【感想・ネタバレ】くっすん大黒のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月07日

2024/03/7再読

くっすん大黒と、河原のアバラ、二篇収録。

◾️くっすん大黒
町田康本人がモデルと思われる男、楠木。
かつては美男子だったと述懐するが、いまは酒ぶくれで目の下もだるだる、仕事もせず妻に養ってもらっていたが、その妻も先日出て行ったきり帰ってこない。金もないから酒も飲めない。乱...続きを読む雑な自室に、大黒様の置き物が転がっている。バランスが悪く自立できないくせに、にやにやと笑っている。なんやこいつ、腹立つ。捨てたろ。
捨てに行くが、周囲の目もありなかなかうまくいかない。不法投棄を企てるシーンは、梶井基次郎の檸檬を彷彿させる。しかし結局いろいろあって捨てられない。そうだ、菊池に買い取らせよう。
菊池は親からの仕送りでぶらぶらしている大学生でふざけた野郎だがその生活ぶりは自分と酷似しており、数少ない友人である。
菊池の家へ。菊池は大黒はいらないというが、まぁ飲もうぜって飲む。
2人とも金がない。金策のため菊池の知り合いのバイトへ。しょぼいブティックのようなところで店員をすることになるが、訳の分からん店長のババアと常連のババアにむちゃくちゃにされ、バックレる。
続いて楠木に仕事の依頼。ある芸術家のドキュメンタリーの聞き手をやってくれと。かつてバンドや映画出演などしたつながりでたまにこういう仕事がくる。渡りに船ってんで、菊池をマネージャーとして従え仕事へ。
芸術家の名は上田京一。オブジェやら写真やらを作る。上田に心酔する桜井という女、その補助役の椚沢などとともに上田の活動している街へ。しかし上田本人は行方不明だという。関係者へのインタビューをしてまわるが、みな、あいつは詐欺師だのなんだの言って、桜井の求める言葉は出てこない。上田がかつて使っていたというアトリエに行くと、桜井のように上田に心酔する弟子の女たちがおり、彼女らはまさに桜井が求める上田称賛の言葉ばかりを吐いてくれた。いやに盛り上がって、楠木たちはアホらしくなりその場を離れる。
楠木と菊池は、浜辺を散歩する。ドブに溜まった亀を都合8匹捕まえ、焚き火に焚べてみる。逃げ出すかと思ったら、亀はパンパンと爆発してしまった。亀って爆発するのか、知らなかったとかなんとか言ってる2人。
そこに上田が現れる。どうやら桜井と弟子たちがケンカをして傷害事件を起こした。上田は桜井を見舞うが、2階から飛び降りて怪我を重ねてしまったとのこと。
上田は、ここで起きたこととか誰にも言わないでくれという。
なんでそんなことせなあかんのといいつつ、楠木は、おれらまだギャラ半分しか貰ってないんだけどと言い、菊池の機転でやや多めに上田からギャラをもらい、仕事終了。
浜辺で木の棒を持って寝転ぶ楠木をみて、菊池は、あんたあの大黒みたいだなと笑う。楠木だからくっすんてあだ名はどうだと進言する。いやだよ馬鹿野郎。そうか。
ふたりは自立しない大黒の物真似をしつつ帰る。
相変わらず乱雑な自宅に帰った楠木は、豆屋になろうと思う。どうやったら豆屋なんかになれるのだろうか。彼は鉢巻を巻き大声で叫んだ。豆屋でござい。わたしは豆屋ですよ。なんて。

