感情タグBEST3
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ふとした嘘をきっかけに二十年間引きこもりになってしまう姉弟を書いた嘘の道と、嘘をつき続けながら淡々と生活を送る夫婦を書いた良夫婦、など。
(わざと並んで書かれてるのでしょうか
何か起きそうで起きないが全体を通じて不気味な雰囲気を醸し出すこの人の作風?は短編の方が楽しめる気がして、むらさきのスカートの女より好みだった。
本の中の人物が本当に存在しているんじゃないかというリアルさと、思わず笑ってしまうような奇妙さとが絶妙に混ざっている世界観が大好き。
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読みやすさがさすがの今村夏子さん。
むらさきのスカートの女や、木になった亜沙と同じくするする読める。
情景も想像しやすくてよかった。
短編が4篇あり、ピックアップでとんこつの題名が使われているがほか3篇も劣らない良さ。
独特の、たった少しの気味の悪さはいつもどうりあり。
カバーーハード
紙質ー分厚め、裏が透けない
改行ー多めで読みやすい。
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ふんわりとした空気感のヒトコワ。短編集。どの話も面白かった。
一番気に入ったのは『とんこつQ &A』
話すことが苦手な飲食店店員が、メモを見ながら毎回「いらっしゃいませ」と言う。シュール。
その後の展開に胸がざわついた。狂気が普通みたいになっていて、怖かった。
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とにかく怖い怖い怖い
ホラーじゃなくて精神的に参ってしまう感じ
なんでこんなにも変な人達ばかりなんだろう
とんこつQ&Aはどんな物語か想像もつかなかったけど、読んでみてとんでもなく変な人達の変なお話だった
一番怖かったのは「嘘の道」
誰もああはならないけど、でもならないとも言い切れない
人が消えていく意味、、、分からなくもない
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うわぁーん♪すごいですね、これ!
読み終わったあと、全部ぞわーーーっとする。
こわい、こわい、こわい、こわぁぁーい!
ホラーみたいに怖いです!そして心がモヤモヤして
ヤバめです!大好き❤︎
とんこつQ&Aなんて、最後の方カオスですよね⁈
やばぁ。
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「とんこつQ&A」
今川さんが独特すぎて目立たないけど、「とんこつ」の大将とぼっちゃんも、そこらへんにはいないタイプ!新しく丘崎さんが加わったら、今川さんがまともな人に思えてしまった。
「嘘の道」「良夫婦」
普通の感じの人たちの物語だと思って読んでいたら、終盤にどんでん返しがあり、背筋が凍った。もはやホラー。
「冷たい大根の煮物」
昔、母の職場にいろんな人に「お金を貸して」という人がいた。でも、母はその人から一度も「お金貸して」と言われたことがないと自慢気に言っていたことを思い出した。お金貸してと言う人も相手を選んでいるはず。
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表題【とんこつQ&A】は、大好きな【コンビニ人間】を彷彿とさせるようなストーリーでとても面白かった。こういう、ちょっとヤバいけど一生懸命生きてる人、を描いた作品が好きです。
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短編だったので読みやすかった。
今村夏子さんの本を初めて読んだ。どんな本を書くか気になっていたが、違う本も読みたくなった。
「とんこつQ&A」は、登場人物がみんな異常者で気持ち悪いのに、なぜか読み進めてしまうストーリー。
「嘘の道」最後が怖い。
「良夫婦」友加里が自分と重なる部分があって反省。この話も含め、人間の嫌なところが表現されてる。
「冷たい大根の煮物」1万とられたけど、フライパン代とか考えたらトントンにはなるよって気をおさめるしかないな。
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近所のブックカフェにて。
なんだろう、今まで読んだことない感じ。
感動系でもほっこり系でもなく、かといってゾッとする系でもない(帯には「ゾッとした」とあるが)。
だけど心に、確かな余韻が深く残る。
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自分の中にももちろんある身勝手さに蓋をして、身勝手な人達を「人間こういうとこあるよね~」と笑ってしまうしかない短編集
自分の嫌なところを直視してない不快感を持ちながら、ニヤニヤと笑う以外にどう反応して良いか分からず困惑する感じがとても楽しい
最高
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今村夏子にしか書けない狂気。
表題作【とんこつQ&A】は出てくる人物すべてが一生懸命で、可笑しくて、少しコワイ。
居場所を得た時、それを失う怖さと隣り合わせになったことがある。
だからその必死さに、共感するのかもしれない。
現実なのか、願望なのか、境目はどんどん分からなくなる。このほのかな不気味さにページをめくる手が止められず一気読み。
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善人かと思っていたら何かの拍子にふと悪い方に転がってしまって悪事を働いていたみたいな。善も悪も紙一重、どっちにも転がる可能性はあるんだな。穏やかな語り口と少しブラックな要素の混ざり具合が面白い。
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今村夏子さんの短編集
登場する人たちはみんな
純粋で一生懸命でなんだか憎めない
だけど絶妙に不思議で不気味
今村夏子さんの作品はクセになる!
