感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年09月08日
個人的に、読んだタイミングが良かった。
人との繋がりが絶たれたタイミングで読んだ。
人との繋がりが絶たれるという事実が描かれていた。
胸が痛くなるような、ただただ俯瞰で眺めてしまうような、そんな話だった。
Posted by ブクログ 2022年11月20日
愛し愛されることは奇跡でもあり、罪なことなんだと。時には、支えてくれるけど、とても恐く逃げ出したくなる。でも、逃げた分の時間は戻ってくれない。だから、互いに大事に思っていないと取り返しのつかないことになる。人を愛し、愛されることはとても儚く繊細なんだなと。それを目の当たりにした気がします。
Posted by ブクログ 2021年11月14日
どうして死ぬのだろう。傷つけられて愚弄されそれでも死にたくないと叫ぶ者が死ぬのはあまりにも辛い。残された人が辛い、それよりも本人が辛い。延々の闇の向こうには何もない。希望も光も何もない。なのに生者はそこへ向かって歩かないといけない。それはなんて辛いことなんだろう。生きたいのに死ぬ。死にたいのに生きる...続きを読む。矛盾だらけの問題をどうやって愛せばいいかなんてわからない。わからなくても生きないといけない。こんな問題知りたくなかった。課されたくなかった。
主人公が父親を見て言うように、この話も
神経質になりすぎないところが良いのでしょう。
以下、気が付いたことを書きます。
〇初めの出会いのシーンには、後でわかることが
隠れている。その時のヒロインが
どういう気持ちだったかということだ。
また、巻頭からオマージュが見え隠れし始める。
...続きを読む
1.引用されているマーローと同じころの、
あの有名な劇作家の奥さんは8歳上だった。
2.主人公たちは待っていたのか?「ゴドー」を。
3.主人公がずぶぬれになって会いに来る場面。
マーローの『ヒーローとリアンダー』を思わせる。
もしかして、「鮎太」でもある?
そういえば魚の絵が大事にされている。
〇主人公たちの周りに起きる大人や同世代の人の動きは、
彼らの生死や性の問題と平行したり、対照されたりし、
野卑なものさえ単に全面的に避けるべきものでもない。
〇主人公は過度の神経質を避け、助言や自らの向上心で
そして、良いものも悪いものも含めてやや多い偶然
にも助けられて一筋の道を歩む。
それは、平凡で厳しい現実をかいくぐるようにして
彼らのためだけに、天使が用意した道だったようだ。
〇「卵」とは象徴的な題名だ。
ヒロインをモデルにしたクロッキーは、もっと本質を
捉えた「ほんもの」を産み出さずに終わるのか?
Posted by ブクログ 2021年05月29日
あなたは人を愛したことがあるだろうか?
その答えがYESだとしたら、次はどうだろう。
あなたは真っ直ぐ人を愛したことがあるだろうか?
人を真っ直ぐ愛する。言葉では簡単に言えたとしても、何をもって、どのように愛すれば、それは真っ直ぐ人を愛すると言えるのだろうか?
それは無心な愛、無垢な愛、そし...続きを読むて一途な愛なのかもしれない。大切な人を守りたい。ただただ、守りたい…という強い気持ち。『もう誰にも彼女を傷つけさせはしない』と誓い、『自分が心から愛するものを、この手で守れるだけの強さを持った男にならなければならない』と強く思う気持ち。それは『あなたがそこにいてくれることで、少なくとも僕はこんなに救われてる』という安らぎの感情から生じるものなのかもしれない。
時に大切なものを失い、時にボロボロに傷ついて、でも、それでも立ち止まらずに生きていく、前へ前へと歩いていく。
そんな歩みの先に見る”純愛”の物語。
この作品は、そんな”純愛”の世界を『清冽』に描く村山由佳さんのデビュー作です。
『はじめてそのひとに出会ったのは、春もまだ浅いころ…池袋へと向かう西武線の中だった』と振り返るのは、受験した『美大を二校と、普通の大学を一校』落ちて予備校の入学手続きに行く途中だった主人公の一本槍歩太(いっぽんやり あゆた)。その日『大泉学園駅のプラットホームにすべり込んできた電車』に乗り込んだ歩太は『僕は十九歳になる。もし、来年もう一度美大を受験して、たとえ受かったとしても…そのあとはどうなる』と自らの人生のその先に不安を抱えます。そして過去を振り返る歩太。『オレかてアブラやりたい一心で東京まで出てはきたものの、結局ごらんのとおり、教師が関の山やったしな』と言った高校の美術の教師。『ほんで、来年はどっちゃに絞んねん。ええかげんに決め』と言われ進路に悩む歩太。そして『十年ばかり前まではこの中の一員だった』と電車内を見渡して『親父のことを思うと、胸のうちが暗く沈むのを感じた。