【感想・ネタバレ】タイム・オブ・デス、デート・オブ・バースのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

とある団地で「団地警備員」として見回りする女の子の話。生と死について考えさせられる話。お姉ちゃんの事が心配になるけど人は1歩ずつ進んでいかなければいけない。しんみりした話を読みたい人に。

0
2024年03月10日

Posted by ブクログ

父親を幼い頃に亡くし、十歳の時に母親に捨てられた。 治安の悪いボロ団地で、五歳上の姉 七海と二人で暮らす高校生のみかげ。

みかげを必死に育てようと 七海の選んだ職業。
喘息持ちで あまり利口とはいえないみかげは、姉に負担をかけている自分を責める。

みかげは生きることに対して希望を見い出すことが出来ず、「いつか本物の死体がみたい」という秘かな願望を持つ。

ネグレクト、貧困、イジメ、孤独死…。
こんなツラい設定に読み切ることが出来るだろうか、と思ったけれど 最後は胸がいっぱいで泣いてしまった。

団地で出会ったあやしげなじーさんに 半ば強引に「団地警備員」の仲間にされたことから、少しづつ みかげに変化が現れる。 (あ、サクラ警備保障と警備員繋がりだ!笑)

そして、みかげが通う夜間学校で出会った 人生初の友達。むーちゃんと倉梯くん。

むーちゃんと倉梯くんも団地警備員に加わって、さらに みかげが成長していく姿が…( ߹ㅁ߹)
またこの倉梯くんが良い子でさぁ( ノД`)


人は助け合って生きている。
人の痛みを知っている人は強くて優しい。

タイム・オブ・デス 死亡時刻
デート・オブ・バース 誕生日

初めて直面する大切な人の死
初めて心から嬉しいと感じた誕生日
どちらも涙なしには読めませんでした。

久しぶりの窪美澄さんの本
やっぱり大好きでした



0
2023年12月21日

Posted by ブクログ

親に捨てられ、古い団地で姉と暮らすみかげ。お金もない、喘息持ちでバイトも思うようにできない、、、そんな暮らしの中、ぜんじろうさんと名乗る人物と出会い、みかげの生活に変化が現れる。
つらつらと綴られていく文章、心に傷を持った人間同士の思いやりが、読んでいて心地よい。
窪美澄氏の初期の頃の作品「ふがいない僕は空を見た」や「晴天の迷いクジラ」を彷彿させる文体で、一気読みした。ここ最近の読んだ中では、一番人に勧めたい1冊だ。

0
2023年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生きる希望を貰えるようなお話だった。
と言ったら大袈裟かもしれないけど、少しの出会いで人生は変わると感じ、温かい気持ちになれた。

毎日同じように過ごしてしまうことの多い生活を送るみかげの前に、突然現れた団地警備員をしている老人ぜんじろうさん。みかげは姉と二人暮らしで、喘息の持病もあり、決して豊かとは言えない生活を送っている。そんなみかげがぜんじろうさんとの出会いをきっかけに団地警備員としてみかげの住む団地をその名の通り見回り、団地に住む人たちと交流していく。
みかげが少しずつ変わっていく様子も感じられたし、みかげの夜間学校の友だちも良い子たちでみんな愛しかった。みかげの姉がいろんな苦労もしているのに、みかげのことをすごく大切にしているのも素敵。みんな幸せになってほしい。

ハラハラするような展開はないかもしれないけど、みかげの話口調で進むストーリーは読みやすく、物語の世界に入りやすかった。

0
2023年11月02日

Posted by ブクログ

スラムのような、吹き溜まりのような団地に住む、いつか死体を見たいと思っている少女。
読んでいて苦しくなるくらい自分を卑下していた少女が、夜の学校で出会った初めての友達や、突然目の前に現れた老人との交流を通して、自分の意思で動けるように成長し、生と死について考えるようになる過程に、泣きそうになりながらグイグイ引き込まれた。
団地の衰退と対照的にこれからも生きていこうと前を向く3人の高校生の姿が印象的だった。

