【感想・ネタバレ】妻はサバイバーのレビュー

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Posted by ブクログ

凄絶。
著者と結婚して人生で初めて安心できる場所を得たことが妻の抑圧されてきた感情を爆発させるきっかけになった、という精神科医の指摘に人の心の複雑さを見る思いがした。理屈としては通る。
連続飲酒状態になると転倒を繰り返すので骨折が増えるという話、知らなかったが知ればそうかもしれないと腑に落ちる。
分もこの本の妻ほどではないが心の病を抱えた母親のもとに産まれたので読んでいて子供の頃を思い出して苦しくなる場面があった。
本書のその後がどうなったのか、いつか知りたい。

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2023年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一気に読んだ。全身全霊をかけた「献身」。
配偶者がコントロール不能な状態で暴れ苦しんでどう扱っていいのかわからない。
夫である著者が逃げ出さなかったことが信じられない。
うがった見方かもしれないけど、著者の育てられ方が素晴らしかったんだろうかとか考えてしまった。
最後の「本当にありがとう。これからも共に生きようね。」に涙。
自分がこんなことを思えるだろうか。そして周りの親しい人にこんな言葉をかけてもらえるだろうか。
献身。

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2023年08月13日

Posted by ブクログ

壮絶なルポ。筆者が新聞社の記者だけあって非常に読みやすいが、筆者の心痛を思うと涙を禁じえない。この先どうか穏やかに、奥様と人生を歩んでいって欲しいと思う。

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2023年07月21日

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ネタバレ

精神疾患等をもつ妻と共に歩む人生を、夫の立場から綴られている闘病記。
結婚式の誓いの言葉である「病める時も健やかなる時も」の体現。陳腐な言葉で申し訳なくなるが、かなり凄まじい。
「妻は20年間、『緩慢な自殺』を試みていたのだろうか。否。必死で生きようとしていたのだ。」
筆者である夫の感情は、直接的にはそう多く語られていない。だが、こう思えるまで、どれだけのしんどい思いをしたのだろうと想像する。

果たして、これらのエピソードは他人事だろうか。病気、障害、それらがなくとも長生きをすれば、介護。もし自分が、もしくは配偶者が同じような状況になったとき、わたしは著者と同じように配偶者の隣を歩けるだろうか。

「彼女と一緒になったおかげで、こんな穏やかな日常がかけがえのないことだと知ることができました。」
「本当にありがとう。これからも共に生きようね。」

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2023年06月27日

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摂食障害を切り口として、依存症の苦しさについて、家族の視点から描かれています。

どんなことが起きてくるのか。
どんなことが苦しかったのか。
どんなことが支えになったのか。

「ジャーナリストの仕事は問題意識がすべて」と文中にあり、私たちソーシャルワーカーもそうであると感じました。

ご自身の経験から社会問題に視野を広げられ、そこで起きていることを「他人事ではない」と紹介してくださっていて、そのことも深く胸に響きました。

ご家族への支援も、患者さん自身への支援と同じくらい大切であることを知ることのできる一冊でした。

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2023年06月13日

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依存症 考えさせられる。
他人目線で言えば本人の意思だからどうしようもない。
もし私の家族にいたら やめて欲しい、辞めさせたい、最終的に歯痒さで私自身メンタルやられてしまいそうです。
人に言えない経験や悩みが与える精神的ダメージ 難しい問題だと思いました。
著者の粘り強いサポート優しさが伝わります。

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2023年04月08日

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私はパートナーと共に生きていくという選択を、
この著者のような状況になってもしつづけることができるか。

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2023年03月29日

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精神科病棟で働いていたことがあります。この本を読んで、当時のことを思い出しました
この本に書かれている病気について、ほぼ全てかかわってきました
治療には、家族、もしくはキーパーソンの存在が何よりも大切なのですが、その存在の方が疲弊してしまい、家庭が崩壊してしまう事例を何度も見てきました
そして、同じ医療従事者からの差別と偏見
精神障害がある、精神科受診歴があるってだけで、一般科でなかなか受け入れてもらえないこと、何度も経験しています。その度にやりきれない気持ちになりましたが、今でもあまり変わっていないのですね
自傷行為を繰り返す人は、本当は生きていたいのです。死にたくなるほど、生きていたいことの裏返し

