【感想・ネタバレ】グッゲンハイムの謎のレビュー

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Posted by ブクログ

『ロンドン・アイの謎』の続編
『ロンドン・アイの謎』発表2ヶ月後、原案者シヴォーン・ダウド逝去
本作品執筆依頼ロビン・スティーヴンス刊行

12歳のテッドは、夏休みにママとお姉ちゃんと一緒に、グロリア叔母さんと従兄弟サリムが住むニューヨークに遊びに行く
グッゲンハイム美術館での発煙騒ぎに出くわし、名画が何者かに盗まれ、グロリアおばさんが疑われて、逮捕されてしまう
グロリアおばさんの無実を証明しようと、テッド、お姉ちゃん、サリムが暴走?する
いったい、犯人は誰なのか。。。

続編ともなれば、気持ち的にはテッドの保護者♡
まさかお姉ちゃん、とまでは言いませんけど(^^;;
人の気持ちを読むのが苦手なテッド
普通の人と違った思考回路
だからなのか、いつも人の表情や行動をよ〜く観ています
そんなテッドの胸の内の声が非常に面白くて、事態は重いのに、今回も同様、楽しんで読めてしまう所が好きです

例えば、グロリアおばさんの事
(一部抜粋)
「女の人がハリケーンの様に飛んできた」
「ハリケーン、グロリア」
「グロリアおばさんは噴火した」
「おばさんを見ていると、顔全体が吊り上がり、目が大きく開き、口もどんどん大きく開いて、前歯と糸切り歯だけでなく、一番奥の歯までまる見えになった
左の奥から2番目の歯に、銀色の詰め物がしてある
グロリアおばさんは甘い物好きだとママが言っていたことがあるから、きっとあの歯のことだ」

可愛いですよね〜(^O^)

またテッド達に会いたいな

ご紹介ありがとうございました♪

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2023年07月23日

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作者が早逝した為後を引き継いだロビン氏が執筆した続編だけど、違和感なく読めたよ凄いな(訳者も)就職した叔母の引率でNYのグッゲンハイム美術館にやってきたテッド達。改装中の美術館を見学している最中にボヤ騒ぎが発生。その隙にある絵が盗まれるという事件が起き、叔母が犯人だと疑われ警察に逮捕されてしまう。テッドと姉のカット、従兄のサリムが力を合わせてこの事件を解決していくのだけど、その過程が子ども達ならではの手法で丁寧に描かれていくのが前作同様わくわくする。カット姉ちゃん鋭いな。そして人とは違う思考回路を持つテッドが事件を通して成長していく方向が素敵だ。3人の関係性も良いし成長していく姿を見ていきたいけど難しいだろうなぁ。

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2023年06月11日

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ネタバレ

「ロンドン・アイの謎」の続編。
本作は、ニューヨークの面白い形のグッケンハイム美術館を舞台にして、テッド達の成長や見事な謎解きを楽しめた作品だった!
テッド達にまた会うことができて良かった。

夏休みを利用して主人公のテッドは、グロリアおばさんといとこのサリムが住むニューヨークを訪れる。
そこでプライスレス(=貴重)な名画が、何者かに盗まれて、グロリアおばさんが逮捕されてしまうという衝撃の展開になる。おばさんの無実を証明するために、テッドと姉のカット、そしていとこのサリムの三人がチームを組んで謎を解決しようと奮闘する姿が描かれていた。

テッドが、会話の中の比喩表現があるとその度毎に自分で解説しながらの場面が
時折出てくるところは微笑ましかった…

良かったところは今までテッドが、とても苦手だった事が、……その場に応じた良い嘘も臨機応変にできるようにもなって成長したんだなと感じたところなど(笑)

また、姉弟の関係性も良くてお互いに認めあっているところも良かったと思った。

姉のカットとしては、テッドに複雑な気持ちが当然あるが、それを伝えたうえで、ちゃんとテッドのことを認める話し合いもできていたし、良いお姉ちゃんだった!!