0
2023年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読友さん7人が既読、窪美澄作品、初読み。色んなメッセージが込められていたんだなぁって思う。1) 古い団地に住まざるを得ない社会的に弱い立場の主人公と姉。親から見捨てられた不条理。2) 社会的弱者に対する福祉サービスが行き届かない不条理。3) 人間1人では生きてはいけず、助け合いの精神が必要だが、今の世知辛い日本、自分さえよければ、見て見ぬふり。昭和時代のように余計なお節介という風習は重要だったんだ。4) 人間誰しも欠点がある。それを認め合う社会こそ成熟した社会であり、日本の教育の心髄はこれでいいのか?⑤

0
2023年07月30日

Posted by ブクログ

大都会の片隅で日常の中に身近にある死。それに気付かぬまま今を必死に生きるみかげ。いつか死体がみたいと思っていたのは死というものがわからなかったからなのかな。みかげ、素直でほんとうにいい子。

0
2024年05月01日

Posted by ブクログ

15歳のみかげは、姉の七海と2人で暮らしている。生まれたときから住む家は、お年寄りが多い古びた団地だ。
姉と助け合いながら、工場でのバイトと定時制の学校で2人の友人むーちゃん、倉梯くんと穏やかに過ごす日々を送っていたみかげ。
ある日、団地警備員を名乗るおじいさん、ぜんじろうさんの半ば強引な誘いで、みかげは団地警備員に任命される。

今作ではそれぞれの登場人物の背景はあまり描かれていない。現在の悩みや苦しさも、主人公であるみかげ以外はあまり描かれない。
しかし、登場人物たちは皆それぞれ違った優しさを持っていることが、言動から伝わってくる。
それだけでなく、その優しさの背景にはこれまでに様々な傷や痛みがあったのだろう、今も苦しさを抱えているのかもしれない、ということが想像できた。
詳細な背景は描かずとも登場人物たちの傷や痛みを感じることができるのだと思ったし、それができる窪さんのすごさを感じた。
同年代の友人や、ぜんじろうさん、団地のお年寄りといった年配の方の交流を通して、みかげが成長していく過程が丁寧に描かれていたのも素敵だった。

0
2024年04月23日

Posted by ブクログ

読みやすいし続きが気になりどんどん読めた。
父親は小さい頃に亡くなり母親からは捨てられてしまったみかげとそのお姉ちゃんの七海が団地で必死に生きる。
みかげは夜の学校に通っていてどんな状況の時にも仲間の存在は大切と思った。
団地警備員のぜんじろうさんとの出会いも大きい。

0
2024年02月16日

Posted by ブクログ

気づいたらもうこの環境だった。
“みかげ“の前に立ちはだかるのは、
自分の責任ではないけれど
なかなか改善していかない厳しい現実。

人と人とのつながりを
感じられるような一冊だなと思いました。
“みかげ“には、
お姉ちゃんの七海ちゃんがいて
夜間高校の友だちがいて
団地警備員のげんじいがいる。
んなそれぞれに事情を抱えているけど、
そばに居てくれる人がいること、
今日あったことを気軽に話せる人がいること、
助けてほしいときに助けてくれる人がいること、
自分を好きでいてくれる人がいること、
自分を大事にしてくれる人がいることは
きっと当たり前のことじゃないと思いました。

そんな自分のそばにいる人を大事にしていきたいです。

0
2024年02月02日

Posted by ブクログ

コミュ症で喘息持ちのみかげは夜間高校に通う15歳。彼女の語る言葉は幼さが残り認識阻害系の魔法にかかっているように世界をみているので薄ぼんやり映る。そんな表現のなかで読んだのでわりと感傷的にならずにページを閉じることができました。

