感情タグBEST3
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複雑な家庭環境で育った人たちが出て来る作品。
「食べることは生きること」という言葉をよく聞くが、まさにそう思った。自分の身体が喜ぶ食事が心身ともに大事なのかもしれない。
やっちゃんのような、人のために行動出来る人になりたい。自己満足な助けじゃなくて、その人が本当の意味で救われるようなことが出来る人間に。
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どんなに苦しくて悲しい時でも生きている限り私たちの周りには食がある。それが人生の光になるかも知れないし、悪夢となるかも知れない。
「宙ごはん」とついているのでフード系物語かと思いましたが、どちらかというと家族についてです。食が関係する物語は食べてほっこりエピソードが多いなか、この作品今までの物語とは違い食と話の展開が対等にあります。食が過剰に出ていないと感じました。
町田そのこさんの作品はやはり読者を魅力すると改めて感じています☺️素晴らしい作品です。
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宙がやっちゃんから学んで作るごはんを通して、家族とは、しあわせとは、生きるとは何かを描く。ほっこりしてあたたかい気持ちになったし、特に、別れがわからなかった私にとって、しあわせの山が違うから別れたというやっちゃんの言葉がぐさっと腑に落ちた。
疲れたとき辛いとき、いつでも食が支えてくれてるんだなと思った。
よく、親は子供と過ごすことで子供に成長させてもらうと言うけど、花野さんもまた、宙の存在が親としての成長をもたらしてくれたんだろうなと、雅美さんとヒロムくんへの話、愛の注ぎ方で感じた。
やっちゃんが父を亡くしたときの変化について
★自分を守るために自分自身を剪定しなきゃいけないときってあんのよ。でもそれは自分の芯、幹を守るためだから、幹は絶対失われないのよ。
★その人の望むしあわせってものが、器として目に見えたらいいのにな。そしたらオレは、花野さんのしあわせの器に一番ぴったりな料理がわかる。いろに大きさ、深さ、そういうものに合わせるべきものがわかる。
花野さんと道を違えることになったことについて
別れるとは
★しあわせの山が違うんだと思ってる。オレはいっとき、花野さんと、お前と3人で同じ山を登ってたんだ。そして、そこからすげえきれいな景色を見た。…
とにかくオレは、その山の景色を見ながら生きていきたいと思った。でも、あのとき花野さんの目には次に登るべき山の頂が見えていた。
★ひとというのは、しあわせの山を登る生き物。自分に見合う山を探して、必死に登って、その頂で生きていくもの。
★愛をもらうためには先に愛を捧げるもの
★感情のままに哀しいことを言ったからって、それが本心とは限らない。本気で相手と向き合ってるから疲れることもあるんだよ。
★ひとはどうしても自分のフィルター越しに世界を見てしまう。
★哀しみ方も変わるのよ。ひとは変化して成長していくの。かなしみ方だけじゃない、喜び方に愛し方、気持ちの伝え方。ずっと、試行錯誤してひとつひとつ噛み締めて生きるのよ。
苦しみについて
★尊重できる誰かと一緒に過ごして、誰かに愛されて、愛して、そういう時間を重ねていくしかないんだって
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記憶に残るような食事シーンって本当に数少ない。
家族と、親戚と、友達と、恋人と思い出に残るような、食事をあと何回できるだろうか。
別に手作りじゃなくたって構わない。たとえ、チンして出来上がった冷凍食品だろうと、一緒に食事する人と同じ境遇で、何か大きな出来事があった前後に一緒にご飯を食べれば思い出になる。と思う…。
ご飯と大きな出来事はセット。
テキトウにぱぱっと1人で食べるご飯と、皆んなと食べるご飯は、全然雰囲気が違う。食事と人との繋がりって何でこんなに密接してるのか。
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52ヘルツのクジラたちでは、聞き取れない52ヘルツという周波数で鳴くクジラのように鳴き声が聞き取れない、心の叫びの救済をテーマにしていた。この宙ごはんも、心の救済がテーマで、みんなが光を見つけ未来へ踏み出すエンディングに救われた。2人お母さんがいる宙ちゃんにしても、産みの母、花野、風海にしても、タイプは違うけど、宙ちゃんのこと愛してるけど、不器用。宙ちゃんのお父さん代わりになった佐伯やっちゃんは、一番の宙ちゃんの理解者であり、相談相手で、無くてはならない存在。この人がいてよかったね
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本読んで、久々に泣いた。
哀しい涙ではなく感動の涙。
宙の成長や想い、他人なのに、親身になって一生懸命助ける人間の温かさ、特に魅力的なやっちゃん!
