【感想・ネタバレ】レッドゾーンのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

信濃山病院でコロナ診療に携わる医師たちの話。

横浜のクルーズ船からの感染から端を発し、著名人も亡くなっていく未知の病には心底怖かったことをよく覚えている。
「パンデミック」という言葉がテレビで流れてきたことは、生きている間にないと思っていた。きっと忘れないだろう。

大学病院を始め、近隣の病院がコロナ診療を断る姿を非難するのではなく、医師本人、その家族も含めれば分からなくもない。三笠たちは他の病院を肯定するでも否定するでもない。その中で院長の勇断、専門外の医師達は逃げずに戦っていく姿が痛々しい。
敷島がリウーを語る場面や、三笠が語るペストが蔓延したときに町に残る理由を話すところは、読んでいて靄が晴れたような気持ちだった。

また、敷島の娘である桐子がお父ちゃんに話す場面もアクセントが利いていてとても良かった。

0
2024年04月19日

Posted by ブクログ

コロナ第1波、いや、その前のクルーズ船からの出来事が書かれているから、0波とでも言うのだろうか?
偶然にも、これを読む前に「臨床の砦」を読んでいたので、出てくる方々には様々な思いがある。
0波や、1波の頃、「コロナは日本にはこない」「日本に来たとしても、死者は出ないはず」などという、希望的観測を持っていた人も多い。
医療関係者の中でも、そう思っている人がかなりいたんだな。
いや、思っていたと言うよりも、そう思わずにはいられないほどの恐怖が伴われていたんだろう。
だから、「一般診療に徹する」と、断言できた。
それを全面的に責めることはできない。
だって、あの当時は、本当に「未知のウイルス」で、「かなりの致死率らしい」だったんだから、誰だって、近寄りたくないよな。

その中で、本書の中で出てくる患者さんの言葉がズンときた。
「私、入院させてもらえるんです。。。」
あの当時、私も、旅行から帰り、感染が判明した人々や、飲みに行って感染が判明した人々の話を聞く度に、「あなたが悪い。自業自得」と思っていたもんな。。。

この本は、紛れもないコロナ初動の病院の記録だと思う。
そして、みんなが忘れそうだが、コロナは現在進行形のウイルスだ。
5類以降で、すっかり、コロナが明けたように報じたりしているが。。

0
2024年03月20日

Posted by ブクログ

コロナの対応に追われる医師たちの姿が描かれている。医師の覚悟がとても伝わってきた。長野の片田舎にある救急センターで急遽コロナを受け入れることになり専門でも無い医師たちがコロナに怯えながらも勇敢に治療をしていく様は今後自分も見習うべき姿だと感じた。今となってはコロナを軽視しているが発生した当時は未知のウイルスで治療も確立してない中で患者を診るのはとても勇気のいることだったんだろう。当時の医療従事者たちの疲労すごかったんだろうな。誰も診ないという判断をした中誠意という理由で診ることを判断した敷島が凄い

0
2023年12月23日

Posted by ブクログ

新型コロナウイルス診療の最前線を戦っていた、長野県の公立病院を舞台とした内容です。
本編は壮絶な第1波の頃を回想している著書でした。
先日読んだ『臨床の砦』とは比べ物にならないほど、未知の疾患に対しての恐怖心が描かれていました。

現在、ワクチンや投薬などで治療法は確立しましたが、未知の疾患として震えていた当時のことを描いていることから、『臨床の砦』と同様、新型コロナウイルスを後世に伝える上で、非常に学びの多い著書だと思いました。



-お父ちゃんはお医者さんなのに、コロナの人、助けてあげなくていいの?-
コロナ禍の最前線に立つ現役医師(作家)が、自らの経験をもとに綴った、勇気の記録。80以上のメディアで紹介され大反響を起こした『臨床の砦』の続編。

0
2023年11月20日

Posted by ブクログ

新型コロナが第5類になった今、少し落ち着いて過去を振り替えらる作品。報道で知ったいたハズが、実は全く知らなかった医療現場の現実が分かる。
後半、敷島医師と娘とのやりとりに感動。

