【感想・ネタバレ】金子みすゞ童謡全集のレビュー

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Posted by ブクログ

今では広く知られる童謡詩人金子みすゞですが、1982年に3冊の遺稿手帳が矢崎節夫氏の努力によって発見されるまでは、無名の存在でした。
遺族から遺稿手帳を預かり、1984年に最初の『金子みすゞ全集』を出版以後、全集は発行されてきました。
本書は、2023年、金子みすゞ生誕120年に先がけ、全512編を1冊に収録して刊行されたものです。
唯一の金子みすゞの全集で、みすゞを世に広めた矢崎節夫氏による解説や略年譜も収録されています。
全編通して読んでみると、あらためて凄さが分かります。

蜂と神さま

蜂はお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土塀は町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。

そうして、そうして、神さまは、
小ちゃな蜂のなかに。
ー 145ページ

土と草

母さん知らぬ
草の子を、
なん千万の
草の子を、
土はひとりで
育てます。

草があおあお
茂ったら、
土はかくれて
しまうのに。
ー 182ページ

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2024年04月05日

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