おわり。

◾️河原のアバラ
うどん屋で働く3人。主人公、淀川五郎、天田はま子。主人公と五郎は仲良し。天田は極度の吝嗇で頭がおかしい。
ある日、天田が猿を連れて出勤する。(ほんまこの人うどんとか猿とか好きやな)どうも出勤前に一目惚れして購入、そのまま持ってきてしまったらしい。邪魔なとこに置いたまま働き始まる天田。いやいや、そんなん飲食店であかんやろと問い詰めるがこれを無視。なんやかんやしてるうちに猿は逃げ出し厨房を飛び回る。主人公がちょっと棒でこづくとあっさり落ちた。うどんの茹で釜に。そして猿は死ぬ。店は猿臭く、うどんなど作れない。
天田はあろうことか、悲しむ前に猿の代金を請求する。主人公は激昂し、天田を殴り倒す。天田はさらに病院代を請求し、主人公はさらに殴る。
翌日、五郎から速達が。
「前略 元気ですか 天ハマが極悪です やべぇから逃げろ レンラクください ゴロー」
電話で詳細を聞くと、あの後天田は警察を呼び、自分の被害を盛って申告した。主人公は警察に追われることとなる。
しゃあないので、五郎が紹介してくれた変な格安物件に逃げる。
そんでまた、五郎の言うところ、その物件にかつて住んでいた男、津山幸男はちょっとした知り合いなのだが、死んでしまったという。そしてその妻?が、死んだ男の部屋の整理および遺骨を実家へ運んで欲しいという。謝礼も出ると言う。っつーことで2人で車で行くか、と。五郎が先輩に借りたシボレーで。
人気のない、民家もないところで迷い、うーんと唸り、河原で連れションをしているところ、極彩色の刺繍を施したつなぎを着たジジイに遭遇。ちよい話すと、その遺骨男の兄だという。うちへこいと。歩いた方が近いから車は置いてけと。
行ってみるとしかしこの男は気が狂っており、何らかの内臓肉で焼肉をやろうとし、しかし焼けぬまま上に上に肉を足すので下は丸焦げ上は生という地獄の焼肉で、妙な踊りを踊り、さらには遺骨をまき、焼肉にもふりかけ、供養ですから食ってくださいという。いや食えるかい、と思う2人だがどうも逃げられない。すると男は、酒を買ってくるから待ってろとどこかへ。しかし帰ってこん。様子を見に行くと、シボレーがない。あんにゃろ盗んでったか。
どうにもならないので歩く。3キロほど歩くと、あら?本来行こうとしていた住所に辿り着いてしまった。しかも目の前の家の表札が津山である。もしかしてあのジジイ、全部嘘か。
とりあえずその津山宅にすんませーんって入ると男がガラスを切断する作業中。事情を説明すると、ああそうですか、死にましたかと軽い。遺骨ももういいという。それよりおれの仕事ぶりを見てくれと言わんばかりにガラスの加工の続きをやる男。しかし調子に乗っていたら思い切り親指を切ってしまい鮮血が。主人公と五郎は、お暇する。
なんか食うべってまた歩くと、どうやら色街である。ふたり、それぞれ楽しむ。
そんでまた歩く2人。拾った新聞には、天田はま子さんが何者かに殺されたという事件の記述が。因果応報だぜ。
また河原で談笑する2人。五郎が誤って、鮒かなんか腐った魚が積み上げられたところに手を突っ込んでしまう。くせぇ、助けてくれ。対岸ではなにか映画の撮影隊らしきものたち。演技はうまいのに間に下手くそなオペラのようなものを挟み歌う男女。腐った鮒とオペラに挟まれ爆笑する2人。

おわり。


こう書くと、ほんまに無茶苦茶やな。
しかしだいたいこの通りである。それでもこの本がおもろいのは、町田康の文章がすごいからである。あらすじだけ読んでおもしろがれるものではない。とにかく読むしかない。

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Posted by ブクログ 2021年01月25日

小説を読んで何度も笑うなんて初めてのような気がする。世間一般的に、とか客観的に、とか冷えた眼差しで考えれば考えるほどガチガチに凝り固まってくる脳みそをほぐしてくれるような感覚があった。考えれば考えるほど袋小路にはまってくる自分の人生自体をどこかで笑い飛ばしてくれているような気さえする。人間なんて有り...続きを読む体に言えば良い加減なものだと読んで感じるのだが、不思議とそれはネガティブというよりむしろポジティブな感じがする。前向きに、さりげなく教えてくれる真理というのだろうか。『きれぎれ』は難解すぎたが『くっすん大黒』は単純なストーリーの中に面白さの粒が濃縮されていてとてと好きだった。

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Posted by ブクログ 2017年09月13日

基本的に「なんだかよくわからないけどいい」と言われる作品は、読むプロとも言うべき有閑多読人でないと楽しめない仕様になっている。
しかし本作品はよくわからないにも拘らず、思わず膝を打ちたくなるような表現が随所に散らばっている。感性が合う人なら吹き出してしまうようなポイントも多い(チャアミイの存在など)...続きを読む
解説にもあったが、落語のような世界とも言えるだろう。人によっては、この文体をもっと読みたいという中毒症状にも似た熱も孕むことになるかもしれない。

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Posted by ブクログ 2017年09月05日

なぜかずっと題名に惹かれ、読もうと思っていた本。
和製B級コメディー映画にしたらさぞ面白そうな、気の抜けた男二人の会話、強烈な登場人物とタコと大黒。
だらしないしお金にずるい。能天気さがしょうもないけど憎めない。だらだら途切れなく続く会話や話のテンポがよくて、肩の力が抜けます。落語みたい。