0
2023年08月25日

Posted by ブクログ

コロナの中では、どの立場の人も判断に迷いながら、自分にできることを考えて最善を尽くしてきたと思う。
ただ本当に命をかけて戦ってきた人たちの過酷な日々を知ることができた気がする。
「代替案のない反対は意味がない」というセリフに共感した。

ハードカバーで重かったけど、読んでよかった。

0
2023年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感謝と敬意を。

日進先生のお父さんとの会話と奥さんとの会話では泣いてしまった。日進先生の決心、覚悟といいますか、それを目の当たりにした瞬間涙が止まらなかった。
最初のコロナ診察メンバーに選ばれた人選で日進先生がいるのは適当であると思う。臆病者なのかもしれないが臆病なだけではないと思わせる言動がある

正直その状況下で海外旅行へ行く意味がわからない。
自分が海外には絶対行きたくない人(ただの出不精と人見知りと言葉が通じない所に行く恐怖がある)だから行きたい人の気持ちは分からないけど、行くなと思う。
でも木島さんが千歳先生に言った言葉を聞くと自分が情けないと思う。責めるだけの言葉を言わない選択肢は出来てもそれ以外の言葉は出ないだろう。

富士先生の登場がかっこいい。

看護師さんはもちろんかっこいい。
徹底さといいますか。
一番患者さんと近くで接していて、ちゃんとした治療法などが無い状態で怖くないわけが無いのに。
だからといってお医者さんがかっこ悪い訳でも無く。

0
2023年06月13日

Posted by ブクログ

新型コロナウイルス初期の頃、クラスターとかの言葉が耳馴染みのない頃、呼吸器内科のない地方都市の病院の医師たちが、未知の感染症に向き合ったり戦慄したりする話。
小心者で皮肉屋でおそらく人一倍感受性の高い日進が、コロナ患者を診察するまでのくだりは、とても人間味を感じる箇所だった。

0
2023年05月18日

Posted by ブクログ

新型コロナ感染者が徐々に、しかし急激に増えていった頃。

一斉休校
緊急事態宣言
マスク、消毒薬、体温計の不足…

医師とはいえ、未知の病気に接するのはわからないことだらけ、でも、病気の人を前に、逃げ出すことはできない、という葛藤がとてもよくわかり、読んでよかったです。

その中でも『沈黙の壁』という言葉が特に印象的でした。

あの頃、コロナ患者を受け入れていない病院はむしろ空いていて、いつもは半日覚悟の定期検診も30分ほどで終わったことを思い出しました。

行動制限なし、と言われても、やはりインフルエンザと同じとは思えないというのが実感。

これだけ月日が過ぎても、まだ、決定的な予防策も治療法もないのが残念。

0
2023年04月26日

Posted by ブクログ

未知の物に対する恐怖が、不安を大きくし、それが募って誹謗中傷やいじめに繋がる。
医者だって、一人の人間。
恐怖から逃げ出したくなることも、
自分のことや家族を守りたいのも、
まして、持病があって感染を恐れることも、
医者だって、普通の人とおんなじ!
日進先生の存在は、人間としての本音そのもの。
「誠実」でもって、医者は医者になろうとしている。
本当に本当に、医療従事者の方々に改めて感謝したい!

0
2023年04月15日

購入済み

たった2年半前の事でしたね

私も医療機関に勤務しています。医師ではありませんが、新型コロナに対する医療機関の立場をよく描いていると思います。医師以外にも苦労している職員は数多くいますが、小説としては医師に絞った内容です。
マスクや防護服、消毒薬がなくなっていく恐怖を思い出しました。
私はコロナ前からインフルエンザ対策でマスクを着用する習慣があったので、マスクをまとめ買いしてあったのですが、妻や娘用の小型マスクが手に入らず苦労したのを思い出しました。

0
2022年10月08日

Posted by ブクログ

天気が悪い日には、笑顔でいるものだよ。
アランの幸福論の一節。

たとえぎこちなくても、懸命に二人で笑うことに意味があるのだと敷島は思う。笑ったからといって問題が解決するわけではない。しかし人生には無理に笑ってでも乗り越えてくしかない問題というものがある。アランは言う。もし喜びを探しに行くなら、まず十分に喜ぶことである。

