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今野敏先生の初の明治警察小説という事で、読み進められるか不安だったが、歴史の復習になり良かった。
登場人物も、歴史の学習上、よく出てくる人物も交えられていて、気持ちよく読み進められた。
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この人ならまず面白いと信頼をおいている作家が、谷口ジローの『「坊っちゃん」の時代』にインスパイアーされて、日露戦争の時代を舞台に描いた小説となれば、面白くないわけがない。架空の事件に歴史上の人物が絡むのもワクワクする。久々に読書に没頭しました。
当時の長州派閥や長期政権への批判や、「この国がご自分のものだとお思いでしたら、大間違いです」という台詞など、出版当時のアベ政権批判かな?と思わせる描写も小気味いい。
今野敏作品は、過不足ない状況描写でいちいち(あれなんだっけ?)って後ろに戻る必要もなくて感動的に読みやすいな…。
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これは面白い!
明治の警視庁、日露戦争時の東京での連続殺人事件。
黒幕があれで、あの元新選組の斎藤一、藤田五郎も出てきた。この藤田さんの立ち位置が新選組ファンとして萌えたぎった。岩井巡査のセリフは私の気持ちそのものだったよ……!
鳥居さんもめっぽう小粋。寡黙な葦名さんもいい雰囲気。
藤田さんの佇まいと言動と、そして魅せてくれる剣戟シーン。この頃は御老体なので、グッと抑えた動きの描写がまた良かった。
現代の警察ではがんじがらめで、チームもこんな風には動けないだろう。もちろん警官として制約はあるけれど、心のままに動ける明治の彼らの自由度が読んでいてとても快い。
この作品、いいなあ。本当に好きだなぁ。
続編、期待してます。
Posted by ブクログ
連続殺人事件の犯人を追う中で出てくる小泉八雲に夏目漱石、そして斎藤一の存在に胸躍る作品。藤田翁の存在が格好良すぎた…借りたサーベルで犯人のレイピアと対峙する戦闘シーンは勿論、動乱の時代を生き抜いた貫禄が周囲の反応で表現されていてゾクッとする。
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登場人物に有名人が出てきたり、警視庁のメンバーが自分と同じ東北人が多く、親近感が湧いた。今野敏が初めての明治を舞台にした作品ということで、欲を言えばもう少し時代背景を書いてほしかったのと、敵方のキャラクターがはっきりしないのが残念だった。それはこれからの続編に期待して読んでみよう。
Posted by ブクログ
今野敏の警察小説で、他の作品と異なり本作は明治時代を描いたもの。およそ100年ほど前の東京が舞台ですが、内容を読むと捜査の基本動作・心得は今とさほどかわらないように感じました。
事件の背景は時代を反映した思想的なもの、いやはや、こんなところまでよく調べているな、さすが今野氏といったところでしょうか。
登場人物については現代版今野作品の登場人物と比べてしまいますね。鳥居部長は田畑捜査一課長、葦名は樋口かな、とか、雰囲気やたたずまいが似ていて、著者としては似せて書いたつもりはないのかもしれませんが、読むたびに現代版登場人物をどうしても思い浮かべずにいられませんでした。
とはいえ若干退屈でいつものテンポ、小気味よさがないと感じる部分もあり(ラストの展開では日頃の今野作品だな思わせる内容でしたが)、その分星評価は普段より低めにしました。
また、印象に残ったフレーズ、
「高島先生は、予言されていました。いずれ、東京の店の看板は、横文字ばかりになるだろうって…。」
これ、まさに現代の日本ですね。まぁ、作者は現代の人なので正確には作者の「予言」というわけではありませんが、作中の登場人物にそう語らせることで、いかにも明治の時代から未来を予見しているかのようにみえ、思わず”納得”してしまいました。
警察組織が歴史的に薩長偏重な点もほかの今野作品で語られていましたが、この作品を読むとより一層の実感がわきます。