【感想・ネタバレ】嘘と正典のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集。ジャンルで言えばSFなのだろうが、一般的なSF小説のイメージより文章が文学的だし取り扱われるテーマは歴史とかノンフィクションエッセイに近いものも多く、何を読んだか明確に表現しきれない。しかしとにかく面白いものであることは確かだ。特に表題作『嘘と正典』がよかった。冒頭の裁判のシーン、私が歴史に疎いためエンゲルスの名前にすらピンと来ず、《アンカー》《中継者》《正典の守護者》など謎の単語が頻出し目が滑ってしょうがないと思って読んでいたのに、読み進めるたびにあれ?これってもしかして?と気づいては冒頭を読み返し、ラストクラインが《中継者》であったことが明かされたシーンで一気に冒頭のシーンと繋がったときなどは思わず声が出てしまうほど爽快な伏線回収だった。この伏線回収の描き方はミステリーを読んでいるときの爽快感に近かったかもしれない。そしてこの物語のもう一つ面白い点が、歴史の改変が可能なガジェットを出しておきながら最初から最後まで私たちの知っている世界と何も変わっていない点にある。「すべての歴史が《正典》に向かって収束していく。」というクラインのセリフが全てであり、この壮大なSF装置があっても我々の《正典》と変わらぬ歴史となるならば、この世界はもしかしたらこの小説のような過去への通信手段を持っているのかもしれないとも思える。そんなふうに考える読者がいる外枠すらもこの小説の一端なのかもしれない。我々とは遠いところにあるはずのSF作品でありながらもしかして?と思える近さがこの作品の魅力だと思う。

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2023年01月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

魔術師、一筋の光、時の扉、ムジカムンダーナ、最後の不良、嘘と正典の6つの短編。
個人的に魔術師、嘘と聖典は素晴らしかった。

魔術師
最後までタネがあるのかないのかわからない終わり方がとてもオシャレでよかった。

嘘と聖典
謎の導入から、共産主義の誕生へと繋いでいきSF超大作になっていてとてもよかった。これだけで映画が作れそう

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

難しいかった…

短編ひとつひとつにそのテーマとなるものがぎゅっと深くつまっているので、自分自身も興味があることに関しては、とても面白いが、そうでないものはちんぷんかんぷんだった。

興味の広さと深さ、両方兼ね備えたとても興味深い作家さん。

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2023年10月16日

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