テッドも姉を『喜ばせる秘密のパスワード!』を使ったりもしていて、一気に頼もしくなってきていた(笑)

そしてテッドは、何より自分に自信を持てているところは、……清々しくて感動〜

サリムも、かっこ良いセリフが良かったな……。
子供っていつの間にか成長していくものなんだなと…胸がジーンとする読後感を味わった。

この作品は、前作著者の方から、新たな作家さんに、引き継がれて書かれた続編である。
それでもなんの違和感もなく物語を読めるなんて素晴らしいと思ったし感謝したい。
もう、読み終わってしまってさびしい気持がしている……




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2023年04月04日

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テッドNYへ行く。原案の方が亡くなってしまったのは残念だけど、引き継いでくれた方がいたこと、そしてこの出来がすごい良かった。相変わらずの早口モノローグ。今回の事件ではサリムを含めての捜査活動で、苦労しながらも犯人候補を減らしていく過程が楽しい。前作と違い、ここではすでにテッドの名探偵さが一度証明された状態なので周りとの関係もこなれていて安心して応援できる。中学生くらいにぜひ読んでほしい。

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2023年03月21日

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『ロンドン・アイの謎』の続編。
テッドと再会するかのように待ち侘びていた一冊。

今回は、母と姉のカットと一緒にグロリアおばさんといとこのサリムが住むニューヨークを訪れる。
おばさんの勤めるグッゲンハイム美術館に休館中に特別に入館させてもらう。
そこで、突然の煙に巻き込まれ避難したところに名画が盗まれ、おばさんが犯人だと疑われてしまう。

疑いをはらすべく、犯人を探し出す3人。
すべての仮設を列挙してひとつひとつ消去していく。
いくつもの手がかりを整理して論理的に解決していく。
ほかの人とは違う不思議な頭脳を持つテッドは、観察力もあり、記憶力も凄い。
そして、人とは違うからこそ気づけることも多い。
音に敏感なこともあり、パニックに陥いることもあるが、それでも姉のカットがよく理解しているのでフォローしている。

犯人が誰か直ぐにわかるだろうと思っていたけれどそう簡単でもなく、終わってみれば気持ちがすっきりとはしない。
それは近しいと思っていた人だからだろうか…
それだけではなく、子どもたちこそ複雑な気持ちだったからだと思う。
裏切られた悲しさや怒りもあっただろうと思うとよかったとはけっして言えない。

いろいろな感情に直面しながらテッドはまたひとつ成長していくんだなと思った。

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2023年03月17日

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テッドにカット、今回はサリムも一緒に謎解き!謝辞には東田直樹さんのお名前。ロビンさんの他の作品も気になるぅ。

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2023年03月04日

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「ロンドン・アイの謎」の続編
あのテッドにまた会えました!!

今回の舞台はニューヨーク。
いとこのサリムとグロリアおばさんが住んでいます。
おばさんの勤務するグッゲンハイム美術館で、名画の盗難事件が発生し、なんとグロリアおばさんが犯人と疑われて逮捕されてしまうのです。

そこでテッドと姉のカット、サリムの3人で、絵の行方と真犯人を探すのですが……

本当にこのチームは最高です!!
読んでいてワクワクが止まりません。
自分もチームの一員となり、謎解きをする楽しさ。
そして前作から3人はしっかり成長していて、頼もしい。

テッドの成長ぶりも良いんだけど、今回はお姉ちゃんカットが最高です。
ちょっと普通とは違う弟と暮らすのは、大変なことが多いのも事実。
でもテッドの良さを誰よりも理解していて、信頼し、大切に思う。
そんな少し大人になったカットが愛おしい。

物語の最後の言葉。
「ぼくはテッド・スパーク。
ぼくは、ぼくでいられてうれしい。」

そうだよね。
こんなふうに素直に自分で自分を認めたい。


また、ニューヨークの街の様子が、テッド目線で描かれているのも面白い。
人々の服装や歩く速度、言葉や食べ物など、ロンドンとの違いを細かく見付けていくテッドにキュンとする。