高度成長期に丘陵地に建てられたかとおもう都営団地は老朽化が進み廃墟のようで、心霊&自殺スポットとか呼ばれている様子。栄枯盛衰、そんな団地に今も暮らしているのは、独居老人や、生活困窮者たち。
孤独死に自殺に認知症、虐待に育児放棄が日常の風景。
団地育ちのみかげは3歳の時に父親を亡くし10歳の時に母親がでていき5歳上の姉と共に今もここに暮らしている。2間しかない間取りのようで2Kかな。
姉は夜の商売をしているようで、はっきりとは怖くて聞けない。みかげも週3でパン工場でバイトして家計を支えている。
いじめられ夜学に通うようになり二人の友達を得て、団地警備をしているぜんじろうにも出会い共に独居老人の安否確認や支援物資を届けるボランティアを始めることで少しずつ外の世界にも関心を向けるようになっていく。
生きている人間は怖いから、死体に憧れていたみかげにも変化が表れる。作中、みかげの見た死体は2体あり心理描写も対称的に描かれているのが心に留まりました。

それと姉、七海の存在が多きかったかな、母親はクズでしたけどね。

0
2024年01月27日

Posted by ブクログ

姉の強さ、優しさ、寂しさが1番心に沁みた。
自己を犠牲にしてでもたった一人の家族、妹を守りたい、そんな思いが随所で感じられ涙が止まらなかった。
他にもたくさん涙腺崩壊箇所があり読むのが大変な本だった笑

0
2024年01月21日

Posted by ブクログ

ぜんじいが各部屋の見回りをする時の「生きてるか!?」「生きてろよ!」という、短いけどシンプルで力強い言葉が胸に残った。ズタボロの生活で投げやりに生きてても誰かがそんな自分を気にかけて見守ってくれている。団地警備員の温かさが好き。詮索されるのは嫌いだけど気にかけてもらえると心が温かくなることあるよね。特別なことでなく、ぜんじいみたいに声をかけるだけでも、生活の苦しさは助けられなくても心の寂しさは和らぐんじゃないかな。その日を生きるのに精一杯で貧困な環境から抜け出せないこともあるけど、ホステスの姉・七海と夜間高校生のみかげ姉妹は、団地取り壊しに伴う引越しを機に新生活を歩んでいってほしい。みかげが不登校、喘息持ちと言う設定もあるが、「自分には工場の仕事しかできない」と能力の限界を自分で決めたり、七海の仕事内容を調べる時にスマホがあるのに自分が理解できるまで調べず、聞きづらいと思いながらも結局友達に聞いたり(何でもっと調べないの?最初はスマホ持ってない設定かと思った)、七海に仕事をやめてほしい気持ちもわかるがその仕事内容をよくわかってないのに(そして他の仕事に関しては頭が悪い、喘息だからと能力の限界を決めて諦めるのに)七海の代わりにやると言って案の定七海を怒らせたり、周りのキャラに対して、みかげが幼すぎて苛立つ部分がある。また、姉がホステスとして稼いだお金で高校に行っているのに、「勉強は好きじゃない」的な描写もあり、ざらつきが残った。主人恋が好きじゃないので星4。倒れたぜんじいに代わって団地警備員の仕事を率先したり、団地取り壊し反対運動を倉橋くんの助言で3人で行ったり、後半は好感が持てた。
タイトルの意味は死亡時刻と誕生日らしい。作中で多くの人物を支えたぜんじいが死ぬ場面で倉橋くんが「毎日死んで毎日生まれる。だから大丈夫」の言葉は感覚的に胸に沁みる。仲良しの浪江さんも死んだ。慣れ親しんだ団地も結局壊される。生きていれば大なり小なり死ぬ(失う)ものがある。それでも生まれるものがある。だから大丈夫なんだ、きっと。

0
2024年01月09日

Posted by ブクログ

今月初めに読んだ本は「二人の嘘」(一雫ライオン)で、そのお話にも格差社会や生活困窮者の描写があったけれど、このお話の中でも描かれていました。心苦しくなるような場面があったけど、光のある終わり方で良かった。自分のことで精一杯で周りの人が困っているか、困っていたら声をかけていく登場人物たちと出会えて良かった。特に団地警備員と名乗るおじいさんにじんときて泣きました。主人公の友達もいい子だったな〜。
読みやすくて一気読みでした。

