感情タグBEST3
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思想界の巨人と呼ばれるだけに、とっつけないでいたけれど、これならとっかかるのに良さげだと、ついにチャレンジ吉本隆明氏。
•沈黙も言葉。
•生きるとは、かわいそうなこと。
深々と沁み入りました。
ほんとうだ。
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同年代の子とあの吉本隆明が語りあったんだよ。おもしろいに決まってる。『蜜柑』『春と修羅』『三四郎』『それから』に興味をもつ。恋愛について大人と話すなんてすごい経験をしたもんだ。同年代でも、みんな考えていて悩んでいて、ひとりひとりすごいところがあって変なところもある。〈一般的な質問に対して、とても特殊な返答〉と村松くんは書くがそのとおり。吉本さんは自分で考えてこられたことしか言わないだろう。〈「経験」の濃度がちがう〉これは伊藤くん。何よりも大切なのは、経験したらこっそり考えること。吉本さんはそれをしてきた。
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糸井さんとの共著である「悪人正機」と重複する内容もありますが、その中でも『才能』に関する吉本さんのお話は、やはり特に心に残りました。
例として挙がった、若い頃から才気溢れていた芥川龍之介と、若い頃は鈍いヤツと言われていた田山花袋が、晩年の作品で比べればどっちも同じようにいいようになってきた、という話には「続けること」の本当の意味を教えられた気がします。
「やってるうちに自分の姿が自分なりに見えてきて、鋭いのは鋭いなりに、鈍いのは鈍いなりに、なんともいえないその人だけの値打ちが出てくるものなんです。それこそがその人の〈才能〉であり、その人の〈宿命〉と呼べるものなんですよ。」
まだ何者でもない15歳くらいの年頃の人には、とても勇気をもらえる言葉ではないでしょうか。
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吉本隆明氏が15歳の男女を前に語った言葉の数々。
「行きがけの道」を歩きながら、道中見える景色や生まれる感情を噛みしめながら生きていくのが人生なんだろう。
正解なんて最後までわからないし、存在すらしないものだと思うと、諦めのような気持ちが生まれるけど、だからこそ人生には意味があるんだろうなというような救いのようなものを感じた。
沢山の気づきがあったので以下は備忘録として。
<話言葉>が相手に何かを伝えるための道具だとしたら、<書き言葉>は自分の心の中に降りていくための道具だと言っていい (P13)
人は誰でも、誰にもいわない言葉を持っている。
沈黙も、言葉なんです。
沈黙に対する想像力が身についたら、本当の意味で立派な大人になるきっかけをちゃんと持ってるといっていい。 (P23)
誰に才能があって、誰に才能がないとか、そんなことはないというのが僕の考えです。(中略)大事なのはしょっちゅうそのことで手を動かしてきたか、動かしてきていないかのちがいだけです。 (P25)
人は、自分が自分を思うほど、君を思っているわけじゃないぜ。 (P37)
「生きていくことは、たぶん誰にとっても行きがけの道なんですよ。(中略)人は誰しも行きがけの道を行く。そうして迷いながら、悩みながら、ただただ、歩きにあるいていくうちに、ああ、これこそが自分の宿命、歩くべき道だったんだと思うことがあるんじゃないか。 (P50)
創作の本質はこの<転換>にあるんですよ(中略)文学というのは、その<転換>のうまさ、巧みさに注目して読むと読みやすいんです。 (p55)
戦争が悪なら、僕だって悪党だ (P79)
人間っていうのはかわいそうなもんですよ。生きるっていうのはかわいそうなもんだ。それはもう、いたしかたのないもんなんだと思います
変更がきくもんでもないし、急に納得がいくもんでもないし、やっぱりかわいそうだなぁというのを一種の食べ物みたいにして生きていくよりはしょうがない。
それでもなんで生きていくのかっていったら、それは先があるからでしょう。(P83)
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この学生さんたちがうらやましいな~
一年にわたり、4人の中高生と吉本さんが膝を突き合わせて
いろんなことを考える「寺子屋」の記録。
自分の中にもちゃんと「わるいこと」を思う心あり。
沈黙もまた言葉なのだ、とも。
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中学生向けです。中学生の問いに吉本さんが答えられています。
ガラスの40代の(笑)おれにはとてもいい内容でした。
才能じゃなく手をどれだけ動かしたかなんだとか、とても説得力のある内容でした。
吉本さんの言葉は好きですが、本はおれには難しくなかなか読めませんでしたが、これはすらっと読めました。
中学生向けとはいえ大人に話すのと同じスタンスと思います。分かりやすく話されているとは思いますが。
参加している中学生達は皆すごくしっかりしている感じもあるので、普通の大人が読んでもしっくりと納得できる内容と思います。
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16日に亡くなられた吉本隆明さんの本です。
児童(中、高校生)向けの哲学書です。
この本の言葉は優しくて分かりやすく、そして子どもにも大人にも届く言葉で語りかけてくる。
生き方、考え方、人生、恋愛。それらについて語っています。私は思いついた様に時折この本を読みます。
目に見える事、瞬発力が重視されがちな昨今にこの本を読むと「そうでなくても良いのでは?」と思えたりします。
"人は誰でも、誰にもいわない言葉を持ってる。
沈黙も言葉なんです。
沈黙に対する想像力が身についたら、本当の意味で立派な大人になるきっかけをちゃんと持ってるといっていい" ー本文よりー
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この本を購入した理由は2つ。
①糸井重里さんが吉本さんをリスペクトしているばっかりに、
どんな考え方の人なんだろう?と興味をもった
②思春期真っ盛りの妹にプレゼントするのにステキな本を探していた
こどもたちから相談された悩みに、
吉本節でこたえていく問答集。
①の理由がわかり、
そして②にも最適だということがわかりました。
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2011年1発目。
「15歳の寺小屋」シリーズのうちの1冊ということで、
32歳の私が読むのはどうかとも思いましたが、
いやはや深い話でした。
才能なんて関係ない。
「手」を動かせ。
「手」を動かせばなりたいものになれる。
「手」を動かさなきゃだめだ。
まったくもってそのとおりだと思います。
本気で何かになりたいと思ったら、
眺めているだけじゃダメなんだ。
「戦後思想界の巨人」と呼ばれている(らしい)
隆明氏がまるで「おじいちゃん」のように思えました。