親父はいま…』と考えこむ歩太。そんな時『もたれていたドアが開いた』と駅に着いた電車。『そのときだった。なおもホームにあふれている無彩色の集団の中で、淡い桜色の何かが僕の眼をひいた』と『ひとりの若い女の人のカーディガン』が目に入ります。『うつむきかげんのその横顔を見たとき』に『はっと胸を突かれた』という歩太。『発車のベルがけたたましく鳴り響く』も、満員電車に乗り込むのを躊躇する女性を見て『背中でぐっとほかの乗客を押して』一人乗れるスペースを確保した歩太。どうにか乗り込めた彼女の横に立ち『ほころびかけた桜のつぼみのような、さっぱりとした香り』を彼女から感じとる歩太。『見れば見るほど、きれいな横顔だった。端整で清潔』と『視線をはずすように』彼女を見る歩太は、『彼女の左のてのひらに真っ白な包帯』が巻かれているのに気づきます。そんな時『電車はまもなく急なカーブにさしかか』り、『歯を食いしばって』、『彼女の細いからだを、押し寄せる圧力から守ろうと必死』になった歩太。そのことに気づいて『驚いたように僕を見あげた』彼女の『品のよい口もとがひらいて、少し迷ったあと、こんなことばをかたちづく』ります。『A・RI・GA・TO』。『とたんに…何とも始末に悪い感情が、きりきりとした痛みと共に胸の奥から突き上げてきた』という歩太。『この時間がずっと終わらなければいいのに』と願うも池袋駅に着いた電車。『彼女もろとも転がり出るようにホームに吐き出されたとたん』、『あとも見ずに急いで階段をおり』た歩太。『目の端に彼女が何か言いかけるのが映ったが、立ち止まりはしなかった』という歩太は、『生まれてはじめて経験する激しい感情の揺れを、立ち止まって直視するのが怖かった』と思い返します。しかし同時に『あとでそのことをどれほど後悔したかわからない』という歩太に、まさかの場所で彼女と再会する機会が訪れます。そして、そんな歩太と、彼女=精神科医の五堂春妃(ごどう はるひ)の運命の物語が描かれていきます。
村山由佳さんの実質的なデビュー作として1993年に刊行されたこの作品。『美大を二校と、普通の大学を一校』受験したものの不合格となった歩太が、予備校の入学手続きに向かう電車内で偶然出会った女性に『生まれてはじめて経験する激しい感情の揺れ』を感じたところから物語は動き出します。そんな出会いの場面の描写はまるで夢を見るように儚く、かつ流れるように描かれていきます。『ホームにあふれている無彩色の集団の中で、淡い桜色の何かが僕の眼をひいた』という運命の瞬間。それが彼女のカーディガン。『白い開襟ブラウスの上に春にふさわしい色のロングカーディガンをはおって、オフホワイトのすとんとしたスカートをはいている』という彼女の描写。そんな彼女の『うつむきかげんのその横顔』を『あまりにも清冽で、あたりをはらうような凛としたたたずまいに満ちていた』と感じる歩太。『清冽』とは、”水が清く澄んで冷たいこと”を指す言葉です。人を形容するのにあまり用いないこんな言葉を使って歩太が感じた彼女の印象を描いていく村山さんは、次に彼女の印象を嗅覚に訴えていきます。『向かい合わせに立った彼女の髪が僕の鼻先で揺れた。ほころびかけた桜のつぼみのような、さっぱりとした香りがした』というその表現。そんな彼女の描写で気付くのは『遠く、近く、桜の枝が風に揺れている』という三月のイメージに見事に溶け込む世界観です。まさしく早春のまだキリッとした空気に包まれた淡い桜色の情景。桜のほのかな香りをそんな空気の中に感じる早春の美しい、あまりに美しい夢の中の情景にも似た世界が彼女に重ねて描かれていきます。そんな中に唐突に登場するのが『彼女の左のてのひらには真っ白な包帯がきっちりと巻きつけられていた』という生々しい描写。それを『見るからに痛々しい』と感じた歩太は、『彼女の細いからだを、押し寄せる圧力から守ろうと必死になった』と夢の中のような大切な光景を守ろうと行動を起こします。そんな歩太の優しさを知って『A・RI・GA・TO』と口を動かす彼女という、歩太でなくともキュンとなりそうなこの描写。『この時間がずっと終わらなければいいのにと願』う歩太の気持ちが何ともいじらしくストレートに伝わってきます。そして『生まれてはじめて経験する激しい感情の揺れ』と表現される歩太のその感情。”ひと目惚れ”というような安っぽい言い方で表すのは気が引けるくらいにピュアで読者の心まで鷲掴みにするように描かれていく歩太と春妃のこの出会いの場面は、もう絶品!としか言いようのないあまりに印象的なシーンでした。