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2023年02月14日

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壮絶な戦いの本。
付き合っている最中に気づかないのかなと思ったけど、表面化しにくいからこそ、最愛の人でも気づかないんだなと最後らへん読んでて感じた。
自分だったらと思うと、こんなに寄り添えるのかと感じた。

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2023年02月05日

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壮絶な闘いの記録に圧倒された。
貧困、虐待などの「見えにくい」問題に起因する「見えにくい」精神疾患は、周囲や社会の偏見の目に晒され、さらに「隠すべきもの」として見えにくくされてしまう現状が記されていた。
自分にもアルコール依存症を患っている知人がいるので、その人はもしかしたら「快楽におぼれていた」わけではなくて「苦痛を緩和」したかったのではないか、甘えやだらしなさで歯なくて、根本的なその苦痛の原因はなんだったのかまで当時は考えが至らなかったし、周囲は「イネイブリング」をしてしまっていたのではないかと今更ながら思ってしまう。
逃げてしまいたくなるような終わらない辛さに直面し続けながらも、闘い抜いてきた二人だからこそ得られた穏やかさが最後にはあって、身勝手ながら安心してしまった。
また著者は自身のことを「伴走者でしかなかった」と言っているけれども、『どうしても頑張れない大人たち ケーキを切れない非行少年たち2』にもあったけど、なんとか食らいついてその存在であり続けようとしていることこそが、何よりの救いなんじゃないかと思った。

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2023年01月25日

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書かれるべき本だ、と思った。
虐待を発端として、のちにさまざまな精神疾患に苦しむ妻と、それを支える新聞記者である筆者。
壮絶すぎる2人の記録が、1、2時間もあれば読めてしまう厚さの本にまとめられている。
当事者でありながら、取材者としての目線も死守しつつ書かれた本書は、行間に著者の血のにじむような葛藤が見える。
しかしその、取材者という立ち位置こそが、著者を正気につなぎとめていたのではないかとも思う。

幼時の虐待経験は、その後の人生すべてを壊してしまう可能性がある。
本人だけでなく、その一番身近なひとの人生も。
そんなひどい罪が、おそらくいまも野放しになっている。

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2022年12月21日

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まず朝日新聞社の記者が書いた本なので文章が整理されており、とても読みやすく状況がリアルに想像できた。

身内のアルコール依存症、精神疾患など誰でも遭遇する可能性はある。

その対処策や気持ちの持ち方など、すごく参考になることが多かった。

問題解決のための重要な書籍であると思う。

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2022年10月15日

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赤裸々な体験談。妻の宿業を命懸けで背負う、芯を持った賢く強い著者に最敬礼。本書にはあまり描かれていないけれど、どんな状態になっても見捨てられないような、奥さんの魅力もあったのだと思う。

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2022年10月13日

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状態が悪くなっていくパートナーを支え続ける著者に『なぜ離婚しないんだろう』と思い、答えを探しながら読みました。最後まで読んでも、私には答えは分かりませんでした。ただ、タイトルは胸に迫ってきました。
きっと共倒れになる可能性だって少なくなかったでしょう。頂上がどこだか分からない、霧の中を登山するような感覚だったのではないでしょうか。──だとしたら、そんな道の途中でパートナーを放り出すことは出来なかったのかな…

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2023年08月22日

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医療行政を改めないといけません。患者をよく見てください。また、マスコミの印象誘導に注意が必要です。真実を視る!

