【感想・ネタバレ】東京四次元紀行のレビュー

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Posted by ブクログ

一つ一つの短い物語に感動し、時に目頭が熱くなるのは、やはり去年、著者が逝ってしまったからだ。今も月曜日にはTBSラジオで「週刊ニッポンの空気」を聞こうとしてしまう。惜しくてならない。 小田嶋さん❗短くてもすばらしい人間描写はさすがです。事実のような虚構のような世界。東京の街の匂いが閉じ込められている

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2023年04月22日

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「本当のことを書く」縛りから解き放たれた小田嶋さんの物語。時も場所も登場人物達も自由自在に、それぞれがさまざまな理由でほんのちょっと交流したり、すれ違ったりするのだけど、実在する地名から連想する風景が妙にリアルで、若い頃、見たり聞いたりした「本当のこと」とも重なって時間と記憶、自他の感覚が交差して切なさにくらくらしてしまう。ひとつひとつの短編につけられたサブタイトルもとても好み。
Twitterやweb連載が更新されない現実が不思議に思えるほどそこかしこに小田嶋隆さんらしさを感じる一冊。(2022年6月24日逝去)

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2022年08月04日

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コラムニストであった小田嶋隆氏が複数の雑誌に掲載してきたらし短編小説をまとめたもの。鋭いキレがある訳ではないが著者ならではの切り口や著者の実体験に基づくと想像される内容もあり楽しめる

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2023年03月11日

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ネタバレ

昭和も平成もずいぶんと遠い。私が子供のころの戦時中より遠い。ちょっと泣きたい。堅気じゃない人書かせるとうまい

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2022年12月05日

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いろいろな試作的短編を集めたもの。断片集とでも言えるかも。残念ながら著者が死んでしまったため、このあとどういう方向に向かうことになるのか知ることはできない。

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2022年12月03日

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ネタバレ

著者の遺作となる最初で最後のショートショート。
著者が生まれ育った東京で見たり聞いたり経験したりしたことが再構築されて小説化されている。
夫々の作品は、一部を除いて著者の子供時代からの経験や記憶が基になっていると思われるが、内容は違っても自分自身も似たような経験をしていたような気がする。
おそらくこの小説の読者は、皆が似たような感覚を持つのではないだろうか。
それだけ普遍的な内容を含む作品だと思う。

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2022年09月25日

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ゆっくりな日も。進む日も。
まるで晩酌のように、好きな区から気の向くまま楽しみました^^

知ってる東京と知らない東京。
その中で生きる登場人物たちは、みんなそれなりに不幸だった。その仕方ない人間くささが切なくて魅力的で、ジタバタしてばかりの自分も励まされたような気持ちになりました。

小田嶋さんの書く文章はとても素敵でした。
特に私の育った区の表現は言い得て妙で、小田嶋さんと地元トークをしているかのような親近感がありました。

ふとした時にまた読み返したいなと思います。 

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2022年09月08日

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この本をまさに読もうとしたときに、訃報を知った。
本当に残念、悲しく寂しい。

コラムニスト、いや文筆家として、誰よりも才能にあふれている人だと、私はいちばんに尊敬していたのです。
あの辛口エッセンスが大好きだったのだ。

この本も洒脱の効いたエッセイと思って読み始めたところ、なんと小説ではないか!
(実は文京区から読み始めたので、まだ小説だとは気づかなかった(^^;)


まさか小説にも挑戦していたとは・・・この先が続かないのが本当に残念無念。

岡康道さんとの長い付き合いでの掛け合いも好きでした。岡さんの訃報を知った時もびっくりしたのに、まさかでした。

ご冥福をお祈りいたします。

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2022年06月28日

Posted by ブクログ

ちょっとアウトローな庶民の群像劇として読みました。章ごとに主人公が入れ替わるような構成。

劇的なことは起こらないけど、他人の人生を覗き見しているような感覚に陥って、ついついページをめくってしまった感じです。

初めて読んだ作家さんですが、他の著作も読んだことがあるかどうか、読む自分がどんな心理状態かで、感じ方が変わりそうな印象でした。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

2022年6月に亡くなった小田嶋隆さんの絶筆。
日経ビジネスで連載していた「ア・ピース・オブ・警句」の世間に阿らない、かつユーモアのある主張が好きで、亡くなったのがとても残念に思う。
本書はエッセイではなく、作者も初めて書いてみたという小説(短編集)である。小田嶋さんから世界がどう見えているかの一端が分かるような分からないような。あとがきで、書いていて楽しかった、もっと早くから書いていたらなあ、というのがジンワリ来る。

