【感想・ネタバレ】香港少年燃ゆのレビュー

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Posted by ブクログ

賛成と反対、正義と悪のように、二元論でスッパリと分けきれない人間の姿がとてもよく描き出されている。
デモに積極的に参加しようとする少年について行くことで見える香港デモの姿は、権力と民衆という今までの香港デモの単純なイメージとは異なるもののように見えた。
デモに参加する人も、デモに反対する人も、デモに関わりたくない人も、みんな寝たり食べたり日常を送る人間たちで、自己矛盾や生きづらさや、さまざまなものを抱えてる。
そんな人々の顔が見える記述だった。

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2022年12月31日

Posted by ブクログ

「あなたは香港人ですか?」の意味。

完全なる旅行者のエゴですが、実際に渡航してみて、デモ前の香港の方が熱気があって好きだった記憶。

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2024年03月10日

Posted by ブクログ

中盤までは物欲しげな中年ライターと中2真盛りの少年のやり取りが痛い。

コロナ明け後の終盤、外からではわからない現地の人たちの本音に触れ、強く同感する。

「あなたは中国人か?」「中国は好きか?」の問いに正面から答えない人々。

著者は数々の無駄足を踏んだ甲斐があったようだ。

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2023年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分はナショナリティ的な意味でのアイデンティティの揺らぎはないけれど、まだ自分が何者か分かりきれずにいるのはハオロンの倍くらい生きてても変わらないや。

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2023年04月02日

Posted by ブクログ

2019年の香港デモで偶然出会った一人の少年への取材を通じ、香港社会の変化を捉えた記録。デモの発生から始まり、新型コロナ拡大・国安法制定後の状況も含む。
本書は、日本や欧米の報道では見えてこないデモの実態やそれを取り巻く社会構造を上手く伝えている。デモの醜い側面(公共物破壊やデモ反対者に対するリンチ等)、実際には多くの人が本土にルーツを持つ移民社会、在港本土出身者のデモに対する嫌悪感、非デモ参加者のデモ長期化に伴う支持意識の後退等々だ。
取材対象の少年は10代だが、通学してなければ定職にもついていない所謂不良少年。デモ参加の理由も、ただ鬱憤晴らしに暴れたいだけのようにも見える。筆者が参加の理由を聞いても中国が嫌いだからという答えで、はぐらかしているというよりは少年自身がそれを十分に言語化できていないからなのだろう。そして、中国人の母親を持ち、出生は本土だが自分のことを香港人と考えている。香港人の夫に先立たれた母親は3人の子のシングルマザーで、本土出身なので当然デモには反対。少年は結局逮捕勾留され監察処分を受ける身となるが、国安法施行で落ち着きを取り戻した後も就職は上手くいっていない。デモ参加者全員がここまでの境遇ではないとはいえ、こうした若者を惹きつけるだけの魅力があったデモが何の成果も上げずに(途中で上げた成果も失うような形で)失敗したのは個人的に残念に思う。
少年や母親とのやり取りが細かく記されているが、ジャーナリストの取材に馴染みない者からするとそのやり方は無遠慮で失礼な感じがした。ただ、そういう万人ウケするとは思えない筆者の行動が描かれていることが、逆に本書に真実性を付加している。自分自身がそうした根掘り葉掘り聞かれて付き纏われる取材対象になるのは御免だが。

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2023年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分は何者で何ができるのか、自分のアイデンティティに葛藤する思春期の青年にとって、逃亡条例デモは自分をまるで漫画のヒーローのような役割を与えてくれる存在でもあったんですね。

ただ彼の場合、香港人と中国人のアイデンティティ、家庭環境、香港という地理的閉鎖性…あらゆる要因が複雑に絡み合ってデモへと駆り立てられた。彼と同じような境遇の香港人の若者は、他にもいただろう。

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2023年07月24日

Posted by ブクログ

なんで逮捕されていたのか、どのくらい交流されたのか、そもそも罪名は何なのか、どのような判決が出たのか、などなど結局少年についてはわからないことが多く、欲求不満感が残る。
「これでいいのか」と迷いながら取材対象を追っていくのはいいと思うのだけど、本人の言から取れない部分を当局取材などで補うべきでは?と感じた。
とはいえ、デモ後に再開した時にデモの話を嫌がるという点そのものに、少年の今の気持ちが表れてるのかなとは思った。
この本のぱっとしなさいや割り切れなさそのものが、香港デモの評価の難しさなのかなと思う。

『国安法を歓迎はしない。だが、デモで街が破壊されるのも困る。香港デモの暴力という必要悪に対し、中国政府は国安法という必要悪をぶつけてきたーー。大半の市民は時にため息をつきながら、そう認識して自らを納得させているようだった。』
『ーーリンゴ日報がなくなり、ネット空間での発言に気を遣うようになったのは残念だ。国安法は自由や民主といった香港特有の価値を損ねるもので、決して良いものと思わない。
だが、国安法によって治安が回復したことは否定できないし、以前のようにデモで街中が破壊されるのはもう嫌だ。遅かれ早かれ一国二制度に終わりの時は来るのだし、受け入れるしかないのだろう。今の自分の生活には影響しないのだから、そう深刻になる必要もないじゃないかーー。』
この辺りが市民の本当の声な気がする。

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2023年05月04日

Posted by ブクログ

いわゆるルポルタージュ?

なんとなくふわっとしてる

何を主張したいのか、
筆者が捉えたものがなんなのか、
たゆたっている。

それが香港と政治ということ自体のリアルなのかもしれない。

けど本だからには、もう少しちゃんとしたものの方が個人的な好みかな

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2023年02月14日

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