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Posted by ブクログ 2016年11月06日

他人は、恐ろしい。
自分の常識や良心の範疇を、いとも容易く掻き乱し、破壊し、なんなら再構築して平気でいる。
こちらとしては狂気の沙汰でしかないのに、相手にとっては朝食に納豆をチョイスする程の日常。
その隔たりの気色悪さを、これでもかと連打される小説。
誇張なんだけれど、ありえなくない妙なリアリティが...続きを読むある。

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Posted by ブクログ 2024年03月03日

面白え。二編目の「河原アバラ」は大笑いしながら読んだ。なんだろなーこの世界観。支離滅裂で捨て鉢な危うさとシュールなおかしみのバランスが最高だなあ。めちゃくちゃ文章うまい。

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Posted by ブクログ 2023年10月12日

「しらふで生きる」「人間小唄」を読んですっかり町田先生の文章の虜になってしまったので、その源流とも言えるデビュー作のこちらを読んでみた。
なるほど、デビュー作の時からこの世界観がすでにあったのか。
大したお話ではないが、次から次に起きる訳のわからない展開から目を話せない。そして笑ってしまう。
「くっ...続きを読むすん大黒」の中で、古着屋でバイトするくだりはひたすら笑った。
ただただ堕落して生きているような人をこんなにも面白おかしく表現できるのか、という事に驚く。
この人はどんな題材でも、どこまでも話を広げて面白く表現することができるのだろうな、と感嘆しました。
ただ、この小説から何か感銘を受けるとか感動するとかは一切ない笑
それがいい!!

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Posted by ブクログ 2022年06月16日

出てくる人出てくる人みんな狂人で、じつは全員ヤク中っていう設定でした、と言われても驚かない。
支離滅裂と言ってもいいほどのシュールな展開がリズミカルに続き、個人的には結構ちょくちょくぞくりとした。笑いと恐怖は紙一重とはよく言ったもの。
そして読み終わった後に街を歩いたら、すれ違う人がすべからく変人の...続きを読むように思えて困った。もしかしたら世界って、私が思うより狂っているのか。やほほ。

『河原のアパラ』では特に、人間も動物も無造作に死にまくり、流血したりし、たいして悲しまれるでもない。 
主人公達は最後には袋小路に近い状態に追い込まれる。
けれども、ラストシーンで彼らは「全身腐った鮒まみれになって」爆笑している。
グロテスクで残酷で意味不明な世界でも、笑えれば勝ち、ということなのかな、と思ったり。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月20日

町田康ならではの文章、独特過ぎる!出てくるおばはんもキャラが強すぎて思わず声出して笑っていました。
亀を爆発させたり猿を茹でたり滅茶苦茶、でもおもしろい!

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Posted by ブクログ 2021年02月23日

最初のさわりだけ読もうとページをめくったが最後、あれよあれよと奇妙で出口のない変な人ばっかり出てくる世界に迷い込んでしまう。ゴミがいっぱい捨てられてる花壇に大黒をいい感じで置いてみようとしたら警官に捕まりそうになる。自分の人生にはおおよそ起こりそうがないけどでもどっかわかるな、その置かれ具合にこだわ...続きを読むる感じ。

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Posted by ブクログ 2021年02月13日

町田康を初めて読んでみた。

無職の3年間飲んでばかりいる男が、妻にも逃げられ、
ふと部屋に転がっている大黒を捨てるだけの話なのに。
面白い。ユーモアに富んでそして文学作品でもある。
最後のオチへの、急展開。面白ろかった。

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Posted by ブクログ 2021年02月01日

声出して笑いながら読んでしまった!終始登場するひとびとに対し、わ〜こいつやばいよ〜という感想を抱いてばかりだった。なかなかひとにはすすめにくい本なのは確か。ここまで振り切っているといっそすがすがしい。狂っているは狂っているでも、さわやかな狂い(さわやかな狂いとは)だった。

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Posted by ブクログ 2020年11月04日

なんかずーっと狂気を感じる
時々出てくる思考と思考の間のつぶやきがウケた
河原のアパラ、終盤のシーン良すぎ

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Posted by ブクログ 2020年10月23日

町田康さんのデビュー作。34歳のときに書いたものらしい。ダメ男文学らしいけど、主人公をダメ男だとはあまり感じなかった。むしろ他のキャラのほうが一癖も二癖もある感じだ。

部屋に転がっていた大黒様の置物をどこかに捨てようと家を出て、方々をうろつきまわる主人公。そのうちとあるドキュメンタリー撮影に参加す...続きを読むることになるが…。

