、なんか結構楽しそうなんだよね〜。越前さんの新訳で順々に、苦悩するエラリイ、立ち直るエラリイと読んできて、また楽しげなエラリイに会えて楽しかった。

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2023年06月13日

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キャラクターが生き生きと動き回り、翻訳の妙もあるところと思うけれど、筆がのっているという印象。
私の中では、「グリーン家殺人事件」「Yの悲劇」に続く館もので、名家やお金持ちは大変だなあ。と俗っぽい思いが湧くものの、閉鎖的な空間での濃密さがとても好き。
これを読んで、やっぱりマザーグースを知らなければ!と思い、谷川俊太郎さん訳の文庫を購入。
新しい楽しみに繋がりました。

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2023年05月27日

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ネタバレ

ハヤカワの新訳、クイーンをこの頃読み続けてきたけれど、久々に(ゴメン)面白かった!
と、いうか、やっぱり私は見立て、マザーグースが好きなのだと思う。
題名からして、あ~『靴の中のおばあさん』なのねって(他の訳、多々あるけれど)思ったし、ちょっとアレ~な子ども三人って事も、不謹慎ながらもワクワクした。
まさかのクイーンの嘘八百や、シーラの「え!」もコーネリアの、「わぁ!」も楽しめた。ライツヴィルシリーズ、国名シリーズよりもこんなに面白く読み終えたクイーンは他になかったかも。

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2023年01月15日

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ネタバレ

クイーンを語れるほど読んでるわけではない、というひとの感想。コミカルな要素がたくさんあって、テンポよく、面白かった。変人を変人と最後まで書き切ったし、変人だなと受け入れられるほどの描写もあったので、読んでる側の納得感もあった。

とある殺人事件のお話を途中で投げ出し中なのですが、人物描写や劇場感はこちらの方が好みかなとは思いました。変人一家は同じなんですが、人物側の描写が足りてないのか。そちらもいずれ読みますが。

嵌められた人物の言動と結末、ああ、そうか、だから真っ白になってしまったのね、と。真相を知ればなるほど、とても巧妙でした!

なんとなくエラリィが得した感もないわけではなく。いずれにせよ、展開の割に後味はそこまで悪くない不思議。

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2024年02月18日

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久しぶりにエラリイ・クイーンを手にしたけど、やっぱり面白い。クイーンの作品はかつて一通り読んだけど、新訳シリーズに期待しちゃう。けっこうクイーンのキャラが違う印象になるよね。ドルリィ・レーンの4作品もハヤカワで新訳出してくれませんかね。

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2023年04月14日

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 一九四三年初版。国名シリーズ→ハリウッド→ライツヴィルときて、またここでニューヨーク市警レギュラー陣わちゃわちゃシリーズへ戻る。わちゃわちゃぶりはだいぶこなれてきた…ヴェリー部長刑事もよく喋るし(昔は影のようだった)、プラウティ医師も少ない出番ながら「(プラウティ医師、退場)」なんて太字の括弧付きで書かれたりするし…と思ったら、解説によるとこうした登場人物たちの性格や“ノリ”は一九三九年に放送開始されたラジオドラマ版エラリー・クイーン・シリーズに寄せたものだとのこと。
 なるほど、それだけでもなるほど、なんですが、本作はさらにそのラジオドラマ版に登場するある人物の、前日譚まで兼ねているということだ。こういう演出は本当にクイーンの得意技だよなあと思うが、当時のラジオドラマファンの人はさぞかし喜んだだろう。論創社から四冊出ているというラジオドラマの脚本集、私もいずれ読まねばなるまい。

 ミステリーとしてのトリックやらロジックやらについてのコメントは、すでに世にある解説や他の方のレビューにお任せして、私はやっぱり、『十日間の不思議』のレビューに引き続き、エラリーの恋愛について語りたい。ので語ります。

※他作品も含め、このあと事件の真相に関わるようなネタバレはしないつもりですが、そうでない部分についても先入観を持たされるのはごめんだという方はご注意ください。

 今回のエラリーのロマンスは、エラリーがシリーズの主人公名探偵として到達できる最大限の「恋の成就」だったのではないかなあ。という話。(ど、どうでもいい!が続ける)
 まず、エラリーは結婚する未来を封じられている(第一作『ローマ帽子〜』の序文では、後に妻子を設けイタリアに移住する未来が描かれていたのに、いつのまにかその設定は闇に葬られた)。そして、一九三八年『ハートの4』で初登場し、短編集『エラリー・クイーンの新冒険』に収められた一九三九年発表の四作品で甘々のイチャつきぶりを見せた相思相愛の恋人ポーラ・パリスは、その後姿を表さない(らしい)。やはり、探偵役にステディな相手がいると、作劇上何かと都合が悪いのかもしれない。“名探偵を結婚させると不自由”という言説は、以前『明智小五郎全集(講談社文庫)』の解説でも見かけた。
 見えざる神の手によって結婚も恋愛も阻止される運命にあることを悟った(?)のか、エラリーは『災厄の町』でパティ・ライトといい感じになるも、“美女に惚れられても身を引いてしまう寅さん体質”(飯城勇三『エラリー・クイーン完全ガイド』より)を遺憾無く発揮。ポーラのときのように決定打をかましにはいかず、失恋といえば失恋に終わった。それに対し、今回の恋のお相手とは、飯城さんの解説によれば今後も“友達以上恋人未満”の関係が続くということだから、いわば“持続可能な男女関係”(←野宮真貴が横山剣とのデュエット曲に関して述べた言葉をお借りしました)に持ち込めたわけで、物語の都合を背負ったエラリーの立場としては最大限の勝利なのではないだろうか。私みたいな下世話な読者に対しても、楽しいニヤニヤを提供できるし。
 エラリーがどれだけ熱をあげるかは色々だが、ある時期以降結構どの作品でも印象的なヒロインが登場するのもクイーン作品の面白いところだ。色んな美女が出てきて、まさに寅さん見てる気分。女性の台詞は特に古い訳だとどうも不自然に感じがち(「〜ですの」とか)なので、どんどん新訳が出てくれたら嬉しいなと思うけど、ちょっと古い日本映画の女優さんのあのお上品な話し方をイメージすれば良いと思えば、苦手意識が減るかもしれない!

 

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2023年04月13日

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メタミス的なひねりもあまりない、直球勝負なミステリで、長さも考えるとメイントリックがやはり軽い気がする。その分、読み物としては抜群に面白い。濃すぎる登場人物に、マザーグース殺人と仕掛けも派手。最後の拳銃が見つかってからの、罠と称するエラリイのドタバタなんて過剰サービスの気もする。巻末の解説ではラジオドラマとの関係が指摘されているが、なるほどなあという感じ。
個人的には生涯で初めて読んだエラリー・クイーン物で、多分中学生(ひょっとしたら小学生)の頃のことで、異様に面白かったことはともかく、終盤の展開(犯人が誰とか、署名を巡るあーだこーだ)をまるごと覚えていたのは、さすがに子供の記憶力。ひさしぶりの再読に感慨深かかったり。

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2023年01月08日

Posted by ブクログ

2023.03.12
古典をいま読むと、ああ、あの作家はこういうところにヒントを得ているんだとか考えさせられる。

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2023年03月13日

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