あらすじ
天慶8年(884年)、唐の蘇州に人語を解する黒猫がいた。蘇州の猫の王で、目標は「一生ぐうたら生活をすること」。ある日、商人につかまって日本へはこばれ、光孝天皇の第七皇子・定省に飼われることになる。「猫なんて好きじゃない。父に言われたから仕方なく飼っているだけ」と口では言う定省と、なぜかたまに、自分が追い詰められている四面楚歌のシーンを夢に見る唐の黒猫の、奇妙な日々が始まる。
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Posted by ブクログ
定省(さだみ) 宇多天皇のこと。時代背景に沿った物語。猫のことも良く描かれてる。猫語(人語)が話せる設定で吾輩は猫であると同じような感じね。平安時代の物語は面白いね。
Posted by ブクログ
ねこ好きのあいだではわりと有名な元祖ねこBloggerこと宇多天皇の日記に出てくる黒猫が主人公で語り手。
ティーン向けのお話なので文章も読みやすい。
ねこ社会も大変だなぁ。
Posted by ブクログ
唐からやってきた人語を介する黒猫と、猫なんて全然すきじゃないんだからね!と言い張る光孝天皇の第七皇子・定省の平安エンタメ。
定省は実在の人物で後の宇多天皇。私はこの本で、猫のことを褒め散らかしておりながら「親からもらって仕方なく飼っている」というツンデレ日記を遺した人物だと知りました。
藤原基経や菅原道真など、実在の人物が出てくるし、寝殿造なども出てくるので、国語だけでなく歴史好きも楽しく読めると思います。
宮中のドロドロとした人間関係と、猫社会の闘争も絡み合い、特に主人公を取り巻く状況は厄介です。人間社会アの方では大人の駆け引き、という所もあるのですが、重たい話かというとそうは感じさせません。テンポの良さと、猫から見た人間社会という、「枠」の外からの視点が入るからでしょうか。