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Posted by ブクログ
筆者によるとキャンセルカルチャーとは、「差別反対や平等性・公平性のために、これまでの歴史や文化、習慣などを見直す行為」のこと。ブラック・ライブズマター(BLM)運動、Me, Tooがその代表である。一方で、文化のキャンセルに対する保守派の反発も強まっており、その象徴がトランプ大統領であった。争点は、移民、銃規制、妊娠中絶などアメリカ文化の広い範囲に広がり、分断は深まっている。
本書は、キャンセルカルチャーやその反発への背景を、歴史に遡りつつ解説したもの。また、選挙ビジネスやインターネットの発達が、分断を加速していることも、よく分かる。とくに後者は深刻で、解決は難しいと著者は考える。
とはいえ筆者は、分断を超える底力が米国にはあるとの希望を捨てない。キャンセルカルチャーは、「市民の権利の拡大」という米国の長い歴史に沿ったものだと、筆者は考えるからだ。果たして米国は、筆者の希望に応えることができるだろうか。
Posted by ブクログ
正義のミカタやニコニコで身近に感じている人の本。
わかりやすくて「あぁアメリカ人は日本人とは考え方が本当に違うんだな」と思わせられました。
そして子鹿がいるような森に食べるためでもなく遊びに行くように猟銃しにいくのは衝撃的でした。
Posted by ブクログ
アメリカは相変わらず極端だと感じ、日本と違いすぎるので、読んでいて面白かった。特に銃規制に関しては、規制が進まない理由がよく分かった。
タイトルの「キャンセルカルチャー」という言葉は初めて知ったが、それに基づくアメリカでの動きは、正直全く共感できなかった。例えば、ジョージ・ワシントンが批判される、というか否定される理由が、「奴隷を持っていたから」だけ。若干の失望を感じてしまうのは分かるが、時代を考えれば、普通の事としか、私は思わなかった。それはそれとして、彼の功績は評価されるべきだろう。
偉人たちの銅像を撤去するとか(実際に撤去を決定した事もある)、負の側面の記述を追加するとかではなく、破壊したり、スプレーで落書きしたりする人がいるとは、他人事だからではあるが、面白すぎる。評価が変わっただけで、そこまでするのか。
この様な方法では、尊敬されるべき偉人は絶対に現れないだろう。誰だって間違えることはあるし、未来の価値観に合わせた行動を取らなければ、後世では評価されないという事になるからだ。
筆者には悪いが、キャンセルカルチャー批判の批判はあまり説得力が無いように感じた。批判的人種論も、今では本来のかたちとは違うニュアンスで使われているのではと、読んでいて思った。
Posted by ブクログ
cancel cultureを軸に現代のアメリカ合衆国の動きを解説した本だが、一般のニュースではほとんど耳にしないことが多くて楽しめた.Black Lives Matter(BLM)運動が全米を席巻する中で、political correctnessに対抗して出てきてのがcancel cultureの由.トランプ前大統領の言動が深く関わっているようだ.批判的人種理論(critical race theory)も初めて聞いた.分断国家の傾向が定着し、中南部と東海岸・西海岸地区、それぞれ共和党と民主党の地盤となって、それぞれが言い争う.FOX NewsとNBCなどの従来TV局がお互いの報道をフェイクニュースと言い煽る.何とも言えないアメリカ合衆国の現状を見せつけられてうんざりした感じだ.AOC(アレクサンドリア・オカシオコルテス)が最後に出てきたが、彼女が大統領になるかな?