宙の目から見た大人たち、共感する部分や気付かされる部分が多くてハッとさせられた。
子どもの頃すごく素敵に見えていた大人が実は、っていうギャップ、親戚見ていて感じたことあったけど、そういう感覚思い出した。
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めちゃくちゃ良かった。
きっと何度も再読するであろう最高の作品でした。
すでに読まれた方も多いと思いますが、
五話全部が良かった。
どこを読んでも人の温もりと、言葉が深く響いてくるんです。
辛いことがいっぱいあるんだけど、そばには包み込んでくれるような優しさと美味しいごはんがあって、胸がいっぱいで涙が溢れてどうしようもない。
どんなに明るくて悩みが無さそうに見えても、それぞれに抱えているものはある。
子どもも大人も、みんなが少しずつ一緒に成長していく姿が温かい筆致で描かれていました。
ハグをされているような優しい読み心地。
みんな、みんな、幸せになって欲しいと思いながら読みました。
ここまでたくさん泣きながらの読書は久しぶり。
多幸感あふれる素敵な作品でした♪
『一緒に食べる、それだけで胸が温かくなる。もう大丈夫だ。そんな気持ちになる。』
『好きな場所で好きな時間を、大事なひとと過ごせることが、嬉しい』
『自分が作ったものを「おいしい」と言って食べてくれた。たったそれだけのことなのに、胸がどきどきして、止まらない。ううん、たったそれだけ、なんかじゃない。自分が作ったもので、誰かと気持ちのいい時間を過ごせる。それはすごいことなのだ。そして多分、とても大事なことでもある。』
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みんなそれぞれ愛してくれる存在が当たり前にいる世の中がいいなと思う作品だった。花野がさらっと言う言葉、やっちゃんの愛のこもった言葉が心に刺さった。
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本当にすごくよかった。
宙もかのさんも。初めは変わった母と思ったけど、そのかのさんの成長ぶりも素敵だし、宙の自立しつつ情に熱く、自然と涙や叫びが出るところも素直に育ってる表れだ。
やっちゃんの愛情深さも本当にすごい。
読むほどに引き込まれて、今年のナンバーワン確定。
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いっぱい書きたいことがあるけど、うまく書けない。何書いたらいいかわからない。もう1回読みたいけど、読んだらずーーっと泣いちゃうだろうな、
あたたかい話ってきいてたけど、あたたかい話なんかで済ませられないや。
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わたしも片親で、そういう家族の話なのかと思ったんだけど、想像以上にいろんな出来事があった。
そして想像以上に重い。
でもきっとみんなこういうことはあって、どこかで共感するんじゃないかな。
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様々な家族の話しを宙の成長と共に描いた作品。心理描写が理論的で共感しやすく、話しにぐいぐい引き込まれる。
本屋大賞受賞作より先に読んだ本作がとても良かったのでそちらも近々読む予定に。
Posted by ブクログ
タイトルを見て、「人生の節目節目に美味しいものを食べて成長していく話、ひょっとして宇宙食絡みかなぁ」…青山美智子とか伊吹有喜とか古内一絵とかの諸作品を思い浮かべた。
読んでみたら、主人公の宙ちゃんが確かに人生の節目節目に美味しいものを食べて成長していく話なのだが、その節目の荒いこと大きいこと。
第1章からして、小学1年生の宙ちゃんには生みの母親と育ての母親がいて、育ての母親一家が海外転居を機に生みの母親に一方的に返されるという展開。生みの母親花野は絵描きで自分の生活すらコントロールできず、まして子育てなどできないが…みたいな試練を与えられる宙ちゃん。
そっからも様々なでかすぎる節目を与えられ、最後にはとんでもない節目が…詳しくは書けないが、巨人の星の最終決戦を思い出した。そういやあの作品も最後は家族や親子というテーマに結実していったよなぁ。と
食がテーマの心温まる家族小説…と書いて間違いはないのだが、そのつもりで読むと何かしら裏切られる、でもその裏切りは読者の期待を裏切るわけではない。
えげつない仕掛けを考えたもんだ、おそるべし町田その子
Posted by ブクログ
「お母さん」と「ママ」はまったく別のものだと、宙は思っていた。
この一文目を読んだとき、ヘビーな話なのかと身構えた。
たしかに複雑な家庭環境、大切な人の死という重たいテーマを扱っているが、宙の視点から紡がれる物語は温かいものだった。
宙の成長とともに花野さん自身も、そして親子の関係も大きく変化した。
いい夢だと思う。
あたしも、あんたの夢を追う手伝いがしたいよ。
なんて不器用で自分のことで精一杯だった花野さんが言うようになるなんて。
やっちゃんが料理を通してたくさんの人を笑顔にしたように、宙もその思いを、そして魔法を受け継いでいく。
普通の家庭じゃなくても、家族じゃなくても多くの愛を受け取って育った宙が作るご飯はきっと幸せの味だろう。
Sometimes delicious food saves people’s lives.
