【感想・ネタバレ】電通とリクルートのレビュー

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Posted by ブクログ

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タイトルだけで惹かれて読んだと言っても過言ではない。newspicksで両社の特集が組まれておりホットな企業。

「まとめ」
電通とリクルートという日本のメディアを支える2社の変遷を戦後日本社会の変遷とともにまとめている。広告は辞書の書き換えが役割で、情報誌は情報の整理が仕事であるという対比構造。その違いを発散型と収束型、農耕的と狩猟的、元栓と毛細管…、元博報堂ということもあり比喩など表現が豊かで両社のビジネスモデルの違いがイメージしやすかった。

また、広告の果たす役割が日本経済の発展及びメディアやIT環境の変化により変わってきており特に近年は大多数の人は検索により表示された情報が事実であると思い込み、「情報ありがとうございます」と動き出す。これは確かに人を動かす事にはなっているものの、本質である”本当に効果のある狙った人を動かす”事にはなっていないことを痛感した。

「感想」
タイトルがミスリードを生みがちだが、内容は日本の消費社会とメディアやその広告との関係について広く書かれた本である。広告業界に関わらず企業が自らの顧客に対して何をどのように伝えなければならないか考える意味で広く対象がいる印象。

世間では「電通が世の中を動かしている」などと影の役人的なイメージが付きまとっている。実際、メディアの”元栓”を握っていることによりメディアへの関与は想像でき、多少は否定できない部分もあるのだろう。一方で世の中を改めてみると現代の情報蒐集の主な手段は”ググる”ことである。ここで怖いのは、従来のメディアと違い自分で情報を選んだ”気になっている”点である。

「学び」
・1消費者としては、自分で”聖書”を持ち続ける必要性を感じた。
これほど情報量が多い世の中、何となくググって出てきた情報で知った気になっていないか、自分がなぜその情報を欲しかったのか、自分はその情報で何をしたいのか見つめ直すこと必要性のことである。

・逆にリクルートとしては、ただ整理するだけではなくより積極的に消費者に訴えかけ、良い消費者たりうるようにしていく必要があるのではないか。
(いっそリクルートが学校とか開いたら面白いのに笑)

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2016年11月08日

Posted by ブクログ

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1980年代から両社が拡散志向広告と収束志向広告で相互補完してきた歴史を通して、広告と消費社会の30年間がざっと分かった。

2007年に両社が資本提携したという「オチ」もインターネット時代の広告ビジネスをとりまく現状を考えれば必然だったんだろう。

なんにしても両社ともすごい会社だ。

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2012年09月27日

Posted by ブクログ

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今回は、博報堂の恩師でもある山本直人先生の新刊「電通とリクルート」です。 電通とリクルートという強烈な個性を持つこの2社を通して、今までとそしてこれからの広告の役割について展開されています。常に繰り出される山本氏の独特の視座と深い洞察力は、さすがの一言です。

両者の決定的な共通点として「企業の情報を加工して届ける」というプロセスに付加価値を創造してきたこと、また「情報の流れの元栓をしっかり押さえてきたこと」としています。また、その一方でその付加価値創造のプロセスにおいて両者には大きな違いがあり、 電通が行ってきた広告を「発散志向広告」:商品についての拡声と伝達、リクルートが行ってきた広告を「収束志向広告」:消費行動(収束)へのガイドと位置づけ、同じ広告を扱うという巨人ながらもスキルや広告対象が異なる分野で各々が成長してきたことを論じています。

「モーレツからビューティフルへ」「ディスカバージャパン」などの70年代に広告代理店が世の中の空気をある意味形成してきた時代から比べると、広告代理店の仕事は今まで得意としてきた「定義の書き換え」から、「リアルの追求」を求められているし、提供し続けてきたように思います。それは今まで生活者に新しい価値観を先導して提供してきた立場から、既に存在し、かつ多様化している価値観をリアルに発見しそこに当てていく立ち位置に変わってきてしまったかと思います。リアルな分析と、リアルな結論と、リアルな結果から導きだされた更なるリアルな分析を高速回転させていく。このPDCAサイクルを高速回転する業務は、ややもすると広告代理店不在でもできてしまうことかもしれません。

しかし震災を経験し、生活者も広告主もメディアも確実に大きな変化を遂げることがわかっている今、新しい空気、新しい思想を日本に吹き込むことができるかどうかが、広告代理店また個人個人に求められているのではと感じます。衣食住足りた後の「心の復興」は、かつて時代の空気を先導して作ってきた広告代理店が担うべき領域かと。このPDCA+αを追い求めていくことこそが今こそ必要なのではないかと本書を読んで感じ至りました。

震災前に書かれた本ですが、震災後に読んで個人としてのこれからを考えさせられました。

山本先生、ありがとうございます!

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2011年04月14日

Posted by ブクログ

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戦後の日本の広告を牽引してきた電通とリクルートをあげ、それぞれの特質(共通点と違う点)に注目しつつ、戦後の人々の「消費のあり方」がどう変わっていったかを分析した本。

主張したい点はわかりやすかったのですが、若干議論が発散する点もちらほら。
しかし、全体としてはうまく整理されていて、広告や消費について勉強になりました。また、広告の未来を考える際のヒントにもなりました。

著者は博報堂の方で、広告に対する熱い想いが随所に感じられて、それがよかったです。

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2015年01月15日

Posted by ブクログ

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広告業界の変遷も含めて、2社を比較して整理されて書かれている印象。

発散志向広告 電通
収束志向広告 リクルート

「元栓のうまみ、毛細管の凄み」なんていい方はぴったりあてはまるイメージですね。
過去から現在までの変遷について、思い込みもあるとは思いましたが
一読の価値はあったかなと。

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2011年07月30日

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