そんな夢の中のような運命の出会いの後、父親が入院する病院で、今度は担当医と患者の家族という形で『こんなところで会えるなんて』と偶然にも再開する二人。あなたは、数日前の電車の中の出来事を覚えていたりするでしょうか?他人として通り過ぎていくその瞬間の人間関係を記憶に留めるほど記憶力抜群という方はそうはいらっしゃらないと思います。しかし、それが『生まれてはじめて経験する激しい感情の揺れ』を湧き起こしたものなら別でしょう。そんな瞬間の記憶は記憶というより、頭の中に一枚の絵として残り続けるものなのかもしれません。その一方で、春妃もまたあの時のことを覚えていたという事実は、歩太とは異なる何らかの感情を抱いていたのだと思います。そう、やはりあれは運命の出会い。一方向などではなく、お互いが惹かれ合ったその先に、偶然ではなく必然として訪れたのがこの再会なのだと思います。そんな二人の関係に、春妃を歩太の八歳上という何とも絶妙な設定をされた村山さん。世の中にはもっと年齢の離れたカップルも普通にいらっしゃいますが、この作品はこの時点で歩太が未成年の19歳であるとしたところに、年齢差以上の絶妙な線引きを感じます。それを『僕らの年頃にありがちな憧れだとか、そんなふうには思ってほしくないんです』と意識しながらも、その感情を肯定してもらいたい歩太。そんな歩太は『僕はすでに彼女のことをどうにも忘れられなくなってしまっていた』とその感情を燃え上がらせていきます。そんな感情の中心にあるのは『あの電車の中でそうしたように、僕は彼女を傷つけようとするものすべてから、この腕で守ってやりたいと思った』という、『あの電車の中』の記憶へと再び繋がってもいきます。一方で、『あなたのことを子供だなんて思ってないわ』と言うものの複雑な感情も見せていた春妃は、『あなたって、ひとを素直にさせてしまうの。まるで、子供のころみたいに』という感情を経て『私、もうちょっと遅く生まれればよかったな。八年も早く生まれちゃって…』と素直な気持ちを吐露するまでに至っていきます。そして、そんな歩太は19歳という年齢だからこそ、『彼女と釣り合うだけの人間になるように、すべてのことに対して積極的に、真摯に取り組むようになる、そんな種類の恋だった』という言葉のピュアさがとても自然に感じられ、ますます二人の関係を応援したくもなってきます。この辺り、男性、女性という読者の性別によって感じるところも違ってくるかもしれませんが、私にとっては、これはまさしく完璧なまでの”純愛物語”。もう、すっかり魅せられてしまうしかない”純愛物語”でした。
しかし、そんな”純愛物語”は、言葉を失うほどの衝撃的な結末へとゆっくりと、それでいて着実に歩みを進めていきます。あまりに儚い、まるで冒頭の早春の光景、淡い桜色の風景はやはり夢だったのかもしれないと感じるあまりにも切なすぎるその結末に一筋の涙が頬を伝いました。
『あれは…正直言って、電撃的なひと目惚れだった。運命的と言いかえてもいい。あのときの想いは今でも消えてはいなかった。いや、ますますせつなさがつのっているくらいだった』という主人公・歩太の”ひと目惚れ”のその先を見る物語は、まさしく”純愛”のなんたるかを見る物語でした。”純愛小説”と呼ばれるものは昨今多々生まれています。そういった数多の作品を読まれてこられた方からすると、”またか”、という思いをこの作品に感じるのもわからないではありません。そういう意味では、読書を始めてまだ一年ちょっと、”純愛小説”はまさかの初めて!という私が、この作品とここに巡り会えたのはとても幸せな出会い、まさしく運命の出会いだったのかもしれません。
『清冽』な川の流れのように美しく澄んだ情景描写の数々と、主人公・歩太と春妃の丁寧な内面の描写にすっかり魅せられたこの作品。あまりにも、あまりにも、あまりにも切なさを極めるその結末にしばらく言葉を失ってしまったこの作品。
ああ、なんて儚いんだろう。
ああ、なんて切ないんだろう。
そして、ああ、なんて美しいんだろう。
冒頭と結末に心の違う部分を強く鷲掴みにされた絶品!でした。
Posted by ブクログ 2021年05月02日
読むたびに、切ない気持ちにさせてくれる。
19歳の歩太くんと、8歳年上の春妃さんの話。
文章能力のない私は、上手い言葉で残せないが、
単なる恋愛小説ではないなー。
昔、映画で見てから、小説を読んだけど、
私は小説の方が好き。
歩太くんの春妃に対する思いだけじゃなく、
浪人生という自分の、もどか...続きを読むしい思い、
将来に対する悲観など、
十代がたまぁーに考えたりすることを、
この一冊に盛りだくさんに書かれていることが、
スゴいと思う。
「そこには、春妃がいた。
どのページにも、どのページにも、春妃があふれていた。」
という最後の文から、
その時の歩太くんの顔が想像できるなー、って思う。
それぐらいに、この本の言葉のセンスが好き!!