登場する名画も実在するものなので、検索して見ることもできます。
こんなに楽しい読書体験ができて、私は幸せです。

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2023年02月23日

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前作「ロンドンアイの謎」の著者が亡き後、続編執筆を依頼された作者に先ずは御礼を言いたい。重圧もあったと想像できるが、今作を読み終えて、またテッドに会えたこと、またまた謎解きの面白さを堪能できたことの喜びを噛み締めている。映画化を切に希望したい作品だった。

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2023年02月16日

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「ロンドン・アイの謎」の続編です、著者はシヴォーン・ダウド氏ではないので、実は少し心配してました、前作が良かっただけに。
ですが、そんな心配はいりませんでした。
テッドとカットとサリムの3人の成長が目覚ましく、私も謎解きに夢中になりました。

夏休みを迎えた12歳のテッドは、母と姉カットと一緒に、グロリアおばさんといとこのサリムが住むニューヨークを訪れる。グロリアおばさんはグッゲンハイム美術館の主任学芸員で、休館日に特別に入館させてくれた。ところが改装中の館内を見学していると、突然、まさかの火事発生。
テッドたちは大急ぎで美術館の外に避難しましたが、なんと火事は見せかけで館内の全員が外に出た隙に、グロリアおばさんが大好きなカンディンスキーの名画く黒い正方形のなかに>が盗まれてしまった。
そして、なんとグロリアおばさんが犯人だと疑われて逮捕されてしまう…
なんとしても絵を取りもどして、おばさんの無実を証明したい3人。
“”ほかの人とはちがう“”不思議な頭脳を持つテッドは、絵の行方と真犯人を探すために探偵になります。
そして、冴える冴える、大活躍しちゃいます。

今作は、なにより愛と3人の成長です。
17章、障害を持っているテッドに対して、カットの泣きながら今まで抑えていた感情をぶつけるシーンは印象的でした。
テッドのことは大事だし認めている、
「けど、楽じゃないんだよ、あんたの家族でいるのはさ。自分じゃわからないだろうけど、あんたにはすごくたくさんのことが必要なの。いつもずっとね。診察とか、レッスンとかーーいろいろ。あんたが必要なものが増えれば、それだけあたしにまわってくるものが減る。あんたにそんなつもりはないし、しかたないのはわかってるけど、ときどき思うんだ…何もかもがあんたのためじゃなければいいのにって。」
「ぼくだって、ぼくでいるしかないんだよ、カット」
そう、テッドは即答。
姉のカットは涙を拭い、
「わかってる。あんたがあんたでいるのは、いいことだよ。ほんとに。だって、こういう事件が起こったとき、あんたなら解決できるんだから。あたしにはわかる、テッドならできるって」
そう言ってあげられるカットは、テッドのことを誰よりも信頼しています。
そして、とてもとても優しい子なんです。

今回はサリムにとって、とても悲しい事件でした。
でも、ただ怒り落ち込むだけではなく、事件に向き合い理解しようとするサリムは、人として立派です。
自分の夢を叶える為に必死になれるカット、素敵です。
テッドの推理を披露するシーン、見事でした。
「ずいぶん運がいいな」と言った警部補に対し、
運が良かったのではなく、仮説をひとつひとつ消し真実を推理し断定に至った、運なんかでは解決出来ないと、テッドは即座に反論しました。
頭が良いです、今は比喩・隠喩・直喩を使い分け言葉遊びを楽しんでいます。

なんか、みんなの成長がとても嬉しいのですが、実は寂しくも感じてしまったんですよね。
もうこんなに立派になったんだから、もう心配いらないなって。
これから先、問題はいつも常にポンポン出てくる、でもこのチームなら必ず解決できる。
他人に優しく、強く生きていける。
親の手から離れて立派に生きていくんだなぁ、寂しいなぁ…

