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Posted by ブクログ
ロケット開発に挑戦しているホリエモンが、宇宙開発の歴史、宇宙ビジネスの現状、政策の問題などについて語ったものである。
まず、ホリエモンは金持ちの道楽で宇宙に興味を持ったわけではない。宇宙やロケット、技術に関する知識量は半端ではなく、それに対する洞察力も相当なものである。元来頭脳明晰で、物事の本質を突く鋭さを持ち合わせているが、宇宙に関してもその能力が活かされている。しかし、専門用語もバンバンでてくるため、ホリエモンが好きでも、宇宙などの内容に全く興味がないと読み進めるのは厳しいかもしれない。
ホリエモンによると、宇宙開発が遅れているのは、これまで国が主導となってやっていたため非効率的であることと、様々な規制によって民間が進出しにくいものとなっており、競争原理が働かないからだそうだ。特に日本では宇宙に関する規制が強い状態らしい。
アメリカではスペースXのように、徐々に民間がロケット打ち上げ事業に参入するようになってきているようだ。世界レベルでも宇宙関連のビジネスに乗り出している会社は少なくないことが分かった。
宇宙ビジネスに関するテーマなどは、さすがホリエモンである。各ビジネスの現状や今後の展望を大変わかりやすく詳細に解説していくれている。宇宙ビジネスなどイメージできない人から見ても「できそうなんじゃないか」と思えてくるし、そのための技術とビジネススキームも持ち合わせているようだ。この辺りの話の展開のうまさが、ホリエモンが非凡である点だと思う。
そもそも、我々一般人は宇宙に対して誤解しているようだ。宇宙事業は国やアメリカのNASAのような機関が取り組むものだと。そして、宇宙は宇宙飛行士など選ばれた人間だけが行くことのできる場所であると。まずそれが間違っているというのがホリエモンの主張だ。
NASAの宇宙開発はとても非効率的であり、ソ連との競争が終わってからは雇用維持の公共事業と化している。民間が参入してロケットの製造コストや打ち上げコストを極限まで下げ、誰でもが宇宙に行ける状況を作らなければならないという考えだ。
確かに、競争が起きれば価格は低下するのが自然の流れである。逆に、競争がなく寡占化していけば価格は上がっていく。宇宙ビジネスが低価格化しないのは、国の規制などによって民間活力が入ってこないからなのは間違いない。または、初期投資が大きすぎて中々参入しにくい事業であることも挙げられるだろう。
しかし、日本でも植松電機のように宇宙開発に参入している企業もある。やろうとすれば案外できるが、実際に挑戦する人が居ない、というのが事実のようだ。資金調達のための制度や環境も整っておらず、どうしてもアメリカのようにベンチャー支援環境がある国が先行するようだ。
今後、ホリエモンの宇宙ビジネスや宇宙開発がどのように展開していくのか、非常に楽しみである。
Posted by ブクログ
堀江貴文さんが宇宙への夢とそれを実現する途中経過を記した本である。
宇宙開発の歴史や背景、技術などの知識がなくても理解できるようにわかりやすく説明されている。
企業人として現代の宇宙開発をもっと民間にやらせるべきなど、独自の視点で宇宙開発のあり方に疑問を投げかけている。そして、アメリカと日本におけるビジネスのやりやすさと宇宙開発のしやすさなど関連付けがとても面白い。
現在も彼の中での宇宙へのプロジェクトは進行中であるようなのでとても興味深い。