感情タグBEST3
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不倫、イジメなど胃が重くなる話題が多い短編集。平易な文章なのにその空気感や情景を醸し出す所が、好きな作家さんの由縁。「料理指南」のやるせ無いピュアな樹さんがとても良かった。
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読者感情を儘に操る短篇十作品は何れも秀逸。日常の些細なこと、ありがちな出来事を巧みに描写。曖昧さを残したオチもいい。登場人物の台詞ひとつにしても含みを持たせ、つい深読みしてしまった。
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小説や日記からメモやSNSなどちょっとしたことまでの「書く」ということをテーマにした短篇集。どういう理由でそれを書くのか。日常のなかの何気ない時や、仕事で必要な時など様々で読んでいると感情がざわざわしてくるような、少し不安になるような感じがあった。そこには本人が思っているよりも多くの情報や自分の想いが入っていたり、受け手の感情も感じ取れるからなのかもしれない。近年読んだ短篇集のなかで一番だと思う。
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どの短編もとても余韻が残り、不思議な感覚だった。
どの作品も「え、これで終わり?」と思うラストなんだけれどなぜかどれも心に残る感じ。
やっぱり上手いんだなぁと実感。
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10作全てがハッピーエンドという訳ではなく、だからと言ってバッドエンドという訳でもなく。
ただ、何となく感じられる不気味さや不快感。
人間の醜い部分を匂わせるような作品だった。
個人的には
「窓」が一番好き。
最後の女子生徒2人が見つめ合う描写。
本来「同士」を見つけ、希望を感じさせる終わり方になるはずが、何故か、もっと悲しく悲壮感漂う終わり方だった。
そこになんとも言えない怖さを感じた。
ただ、表現方法が単調であって読みやすくはあったが星3である。
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久しぶりの荒野さん
やっぱりうまいなぁと思う
無駄がないし、不穏な感じもどこか上品な感じも手厳しい感じも健在、という感じ。
好好軒の犬、と小説家の一日はつながっていたのね、そしてそれは荒野さんの子供の頃と現在に極々近いということが、あちらにいる鬼を読んだ人ならすぐにわかることだし、実際その二つが面白かった
小説なのだからフィクションなはずだけど、あーそんなふうに荒野さんは暮らしてるんだな、と思ってしまった。
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書くことがテーマだったり、書くことに携わる人が語り手だったりする短編集。
長い物語のほんの一部を切り取ったような印象の作品が多く、そのせいかどの作品も強引にハサミで切り取ったかのような座りの悪い終わり方をしていて独特な読み心地。文章が抜群にうまい。
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他の方の感想を読んで初めて「好好軒の犬」にでてきた娘さんが
タイトルにもなってる作品に出てきたことを知りました。
確かにお父さん、小説家でしたね。
書くことをテーマとしてるそうですが、だいたい不倫のお話…
一番印象に残ったのは「名前」。
娘がかつての自分と同じ立場になり、しかも自分はできなかったことをやりとおしてるのを見た母親。
母親と娘の女性性みたいなのがぶつかる話。
生々しいけど、終わり方がカラリとしてます。
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ものすごく井上荒野的な感じがします。井上さんの作風を知っていてそれが好きな方には楽しめて、それ以外の方にはさほど刺さらないかもしれません。「書くこと」をテーマにした10短編集。お気に入りは『緑の象のような山々』→世紀のクソメールの応酬。『園田さんのメモ』→こんなメモは怖い。『窓』→いじめの描写が辛い。でも少し救われるようなラスト。総括:全体的にモヤ~っとした質感でオチも「え、それで...」となるものが多いがなぜか読ませます。1編が短いので隙間時間にサクッと不穏を楽しめました。
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「書くこと」をテーマとした10編の短編集。