でも、最後の一文を読んだ時、読者はみんなとっても嬉しかったんじゃないかな。

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2023年02月13日

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今作も爽快で面白かった。
大人の目を掻い潜り、テッド、カット、サリムの子供たちだけで事件の真相を探るワクワク感が堪らない。
人の気持ちが分からない、嘘がつけないテッドが前回よりも成長していた。今回もテッドの抜群の記憶力、観察力を活かして解決に導く。いざという時はカットもサリムもその能力を信頼して頼るのが嬉しい。
テッドの『ぼくは、ぼくでいられてうれしい。』という気持ちがとても良かった。

ロビン・スティーヴンスが逝去したシヴォーン・ダウドの原案を引き継いで書いたとは思えないくらい、違和感がなくて凄い。
ロンドン・アイの謎と共に何度も読み返したい作品。

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2023年01月31日

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『ロンドン・アイの謎』の続編。登場人物は増えたが、上手く整理されていてわかりやすい。YA世代の推理小説入門者におすすめ。

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2023年01月29日

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 おかえり〜テッド〜! また会えたね〜!
皆さん、安心してください! 本書は、単なる前作の踏襲、延長線上の作品ではありません!

 確かに前作『ロンドン・アイの謎』がとても素晴らしく、待ち焦がれた続編なのですが、(皆さんご存知の通り)作者が別人‥。
 どうなのかな、と懐疑的な面もあったのですが、よかったーっ! 全く杞憂でしたー。逆に、とても意義深い作品になっていると感じました。

 そう感じた理由は、著書のスティーブンスがダウド(前作者)の遺志を汲み、研究を重ねて、あたかもダウドが書いたものと思えるほどの仕上がりになっている点です。更に、単なる踏襲ではないと前述した通り、テッドとカット(姉)が様々な点で成長している様子が描かれていて、とても微笑ましいんです。
 んんん、やられたなぁ。素晴らしい! 詳細は是非ご一読を!

 テッドの視点で書かれ、平易な言葉でテンポよく読み進められるのは前作同様、構成・内容も素晴らしいので、児童から大人まで、また楽しめる良書が一冊増えたと言っていいでしょう。

 「作者あとがき」にある通り、実在するグッゲンハイム美術館(フランク・ロイド・ライト設計)、カンディンスキーの幾何学的な抽象画<黒い正方形のなかに>を、ネットで調べてみました。
 んんん、テッドにピッタリの建築物・絵画!

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2023年01月13日

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すごい!すごい!すごい!
作者であるロビン・スティーブンスがシヴォーン・ダウトの急逝によって幻となってしまった『ロンドン・アイの謎』の続編の執筆依頼を受けたとき、ロビンの手元には『ロンドン・アイの謎』の物語と『グッゲンハイムの謎』というタイトルだけだったらしいのです
それだけでこの素晴らし”続編”を書き上げるなんて

んんん

もう、ありがとう!しかないよ

本作が素晴らしいのは前作をただ踏襲しているわけでなく、ちゃんと成長してる!ってところなんよ!!
テッド、カット、カリムのチームが自分らしさをそのままに物語を通して変化していく、成長していってるのがすごいよくわかるんよね
いやー、ほんとにこの人しかいない!って人に依頼したシヴォーン・ダウト基金の人たちも偉い!!

そして本作では「お姉ちゃん」カットが多めなのもほっこりポイントとしてあげたい
実は誰よりもテッドの能力を信じて疑わないのがカットなんよね、もうそこに関しては揺るぎないの
そして弟のことを理解して守ろうとするんよ、両親の目が問題を抱えた弟に行きがちなところに嫉妬心を抱えつつね
もう「お姉ちゃん」カット最高

そしてそして今作も人が死なない探偵小説の大傑作となっておりますので、小さなシャーロックホームズの冒険を焼き付けてくださいな!

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2022年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『ロンドンアイの謎』からさほど時をおかずにまた、テッド少年に出会えたこと、皆さまに感謝申し上げたい!