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2023年06月07日

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短編集。23区を舞台とし、各区での異なった
人物同士のエピソードが連なる。
同じ人物が現れることもあるが、基本的に
繋がりは気にせず読める。

最初は一つ一つの短編が繋がっていくのかと
思っていた。実際前半は登場人物が関わった人物の
過去やその後が描かれるなどしているので
そういった考えもあったように感じるが、
後半は一話完結したエピソードが多い。

描かれるストーリーはどれもなんとなく
寂寥感が漂う。道でばったり出会った変人、
愛憎絡まる親子、人に言えない過去を持つ少年。
話は展開するでもなく、収束するでもなく、
日記の一ページのような出来事で終わり、
それから10年後20年後というように
ぱっと時間が飛び、グッドエンドにも
バッドエンドにもならない。終わりなのか
続くのかもわからぬまま、次の人に視点は移っていく。

小説としては、正直いい構成ではないように思う。
一人一人の内容の濃さや続き方がバラバラで
編みかけの生地を3つ、4つ放り投げられた感じだ。
それぞれの内容はなんとなく読みいってしまうが、
仕事の休憩所で聞かされた気になるエピソード程度で、
そこからのまとまりがない。そもそも23区の
特色が出てる物では無いし、後半は23区縛りですら
なくなってる。

だけど先述した、東京が持つ乾いた寂寥感は
かなり表現されていると思う。
仕事、友情、恋愛、結婚。多くの出会いがあり、
人の行く末は様々だが、そこからさらに年月が過ぎると
だいたい音信不通か死んでいる。でも誰も気にしない。
むしろ気にしてあげないことが優しさ。
それが東京。そんな雰囲気が感じられた。

不勉強で知らなかったが、著者は有名な
コラムニストとのこと。
取材と経験から描かれるリアリティは確かに
感じられた。ならばこの諸行無常の感覚も
作者が感じたリアリティなのだろう。

ちなみにこの連作だが、最後の話だけ
毛色が違う。最後に持ってこられたこの話は
繰り返す日常に主人公が果敢に立ち向かう。
(ほんとにSFチックに)
主人公が言う台詞はここで描かれた人々の
人生を例えるようで、とても味わい深いと思った。

この作品を上梓した後に亡くなられた作者も
このような考えであって、東京を楽しんでいたらと
願うばかりである。

〈月日は百代の過客にして という
 問題文を眺めながら、芭蕉翁のことを考える。〉

〈時間の川を流れ下るオレたち人間は、
いずれ年をとって死ぬ。一見、これは、むなしい
行き暮れに思える。〉

〈だが、立ち止まってしゃがんでいる場面ではない。
とにかく、歩くことだ。歩き続けている限り、
オレは、立ち止まっているままの元のオレではない。
長明の爺さんが、教えてくれている。
行く川の流れは絶えない。しかももとの水ではない。
オレたちは永遠に変化するのだ。わかるか?松尾。〉

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2023年01月22日

Posted by ブクログ

東京23区をテーマにした短編小説。一つ一つが微妙につながっていたり、全然つながってなかったり。
日経新聞の書評か何かで面白そうだったので読んでみた。
一つ一つが短いので、まぁ短編だからしょうがないけど、なかなか共感までの行かなかった。
一方で、自分も40年以上首都圏に住んでいると、23区は何某かの形で行っているわけで、それを思い出しながら自分の思い出や経験を日記みたいに書いて残してみようかな、という気にはなった。

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2022年12月16日

Posted by ブクログ

あまり達者に書かれた一冊ではなかった。小田嶋さん、遺作ちゃんと読んだよ、というような思い入れ。
最初の方の短編とかほとんど覚えてない。連作のようで連作でないみたいな構成も特によい効果を生んでいるわけでもなく、単に筋と通すことの努力を放棄しているようにしか見えない。つーか新宿とか杉並とか起承転結がないどころかほぼなんにもない章のしんどさ。なんなんあれ。もう少し小説を書くということに自覚的でないと小説なんて書いたらいけないんじゃない?有能なコラムニストなら許されるの?だとしたらファックでしかないんだが。
シマヘビの話は印象に残った。この話だけ、登場人物のことを考えるときにオダジマンを想像する必要がなかった。洒落ていて小粋で好き。
あと10年生きて精進してればいい作品が書けたかもね!追悼!

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2022年09月10日

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