だまされた悔しさと興奮で身体が熱くなる秀作です。
主人公の柊一は、従兄と数人の友達と共に、山奥の地下建築を探しに向かった。
探索していると日が暮れてしまったため、建物内で一夜を過ごすことに。
翌朝、突如発生した地震によって建物内に全員が閉じ込められた。
同時に地下から水が流れ込んでいることが判明。
更には殺人事件も発生した。
水没する建物内から脱出するには、誰か一人が犠牲にならないといけない。
犠牲者を選ぶための、殺人犯探しが始まる。
「殺人事件が起きた建物に閉じ込められ、犠牲者を1人選ばないといけない状況」を想像してみてください。
あなたはどんな基準で犠牲者を選びますか？
・殺人犯
・地下建築の探索を提案した人
・残される家族が少ない人
・個人的に嫌いな人
などが思いつくかと思います。
しかし、作中にこんなセリフがあります。
「愛する誰かを残して死ぬ人と、誰にも愛されないで死ぬ人と、どっちが不幸かは、他人が決めていいことじゃないよね。」
「殺人犯は誰なのか」、「なぜ殺したのか」以外にも、「誰を犠牲にするべきか」。
犯人が分からないからこそ、犠牲者を誰にするのかという価値観を問われます。
「手に汗握るとはこういうことか！」と感動を覚えるほど、物語の世界観に没頭する感覚。（ちなみに私は脇汗も止まりませんでした）
緊張と恐怖と罪悪感に押しつぶされながら、予想できない結末に痺れてみてください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
クローズドサークルが好きなんだなと再確認。こういう設定の本ほど、次が気になってどんどん読み進めてしまう。終始面白かった。
でも一週間も過ごせるのがやや違和感はあったかな。そんなにのんびりできるもん？？どんどん水がやってくるなら、なおさら一日でも一時間でも早く、誰かが助けを呼びにいけたのでは？一週間も置いたために助けを呼ぶのが無理になったようにも、、、、。
犯人が判明するあたりは、全員が怪しかったから、あまり驚きもなく、この人かぁ。なんて思ったりして、あれ？あっさり終わる感じ？？と思っていたら、エピローグで、うわぁこわっ！！ってなった。
完全にやばいやつじゃん。気持ちよく騙されましたー
Posted by ブクログ
これほどまでに心が引きずられる小説は久しぶりだ。
こういう大どんでん返しのあるミステリーが読みたかった。
最後の1ページで、希望が絶望に変わるその瞬間、落差に震えた
Posted by ブクログ
ぞくぞくして、心臓が震えた。
平和で安全な自宅で読んでいるにも関わらず、言葉にできない閉塞感と焦燥感が付き纏って頭の中から離れない。
半ばあたりから、最後の最後まで息つく間もなく一気読み。
誰が？なぜ？という疑問と、結末が気になって気になって…。
謎だらけだったのに最後の明解な謎解きも素晴らしく、さらにその先のエピローグで背筋が凍った。
ここまで予想できた読者がいただろうか？
怖すぎて二度は読みたくないが、一度でもしっかり理解できる内容で満足(難しくて分からない、とか、改めて確認しないといけないような複雑な伏線もない)。
決してトリックに全振りというわけでもなく、人間の怖さも描写され、色んな意味での震えが止まらない。
シンプルなのに予想外、文句なし！
Posted by ブクログ
こーれは面白いね。ただ犯人がわかるだけのミステリーではなく、最後の最後の心の動きが震える。
狂気を感じる。買って読みたいかというと何度も読むかという点でやや微妙だが、人と感想を共有したくて話題にしたくなる一作。怖いけど面白かったー！
Posted by ブクログ
あと数ページで終わるのに
どういう結末になるの？！
と焦って推理しながら読みました。
エピローグの回収がやばすぎる。
ドキドキしながら読みました。星5ですー。
Posted by ブクログ
麻衣の好きな男と生き延びたいと願うけなげさも見切りをつけた途端に一切の未練を断つ潔さもザ・オンナって感じ。そもそもの前提も動機もすべて最後数ページでくつがえってすごく面白かった。紹介してくれてありがとう。