緻密に練られた計画とそれより丁寧できめ細やかな推理。そして、実在する美術館と作品。素晴らしい本だとしみじみ思いました。
可能ならまた、テッド少年に会いたい。

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2022年12月23日

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前作に続き、テッドと姉のカットと今度はサリムも加わった3人で事件の真相に迫る。
犯人らしき人は何となく想像できたが、それに迫る3人が、リストを作って1つずつ検証や確認するところはこちらも考えて楽しむことができた。
細かいところまでヒントが隠されていて、謎解きの時になるほど!と思った。

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2024年05月01日

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 「ロンドン・アイの謎」の続編。ロンドンに暮らすテッド、姉のカット、母の三人はニューヨークへ渡る。いとこのサリムとその母親のグロリアおばさんは、前作の終わりでアメリカに引っ越して行って、今回は彼らに会いに行くのだ。グロリアおばさんが働くグッゲンハイム美術館を見学していると事件が起きるのだが、なんとグロリアおばさんが犯人として捕まってしまうのだ。
 本作でもテッドを中心に関係者の行動を一人一人調べ、考えて真実に近づいてゆく。前作よりも彼らの成長がうかがえて嬉しくなった。

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2023年05月31日

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「ロンドン・アイの謎」続編。作者は違うのですが、前作からの続きとしてまったく違和感なく楽しめます。
前作の事件後、テッドは母と姉のカットともにニューヨークを訪れる。そこでグロリアおばさんの勤めるグッゲンハイム美術館を観光していたところ、名画が盗まれるという事件が起こってしまった。しかも容疑者として逮捕されてしまったのはグロリアおばさん。おばさんの無実を証明するため、テッドはカットとサリムとともに事件の捜査を始める。
「人とは違う動きをする」テッドの脳は健在です。だけれど彼も成長したというか、いろんなことがわかるようになってきたのですね。そしてそんなテッドを見守るカットとサリムも素敵。特にカットは、テッドのせいでいろいろと迷惑をこうむることがあるのも含めて、そのままのテッドを認めて大事に思っていることがわかってとても微笑ましいのです。素敵な姉弟です。
事件の謎解きもお見事。しかし自然発火説はどうしても外せないのか……(笑)。

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2023年05月18日

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かなり読み進めた時に、あ、そういえばこの著者亡くなって、他の方が書いていたんだったと思い出す位、自然な引き継ぎ。そして、児童書として類をみない本格ミステリー(殺人なし)。テッドの脳の思考方法を日常生活でなぞりながら事件が起こる前半、中盤以降はテッドの活躍に心躍り、弟を思いながらも両親が弟にかける労力や愛情等に複雑な感情を抱く姉、キットにエールを送り、ニューヨークの案内役として、そしてテッドが友人としての愛情と嫉妬を抱く重要な役割の母が逮捕されたサリムに心を強くもって、と応援する展開。なんとなく主犯は想像できるものの、おー、そこかーというネタ明かしでした。
更なる続編の予定がないのは残念ですが、小学校から大丈夫なミステリーです。

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2023年03月27日

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『ロンドン・アイの謎』の続編。

前作から3か月後の夏休み。テッドは姉のカットと母の3人でニューヨークを訪れ、グロリア叔母さんといとこのサリムに再会します。
ところが、皆でグロリアの勤め先である〈グッゲンハイム美術館〉を訪れた矢先、カンディンスキーの名画が盗まれ、嫌疑をかけられたグロリアが逮捕されてしまいます。
叔母さんの無実を証明するため、テッドはカット・サリムと共に真相解明に乗り出しますが・・・。

