感情タグBEST3
Posted by ブクログ
何回か出てきたエピソード
著者が働く大学で、
大学生の少人数クラスに、
留学生や帰国子女が2、3人入っていると、
彼ら彼女らは臆せず自由に発言し続けるので、
他の学生も次々と発言をするようになる。
空気が変わる。
という話が、リアルでいちばん面白く感じた。
そうでない場合、
最初に学生が自分の意見を主張したり、
ウケをねらったた発言をすると、
教室がシラッとした空気になり、
沈黙のクラスができる。
だそうで、こちらが典型的だそうです。
しくみや、一人一人の考え方や態度や能力を変えるのは難しそうだなあと思いますが、
もう少し本気で多様性を受け入れてみることなら、
できるのではないかと思いました。
皮肉的なタイトルでしたが、
思ったより軽く読めました。
未来に期待を持ちたいです。
Posted by ブクログ
企業経営者、政治家、社会学者はチャレンジ・挑戦が必要。イノベーシンなくして未来なしという。しかし、声高に言われ続けているが我々の社会は皆が新しいことにチャレンジしている社会だろうか?そういう問いに一定の見方を示してくれる本で、なかなかよかった。「見せかけの勤勉」、「忠誠の演技」、「働かないおじさん」、「受験勉強以外に意欲を示さない受験生」、「地域活動に後ろ向きな住民」などは日本に蔓延する消極的利己主義が生み出しているという。ただ、個人が問題なのではない。社会の仕組みがそうさせている。それはその通りだと思った。
Posted by ブクログ
表題のインパクトに比較すると内容は知っていた内容が多かったような印象
出る杭にそもそもなりたくないという無気力層が多いとなると日本も危うですね
その一方で徐々に起業する人も増えている。この2つを分けるのは何か?素養?強烈な体験?
出る杭を奨励するインセンティブを電気の節約要請とピーク料金で説明しているが、モチベーションは金銭的損得では動かないことは心理学的に実証済みでは?より精神的な損得としての制度設計が必要と感じた。
Posted by ブクログ
いわゆる「フリーライド」の問題を組織面から考察したもので、目の付け所は面白い。が、決定的な視点が一つ欠けている。それは日本社会は「相互監視による暗黙の強制力」がベースになっていることである。個人が組織に溶け込んでいるから嫌なことでも進んでやるのではなく、仲間の目が気になるから嫌々やっているだけである。逆に他人の目が気にならない場面では日本人はモラルも何もなくやりたい放題である。これはここ30年の話ではなく、おそらく江戸の昔から日本人に根付いてきた文化だ。最近その非合理な面が可視化されてきたのは、組織が流動的になって仲間の目が利きにくくなっているからに過ぎない。この視点で見ると、最終章の対策で効果がありそうなのはダイバーシティ確保くらいで、あとは的外れだ。組織設計でできることは限られている。
フリーライド問題解決のポイントはインセンティブの設計だと思う。会社の例では何かにチャレンジして失敗するよりも、何もしないで成功も失敗もしない方が得な制度になっていることが根本原因であり、減点主義の評価制度を何とかしないと解決しない。要は成果の大きさではなく挑戦自体を評価し、挑戦しなければ評価が下がる仕組みにすれば良いだけ。PTAや町内会も同じだ。義務だけあって権利のない役職なんて誰がやりたいものか。金銭報酬でないものを含め適切なインセンティブを設計する以外に解決はない、と思う。
Posted by ブクログ
「消極的利己主義」の構造を平易に文書化していることや、「するほうが得」な仕組み・処方箋(目新しさは皆無だが)を提示しているところは一応認めるが、大事なのはその先で、その実践の施策が全く語られていない。処方箋まででは絵に描いた餅で、それを人々が美味しいと食べさせる施策(実行力)と継続運用・PDCAが不可欠なはず。そこを語らなければ意味がなく、日本の社会政策を研究している学者先生の底の浅さが見える。
Posted by ブクログ
キャッチーなタイトルに惹かれて読んでみました。「何もしない方が得」という課題はなるほどそのとおりで納得感な一方、「するほうが得」にするために提示された対策案はあまり目新らしいものではありませんでした。
日本社会はもはや詰んでいるのでは、と思わせます。
Posted by ブクログ
「何もしない方が得な日本」の現状分析が第1章から第4章、「するほうが得な仕組み」づくりを提言するのが第5章という構成。
多くの人にとって、何もしない方が得なため動こうとしない人が多いのは感覚的にわかっていると思うので、この本の読者の需要は、「する方が得な仕組み」づくりという、いわば処方箋にあると思う。だから、「するほうが得な仕組み」を提言する第5章の内容について内外の成功事例を多く紹介するか、現状分析を半分、処方箋を半分にするなど構成にしてほしかった。