Posted by ブクログ 2021年03月02日
非常に良かった。解説で構造自体はシンプルと言っていたけれど、たしかにそれはそう。
でも起承転結がある物語でエンタメ性はちゃんとあるし、面白かったと思う。
……いや、面白いっていうのが難しい定義ではあるんだけれど。
人物造形が丁寧だったし、主人公が素敵だったな。
正直最初のシーンはかなり少女漫画チック...続きを読むで萎えてたんだけど、フィクションのなかでうまく主人公とヒロインの関係性を古典的ながらもちゃんと描いていたのはいい。
ここを雑に描かれるとすごい萎えちゃうんだよね。
続編が早く読みたいところ。
Posted by ブクログ 2020年11月29日
久々の再読。
初めて読んでから15年以上たったかな?
こんなに清々しくまっすぐで、
こんなに悲しい話だったっけ…
こんな愛に出会ってみたい
Posted by ブクログ 2024年01月20日
キュウっとくるような恋愛小説。苦しい苦しい恋愛小説。最後は誰もハッピーじゃない。苦しいまま終わる。でも、それはみんながその場では真剣で一生懸命で、その結果。
著者は違うが、原田マハさんのゴッホを描いた作品を思い出してしまいました。
Posted by ブクログ 2023年07月17日
初作家さん。厚くなくて読みやすかったので1日で読めました。
物語は淡々と進んでいき、甘い恋愛小説になるのかと思いきや、、、!!!!
切なくも悲しいラストに少し涙しました。
Posted by ブクログ 2022年03月16日
なんか、ラノベ・漫画みたいだなぁと思った。
文学的な表現は心地よいけど。
この前に読んだ2作より、なんというか、テーマ性?問題?みたいなものが少なかったからかな?
しかし、なんというか、絶望的なストーリーだよ...。苦労と挫折を乗り越えたかと思った矢先、また大挫折(苦労)。。人生にこう何度も苦難は...続きを読むあってほしくないね...。
そして、この作者は、ご本人が芸術思考の強い方なのかな?(まぁ作家ってそういうものかしら)2作前に読んだものと共通して、芸術肌とは、という感性の炙り出しがある気がする。いろいろ苦しみがあって、結局、それが芸術には生きるかも、的な何かが。。
Posted by ブクログ 2021年11月04日
メルカリ見てたら、懐かしい本を見つけ衝動買いしました。
高校生の頃に読んだ気がします。大人っぽい話だと感じた記憶がありますが、今読むと若い子の話だなぁと冷静に読み過ぎてしまいました。
当然スマホは出てこず、家の電話でのやりとりが良かったです。
Posted by ブクログ 2021年08月14日
王道なストーリーにどこまでもリアルがつきまとう。人を愛すことの意味に1歩近づいた。ただひたすら切ない。恋愛って半分以上は悩みだよね。もし自分の身に降りかかったらと考えることすらしたくない。リアルだから余計につらくなる。
Posted by ブクログ 2021年05月06日
著者デビュー作。高校の時に読んだ記憶があるものの、内容を全く覚えていなかった。読みながら、春妃と夏姫という姉妹の名前が可愛いと当時思ったことだけ思い出した。笑
歩太のお父さんが退院してから終わりまでの展開が急すぎてびっくりした。
春妃が色々背負い込んで、最期もあんな形でっていうのが可哀想。辛い、切な...続きを読むい、やりきれない、、、歩太の今後が心配。
今「おいコー」シリーズを読み進めているため、すごく共通点があるなと思ったのが第一印象。年下彼氏・年上彼女、料理上手な男子、それぞれの性格など・・・自然と勝利とかれんを重ね合わせてしまった。
村山由佳さんは、本当に読んでいてキュンとするような照れるような純愛を書く方だなあ。若い人のみずみずしくも切ない気持ちを、こんなにも鮮やかに描写できるのがすごい。
Posted by ブクログ 2023年10月30日