「園田さんのメモ」言葉よりも文字で伝える不気味さ、でも園田さんってどこかにいるかも。でも嫌いじゃないかも(笑)
「好好軒の犬」は、あちらにいる鬼のスピンオフ版かなと思える意味深なお話。
贅沢な全10編でした。
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井上荒野さんの「書く」ことにまつわる短編集。
とても良い。
ブックカフェで手に取ってそのまま購入。
文字を紡ぐってとても不思議な行為だなぁと改めて思う。
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"書くこと"にまつわる短編集。予想通り爽やかな話は1つもないけど、余韻を残す感じが見事なんだよなぁ。短編が十作あるのですが、「凶暴な気分」がささったかな。自分がいかに恵まれているかに無自覚な人間にこれでもかってくらいお見舞いしたい気持ちわかるわぁ。
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「書くこと」をテーマにした10篇を収録した短篇集。
タイトルからして執筆を連想するけれど、対象はメールだったり、付箋紙に書かれた伝言だったり、はたまた壁に書かれた落書きだったりと様々だ。しかしどれも心の底がざわざわするような内容で、そのくせ結末に至らず終わってしまうからその先は想像するしかない。でも、そこがいいのだ。一見、救いのない話でも、読者の想像でハッピーエンドに変えられる……かもしれない。
現実の、どうしようもない状況も、考え方次第でどうにかなるかもしれない。そう思える作品集だった。
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「緑の象のような山々」女性が独身の不倫って男性は不誠実になって当然だと思う。どうか独身女性気を付けて。
「窓」いじめはなくならない、と言うけどでもひどい。どうしたらなくなるのか、ひどい話しを読んでいるとぐったりする。どうか希望がありますように。
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「緑の象のような山々」「園田さんのメモ」「好好軒の犬」「何ひとつ間違っていない」「窓」
「料理指南」「つまらない湖」「凶暴な気分」「名前」「小説家の一日」
『書くこと』をテーマに、様々な人生の一瞬を切り取った10話収録の短編集。
エッセイの様な作品名から、地味なイメージを抱いていたら、初っ端から漂う不穏な空気に一気に物語に引き込まれた。
男と女の化かし合い的展開、勝者は予想通りで思わずニヤリ。
他の短編も決して派手ではないけれど、日常の中に潜むちょっとした悪意や辛辣さが、ちょこちょこ顔を出し、その不穏さが癖になる。
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10作品の短編集で、2作品に同じ名前で海里という人物が登場しています。何か繋がりはあるのか、とか何か意味はあるのか、と珍しく2度読みしましたが特に無いような感じがしました。もしかしたら、あるのかも知れません。小説家である井上さんに意図を尋ねてみたいと思った一冊。
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短編集。
井上荒野さんの小説には冷たい男が出てくる。本作の冷たい男1位は「つまらない湖」の男と決めた。
一見、付き合いやすいし優しそうに見えるが、「今夜ぼくはあなたと寝た方がいいのかな」とサラッと問うてくるし、「どちらでも対応できる」と本心で言っているのも冷たい。しかし、私はこの冷たさが好きなのである。本心を隠してあれこれ画策する男より余程素直ではないだろうか。すぐ傍にいるのに遠い存在の男は貴重な存在だ。
最低な男も決めたい。
栄えある1位は、「緑の象のような山々」の男。
妊娠した不倫相手に甘言を囁き、いざ自分が追い込まれると手のひら返したように堕胎の説得を始める。この短編は、男と女がSNSで会話しているのだが、「w」の多用がここまで不快とは思わなかった。こちらは何も面白くないのだが?これも筆者の策なのだろう。段々話が深刻になるにつれて「w」が登場しなくなるのも良い。
全てを理解した訳ではないが、どこか空虚さと清々しさが残る読後感。
Posted by ブクログ
小説、メモ、日記、レシピ、SNS…。すべての
「書くこと」をテーマに、さまざまな日常の
忘れられない瞬間を描いた短篇集。表題作のほか、
「窓」「つまらない湖」など全10篇を収録する。