こんな考え方はあるいは笑われるかもしれませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということなのです。


これがどの程度フィクションなのかリアルなのかわからんけど、本当にコロナの現場は地獄やったんやろうな。一人や二人位でも大きく現場では状況が変わっていたのを、数字からは想像もできんかった。こういう状況を、文学なり、ルポなり、映像なり、なんでも良いからきちんと夜に伝えて、今度なにかあったときに対応できるようにしておくべきやと思うけども、今の国力でそれが可能なのかが心配でならない。医療従事者筆頭にエッセンシャルワーカーや、その他の人たちにもなにも報いられなかったはずやし。台湾のSARSがあったから対応できた、みたいなきちんとした学びと対応はあるんかな、あるといいな。自分にできることはなにかな。

0
2024年04月21日

Posted by ブクログ

臨床の砦を、別角度から描いた小説。コロナは政府発表等だけでなく、小説も、将来に語り継いでいく上でとても重要なツールだと思う。

0
2024年03月24日

Posted by ブクログ

物語の程を成しているけれど、これは紛れもなくコロナの最前線で戦う医師の医療従事者の現実だったんだろうと思う。誰もが経験したことのないウイルスに、理不尽で自らの危険を顧みずに医師として人として誠実に最善を尽くされた方々に心から感謝したい。誠実に生きることは美しいことだと教えられた。

0
2024年03月12日

Posted by ブクログ

新型コロナウイルスのリアルな医療現場が描かれていました。コロナは様々な問題を引き起こし何が本当で何が間違っているのかよく分からなくなるなと感じました。本当に医療従事者には感謝です。

0
2024年03月10日

Posted by ブクログ

 得体の知れないものに出会った時に人はどう感じ、行動するのか?

 これは現代においては物語や小説の中でしか体験できなかったが、このウイルスの現実への登場により、我々も本を読むことなく直面することになった。

 この本はあくまでも物語であるが、かなり実際の時系列に沿って人の心の動きの例を示している。ある意味小説としてよりもよりリアルなものである。

 個人的な感想として、自分も同様な会話を家族としていたのも懐かしい。このように懐かしむことができるのも、生き延びたからであり、初期は隣に死がありうるということを意識した。

 また、大衆の心理の描写もあるがまさしく当時はその通りであり、皆自分の正義のもとに行動していた。ただその正義の基準は時に曖昧であり、更新すべきものであったのだが、頑なにこだわり殻に閉じこもる者、時間と共に正義の軸が不安定になり精神が潰れた者、闇落ちした者、なんとかしがみついている者、享楽的に生きている者など、様々である。

 真実は人の数だけあるが、過去となった事実は一つである。

 これからも、悩み考え生きていく。

0
2024年02月12日

Posted by ブクログ

コロナ禍で、医師たちがどのように戦ってきたか、世界がどのように狂った状況であったかを思い出させる描写だった。早くも三年半の月日が経った今、あの時の異常な世界は思い出したくもないのだが、最前線の病院はどんなにか、恐ろしい緊張感だったであろう。歴史に残るパンデミックを背景とした小説として、現実味を帯びながら読める面白さだった。医師が防護服を身に付ける描写は、こちらも汗が出てくるような感じだったし、コロナ患者を受け入れるかどうかの医師たちの対立も、さもありなんと思った。悲壮感の中でも、シニカルな主人公の言動が絶望的な雰囲気を少し和らげてくれる感じだった。正義のために命がけでどこまでも突き進もうとする医師。現実を考えて、ブレーキをかけようとする医師。命を落とした患者達、助かった患者達。小説の世界に描かれたような人が現実世界にいたはずだ。医療関係者の方々は自分の想像以上に、困難な状況に置かれていただろう。心から感謝したい。