DVDを見て(正直そう面白くはなかったけど)原作を読んでみたくなり、手に取った本です。DVDよりもよっぽど面白かったけど、やっぱ登場人物は、春妃(精神科医で主人公の恋人)は小西真奈美さん、夏妃(春妃の妹・主人公の元彼女)は沢尻エリカさんで動いていました。なぜか歩太(主人公)は市原隼人さんではなかった...続きを読むけど。(イメージが違う)きれいな景色をながめているような本でした。でも、最後はちょっといただけないなぁ・・・。早急すぎるので、登場人物もあまりに急な展開で戸惑っているけど、読んでいるこっちももっと戸惑ってしまった。
Posted by ブクログ 2023年08月04日
受験に失敗し、予備校に通いながら画家を目指す歩太の前に春妃という女性が現れた。歩太の前に春妃に一目惚れしてしまい、次第に彼女の過去を知るようになる。
これより前に、この作品の続編として書かれた『天使の梯子』を読んでいたので、また読みたくなった。
歩太と春妃の妹である夏妃の辛さがどれほどのものであっ...続きを読むたのか、この作品を読んでさらに強く感じられた。
愛する人の死ほど辛く苦しいものはない。
Posted by ブクログ 2023年07月17日
罪悪感とどうにも出来ない悔しさ歯がゆさ、初めて彼女に出会った時感じた、壊れやすそう、は思っていたより呆気なくって。
でもわたしもこのぐらい純粋で、でも自分たち以外のことを大切にしようとする恋愛がしたい。
Posted by ブクログ 2023年06月27日
こんな恋愛したことないのに、何故か懐かしく、甘酸っぱい。
ストーリー展開も登場人物も、ラストシーンもある意味『ベタ』です。しかし、だからこそ、いろんな人の中にある恋愛に関する記憶に刺さるのだと思います。
純愛小説を読みたくなった時にはオススメです。
Posted by ブクログ 2023年04月09日
直木賞作家、村山由佳が1993年にすばる新人賞を受賞した恋愛小説。作者が凡庸とも言える物語を敢えて選んだうえで、恋愛の普遍性を描こうとしたのだと感じたのは深読みしすぎか?
Posted by ブクログ 2022年09月16日
久しぶりに恋愛小説読んだし
内容もつらくて切なかった
その人を思う気持ち
をわかりやすく丁寧に描かれとって
感情移入して読むことができた
あんな真っ直ぐに人を愛して求めたことがあるやろうか。
20歳の彼はこれからどんな人生を歩んでいくんやろうか
Posted by ブクログ 2022年08月11日
久しぶりに映画の方を見たので小説も。ストーリーはありきたりだと思うけど、所々美しさが感じられます。映画の方の小西さんの印象が強すぎて、あっちの原作という捉え方になってしまった。
Posted by ブクログ 2022年05月28日
一目惚れも、身を切られるような嫉妬も、まるでこの瞬間のために生まれてきたと思うほどの喜びも、全部が甘くで痛くて素敵。誰かを好きになるってすごく難しくて、苦しい。でもとっても楽しい。
P175「二人だけで過ごすとき、時間は目で見ることができるほどゆっくり流れていき、僕らはまるで卵の中の双生児のように...続きを読む、二人だけの宇宙を創り上げることができた。」
Posted by ブクログ 2021年06月07日
デビュー時の村山由佳先生は20代らしい描写がお得意。いい意味で気持ちの移ろいに奥行きがないというか。どこか暗さや苦しさがあるのはずっと変わらずですね。青かった。狭い世界での息苦しさがありました。盛り上がりには欠ける。
Posted by ブクログ 2021年04月13日
純粋でみずみずしい恋愛小説。
壊れそうなほど綺麗で、壊れてほしくなかった。
凡庸なストーリーと解説されているが、シンプルだからこそすっと入ってきて読みやすかった。
残念ながら心が荒んでいる時に読んでしまったから、泣くことはできなかった。