【感想・ネタバレ】さよなら、野口健(集英社インターナショナル)のレビュー

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元マネージャーで野口健事務所に18年勤めた著者が自身の半生と重ね合わせながら野口健という人物の素顔に迫った人物ルポ。辛い幼少年期を乗り越え自らの手で道を切り開いた野口。少なからず似たような境遇を持つ著者だが、野口健という強烈な存在との出会いは彼の人生を大きく変えていく。事務所の3度の入退社、精神病棟への入院。何がそうさせたのか。「さよなら、野口健」というタイトル。この"さよなら"に込められた想いとは?読み応えたっぷりの1冊

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2022年10月21日

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行動するかしないかで人生は大きく変わる!
飛びぬけた行動力と情熱は、優れた頭脳や才能を凌駕することは往々にしてあるのだろうと改めて思いました。
そしてそれらの行動の積み重ねが、様々な縁や運を紡いでいくのでしょうね。
年齢とともに行動力が落ちていることを実感している私としては、このタイミングでこの本に出会えて大きな刺激となりました。
著者がさらけ出した様々な葛藤は、読んでいるのが辛い部分もありましたが、野口さんの魅力が引き出され、本の面白さも圧倒的なものにしたと思います。
生みの苦しみもあったと思いますが、たくさんの人に共感や勇気を与える作品になったのではないかと思います。

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2022年09月11日

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お笑いの世界においての、いわゆるイジリ芸の様なものを素人は勘違いし、飲みの席や仲間内で小さく相手をこづくのを見かけるものだ。本来は落としている様で、よく考えると丁寧に相手を褒めていて言われる側も、聞いていた側も笑顔にする、自分も笑顔になるのが話術の上級者。本書を読み始めた時は、つまりそう言う本なのかなと甘く見ていた。しかし違った、上級者の話術などではなく。人の人生の重みを感じる優れた文章だった。強烈に人を引き付ける太陽の様な個性の野口と、若い頃から見込まれ文壇や政治のスターと歩んだ一般人著者、小林の稀有な人生の言葉は何者でもない私の人生に時に重なった。誰だって与えられた人生に時に翻弄されるものだからね。優れた文章とはいつもこう言うものなんだよね。

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2024年05月17日

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登山家というか人間・野口健を長年近くで見てきた筆者が書く野口健伝。野口健の人生と、そこに関わることになった筆者の人生を通じて、大人の男2人の心情の機微がうまく書かれている。

人によるだろうが、私は本を読み終わった後、野口健と筆者の人間臭さに読書前よりも魅力を感じていた。

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2023年11月27日

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野口健のイメージは、こんな感じ。(昔著書一冊読んだので、生い立ちや登山家になるまでもだいたい知っていた。)
自己PRが上手くて、無名の時からスポンサーをどんどん自力で見つけ、若くして登山家として成功。
エベレストや富士山でゴミの回収活動なんかもしていて、それ自体は素晴らしい。だが、どこか胡散臭い感じがしてしまうのは、政治家として出馬するという噂が何度も出ること、政治家との交友をアピールしていたことと無縁ではない。
ネットで悪い噂も見たことがある。
登山家というストイックなイメージとは相容れない華やかさ(自己顕示欲)と野心がありそうな感じ。

それらの印象の理由がこの本でよくわかった。
これは野口健の暴露本でもなければ、実はヨイショしている本でもなく、著者と野口の殆ど恋愛のような付き合いを描いた本である。野口だけでなく著書自身の醜い部分も恥ずかしい部分もさらして書いている。そうでなければここまで心を打つものは書けなかったと思う。
そして野口が、欠点も大きいがやはり人間として魅力的であるということがわかる。心を鷲掴みされてしまう人は著書だけではない。本当に打算的利己的であれば、いずれ人は離れていく。しかし、何度も戻ってしまうというのは、それだけではないからである。
その摩訶不思議な魅力もよく伝わる。

服部文祥の「3.5流」発言、栗城史多との共通点と違いについてなどもきちんと検証している。
人間の業を描いた、素晴らしい本だった。

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2023年05月22日

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野口さんの面倒な人柄二振り回される著者の回想録。面倒だけどなんだかほっとけない人間力もあり、登山家と断言できないメディアの裏側もあり、野口さんのイメージがひっくり返る内容。
個人的には著者の話より、野口さんだけの話の方がよかった。

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2023年03月01日

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登山家・野口健の半生に迫ったノンフィクション。丁度昨年のYahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞にノミネートされた、栗城史多氏をモチーフにしたデス・ゾーンに重なる部分もあり購入。

本著は野口健の生い立ちから登山家としての活動、さらには現在に至るまでマネージャーとして携わった小林氏の視線も交え描かれている。そして後半よりその小林氏の自著伝ともなるような、野口健と交わり離れていく様子も描かれている。

彼はアルピニストではない。登山家としては市民ランナー。しかし、清掃活動や被災地支援など活動家としては周りからの評価は高い。
何か栗城氏と重なる部分を感じた。突出すべき行動力を持っていると、否が応でも周りをも幸にも不幸にもする。

野口健の人間性はわかりつつも、やはり彼のやっている活動は素晴らしいものがある。
今後の彼を注目したいと強く思った。

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2022年11月02日

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野口健はいわゆる典型的な「人たらし」。野心家ではあるけれど魅力的な人なのでしょう。そして何よりセルフプロデュース(私が最も苦手なこと)に長けた人。著者もその点では負けないくらい人の懐にぐいぐい飛び込むタイプとお見受けする。そんなふたりが(幸か不幸か)出会ってしまった。さて、現在進行形の物語はどこに着地するのだろう。