文体がどことなく西村賢太に似ていて好きだった。
どちらも無頼派だからだろうか。

表題の『くっすん大黒』と併録されている『河原のアパラ』のどちらも、主人公が次第に奇妙な話に巻き込まれる点で似ていた。その奇妙な話の中心人物とでもいうべき奇人の描写がとても上手く、話が奇天烈になるにしたがって小説も面白くなった。言い方があれだけど、頭のおかしな人を書かせたらピカイチだと思った。

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Posted by ブクログ 2021年09月23日

いやはや、主人公もストーリーも文体もウダウダでグダグダ!
そこへ楠木のズレた想像力と、なかなかアクの強いクセある登場人物たち。
ただ大黒様の置物を捨てに行くだけの話がなんでこうなる!!
ウダウダなのに、話はとどまることなく転がり突き進んでゆく。

ユーモラスでちょっとした哀愁も。
根強いファンがいる...続きを読むのもわかるよう。
この語り口、ほかの作品が気になるところ。

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Posted by ブクログ 2020年03月09日

最初から最後まで、ドラマを見ているように映像が頭に浮かぶ。面白すぎる。

特に駅前の花壇に大黒捨てるくだりが大好き。服屋のバイトのとこ怖すぎ。
出てくる人たちが適当すぎて、自分の肩の力が抜けていく感じ。

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Posted by ブクログ 2016年10月23日

冒頭の切れ味、テンポのよい独愚痴に圧倒された。借りた本に作品の冒頭しか収録されていなかったので、すぐに楽天ブックスで購入。出だしのインパクトが強過ぎ、全体の評価はやや下がった。他の作品も共通しているが、自分勝手で理不尽な人物が登場する。その人物を受け入れて話が展開するところは読んでいてストレスを感じ...続きを読むる。

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Posted by ブクログ 2023年10月26日

『告白』で知った町田氏。
『告白』は読みきってはおりませんが、他の作品は読みおえたことがあり、その独特のユーモアのセンスがなんだか癖に。
こちらの『くっすん大黒』にもにやにやさせられっぱなしでした。
男女差別をするのはあれですが、ユーモアたっぷりの独特の発想は男性ならではのものだなぁと思わせられます...続きを読む
内容はこってりとしているのにあっさりと読み終えられる。
そんな1冊。
個人的に面白おかしい小説を読みたくなったら、森見氏、万城目氏、町田氏を選ばせて頂きます。
町田氏、次は『告白』を読みきるのが目標です。

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Posted by ブクログ 2023年08月06日

推理小説かと思ったら文芸書でした。それでも惹きつける力は本物で、すぐに読めました。
結局、大黒様はどうなったか知りたい。


三年前、ふと働くのが嫌になって仕事を辞め、毎日酒を飲んでぶらぶらしていたら妻が家を出て行った。誰もいない部屋に転がる不愉快きわまりない金属の大黒、今日こそ捨ててこます―日本に...続きを読むパンクを実在させた町田康が文学の新世紀を切り拓き、作家としても熱狂的な支持を得た鮮烈のデビュー作、待望の文庫化。賞賛と悪罵を浴びた戦慄のデビュー作
大黒様を捨てようとして始まる日常の中の異次元世界。ユーモラスな語り口と奇妙な形で噴出する鬱勃たる感情が話題を呼び、日本文学史に衝撃的に登場した芥川賞作家の処女小説。「河原のアパラ」を併載している。第19回(1997年) 野間文芸新人賞受賞とともに第7回(1997年) Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。

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Posted by ブクログ 2023年07月21日

町田康の文壇デビュー作。ミュージシャン・俳優時代(町田町蔵)と比べて、ブレが一切ないのが頼もしい。殺伐としているのに愛くるしいのだ、この人は。

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Posted by ブクログ 2023年01月07日

なんかよくわからんまま終わってしまった。

けど、よく分からんくても最後まで読めてしまったのは文章表現が面白かったからであるしなんだかんだで最後まで気になってしまった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月02日

全く飾りっ気が無くて本能のまま書かれてる感じがして読んでいて気持ちいい。何気ない燻んだ毎日の実在感を出すのがめちゃくちゃ上手いなぁ。
特に「河原アバラ」の方は作中に羅列される細々とした小物の生活感がすごかった
石を「大事なものよ卵」と言って大事に洗う少年に対する気持ちを「やれん。」の3文字で表現する...続きを読む所とかカッコ良すぎて痺れる。

