【感想・ネタバレ】嘘の木のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・あらすじ
19世紀英国舞台のフーダニットミステリーでもありファンタジーでもあり、ジュブナイルもの。

19世紀英国、フェイスは高名な考古学者である父親の仕事の都合でとある島に移住。
大人しく目立たない存在であろうとするフェイスは、尊敬する父親の秘密と嘘と罪が暴かれるごとにその殻を破って、父親を殺した犯人を突き止めていく。また父親が隠し殺される原因となった嘘を食べて育つ木の正体は…?

・感想
殺人事件が起こるまでは19世紀の厳格な家父長制描写とか主人公が父親を神の如く盲信してたりちょっとイライラもどかしく思いながら読んでたけど、父親が死んでから父親の呪縛と呪いから開放され殻を脱ぎ捨てたフェイスと母親の描写がすごく良かった…。
①フーダニットミステリー②嘘の木をめぐるファンタジー③時代故の価値観に苦しめられるフェイスの成長譚という3つの属性がきれいに一つの作品を織り上げていて読み応え抜群

とても面白かった 。

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2024年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初のフランシス・ハーディング。
児童文学賞とか嘘やん笑、と言いたくなるほどがっつりミステリ。

序盤は主人公のフェイスに襲いかかる苦難が読んでいて辛くて辛くて。
19世紀のイギリスという時代背景も含め、女性がとことん生き辛い世の中、父の捏造の噂からの死。自殺で処理されると埋葬もできない、加えて後半判明するが資産相続もできないため、これから生きていくためには、父は殺されたのだという証明=犯人探しが必要となる。
このあたり、中盤以降に登場する「嘘の木」の性質をうまく利用し、フェイスが島の裏で暗躍する段になってからがかなり読み応えが良くなった印象。児童文学としていいかどうかは置いといて笑
犯人に至るまでの過程も見事。伏線がうまく張られていた。

帯にもあったが、終盤の親娘の会話も良かった。
19世紀の女性の闘い方で家族を守ろうとした母親、新しい時代を切り開こうとした娘。どっちも正しいよなぁと。

評判どおりの面白さで、次作も楽しみ。

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2022年12月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

19世紀英国。女性の立場は低く、学問を志すことも自立した生き方も許されず、ただ貞淑で家庭にいることを強いられていた時代。まさに子供から女になろうとする14歳のフェイスが、知恵と勇気をふるい多くの束縛や困難を乗り越えて真実を追い求めるミステリー。
高名な学者であり畏れつつも敬愛していた父が殺され、その汚名をすすぎ犯人を見つけるために奮闘するのだが、高潔と信じていた父が実はそうではなかったという皮肉。
それに対し、美しく着飾り男に媚を売ってばかりの母を軽蔑していたのに、それが家庭を守るための母なりの闘いだったのだと知り、終盤で母娘がお互いを認め合うシーンが良かった。
自分の信念(faith)を持って闘う少女は、女が自由に生きられる新しい時代を切り拓いてゆくに違いない。

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2024年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ


これ、児童文学?

幻想に入り込むのは難しく、カタカナ名で誰が誰だかわからなくなったが、読後の不思議な満足感はなんだろうか。

単に父親殺しの犯人を探し出す…のがテーマではなく、この時代の限られた女性の生き方が語られていることに、心を奪われた。

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2022年07月28日

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