0
2023年10月28日

Posted by ブクログ

夏川草介さんインタビュー記事より

〈私がもっとも過酷であったと感じるのは、コロナ第一波なのである〉
医師として現場に立ち続ける夏川さんだからこそ書ける物語。

令和2年2月3日
大型クルーズ船が横浜港に着岸。
ニュースを観て(何かわからないが大変なことが起きている)そう思った頃だ。
まだ、マスクをしなければいけないという空気でもなく
でも、ジワジワと押し寄せる感染率に恐怖が襲ってきた。
本書を読み、当時のことをいろいろ思い出す。

感染者の急増による病院の対応。
受け入れるのか拒否するのか。
当時ニュースで観たことが書かれている。
ひとつの物語ではあるけれど、本書はノンフィクションではないだろうか。
記録として、手元に残しておきたい一冊。

0
2023年10月11日

Posted by ブクログ

感染者数を聞くにしても、現場で闘っている人たちと、外の人とでは、数字の温度感が違う。中身を知らないのに知った気になっている人もいる。

困っている人を助けるのは、医師だからではなく人として。
こうやって誠実に、日々闘ってくれている人たちがいるんだと。

0
2023年08月21日

Posted by ブクログ

現在は5類となってコロナは治ったが、3年前のコロナ禍の渦中の医療者側の視点で話は進んでいく。大変な時代を生き延びた。

0
2023年08月04日

Posted by ブクログ

著者の二作品目の本、ペストとどことなく似た匂いを感じる、コロナに向き合う医師の心のあり様を示しているのかもしれない、コロナ患者に対応した医師もそうでない医師も読んでいるであろう、そういう人たちの素直な感想を聞きたい。

0
2023年06月12日

Posted by ブクログ

「臨床の砦」は新型コロナ感染第3波を描いているが、この作品で主に取り上げられているのは、新型コロナウィルスにり患した乗客を乗せたクルーズ船が横浜港に寄港した令和2年2月からの第1波の期間が取り上げられている。長野県にある公立の感染症指定病院、信濃山病院に勤務する医師(肝臓専門医日清、外科医千歳、消化器内科医敷島)の視点から、当時の切迫した状況が描かれている…。

まだ、ワクチンも治療法もなく何もかも手探り…新型コロナ感染症患者の受け入れに慎重となっている医療機関もあれば、信濃山病院のように「病む人がいるなら断るべきではない」と受け入れを行う医療機関もある…ただ一筋縄にはいかない、だって医師や看護師にだって自らも感染の危険に曝され、そこには守るべき家族もいる…。人的資源、物的支援の絶対的不足に陥りながらも新型コロナ感染症に立ち向かい、また一般診療も並行して行う…どれだけ大変だったか、本当に頭が下がります。肝臓外科医日清が父親のもとへ面会に行った場面と、消化器内科医の敷島と娘の桐子との会話する場面…涙が誘われました。

昨日新型コロナ感染症が5類になり、たまたま立ち寄った飲食店では体温検知器の電源が抜かれていたりテーブル上のパーテーションが撤去され、なんかいいのかなぁ…とモヤモヤする自分がいたりします。やっぱり、まだ気が抜けない…色々が変わっても、みんなが感染すればまた医療がひっ迫する…私ができること、感染しないように気を付けること!それに尽きますよね。今回、夏川草介さんの作品を続けて読みましたが、代表作の「神様のカルテ」は、相変わらず積まれたまま…読めるのはいつになるのやら(^-^;

0
2023年05月09日

Posted by ブクログ

前作では"臨床の砦"で主人公というかメインの視点だった敷島…の周りにいた"肝臓内科医の日進"と"外科医の千歳"目線の章がそれぞれ1章ずつ、最後はやはり敷島の目線の章。もしかしたらこの敷島先生は著者の夏川先生だったりするのかな?と思いつつ…同じ医療現場にいるからとみんなが同じ気持ち、思想を持っているわけではないよなと思うので、もし続編の続編があるのなら、院長の南郷や三笠先生、富士先生、2,30代の若手医師達である春日先生、音羽先生、龍田先生目線で見た景色も見てみたいなあと思う。