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Posted by ブクログ 2022年10月09日

面白い。文字を追ってるだけで楽しい類の小説だ。ストーリィに関しては正直言えばどうでもいいというのが本音だが、登場人物に愛着を持てて、まあ読んでて楽しい。これからどうなるんだろう? というワクワクは少なく、登場人物がどう救われたのかイマイチよく分からんが、なんとなく気持ちが良かったからよい。そんなもん...続きを読むでいい。ただ改行が少なくて普通に読みづらかったかなという印象がある。勿論その効果も現れているとは思うが、単純に。

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Posted by ブクログ 2022年09月09日

異世界(クルッテイル)の世界に入り込んだ感覚を覚えます。
出てくる人がとびぬけておかしい(誉め言葉)で
どこまで行ってもカオスだからね。

表題作はダメ男が出てくる作品。
そして添え物は頭がイカレテいる人物。
こうしか表現できないの。
まるでああいう音楽の中にいる感じ。

この手のが合わない人は一発...続きを読む拒絶反応もの。

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Posted by ブクログ 2022年02月17日

初めての町田康作品、表現が面白いと聞いて読んだ☺︎
くっすん大黒・河原のアバラ

河原のアバラの方が個人的には読んでて面白かったかな、後あまり使わん日本語も出てきてちょっと賢くなったわ。お気に入りの表現たくさん見つかった!

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Posted by ブクログ 2021年07月22日

友人から薦められて読んでみたものの、ハマることはなかった。ただただ落語のように話が進んでいき、大きな事件もなく小さな出来事が続いて気がついたら終わっている。
いつも読書から何かをもらおうとする姿勢で読んでいたが、この本はただただ流れていくやりとりをのぞいて見てる感じだ。そう言った意味で読書を楽しむこ...続きを読むとができたのかも。

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Posted by ブクログ 2020年04月05日

独特の文体で書かれた小説。正直何がよく分からんと思うところもあって読みにくさを感じる部分があった。
くっすん大黒よりも河原のアパラの方が面白い。

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Posted by ブクログ 2017年05月08日

なるほど、パンクな感じの本だった。あとがきにもあったように確かに梶井基次郎の檸檬を髣髴とさせる不条理というか不思議な感じ。薄い本だったというのもあり、意外にもするするっと読めた。

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Posted by ブクログ 2017年05月05日

軽妙な文章で進んでいく、狂気、怠惰、それでいて人間臭く、すぐ隣であるような、そんな物語。私は好きだなあ。

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Posted by ブクログ 2017年03月18日

受け入れられる人と、そうでない人、真っ二つに分かれそうな作品。

なんとなく職を辞め、その後、酒ばかり飲んでグダグダしてきた楠木。
妻にも愛想をつかされる。
なぜか家にある、坐りの悪い木彫りの大黒を捨てようと街をさまよい、友人の大学生、菊池の家に転がり込む。
楠木自身も変わっているのだけれど、アルバ...続きを読むイト先の店員の吉田、客のチャアミイ、そして彼にインタビューの仕事を依頼してくる桜井と、出てくる女性たちは珍妙というか、いってしまっている人のオンパレード。
金を稼ぐために、そんな人たちに、二人は振り回されまくる。
もはや何が普通なのかわからない。

もう一編、収録されている「河原のアパラ」も、似たような味わいの作品。
ガス器具の不備で、家で煮炊きできなくなり、外で食事を調達しなければならない、主人公。
客たちがフォーク並びしてくれないのが不満で、フライドチキン店の店頭で、おおブレネリを歌いまくる。
そんな「アサッテの人」である彼も、勤め先のうどん屋では天田はま子なる、奇人に翻弄される。
はま子が店に連れてきたペットの子ザルを、過失から、うどんの釜でゆでてしまう。そして始まる、修羅場。
こんな身の毛のよだつ場面が、結構満載。

腐ったフナの山とか、亀を生きたまま火にくべて爆発させるとか、グロテスクな場面が多く、自分にはそろそろ限界なのだけれど、最後まで読めてしまったのは、独特の文体のなせる業なのかもしれない。
確かに、太宰の初期作品の文体を思い出させる。
三人称なのか、一人称なのか、境を自在に行き来する。

おぞましいものから、自分自身の小市民さが自覚できるわけだが。
その主人公さえ、腐ったフナの山に手をついてしまった友人の五郎に手を洗わせる部分で、意外と潔癖なのに笑えた。

町田さんが芥川賞を取った時のことは、うっすら覚えている。
パンクロッカーが芥川賞とは、と騒がれたような。
今の又吉さんへの世間の騒ぎ方と、少し似ていたのかな。

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