0
2024年01月07日

Posted by ブクログ

姉の七海と、ふたりで古い都内の団地に暮らす高校生の「みかげ」

みかげと七海は、幼い時父と死別し、その後母はパート先の代理業者の男と暮らすために娘二人を置いて家を出た。みかげが小学生の時だ。
それからは七海が働きながらみかげとの生活を支えてくれていた。
そんな家庭環境のせいか、身なりに気を遣えないしあまり物を知らないみかげ。入学した高校でいじめられて通学できなくなり、夜間高校に通い、昼間はパン工場でアルバイトをしている。

みかげが出会う人たちは、わけありな人達なんだけど、みんなあったかい。
私は、みかげがいつ誰に騙されないかとハラハラして読み進めたんだけど、それは幸いにして杞憂に終わった。
団地警備員のぜんじろうさんのことも、私は当初みかげにしか見えない幽霊的な存在なのかなと思っていたけど(心を病んだみかげが見た幻…みたいな)そうではなかったし。
七海が夜の仕事をやめると決めたときも、「あー絶対に平穏にやめられるわけない…やめると決めてから何か事件事故が起こって七海は帰らぬ人になるかも…」と思ったけど、考えすぎでした、すみません。

そう、この本は、深読み禁物!
みかげのような素直な心で文章を追っていけば、また別の景色が見られるかもしれない。
死体を見てみたいというみかげの気持ちも、最初はグロテスクだなと思ったけど、それは私がすでにいろんな知識を持っていて、死体がこわいという先入観があるからなんだろう。なんの先入観もなければ、見たことないから見てみたい、くらいに思うのかな?いや、思わないだろうな私は。
実際にみかげが団地で腐敗した遺体を見て、幼い類くんが「ママー!」と叫んだところは、私は涙出そうだったよ。だからその後、死体をみたいと思っていた自分を顧みるみかげの気持ちは、よくわかった。死体にも昔は命があって誰かの大切な人だった、それを知ってしまうと、死体という言葉で片付けることはできなくなってしまうのだ。

重くないのに、色々な感情がぐるぐるした本でした。

0
2023年12月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

泣けた。
こんなに泣くとは思わなかった。

ぜんじろうさんがいてよかった。
途中、またそうなっちゃうのって展開で、やんなったけど、ぜんじいがいてよかった。

表紙のポップさと中表紙のレモンイエローの紙、本扉のカチッとコチットした題名からは、全然想像できないほど、心を揺さぶられる話だった。

0
2023年12月06日

Posted by ブクログ

なんだか辛いな…と感じている方に是非読んでいただきたい。感動作。

自分の責任ではない問題や困難に直面しながらも、懸命に生きようとする子どもたちの純粋で健気な姿に心を打たれる。

自身が辛い境遇であっても、手を取り合い 心を通わせ、もっと弱い人達を助けようとする。
かを助けようとする意志が、自分を救うことに繋がっていく。

前を向く力をもらえる。大切なことが詰まっている。

0
2023年12月05日

Posted by ブクログ

読書備忘録781号。
★★★★☆。

軽い感じの表紙絵ですが、物語は現代日本が抱える大きな2つの問題を組み合わせている。
でも、決して暗いエンディングではないので読後感は全然良いです。笑

昭和、高度経済成長期に建てられたいわゆる団地。
建物の老朽化と住民の高齢化が進む。
そんな団地に、幼くして父親を亡くし母親は家を突然出ていき、二人で必死にその日その日を生きる棚橋姉妹がいた。
姉の七海は生きるために収入の良いデリヘルで働く。妹のみかげは夜間高校に通い、昼はパン工場で働く。
みかげは、小中といじめに晒され、夜間高校に進学することにしたが、将来に何も希望を持てないでいた。