His magical pancakes are special because they give power to people.
Posted by ブクログ
この本の本当の主人公は佐伯。
「宙ごはん」ではなく、「佐伯ごはん」だ!
彼がいなかったら、宙はどうなっていただろう・・・
子供の頃は、大人の世界が何もわかっていない。
自分に優しくしてくれれば、いい大人だと感じるし、
何不自由なく生活できれば、それだけで安心できる。
宙に二人の母親がいても、幸せに思えたことだろう。
子供が、傷ついたり、泣いている場面は、
とても胸が痛む。
何度も何度も泣きながら読み進めた。
どんなに年を重ねても、大人であるとは限らない。
欠点や失敗があるのは当たりまえ。
それでも、どうしようもなく落ち込んだ時に、
そっと寄り添える人がいれば、救われる。
特に、同じような苦しみを経験した人であればなおさら。
加害者の「許してほしい」と謝罪することは、
被害者にとっての、さらなる暴力、はよくわかる。
「自己満足でしかない」、その通りだと思う。
宙ごはんのレシピ、
どれもこれも美味しそう。
映像化してほしい。
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人が作るごはんって、いろんな想いが詰まっているよね、と再認識させられた。
読み終わって特に感じたのは「循環」ということ。
優しくしてもらったから、次は自分が誰かに優しくしよう。
愛されたいから、先に愛をおくろう。
巡りくるもの。
苦しみや悲しさは、次に繋げてはいけない。
時間がかかっても、違うものに形をかえなければ。
そして、許されないこともある。
そんなことが、つらつら頭に浮かんだ。
生きてこそ、だね。
苦しくてやさしい
複雑な家庭で育った宙が、花野と母子の絆を深めていく物語です。
魅力的な登場人物ばかりですが、やはり恭弘が圧倒的でした。宙と花野の時間にはいつも恭弘の作るご飯がありました。
三話からは涙が溢れて止まりませんでした。
宙の成長はもちろんですが、花野が呪いから解き放たれ、いくつになっても世界が広がると言っていたことを嬉しく思いました。
普通の母子ではないかもしれませんが、とても素敵な母子です。
心が温かくなる傑作!
これは最高傑作です!