全部よかったけれど
1番好きだったのは『良夫婦』かな
良い夫婦ってなんなんだろう?と
考えさせられた
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かわいい表紙ですが
どの話もゾワッとする話ばかり。
個人的に 嘘の道 が1番ゾワッとした。
けど また他の話も読みたくなるのが
今村夏子さんの魅力だなーと思います笑
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友人の勧めで初めて今村夏子さんの作品読みました。はじめの『とんこつQ&A』を読み進めるたびにじめじめと感じる違和感と気持ち悪さ、真面目で優しくて大らかな人たちのはずなのに狂っている。この狭い世界ではこれが幸せの形なのか。今村夏子さんの世界がクセになる理由がわかったような気がしました。
個人的に刺さった『良夫婦』
誰かのことを本当に心配して自分のできることならなんでもやってあげたい、でも予想外の大きな出来事には対応できず逃げて全て他人(夫)任せ。(自分は本当にだめな人間だ)と落ち込みながらも、時間が経てば忘れて同じことを繰り返してしまう。この夫婦は2人の世界から見たら良夫婦なんだろうけど、ターゲットにされた人たちの人生はどうなってしまうんだろう。きっとあの夫婦は時間と共に思い返すことをしなくなる気がしました。
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終始不穏な感じが続き、ソワソワしながら読んだ。『むらさきのスカートの女』といい、今村夏子さんは不気味だけれどクセになる物語を描くのが本当に上手。
収録されている4作品中、私は特に『冷たい大根の煮物』が好き。相手にいい人だと思わせ、油断させ、その隙に悪事を働く。世の中で1番怖いのは人間かもなと思わせてくれた一冊。
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今村夏子節が今回も良かった。
とんこつQ&Aの親子が、母親の分身を探す為にバイト応募者を品定めしてたのが分かった時点でドキッとした、、、
そして、最初は親子がバイトたちをコントロールしてたはずなのに、いつからか今川さんが親子共々コントロールするようになるのがコワイ。
嘘の道は先入観の怖さと嘘をついた報い。
良夫婦は妻の失敗を旦那が隠す。この旦那と一緒にいたら妻も変わることはないだろうなと。
冷たい大根の煮物はやっぱりねって思った終わり方。
主人公が被害者であることに変わりはないけど、役に立っていた部分もあるからか可哀想な素振りが見られなかった印象。
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『むらさきのスカートの女』以来の今村夏子作品
٩꒰。•◡•。꒱۶’
短編集のどの話も「ん?ここで終わるの?」っていう所で終わる
この先の解釈はご自由に♡って感じで
この作品に出て来る人って、初めは変な人!だと思うけれど、よく考えるとその辺に居てもおかしくない人達だったり、また初めは違和感なかった人が途中からあらぬ方向に言動がエスカレートしたりする
この方の作品は、そういうあるかもしれない日常生活に敢えて着目して題材にしているから、妙だと感じてもついつい惹き込まれてしまう
とんこつQ&A
コミニュケーションが苦手な今川さんが、中華料理屋「とんこつ」でアルバイトを始める
初めは彼女が気になったが、そのうち店の者達の言動がエスカレートしていき、店の者と従業員が妙な関係になっていく
嘘の道
天邪鬼の与田正は、いじめられっ子
彼を指して父親が何気なく言った言葉「そのうち消える」の意味が、身近に降りかかる
こういう事ってあり得る話かと
良夫婦
偽善者ぶる行動がエスカレート
自己満の責任の取れない行動をする妻
優しさを履き違えている旦那
二人だけの世界なら『良夫婦』なのかもね
冷たい大根の煮物
若さゆえなのか性格なのかはわからないけれど、利用されているのに気づかない
だからなのか、温かい空気が漂っている
どれも「人の思わぬ素顔」(๑ᵕ⌓ᵕ̤)!に焦点を当てた作品でした
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もう…今村さんワールド全開。
みんな「普通」なんだけどやっぱり「普通じゃない」です。
その感覚が可笑しいとも怖いとも捉えられます。
それぞれの人物の心情に、そうだよね〜わかる気がするな〜と
思った瞬間、「普通」ではなくなります。
そしてその瞬間があまりにも自然すぎて。
タイトルが気になる方はぜひ。
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待ってました、新作。
短編集だけど、全然物足りなくないのすごい。
短編集なのに、ちゃんと今村夏子。
とんこつQ&A
というタイトルとか装丁から
勝手にほんわかを期待してた
わてしでしたが
ほんわかどころか
ほわこわでしたわ!
