【感想・ネタバレ】ちばあきおを憶えていますか 昭和と漫画と千葉家の物語のレビュー

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Posted by ブクログ

漫画家ちばあきおのご子息が、ちば兄弟に聞き取った話などをもとにした評伝。
かつて『消えた漫画家』で読んで、自死で亡くなったことは知っていたが、
本書で、原因はアルコール依存症に起因するものだったということがよく分かる。

財布は持たせてもらえず、周囲の酒店にも販売禁止が親族から言われていた。
台所で料理酒を飲んだり、弟にカップ酒を買うために百円貸してと電話したり。
兄てつやのアシスタントをしている時も仕事場で酒を飲んだため、てつやに
叱責される場面もあったという。
盟友の武論尊も一緒に飲みに行くのを避けていたほどで、周囲がアルコール依存症を治療しようと必死になっていたのがうかがえる。

『プレイボール』と『キャプテン』の連載を同時に抱えている時は、心身の疲労がすごかったという。出稿した後のゲラにも赤字を入れていたというほどの完璧主義。作風そのものの真面目な人柄だったのだろう。そして休載を経て、『チャンプ』を連載中の1984年8月、41歳の若さで亡くなる。

著者はかつての父の年齢を超え、作品をもう一度読者に届けたいとプレイボールの続編を漫画家と取り組んでいる。自死遺族として、辛い年月もあっただろう。こうして取材に基づいた評伝を残してくれたこと、一読者として感謝している。本書は漫画史の貴重な一次資料だ。

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2023年02月24日

Posted by ブクログ

あー
キャプテン、プレイボール読み直さないかんくなった。
亡き父を語る深淵なるファミリーストーリー。

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2022年05月30日

Posted by ブクログ

著者の千葉一郎氏は、ちばあきお氏の長男で
現在はちばあきお氏の作品の管理や、プロモ
ーションを行う会社の代表です。

だから現在グランドジャンプで連載されてい
る「キャプテン2」や、その前作の「プレイ
ボール2」も、彼の会社の発案らしいです。

その千葉一郎氏が「キャプテン」の連載から
50年を節目に、父親の人生を辿ったのがこ
の本です。

ちばてつやという偉大な漫画家を兄に持ち、
どのようにし作品の「キャプテン」や「プレ
イボール」を生み出したのか。

驚くべきは「キャプテン」の連載一年後には
並行して「プレイボール」がスタートしてい
るのです。

「キャプテン」は月刊誌、「プレイボール」
は週刊誌でした。

同じキャラクターのその後を描いたのが「プ
レイボール」であったのに、進む速度が全く
異なるので、話にズレが出てきてしまう・・

そこで著者が選んだ手法は・・・。

50年前の謎が解き明かされる一冊です。

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2022年04月03日

Posted by ブクログ

ちばあきおの生涯を息子である千葉一郎氏が起こした作品。ストイックな姿勢、葛藤が感じられた。
代表者であるキャプテンやプレイボールを読みたくなった。

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2023年05月04日

Posted by ブクログ

キャプテンは子どものころテレビでよく見た記憶がある。こんな作者の苦悩があったとは知らなかった。草野球チームの背番号の謎が最後に明かされるところに、筆者の筆力に感心した。やはり血のつながった親子。才能があるのでしょう。

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2022年08月01日

Posted by ブクログ

「キャプテン」「プレイボール」。41歳でなくなったちばあきあ。長男が語る一人のマンガ家の生涯。

「あしたのジョー」のちばてつやの実弟。満州引き揚げから人気マンガ家に。一家の波乱の昭和史を長男が書いた評伝。

作風と似た決して派手ではない愚直な人生。活動休止とアルコール依存症など創作者の苦闘が描かれる。

今もファンを引き付けてやまない一人のマンガ家の傑作評伝。

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2022年07月01日

Posted by ブクログ

小学生の頃から今に至るまで、大好きな漫画が「プレイボール」だ。

挫けそうな時、谷口くんの努力にどれだけ力づけられ、田所さんご馳走してくれるカツ丼に惹かれたことか。

本書は、ちばあきお氏のご子息が書かれた回顧録である。

なるほど、この姿勢から谷口くんは生まれたのかと納得させられる。

「キャプテン」と「プレイボール」が同時に連載されていた関係で、「プレイボール」で試合の進行が遅かったのではないかという推測は面白い。



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2022年05月22日

Posted by ブクログ

私にとって漫画の神様の1人。身内でしか知らない事柄を改めて知らしめられ「チャンプ」連載中に受けた喪失感が昨日の事の様に蘇りました。

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2022年04月06日

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