0
2023年05月07日

Posted by ブクログ

この著者の作品らしく相変わらず読ませるが、コロナが終息しつつある今読むと、既にあの頃の切迫感が薄れてしまっていることに気がついた。

0
2023年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感想
それぞれの視点は異なるが、内容は臨床の砦と同じ?読んでいて既視感が拭えない。

現場で頑張る医療関係者が社会から避けられるなんて異常事態。

周りの病院も大学病院も患者を受け入れない。医師だから患者を見なければいけないのか?医師に逃げる権利はないのか?最後は個々人とトップの決断に委ねられてしまう。色々考えさせられる。

あらすじ
臨床の砦と同じシリーズ。肝臓内科医である日進が気が進まないながらもコロナ患者に立ち向かう様が書かれている。他には外科の千歳、消化器内科の敷島の目線から語られる。

0
2024年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新型コロナ感染症に挑む医師の葛藤

第一話 肝臓内科医師 日進が新型コロナ診療(レッドゾーン)に加わるまでの葛藤

第二話 外科医 千歳が新型コロナ診療に加わるようになるパンデミック
 旅行で新型コロナに感染した患者さん:どこに行っても、私の居場所なんてないと思っていた

誰も診たことのない疾患なら、普段は頭を使わない外科医でも、なんとかなるでしょう


第三話 ロックダウン状態となり病院全体の医師で診療をおこなっいく

沈黙の壁を越えるのは難しい

病める人がいるのなら、我々は断るべきではない。たったそれだけのことかもしれません

これは誠実さの問題なのだ


0
2024年01月15日

Posted by ブクログ

小説というよりもドキュメンタリーのように書かれている

新型コロナ患者を受け入れるか否か、葛藤の中、この病院は受け入れるが、家族から拒否されたり、子供がいじめられる心配などからその決断は簡単ではない

0
2023年08月15日

Posted by ブクログ

クルーズ船でクラスターがおき、新型コロナウイルスの流行の兆しが見え始めた頃の医療現場の話である。まだその正体もはっきりとわからぬ、コロナ感染症の患者を受け入れる、と決めた地方病院の闘いが、その深刻さ、悲惨さとは裏腹に、爽やかに綴られている。それだけに、全体に軽い印象を受けるが、私にはこのくらいでちょうどいい。不幸すぎる物語は好きではないので、希望の持てる終わり方でほっとした。

0
2023年08月13日

Posted by ブクログ

コロナ蔓延の大変な現場を疑似体験させてもらいました。もちろんフィクションなんですが、リアルな描写に本当にその場にいるような感覚になり、そして改めて医療関係者の方々の努力に感謝をおくりたいと思いました。

0
2023年07月24日

Posted by ブクログ

本にも「旬」ってあると思うのですが、私にとっての旬はまさに今、な本だったなあと。一、二年前なら渦中すぎてフィクションとして読みづらかったし、来年に読んだら確かに体験したはずの緊迫感も薄れてしまっていると思う。今このタイミングで読めてよかった。
というわけで、コロナ初期から患者に向き合ってきた医師たちの話です。まだそんなにたくさんは感染者がいなかった頃から、現場の医療従事者が直面していた世界。

これは余談だけれど、神様のカルテの、「人間の話をしているのだ」の出典はここだったのねと今更知りました。

0
2023年07月02日

Posted by ブクログ

「臨床の砦」は新型コロナ発生から1年以上がたち、「感染爆発」「医療崩壊」と言われていたころの物語。その続編となっているが、こちらは新型コロナ発生初期の話。まだ多くの医療機関が発熱患者を拒否し、ヨーロッパでは致死率10%を超え、未知のウイルスとの戦いを余儀なくされた専門外の医師たちの物語。
コロナに感染したと聞くだけで差別やバッシングがあり、医療関係者へのバッシングもあったことを思い出す。やはり医療関係者の方々には、感謝しかない。
コロナ前、病気をしても医療が受けられない、病院にかかれない、なんてことがあるなんて、想像もしていなかった。あと数十年後、こんな世の中だったんだ、という証言のような小説になるのかも。

0
2023年04月16日

「小説」ランキング