全体を通して悪人はいない。
世界の大多数がそうなように
いい人、時々嘘つく人
普通の人、時々壊れてる人
私もそれ、時々ずるい人。
そういう日常生活のちょっとした
うっすらとした
罪悪感とかをえぐってくる…
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どの話もわかるようで、わからない、そしてじわじわとした余韻が、ある。
面白いか、面白くないかで言えば面白いのだけれど、概念的というか、後々の記憶には、あまりの残らなそうな印象。
とか言いつつ残りそうなきもする(どっちだろう)
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怖面白いよ今村さんの最新短編集!
ほんとは敦煌と言う名の大衆中華食堂に雇い拾われた喋り苦手で不器用すぎる女性の話「とんこつQ&A」
子ども時代に嘘つきとみんなから揶揄されていた男児を同調して噂していた姉弟の話「嘘の道」
見知らぬ子どもへの思い入れが強い女性と旦那の話「良夫婦」
職場で好ましからざる噂のある同僚パートさんに半信半疑ながら付き合ううちに信じそうになる女性の話「冷たい大根の煮物」
の四つですが、いずれもいいお話やなぁ!と思えば実はすごくシリアスなブラックユーモアなお話のてんこ盛りなのでした笑
私的には四番目の「冷たい大根の煮物」がとても良かったです。
裏の怖さをぜひ味わってみてくださいね 推し です♪
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4作品とも読み終えたあと「ふむ〜」となるものばかり。
人間とは複雑なもの。
こだわる部分がそれぞれ違う。
一番モヤモヤしたのは【良夫婦】。
お人好し以上のお人好し。
良い人かと思うが、いざ事が大きくなるとしゃがみこんで隠れてしまうような。
優しくしている自分に酔う妻。
あの旦那さんと一緒に居たら永遠に変わらないだろうなぁ。
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とんこつ好きによるとんこつ好きへのQ&Aサブカル本かな?とお思いきや、とんこつ関係ないジワリと怖くなるお話4作。
日常の風景を切り取ったちょっとクスッとする何処にでもあるような話しの様でよくよくみると人々のダークな部分を炙り出していて怖い。笑ってるけど皆んな目が笑ってないようなそんな感じ。
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『とんこつQ &A』
狭い狭い世界で真面目に進んでいく。
おかみさん役が追い詰められていることを思うと、笑ってしまった。狂っている。恐ろしい。なのに、笑ってしまう。表題のこの作品だけなら評価★★★★★
『嘘の道』
これは笑えない。
誰かを貶める発言は、目の前の自分の大事な人を傷つけているかもしれない。
正直であることで不利益を被っても、正直でなかったことで孤独になるより、ずっといいのかもしれない。
閻魔様に舌を抜かれるまえに、自分の心の中にいる大事な小さな人が傷つくのだった。
『良夫婦』
これも嘘の道くらいの後味の悪い話で、笑えなかった。
背負えないなら関わるな。
『冷たい大根の煮物』
手帳のメモが愛おしい。冷たい大根の煮物の味が口の中にひろがるような後味の話。
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人の汚い部分を隠しながら、バレたらどうしようとビクビクしながらも、それでも人生は続いていく。そういう経験、誰しもあるのではないだろうか。信じてた人に裏切られる。そうはならないと思ってたものに気づいたら自分がなっていた。
人の心とはなんと愚かなものか、と思いつつも自分は違うとは言い切れない。
深い、世にも奇妙なお話の数々でした。
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やっぱり今村夏子は面白い!
でも、むらさきのスカートの女や、星の子と比べると、ややインパクトにかける。
あれ?もはやコレは、今村夏子ワールドに、どっぷりハマっている証拠では?笑
そこらへんにいそうでいない
いや、いるんだろうけど出会わない?
ちょっと普通じゃない登場人物たち。
でも理解できないかと言ったら、そうでもなく、その辺が読み終わった後、気持ち悪くてクセになる。
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かなり不器用であり性格的に少し異常な人々を描く短編集。4話収録。
* * * * *
うーん、やっぱり今村ワールド。ホラーでもファンタジーでもないのに、かなりシュールな世界でした。
1話目の、主人公を含む食堂の面々。
最初はわりとまともに思われた大将父子が特に異常で気持ち悪い。自分ならこんなビョーキな人たちが営む店には行かないなあ。なぜ常連さんがついているんだろう。
ということで理解不能な表題作。
2話目と3話目は、いかにもありそうな展開で進んできたのに、最後はゾッとするような異常な空気を醸して終わります。ああ怖い。
4話目が最もリアリティのある物語でした。
主人公の木野はよくいるタイプの人付き合いが苦手で不器用な女性ですし、親切を装って近づく中年女も話にはよく聞く寸借詐欺です。
光熱費を負わされ1万円を借り逃げされた主人公だったけれど、調理の要領やリズムを教わったことも含め、木野にとっては人生勉強になったと(無理やり)納得できないこともない。
ただ「大根の煮物」は例え冷めてなくても、この先も木野は食べることができないだろうなと思いました。
今村さんの最新作。覚悟して読んだはずでしたが、作品の強烈な力に押し切られてしまいました。私の負けです。