【感想・ネタバレ】ボマーマフィアと東京大空襲~精密爆撃の理想はなぜ潰えたか~のレビュー

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Posted by ブクログ

知らなかったことが多くあり、人物の紹介の仕方がうまく、引きこまれた

この著者が好きなんだと思う

それしても、2時間で10万人、とは

それでも、現時点で戦争が続いていることに驚愕する

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2022年12月18日

Posted by ブクログ

本書を読むまで、B29は日本の迎撃など相手にしないような高度からやすやすと爆撃を行っていたものかと思っていた。実際には、航続距離ぎりぎりだし、照準器の精度や気流の問題等で高高度からの爆撃では効果を上げることができず、やむを得ず低空から、やむを得ず夜間に爆撃を行ったのだということがわかった。そして日本中に行われた空襲が、マリアナ諸島にいる「現場指揮官」だけの判断だったということにも驚いた。200ページほどの著作で、たいへんコンパクト。著者は、理想主義者vs現実主義者の戦いとして、ノンフィクションを物語化しているので、ところどころ牽強付会なところもあるのかとは思うが、読みやすさには貢献していると思う。

爆撃機から正確に地上の目標に爆弾を投下すること、これはなかなか難しいことだった。正確に目標だけを爆撃できれば―白昼、対空砲が届かない上空九〇〇〇メートルから漬物樽に爆弾を落とせれば――「きれいな戦争」ができる。軍事目標だけを狙い撃ちにして、市民の犠牲はなし。その「夢」を追った者たち「ボマーマフィア」の一員が、日本への爆撃の第一陣を担った。米軍は照準器に莫大な予算を投じたが、結局、目標は達成できなかった。マリアナ諸島を飛び立ったB29は巨大な中島飛行機の工場を5回にわたって爆撃し、ほとんどかすめもしなかった。原因は、当時はばかげていると誰もが相手にしなかったジェット気流の存在だった。司令官は交代となり、現実主義の権化のような人物、ルメイが登場する。気流を避けて1500メートルの低高度から、戦闘機を避けるために夜間に、精密な爆撃を諦めてナパーム弾で市街地ごと焼き払うということになった。そして東京大空襲が決行され、数十万人が死んだ。東京だけではなく、日本中の大都市が同様に爆撃された。歴史家・ウィリアム・ラルフを引いて曰く〈これほどまでに殺傷力の高い作戦が……現場指揮官から生まれたことに衝撃を覚える。(中略)これほど重大な道義的、政治的影響をおよぼしかねない決定が、いったいなぜ一介の若い現場指揮官の手にゆだねられたのだろう? 上層部の個人的責任と積極的関与はどこにあったのか?〉

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2022年09月23日

Posted by ブクログ

精密爆撃から無差別爆撃へ。B29による日本への空襲。なぜ大量殺戮へ発展したのかを描く。

アメリカ空軍は元々は陸軍。補助兵力だった航空機を主力兵器に。第一次世界大戦の塹壕戦、総力戦への反省から航空機によるピンポイントでチョークポイントとなる工場等の目標を狙う昼間の高高度精密爆撃。戦争による双方の犠牲を最小にする最良の手段と考えられていた。その一団がボマーマフィアと呼ばれた。

実際には精密爆撃は成功せずやがてハンセル将軍からルメイへの指揮官交代を機に低高度夜間の都市無差別攻撃へと方針は変換する。

本書は戦略爆撃の思想からどのように変化したかの裏側を描く。

現在は高性能誘導弾の発達によりある意味ボマーマフィアの理想が実現した世界。

アメリカの本だが実に日本向きな内容。そもそも東京大空襲を知らない人々も多いことだろうから、本書のような書籍が売れるのは良いことだろう。

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2022年09月22日

Posted by ブクログ

終戦が夏ではなく冬まで続いていたら、餓死者が増えていた。マッカーサーは食料を与えた英雄。
戦争を早く終結するために、夜間低空爆撃を各都市で繰り返す。
日本人からすれば、アメリカ人の都合のよい言い訳にも聞こえます。

しかし、東京空襲の慰霊碑がないなど仰るとおりのこともあります。

こういったことを二度と起こさないように両当事者からの事実を後世に伝えてほしい。

終戦記念日に読んだことに、運命も感じます。

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2022年08月15日

Posted by ブクログ

マルコム・グラッドウェルはものすごく好きな書き手だが、これはテーマに対してボリュームが少なすぎ、それだけに単純化が激しい。カーティス・ルメイとヘイウッド・ハンセルをある陣営のそれぞれ代表者に仕立てるには論証が足りていないと思われる。面白いんだけど説得はされなかった。
それにしても、日本人はアメリカが好きすぎる。そして同胞の犠牲に対してとても冷淡だ。

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

●=引用

●フェスティンガーは、このすべてをどう解釈したのだろう? 人は何かの信念に傾倒すればするほど信念のために犠牲を払えば払うほどその信念が誤っているという証拠をますます受け入れがたく感じる。だから信念を捨てたりしない。ますます傾倒するのだ。

●ハリスは反発した。ことさらに一般市民を狙ったわけではない。ドイツ軍の戦争継続を可能にしていたすべてものの生産体制を狙ったのだ。それが爆撃のそもそもの目的だった。今言ったように、ドイツ全土の潜水艦建造施設や軍需産業、そこで働く人々を破壊することが目的だった。私に言わせれば、彼らは全員が現役兵だった。軍需物資の生産に携わる人々は、現役兵として扱われる覚悟があるはずだ。そうでなければ、どこで線引きをしろというのか?私に言わせれば、全員が現役だった。子ども。母親。老人。病院の看護師、教会の牧師。 目標は特定しないと宣言すれば、一線を踏み越えることになる。子どもや母親、病院の看護師たちは、兵士と違いはないのだと、自分に言い聞かせることになる。ボマーマフィアのそもそもの主張は、彼らの存在理由は、その一線を踏み越えたくないということに尽きた。

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2024年02月17日

Posted by ブクログ

グラッドウェルとしては引き込まれ度が少なかった 一つ前のTalikg to strager があまりによかったから!?

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2022年12月25日

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