Posted by ブクログ
初めて読んだ夕木春央作品。
推理がコナンみたいなトリックってよりかは、普段過ごすうちに残したほんのちょっとのヒントで犯人がわかるみたいな、ほんとに現実ではこーやるんじゃね的な解き方がかっこいい。人狼とかに近い。
そんで最後のどんでん返しはいかつい。
これ予想できた人すごいわ。
なんか悔しい。
Posted by ブクログ
一切隙を見せない完璧なストーリーに圧倒された。息苦しさを感じながらもページをめくる手が止められなかった。
『十角館の殺人』以来の衝撃だった。おもろすぎ。
誰かが犠牲にならなければ
生き残れないという究極の場面の中に
もし自分いたならなんて考えたくない
生きることへの執念に恐怖と驚愕
一筋の希望の元に出口に向かった一行が
ラストに局面する絶望を思うと
ぎゃーと声をあげ
ふぅーとため息ついて
モヤモヤに心が占領される
こんなミステリー展開 凄い！
最後やばい
推理とかも凄いし何となく犯人この人なんだろうなって思って読んでたけど、そんなことでお話かつまらなくならないくらい最後が凄かった！
驚いた
予想外のどんでん返しでした。
クライマックスに向かうに連れて、読み進める手が止まりませんでした。
犯人がわかって、結末を迎えたと思いなんとも言えぬ後味の悪さを噛み締めていたら、
別の結末が待っていて、さらなる後味の悪さが押し寄せてくるというか、、、
どなたか別の方のレビューにも書かれていましたが、ネタバレされる前に絶対に読むべきです。
本当に面白かったです。
絶望とは何か。
ガッツリしたネタバレは控えますが。
今まで読んだ推理小説の中で、一番自分その場にいるとしたら体験したくない最高に最悪最恐な結末。
逆に言うと本でよかった。サイコパスキラーでも無い、普通（？）の殺人犯なのに胸糞が悪い。頭もいい。もーーーーーー！！！わからないだろうけど伝われ。
普通の推理小説読むのに飽きた人は読むと面白いかも。ただし、最後を読んで後悔はしないでね（笑）
山奥の地下建築に閉じ込められた人間たちが脱出を試みるミステリーです。
密室かつタイムリミットのある舞台で、極限状態の人間の描写が面白かったです。
最後のドンデン返しには鳥肌が立ちました。
匿名
犯人があっさり言うこと聞くわけないとは思ったけど
まさかの展開で絶望感が凄かった
登場人物の掘り下げがあまりなくて愛着わかなくて逆に良かったなと思えるほど
衝撃、、、
ありえない展開、、、。戸惑いと困惑と衝撃。読後の感想です。初めての衝撃でした。ぐいぐいと引き込まれた結果最後に突き放されたといった感じです。もっと頁があってよくない？え？、、、
Posted by ブクログ
全体の構成はとても良くて、殺人の犯人は誰なのか？誰が犠牲になるのか？という推理物から最後のどんでん返しまで非常に面白かったです。
ただし気になった点が3点ほど。
①キャラの魅力
このキャラいいな〜という登場人物が少なかったです。いとこは完璧過ぎて（いや、完璧じゃなかったですが）、主人公は普通過ぎたような気がします。
②犯人を犠牲にすることへの皆の納得感
犯人を探して、犯人に犠牲になってもらおうとすることに全員がある程度納得していることに少し違和感がありました。強制的に犠牲にできるならまだしも、犠牲になる人が主体的に犠牲になる必要があります。普通に考えれば、犯人を特定できたとしてもその犯人が協力してくれるとは思えないような気がします。また、他にも助かる手段がありそうですが、1人を犠牲にするしかないとほとんどみんな納得しているのが（納得してない人もいましたが）違和感がありました。
③建物の構造
一人が犠牲になれば、他の人がみんな助かるとのことですが、そうなるに至る建物の構造がよく理解できませんでした。ビジュアル的に理解できるものがあれば良かったです。
全体としては非常に良かっただけに、少し残念でした。
Posted by ブクログ
十戒も読んで思ったが、この作者は「お互いのことをみんなが不審に思う、重苦しい状況」を書くのが得意なんだな、と。