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2023年07月23日

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【315冊目】朝日新聞記者が、奥様の精神障害とどのように寄り添ってきたか記したエッセイ。

 概要や装丁の雰囲気から、重苦しくて読み進められないことを心配していましたが杞憂でした。さすがは記者さんと言うべきか、文章は読みやすく、また、1ページに収まる文字数も少なめで、スイスイ読めてしまいました。

 では、内容が予想よりも軽かったのかというと全くの逆で、まさに「壮絶」のひとこと。
 摂食障害→幼少期の虐待判明→治療中に知人男性から性加害→解離性障害→アルコール依存症→旦那さんの適応障害→水中毒→アルコールの影響による認知症…

 次から次へと押し寄せる難題の嵐に、読んでいるだけでめまいがするよう。奥様から暴言を投げられる、深夜にベランダから飛び降りようとしないよう抱き抱える、受け入れ拒否と言われた病院に頭を下げ続ける、預金残高を確認したらゼロだった……何度も出てくるし、読みやすくさらりと書かれていますが、これを出口の見えない中で何年間もやり続けるとは、想像を絶する。

 奥様から何度も離婚を切り出されたようですが、離婚せず、そして会社員として仕事を続けて家計を支えてきた筆者は本当にすごい。私なら投げ出してると思います。

 「イネイブリング」(=アルコール依存症患者が身の回りの整理・掃除ができなくて家族等が支援すること。患者には無茶苦茶になった生活環境を直視させて回復を促すべきで、家族が掃除等を肩代わりすることは御法度とされる。)などの知識も勉強になった。当事者になる前に知れて良かった。この知識を使わない方が幸せだろうけれど汗

 そして、筆者自身も本書で謝辞を述べているけれど、ここまで壮絶な状況にある筆者を励まし、時に休暇をとらせ、時に配置転換しながらも働かせ続けた朝日新聞社すごい。朝日に限らず新聞社、新聞記者の労働環境はあまりイメージ良くないけれど、こういう人事措置も可能なんだな。

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2023年06月20日

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精神疾患の壮絶さを初めて知った。「病気のせい」「本人が一番辛い」と頭で分かっていても、実際にこのような様子を目にしたら、とても寄り添える自信はない。

本書が世に出てこれだけの反響を呼ぶにまで至ったのは、著者が新聞記者だったこと、朝日新聞社がこの著者が勤務を続けられる体制を取り続けたこと、社内で出版を勧めたこと、そして、何よりも著者の寄り添い続ける姿勢があったことに因る。

精神疾患をもつ本人とその家族の辛さ、実態を明らかにした貴重な本。一人でも多くの人がこのような事を知り、自身のものの見方を少しでも広げる事が、第一歩かと思う。

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2023年06月06日

Posted by ブクログ

終始、ヘビーな内容でドキドキしました。
でも実際に起こっている、そしてそれは誰にでも起こりうること。この本を読まなければ知らなかったことがたくさんありました。
包み隠さず体験談を綴られておられる著者に敬意を表します。

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2023年03月14日

Posted by ブクログ

凄まじい闘病記。自分なら完全に自分が壊れている。
一人の人間として、一緒に妻と病気を理解して寄り添うことができるのだろうか?と感じてしまった。
と同時に生きる力と言うものがこれまた凄まじいと言うことだ。

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2023年02月06日

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精神的病を抱えた妻を支える男性の語り。
率直な感想としては、自分が筆者の立場だったとき、相手をここまで支えることが出来るのだろうか?結婚する、家族になるとは、それほどの覚悟が必要なんだ。という気持ち。
精神科に通う人を「あんな人」と差別的扱いしてはいけないと反省したし、そういう人を支えている人に対しても理解ある行動を取れるようになりたいと思った。

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2023年01月25日

Posted by ブクログ

摂食障害がここまで悲惨なものとは知らなかった.精神障害に寄り添うことの絶望感がひしひしと伝わってくる.