前作と著者が変わったとは思えないほど自然な仕上がりで、違和感なく読めました。
主人公テッドの、他人とはちょっと違うけど明晰な頭脳はここでも発揮されて、あらゆる可能性を検討しつつ(やっぱり仮説の中に“自然発火”を入れたがるところがまたご愛敬ww)、関係者への地道な聞き込みから一つ一つ潰していくという、“ちゃんと探偵”している3人のチームワークが良いですね。
慣れないニューヨークでパニックになったり、カットとサリムが仲良くしているのを見て疎外感を感じてしまうテッドの繊細な内面描写がお見事ですし、今回は特にお姉ちゃんのカットの成長にもご注目です。
今回はテッドにとって「オデュッセイア」ばりの冒険でしたが、それによってまた一皮むけた感じです。
そして、カットやサリムも謎解きしていく過程で、しっかりアップデートしていく姿が頼もしかったですね。
という訳で、本作も前作同様に楽しませて頂きました。
ラストの「ぼくは、ぼくでいられてうれしい。」の一文が、心にじんわり染み渡って、温かな気持ちで本を閉じた次第です。

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2023年03月23日

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前作の「ロンドン・アイの謎」から3か月。夏休みに、テッド、母とカットの3人は、グロリアおばさんと従兄弟のサリムが住むニューヨークへ。おばさんが勤めるグッゲンハイム美術館で絵が盗まれ、おばさんが容疑者として捕まってしまった。テッド、カット、サリムは、犯人探しに乗り出す。

作者が変わってしまったが、前作同様、家族や友達との関係性に悩むテッドが描かれ、彼の少し特殊な性格が様々な事柄を引き起こす。
謎も面白かったが、YAミステリらしい3人の活躍が読んでいて楽しかった。

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2023年02月28日

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前作ほどのインパクトではないが、じゅうぶん極上のミステリィでした。前作の作者、シヴォーン・ダウドが急逝したため、ロビン・スティーブンスが引き継いだ本作ですが、違和感がないのは、翻訳者が同じという理由もあるのでしょう。ごちそうさま。

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2023年02月20日

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ネタバレ

故シヴォーン・ダウドの構想が受け継がれ、テッド&カットがカムバックを遂げた。

今回の舞台はいとこのサリムが越していったNY、おばのグロリアが勤務するグッゲンハイム美術館。
2人の元に遊びに来たテッドとカット、母のフェイスに美術館を案内しようとした矢先、館内に煙が立ち込め警報が鳴り響き消防隊が呼ばれる事態に。
しかし煙の原因は発煙筒、さらにはさっき観ていたカンディンスキーの”黒い正方形の中で”がなくなっている!
警察の調べでは事件直後に搬入出口から木箱を持ち運ぶトラックがいたことがわかり、しかもその支払いがグロリアのクレジットカードから引き落とされていたことから、グロリアが逮捕されてしまう。
おばの容疑を晴らすためテッド&カット+サリムでNYの街を飛び回り、真犯人を探し出す。

人の言ったことをそのままの言葉で受け取ってしまいがちなテッドが暗喩や直喩を学び、いちいちこれは直喩、これは暗喩と整理する姿が微笑ましい。
自然発火減少に執着するあたりもニンマリ。

そうかと思うと、”可能性を網羅的に書き出し、ひとつひとつ潰していき、ちょっとづつ真相に迫りながら、でもちょっと届かない”感じが本格であり、冒険小説の色合いを存分に出している。

ただ、個人的には『ロンドン・アイの謎』が完璧過ぎた。
遺志を継ぐ形で世に出されたことはうれしい限りなのだが、何が足りないのかうまく言えないぐらい何かがちょっと違う。
もしかしたらこの設定そのもの(ハンディキャップも吹き飛ばす、愛おしき少年探偵テッド)が2作目に向いていなかったのかもしれない。
商業的な臭いを感じるというか、味を占めた感じがするというか。
穿った見方をし過ぎかな。

『ロンドン・アイの謎』は娘に推しに推して読んでもらった(結果最終的には物凄い勢いで読んでいたw)が、本作は「読む?」に、「いや、大丈夫」と言われ、それ以上無理強いすることはしなかった。
今のところ続編の予定もない模様。