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2022年09月29日

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この本も最後まで一気に読ませる力がある作品でした。とても面白かったです。
感想難しいなぁ。濃密な人間模様を端的に説明は無理があるので読むしかありません。
ただ野口さんの事をより身近に感じたのは確かです。
好感度も適切に上がります。
イメージ商売なら幻想も必要なんだろうけどここに描かれている野口健さんの様子はとても人間味がある人なんだなってことかな。
読んでて野口健さんはボクサーではなくレスラータイプの人なんだなって思いました。
そしてその生き様を貫いた結果、今でも色んな活動を形にできる力を持ってるんじゃないかな。

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2022年09月24日

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あまりに大きな存在、カリスマの前で苦悩する一般人。マネージャーから見た野口健の真実。

何度も仲違いしながらもカリスマに惹きつけられてしまう一般人から見た野口健。
野口健の評伝的な内容と野口健との距離に苦悩する筆者の自伝的な内容が交錯したノンフィクション。

著名人の素顔を捉えた作品としては屈指の出来だろう。地位と引き換えにいつの間に自身の仮面を、永遠に演じ続けなければならない悲劇、そのストレスを周囲に撒き散らす。当然人は去っていくがその魅力にまた幾度も惹きつけられてしまう。

さすがに本人に許可はもらっているとは思うがセキララな内容の数々、良く認めてくれたものだと思う。

筆者の中でテーマを消化しきれてないように思えるが、だからこそのジャリジャリとした歯ごたえが楽しめる一冊でした。

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2022年08月21日

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二人の男の評伝。
アルピニスト(現在はその肩書きは名乗っていない)野口健とそのマネージャーを務めた著者の歩んできた記録。
人の人生は同じ方を向いていると思っていてもずっと同じでいるなんて事は無いんですよね。寄り添っていたと思っていても二人はいつかはどこかで分岐する。
野口を信用できなくなり、職を失い、心と身体も壊した著者が、かつて輝いていた時代を振り返りながらも、本当はただの無能であり価値のない人間なのは全て自分のせいだと心から思い自分は根本的に間違っていると思い付くシーンがある。
頑張ってきた人ほどきっと強くそう思ってしまうのかも。

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2022年08月19日

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久しぶりに面白い評伝に出会った。
野口健の事だけでなく、半ば著者自身の自伝でもある。TVで見ているだけでは決して分かり得ない野口健の真の姿?がここにはある。

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2022年08月06日

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最初は正直どういった本なのかピンと来なかった。今さら野口健についてのノンフィクション?
それが、筆者の生い立ちが平行して語られるようになると、話がなにやら予想外の方向に転がり始め、2人が出会ってからは、スペースマウンテンのように進行方向も分からない暗闇の中をものすごい推進力でぶっ飛んでいく。

山岳ノンフィクションを期待している人には期待はずれかも知れない。人の愛憎・妄執・友情を描いたヘンな本です。

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2022年07月13日

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野口健に興味を持ったことも有りませんでしたが、登山という事を切っ掛けに社会進出を遂げた、登山家ではない登山家という事が良く分かりました。
登山に魅せられて、誰も立った事の無い頂に立つ事を追求する、誰も登った事の無いルートを攻略する。という事を目指すのが登山家とすれば、野口健は自己アピールする為に登山というツールを利用したという事なのでしょう。それ自体は全然非難される事ではありません。でも服部文祥が3.5流と言ったのも致し方ない事ですね。

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2023年10月04日

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かねがね、野口健という人はいったい何をしている人なのか、本業は何?的な興味があって読んでみた。
野口健にさよなら、というよりは、著者が昔の自分にさよならする経過を読んだ印象。

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2023年07月22日

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作者の私小説としては興味がないが野口健のバイタリティーはすごい。登山家ではなく起業家に近く、自己認識力も高い。作者のノイズがすごいのが勿体無い。もっと客観的にやってほしい

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2023年03月18日

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自分がどのようにして野口健と関わり、支えて壊されたかを、野口健を語ることで表現している。メディアに露出の多いパフォーマンスの派手な人物だと思っていたけれど、そのお陰で資金が集まって色々な活動が出来たのであればそこは本当に良かったと思う。人間だから良い面もあれば悪い面もある。でも最後のネパールの2人の言葉だけからでも野口健の存在意義が感じられた。

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2023年02月10日

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野口健批判の本ではない。
好きすぎて依存した筆者の自伝。
野口健の話ではなく筆者の自分語りが多い。

なので野口健への否定的なことはほとんど出てこない。
タイトルはうまいことつけたなと思う。
野口健への依存とさよならしているだけで野口健への暴露とか批判はない。

野口健の凄さも登山家としてイマイチなこともよくわかる。
面白いとは思うけれど得るものはない。

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2022年12月28日

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野口健をモチーフにしているが、著者である小林元喜の自叙伝でもある。自分にとって野口健さんはイメージ先行の人物だったが、イメージ通り、エネルギー=情熱がすごい人間だった。それに引きこまれながら、時に離れ、伴走した著者もすごいと感じました。

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2022年10月14日

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野口健のマネージャーの手記。
読みやすいが、野口健がどうして変わっていったのか、野口健がいったいどういう人物なのかが、読んだあともよくわからない。
この著者は、何度か精神科の病院にかかるが、なぜそこに至ったのか、どう精神的に追い込まれていったのかについても、描写が弱いと感じた。

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2022年03月30日

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