複雑な家庭環境を描く町田そのこ氏作品。
誰もが必死で生きている。
娘の母に対する理想像、なってみて初めてわかる母の気持ちが凝縮されていました。
子育ての悩みを抱える者として、とても救われました!!勇気を貰い、困ったら誰かに手を差し伸べることも大切だよなと思わされました。
人に出会って、経験して、変わっていく。
こんなに泣いた本は今までありません。
これからも宝物の作品です。
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ネタバレになるので言えませんが、途中あまりにも悲しい展開すぎて天を仰ぎました。なぜ・・・。
ほんわか系の話かと思いましたが、やはり町田さんは一筋縄ではいかないです。少女が大人になっていく過程でままならない事満載でお送りしていますが、淡々と現れ淡々と消えていく大事な時間経ち。その中に大事な人と食べる大事なご飯があるんですね。しっかり時間を噛み締めて生きて行きたいなと思いました。
Posted by ブクログ
宙を中心とした家族のあたたかさを、美味しそうなご飯を想像しながら感じられるお話。不器用かもしれないけれども、私は1人じゃない、あなたは1人じゃないよって感情移入して感涙。
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宙の幼い頃からの成長と共に物語が進む。描かれているその年齢にしては常に大人びているように感じた。でも子供って、思っているより大人なのかな。食べものに支えられるってわかる。そこに介在した人がいつまでも寄り添ってくれる。
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子どもが辛い本はやっぱり苦手だけれど、救いがあって良かった。
主人公は1人で、視点は変わらない中で、事実かどうかではなく、ある人から見た世界をつなぎ合わせているのが良い。
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宙もカノさんもママもやっちゃんも、その他のまわりの人達もみんなその時々を必死に生きている。その姿にグッとくる。「お互いぼちぼち成長して行きましょうよ」ってあのカノさんが言うのにもほっこりする。ご飯を作る(食べる)小説は数多くあるがこの本も好きです。カバー裏の掌編小説もとても良いです!
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大切な人との別れや家族の在り方などがテーマで悲しい気持ちになる場面もありますが、題名にもある「ごはん」が前を向くためのアイテムとして出てきて、最終的には温かな気持ちになれる物語でした。何度か自然に涙が溢れるシーンもありました。温かなごはんを食べることは当たり前のようですが、人生において結構大事なことだと思いました。主人公が幼少時代から大人びてしまっているのが少し現実感がなかったですが、、、。
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家族って、逃げ場のない窮屈な場所で、逃れられない運命で、こんな窮屈な縛りは他にない。毒親。洗脳。誤解が解けたり過去から解放されてはゆくけれど、順風満帆にはいかないのがリアル。苦しみは形を変えて続いていく。それでもそれらを抱えながら、未来への答えを出す。最後に少しだけ光が射すお話。
Posted by ブクログ
寂しく苦しい時に、自分のために作ってくれたあったかごはんは、心をほどけさせる。自分も、そんな魔法みたいなご飯を作って、周りの人を幸せにしたい、という展開はよく分かる。
悲しいことやいろんな経験をして、少しずつ自分をさらけ出して、想いをぶつけて、それぞれが自律しながら母娘関係が形づくられていく過程も、ゆっくり薄皮をはがすような流れでよかった。
いろんな母親像がでてきて、母としての責任や愛情、見栄や優先順位、子供との距離感など、母親への世間圧を感じざるを得ない。
こころの描写はうまいなぁ、と思う。
その描写をする為?か、わかりやすくこれでもかっていうほど、ドロドロ家族関係やストレスフル人間が、出てくる出てくる…
助けた人に嘘つかれ、必死で守ってきたのはハリボテで、愛だと思ってたのは誰かから奪ったもの、包みこんでくれてた大事な人は死ぬって…。人死にすぎ…。一気読みしたら、頭ボーっとした。
赦されたいのは自己満足っていうのも、なかなかに複雑。
とにかく、宙の物わかりの良さに大人過ぎる対応力に、作品全体が救けられてるというか依存してる?
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国語の試験問題に使われていそうな感じ。ロングスパンでの各登場人物の成長や変化と、そこに共食がどう関わるのか、みたいなことが主題なのかなと思った。
描くところと描かないところのバランスだったり、その年齢でそんなふうに考えるか?それを覚えているものなのか?という部分だったりが自分の好みではなかったけど、万人にある程度響きそうな物語だと感じた。
Posted by ブクログ
育てのママと産みのお母さんは異父の姉妹であった。2人の母と周りの愛を受けながら、宙は大人になってゆく。
エンタメとして読むと最上級です。もちろん映像化も希望します。
しかしながら、読みながら心が痛いのです。幸せな気持ちになれません。町田そのこさんの作品はいつも私にとって辛いのです。「 現実逃避」ができません。
著者は、書いていて辛くないのでしょうか。あるいは書くことで発散しているのでしょうか。
Posted by ブクログ
多分わたしが恵まれているからだろうけど、どこか別の世界の話のように思えて、感情移入が難しかった。素直すぎる奈々ちゃん素敵!やっちゃん、素敵な人だ。