謎解きよりも、最悪な状況&空気が印象的な作品だった。激しい争いや派手な仲間割れがあるわけでもなく、でも正気を保つのがギリギリな雰囲気。
読んでいて息苦しくなってくるので、救いを求めて読み進めてしまった。が…、
Posted by ブクログ
ミステリの舞台設定としては「そんな馬鹿な…」と言いたくなるような噴飯物の設定だが、考えてみると絶海の孤島と本質的には変わらない。クローズド・サークルのミステリはどんなあり得ない設定もありなのだから。
人物描写が特に優れている訳ではない。伏線はそれなりに散りばめられている。普通なら☆２つか３つの評価の作品だ。
しかし、本作がひとえに評価されるのは、犯人の動機の意外性とそれを含む最後のどんでん返しのためと言っていい。そこだけがこの作品の価値だと言っても過言ではない。
ラストの数行は非常に映像的だ。
間違いなく映画かドラマになるだろう。
Posted by ブクログ
窮地に陥った人間の醜悪さ満載すぎて吐き気がする作品。
善悪とは、安全な場所にいるからこそ判断できるのだと痛感した。
翔太郎があれだけ謎解きをし活躍したのにも関わらず、最後は命乞いをして大人しく助かるのを待つだけだったのが少し残念だった。
Posted by ブクログ
ずっと読もうと思っていたら、残念なことに予期せぬ事態でネタバレをくらってしまい、内容を確かめるような読みかたになってしまった。
とはいえ知ってはいてもやはり面白かったので良作なのでしょう。
あの展開は唯一無二だし、他にはない読後感でとても好き。
読みやすく、最後まで飽きずに一気に読み進めることができた。
「十戒」も読んでみたくなったのでさっそく買った！
Posted by ブクログ
恐ろしかった。
最後の方はページをめくることが怖いまであった。命を選別することは並の人間には出来ない。だが1人死ぬ事で他の人全員が生きられるとしたら、天秤は大きく傾くのかもしれない。犠牲者を決める時、極限下で自分は生き残りたいと誰もが少なからず思うのだと思う。そんな中で本当に犠牲者を決められるのか。偶然と必然により本当の気持ちが露になる。
Posted by ブクログ
最後が衝撃的。しぱらく放心しました。
意味深な会話が多く、
悪いのは誰か？殺人とは？
と考えさせられました。
そして「だからこの時こう言ったのか！」と
読み終わってから気付いたこともあり
犯人がわかった上でもう一度
読み返したくなりました。
ミステリー好きでも最後は
予想できないんじゃないでしょうか。
オススメです。
--- マイナスポイント ---
(1)細かい部分の設定が気になった
※そもそも酸素欠乏症で死ぬ
※絶対蜘蛛の巣と虫がひどいと思う
※なぜか発電機のバッテリーが上がっていない
※大学時代の友達の集まりに従兄弟呼ぶ？
※山奥、しかも同じ時間帯に人と出会う
(2)方舟が作られた経緯など深掘りして欲しかった
Posted by ブクログ
エピローグでそこまでひっくり返ることある？と思うくらいの衝撃でした。
逆にエピローグで出すことによってもう覆らないという絶望も凄かった。
正直、麻衣が犯人なんじゃないかなって言うのは感じてたし、ほぼ痕跡を残さない所と何の経験もない翔太郎がそこまで推理できるのかってところはあるけれど、それを引っくるめても余りある作品でした。
結局方舟についての詳細はわからず、
「方舟」には定員1人…
何とも後味の悪いが、他にはない感覚を覚えられる作品でした。、
Posted by ブクログ
凄まじいどんでん返し。犯人が麻衣であることは論理的に明かされるが麻衣はその上を行っており、完全犯罪を成し遂げつつ自分一人で脱出。『ユージュアル・サスペクツ』を思い出した。
正直なところどんでん返し一本勝負の作品であるため、謎解き編までは退屈。登場人物が動いていない感じ。
謎解き自体もフェアではあるが、探偵が考えていることは何も明かしてくれないため推理の難易度は高い。
Posted by ブクログ
有栖川有栖氏のネタバレ解説にもあったが、犯人は本当にそうせざるを得なかったのか？という「合理性」において"全く"隙が無い。