そんなみかげが夜間高校で初めて友達と呼べる仲間と出会う。在日コリアのむーちゃんと、頭は良いが吃音が激しい倉梯くん。どちらもいじめが原因で夜間高校に通う。
そして、団地ではぜんじろうさんというおじいさんが団地警備員として、高齢者住民の見回りを毎日行い、パンとポカリを手渡していく。そう、じいさんばあさんの生存確認が目的である。生きてるかぁ~!という感じで。

みかげはぜんじろうに誘われて団地警備員に。みかげに感化されたむーちゃんと倉梯くんも団地警備員に参加する。
じいさんばあさんとの係わり、じいさんばあさんの喜ぶ姿、みかげは生まれて初めて目的を持って行動することのやりがいを感じはじめる。

そんなある日。団地の取り壊しと退去の通知がポストに投函される。
そんなひどい話はないと、3人は取り壊し反対署名活動をやりながら、老人たちの引っ越し先を探し手引きしていく・・・。
そしてぜんじろうさんの明かされる過去・・・。

待ったなしの高齢独居老人問題。
住民の高齢化に伴い修繕が進まない集合住宅問題。
そして、少子になっているにも関わらず増える一方のいじめ問題。
そんな暗い暗い問題にも明るい将来は描ける!
死亡時刻と誕生日。
死と再生。

3人の高校生が明るい将来を思い描いて成長していって欲しいです。
★5つにしたかったですが、姉の七海が気に入らななかった。ぜんじろうさんに散々お世話になっておきながらお礼のひとつもない。最初は怪しいじじいだったかも知れないが、まちがなく善人。それが分かったら謝罪とお礼を言うべき。いくら妹を守ることにすべてを捧げていたとしてもである!
あとみかげ。高1のくせに一般常識を知らなさすぎ。こんな奴はいないやろ。
この2点で個人的に★0.5マイナスになってしまった。

でも傑作間違いなしでした!

0
2023年11月26日

Posted by ブクログ

これ映像化するかも。

昼の学校へ行けなくなったみかげ、むーちゃん
倉梯くんの3人と、みかげの姉の七海、そして
「団地警備員」をしているぜんじろうさん。

都心の団地を舞台に繰り広げられる作品。

いやあ、凄く良かったです。
今どきこんな団地あるんかなあ、と思いながら
読んでたけど実際あるのかも。

「団地警備員」を始めてからのみかげの成長に
拍手を送りたくなります。
ただ、16歳という設定は高すぎるのでは?
と思ってしまった。
小学校高学年位がいいのでは?

もし映像化されたら是非観てみたい!

0
2023年09月20日

Posted by ブクログ

都心の古びた団地をテーマにした物語。どんな貧しい地域や貧しい場所にも生活がある。世間ではのけもの扱い。老朽化した建物のたてこわしって問題になるよな〜。

0
2023年09月10日

Posted by ブクログ

私たちが日々生きていく、その先には必ず死が待っている。
その時までにどれだけの時間が残されているかは分からないけれど、遅かれ早かれ必ず死に辿り着くわけで、そう考えると生と死は地続きだ。
じゃあ「死」は「生きることの終わり」なんだろうか。
そう思うから自ら「死」に飛び込もうとする人がいたりするのかもしれないんだろうけど、本当に「終わり」なんだろうか。 
誰かが死ぬ。周りがそれを受け容れる、あるいは受け容れられずに悩む。遺されたモノや遺志を受け継ぐ。折に触れて思い出す。
「死」って、本当に「終わり」なんだろうか。
読み終わって「死」が少しだけ近しく感じられた。

0
2023年08月16日

Posted by ブクログ

最近社会学系の本を読んでいたから、何となく関連性を感じた。
どういった言葉を用いて感想を書いていいのかわからない。
物語である一方、似たような境遇の団地は現実のあちらこちらに存在している。

0
2023年07月31日

Posted by ブクログ

浪江さんの「若い頃は、未来のずっと先まで光で照らされて明るくていい事しか起こらないと信じていたの」という言葉が沁みる。遠巻きに見がちな事も、できることからすると自分自身も新しい変化が起きるかも。生と死、終わりと始まりを経験して前を向いて生きる主人公にエールを送る。