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2023年02月04日

Posted by ブクログ

一行目:ぼくのことをまず紹介しよう。

2作目も大変面白かった。これで作者が違うなんてビックリ。
謎解き自体ももちろん面白いが、今回はロンドンからニューヨークに舞台を移し、言葉や食習慣、電車の様子など、2つの都市の違いも楽しむことができる。
特に海外に疎い私は、テッドたちといっしょに観光をしたような気分。

YA図書として各学校にしっかり置いてほしいなぁ。

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2023年01月29日

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グッゲンハイムは憧れの美術館。そこが舞台というだけで期待値MAX。しかし愛するカンディンスキーが雑に扱われ、忍びない想いに駆られっぱなし。ストーリー上仕方ないとは言え、それで勢い削がれた感が強いのは確か。子どもたちにこうも大人が素直に話すものか、、とも思いましたね。でも、事件を地道に解明していくプロセスはやっぱりこの作品ならでは。人の見えないところを見る、テッドの目は今作でも効いてます。

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2023年01月28日

Posted by ブクログ

グッゲンハイム美術館という非常に印象的な建物を舞台にした物語。今回も主人公たちは悩みながらも生き生きと行動する。気持ち良い。

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2023年07月22日

Posted by ブクログ

 『ロンドン・アイの謎』の三ヶ月後のお話。原書の出版年は十年ほど離れているが、日本語翻訳版はどちらも二〇二二年後半の出版となっており、間をおかずに読めた日本の読者はラッキーかもしれない。作者シヴォーン・ダウドは『ロンドン・アイ』出版後まもなく乳癌で夭逝しており、本作はダウドの残した着想をもとに別の作家ロビン・スティーヴンスが執筆した。
 十二歳のテッド、姉で十四歳のカットと、同じく十四歳の従兄弟サリムの三人組が、サリムの母グロリアを絵画泥棒としての誤認逮捕から救うべく、真相究明のための捜査に乗り出す。
 捜査も人生もままならないことだらけだが、それでも三人の真っ直ぐさが眩しい。ジュブナイル小説らしい瑞々しさと、仮説リストを作って消していくというアプローチの理路整然ぶりの組み合わせが面白かった。
 『ロンドン・アイ』の方がグッと来たと感じたのはなぜかなあと自分の感想をふりかえると、前作では親など大人への共感度合いが高かったものと思われる。

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2023年06月16日

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CL 2023.3.9-2023.3.12
テッド、カット、サリムの成長著しいシリーズ2作目。読んでいる途中では作者が違うことをすっかり忘れていたくせに、読み終わったら前作に比べて謎解きの鮮やかさがかなり足りないような気がして、あぁ作者が違うからか、などと思ってしまった。
とは言え、3人が論理的に情緒的に謎を解いていく過程は十分楽しく満足。

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2023年03月13日

Posted by ブクログ

自閉症だったの?をいをい、前作では気づかずで。
今作は、美術館の位置関係がいまいちわからずで。
ミステリ的には一寸。

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2023年02月18日

Posted by ブクログ

「ロンドン・アイの謎」の続編。
少し人と違う個性のある少年テッドが、姉のカットや従兄弟のサリムと共に、叔母に罪を着せられた絵画盗難事件に挑む。
著者の早逝により、新たな作家によって書かれていすが、違和感なく物語を楽しむことができました。
確実にテッドは成長しているし、特に3人の少年探偵チームが、ニューヨークで推理と冒険に挑む姿が生き生きと描かれています。ミステリ度としては、前作の方が完成度が高いと思いますが、シリーズとして非常に面白いし、何より多くの子ども達に読んでほしいな、と思わせる作品でした。
今のところ次作の予定はないとのことで、そこは残念。
グッゲンハイム美術館や、作中で盗難にあう絵は実在しているそうです(ネット検索ですぐに見つけました)。

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2023年01月29日

Posted by ブクログ

訳者あとがきにある通り「みずみずしい」物語。よくある「そんなに上手くいく?」みたいはこじつけが無くスッキリ読めた。

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2023年01月18日

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