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2023年01月23日

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摂食障害、アルコール依存、精神障害と夫婦の20年間は本で読む以上に過酷な日々だったと思います。人間の心は思った以上に脆いものなのだとあらためて感じ取れた。

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2022年12月12日

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現役の新聞記者が書いた、壊れゆく妻との凄絶な記録。
冒頭に「年譜」として、お二人の結婚から現在(2019年7月)までの出来事が簡単に記されているが、思わず絶句してしまう。結婚直後の数年以外は、ほとんど心休まるときがなかったのではないかと想像する。
最初は摂食障害(過食→嘔吐の繰り返し)だったが、症状はみるみる悪化し、やがて手に負えなくなっていく。治療の過程で明らかになる奥様の過去やトラウマ……。具体的には書かれていなくてもどれほどの傷だったかはわかる。
あとがきを読みながら、あふれる涙を抑えられなかった。

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2022年11月21日

Posted by ブクログ

摂食障害、アルコール依存症、認知症、次々に心と体を蝕まれていく妻と、記者として働きながら、時に自分も精神を病みながら支える夫。
投げ出さない強さはやはり愛情なのか、家族だからこその辛さ、葛藤が苦しい。
死にたい人の近くにいるのは辛い。
けれど作者は妻は生きたいから闘っていると考えている。すごい。
んでいない妻に戻るのはもう不可能なのかもしれないけれど、少しでも穏やかな日々を過ごせますように。

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2023年10月08日

Posted by ブクログ

壮絶。。
もちろん本人が1番辛いのだけど、著者の負担を思うと苦しくなる。
理解のある職場で支えることができたのが大きいんだろうなあ。
摂食障害、ボーダー、アルコール依存症、考えただけでしんどい。

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2023年07月19日

Posted by ブクログ

医療ってものすごく発達してるのかと思ってたけど、精神疾患や依存症にはまったく役に立ってない。結局は縛りつけるか薬でドロドロにするか見放すか…親からの虐待がトラウマとなり、精神的に不安定になる。周囲の目が気になりふとっているのではないかと、過食嘔吐を繰り返す。嘔吐のせいで低カリウム、栄養不足、体力低下を起こす。夫の不在や性被害でさらに精神不安定となる。病院に行くも良くならずアルコールに依存するようになる。酩酊、脳萎縮、脱水、低血糖による2日酔、肝障害、食道からの出血。さらに不安定となりリストカット、大量服薬。
壮絶すぎてあっという間に読めた。

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2023年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

淡々とした筆致で記録された壮絶な20年。妻の辛さよりも、社会的な問題よりも、2人の関係性や著者の感情、著者がここまでやることができたモチベーションのようなものについて、考え続けてしまう。
あとがきの最後「本当にありがとう。これからも共に生きようね。」の言葉に、感動すると同時に少し怖さも感じてしまった

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2023年03月20日

Posted by ブクログ

昨今、頻繁に目にする『サバイバー』の文字。
このルポルタージュで描かれる女性こそ、まさにサバイバー。

二十代から始まった摂食障害による激しい過食嘔吐、アルコール依存、大量服薬にリストカット、性暴力、精神科病院への通院と入院、果ては認知症。
この余りにも壮絶な人生、今現在、生存している事が奇跡のようだ。

親とは疎遠、頼れるのは夫のみ。その夫は朝日新聞記者として多忙な日々を送りながら、妻の介護に明け暮れる。

夫の苦悩と葛藤が伝わって来て、その心中を想い苦しくなる。

今後二人が少しでも長く平穏に暮らせる事を願って止まない。

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2023年02月18日

Posted by ブクログ

心の病を持つ人の苦しさは、それと無縁の人間にはなかなか理解出来ない。記者も書いていたが「甘やかしすぎだろ」という思いは拭えないが、好きでそうなってるわけではないことも理解は出来る。
本当に難しい…

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2023年01月22日

Posted by ブクログ

1日で読み終えてしまう量なのに、内容は1日では消化できない量でした。今考えるべきは、精神病や障害、依存症を持つ家族の方にかける言葉ではなくて、その方たちのへ環境だったり制度・法の整備、そして理解なのかなと感じた3.6

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2022年10月06日

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