0
2024年04月15日

Posted by ブクログ

これほど過酷な状況に置かれている人と実生活の中でで会ったことがないので、とても勉強になりました。
この日本でもこんな世界があるんですね。

ぜんじいと出会って、団地警備員の活動を通してみかげはおおきく成長しました。
それぞれが異なるコンプレックスを抱えながらもお互いを思いやり、そして助け合う友情関係が眩しかったです。


自分がどれほどたくさんのものを持っていて、恵まれているか改めて思い知らされました。


We may sometimes need to help others to save ourselves.
I have to move forward with one step even though I’m in a strict reality.

0
2024年03月15日

Posted by ブクログ

「死」について「死体」について「自殺」について、人より深く考えたことがある自分にとっては共感する場面が沢山あった。
全体的に暗い話ではあるけど、展開や状況が割とリアルで現実っぽいから読みやすかった。
大好きな人のために、大切な友達や周りの人間のために自分が出来ることはなんだろうか、無力な自分を必要としてくれる人はいるんだろうか、そんな風に悩みながら少しずつ変わっていく主人公がなんとなく素敵に思えた。
人生は何があるか分からないし誰がキーになるか分からないから、一瞬一瞬の選択を大事にしたいなと思った。

0
2024年02月08日

Posted by ブクログ

ポップな装丁に、重い内容。
団地で暮らす七海とみかげ。幼い時に父親は亡くなり、母親は男と暮らす為に出て行く。
当時中学生だった姉の七海が親代わりとなる。
ぜんじろうと定時制高校での友達の存在、みかげのイノセンスで重苦しくなく、、いや、私が感情移入できなかっただけかな。

0
2024年01月08日

Posted by ブクログ

ルミネッセンス、ふがいない僕は空を見た、そして当作。窪さんの作品には団地がしばしば出てくる。
もしかしたら他の作品にも出てきたのかも。
建物も人も古くて、ボロボロで、薄暗い貧困の象徴のような描かれ方。
社会から見捨てられた存在かもしれない。けれどそこに住む人は生きていて、生活がある。
手を差し伸べる人と、救われる人。
主人公とその姉が、どうか幸せに大人になってほしい。

0
2023年12月24日

Posted by ブクログ

窪美澄は、「ふがいない僕は空を見た」を読んですごい人が現れたと驚き、「晴天の迷いクジラ」で文章力にうなり、「トリニティ」で一生この人の作品を読んでいこうと思った作家だが、よかったのは「水やりはいつも深夜だけど」までだったかな。書きたいものを書いてしまったのだろうか。ルーティンで書いているは言い過ぎにしても、仕事で書いてるというか、なんか「熱さ」がなくなってしまったように感じる。私だけだろうか。
この作品も、他の誰かにも書けそうな話だと思ってしまった。文章は相変わらず上手いし、一気に読めたから話もそれなりに面白いということなのだろうけれど。
窪美澄にしか書けない話(「ふがいない…」のような)はもう読めないのだろうか?

0
2023年09月16日

Posted by ブクログ

窪美澄さんの本は2冊目。1冊目は「私は女になりたい」。2冊を通して思ったことが、同じ言い回しを多用しているなあ、ということ。「正直に言うと~」「~を飲み下す」という言い回しが何度も出てきたことが少し気になりました。本の内容とはあまり関係ないですが笑

0
2023年08月14日

Posted by ブクログ

窪美澄さんっぽくない作品 - 窪美澄「タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース」★★★☆☆

現実の話なんだけど、なんかファンタジー感にあふれていたな。団地という日本のどこにもある問題に着目しているんだけど、ゼンジロウさんが架空感があるからだろうな。
窪美澄さんの作品は、基本的に大人の女性が主人公の印象があるので、若者が主人公なのは新鮮だった。妙にひらがなが多いのも若干、若者を意識したのだろうか。

0
2023年10月27日

「小説」ランキング