この隙の無さを有栖川有栖氏のネタバレ解説の通り、本当に計算して執筆されたのであれば、著者は間違い無く天才だろう。
Posted by ブクログ
山奥の地下施設を見に来た柊一達は、夜になったため仕方なく地下施設で一夜を過ごすことになる。
翌日、巨岩で出口が塞がれ水没した地下3階の水位が上がり始めた。その最中殺人が起こり─。
うわーそうくるのか～！
探偵役の推理をなるほどなぁと読んでいたけど、犯人の話を聞くと行動の何から何まで目的はそれだったのかと驚き。大どんでん返し！
岩に閉じ込められたところから地震じゃなく人為的なもので、紛れ込んだ地下施設の関係者がこの場所を知った人間を消そうとしてる って推理してたんだけど全然違いました（笑
早く読んだ方が良いかも
何を言ってもネタバレになるような気がする。
とにかく誰かにネタバレされる前に読んだ方が良いと言うアドバイスを聞いて良かった。
途中までは普通のクローズドサークルミステリーだなと思って読んでいだからだ、最後まで読んで納得した。後味悪いのにスッキリもしたような読後感。
Posted by ブクログ
2024.5.18
最後の最後でひっくり返された！衝撃でした。
犯人の思考怖すぎる〜
1週間待たず助けを求めた方が希望はあったんじゃないか…悲しい
Posted by ブクログ
アプリをいえる前に読んだ本。
なので感想を入れる予定はなかったけれど、
印象に残りすぎて（もはやトラウマ）書いておくことにした。
9人が地下施設に閉じ込められ、そして施設に水が流れ込み水に沈んでいく。助けを求めるのは絶望的。
さらに殺人により人が減っていく。
誰が犯人なのか、どうやって脱出するのか。
どうなるのかと息苦しい気持ちになりながら読んだ。
今だにふと思い出して恐怖を感じる。
薄暗いしか施設、完全に水に沈んでしまうまで
ジリジリと迫る死、内には殺人犯。
このような文章を書けるのはすごいと思った。
（こわくて2度と読めはしないけれど）
Posted by ブクログ
評価が良かった割に、ミステリー要素が子供向けのように感じた。
なぜか、主人公の従兄弟に当たる人物が、素人なのに、探偵のごとく解決へと頭を捻る。主人公も、従兄弟に任せてばかりで解決手段欠ける。
1人1人と消えていく人物。
最後の真相に、まともだと思ってた犯人の歪んだ性格が絡んでくる。
後味しっくりこない作品でした。
Posted by ブクログ
最終章まで読んだ時は、イマイチかな？
と思ってました。登場人物達にも今一つ共感するところもないし、言うほど大きなどんでん返しあったか？って。
が、エピローグで…やってくれましたね。
最後まで我慢して読むお話でした。
従兄弟が有能すぎて逆に不自然
面白かったけど従兄弟これあの名探偵でも裸足で全力で逃げ出すレベルで有能すぎるでしょww
そこらへん言及あったかな？なんか不自然だった
あと犯人はそれなりにミステリー読んでる人ならすぐに察しがつくと思う
オチはGood
普通に面白かったです
どんでん返しがあります。
でも後味良くないな～
推理パートはちょっとご都合主義な感じです
色々と謎が謎のままになって消化不良になりました。
後日譚も入れて欲しかった
オチは凄いが
オチは凄いので一読の価値ありだが、人物描写が平坦なので長編として少し退屈。中編〜短編でまとめられればもっと高評価だと思う。
結末ありき
二作目まで読みました。どちらも私には合いませんでしたが、どちらかといえばこちらの一作目のほうが好きです。
結末は中盤でよめてしまいました。どんでん返しなことと、タイトルから想像がつきます。
なにが納得できないって、犯人の動機、人間関係の希薄さですよ。これだけ多くの人間たちが出るのに深みが無いんです。
主人公はある女の子に好意を抱いてるのはわかるのですが、その理由も明かされず。
その女の子だって最後の最後にサイコパスぽくなったってもうちょっとそういった裏事情とかわかればもっと楽しめたのかと思うんですが。一人しか生き残れない、どうせみんな死ぬんだからって言ったっていきなりそうサクサク友達殺せますかね。
