【感想・ネタバレ】短歌の時間のレビュー

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Posted by ブクログ

胸がキュンとしたり、幻想的な風景にじーんときたり……やっぱり短歌は様々な感情を味わえるな~いいなあと思った。たった一文字でも様々な発想の膨らませ方があり、勉強になる✨イラストもすごくかわいい…東直子さんって歌人であり作家でありイラストレーターでもあるのか。すごい。

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2023年06月10日

Posted by ブクログ

公募ガイドの選歌欄「短歌の時間」のオムニバスですね。
メメさんの本棚登録で知りました。とても素敵な本です。メメさん、ありがとうございました。
雑誌『公募ガイド』連載「東直子の短歌の時間」(2015年4月号~2021年10月号)を纏められた一冊です。七十九のお題で、特選一首、秀逸二首、佳作六首。それぞれに[評]を添えて、[全体評]でまとめ。エッセイのような短歌についてのコラムが寄せられています。
 とてもおしゃれで、東さんのイラストも味わい深く華を添えています。
 東さんの短歌も私には馴染みやすいのですが、文章も柔らかく親しみやすく、短歌の選も共感を呼ぶものでした。ちょっと嬉しい本です。

 やわらかく続いている息、白い息、
   飛ぶためにある冬のあおぞら    えむ

 コンパスの針刺さってる紙の上
   静かな円の道があふれる     れもん

 はるはると二回唱えて春を待つ
  遥かに彼方の、チハルのために  睦月くらげ

 姉さんの顔をつけない平泳ぎ
   ただそれだけの春のいちにち   えむ

 夜の野に鈴を鳴らせば透きとおる
   星をならしてくださるあなた  月館桜夜子

 海の泡、泡に写れるひるの月に
   やはらかき木のいかりをおろす  塚本邦雄

 てのひらに てのひらをおくほつほつと
   小さなほのお ともれば眠る   東 直子

 巻貝の眠りの中に入り込み
   思い出すのよボタンの在りか    水鳥

 ときにあなた、砂とは美しいものね
   さくりさくりと沈んでゆきぬ   東 直子

 朝よりもやさしい夜の鞄かな
   横抱きにしてバスに眠れば    小島なお

 さよなら、と螺旋階段の重心に
   シュークリームを投げ込めば冬  青山 蛹

 あかるいと言われるたびに胸にある
   八百屋に並ぶ枇杷六つ入り    工藤玲音

 迷いつつ空を目指していく樫の
   履歴をたどって登る子供ら   有村鹿乃子

 投稿短歌とコラムの中の気に入った短歌を選んでみました。あくまでも私の好みです。
 本の装丁も良く、お気に入りの本ですね。
  

   

 

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

鳥、窓、恋人、袋、ロボット、宇宙、スポーツなど、様々な言葉を「題」にした「題詠」と、その言葉から連想される世界を描いた「テーマ詠」を掲載。エッセイや短歌についてのコラムも収録。『公募ガイド』連載を加筆し書籍化。

様々な発想の広さに驚き。

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2022年06月03日

Posted by ブクログ

東直子(1963年~)氏は、広島県生まれ、神戸女学院大学家政学部卒の歌人・小説家・イラストレーター。歌人集団「かばん」所属。歌壇賞(1996年)、坪田譲治文学賞(2016年)受賞。NHK短歌選者。歌壇賞、角川短歌賞選考委員。歌人としてのデビューは遅いが、俵万智、穂村弘(共に1962年生まれ)と同世代である。
本書は、公募ガイド社の雑誌「公募ガイド」(現在季刊)に2015~21年に連載された「短歌の時間」の入選作をまとめたもの。掲載されているのは、79の題またはテーマについて各9首(雑誌掲載時は15首)で、計711首。また、各1頁のコラム54篇も加えられている。
私は1年ほど前から歌を詠み始め、新聞歌壇に投稿しているのだが(複数回の入選もある)、これまで、穂村弘、俵万智、東直子、木下龍也、岡野大嗣、枡野浩一、九螺ささら等の歌集や短歌入門書、現代歌人のアンソロジーを読んできた。
本書のような、短歌投稿の入選作をまとめたものでは、『短歌ください』、『短歌ください 明日でイエスは2010才篇』(ともに、穂村弘の雑誌「ダ・ヴィンチ」の連載を書籍化したもの)を読んだが、正直なところ、50を過ぎた私には、「短歌ください」の入選作は感覚の違いが大きく(本書での東氏の言葉を借りれば、私には「新鮮」過ぎるということか。。。)、それに比べると、本書の入選作は、(もちろん、素晴らしい歌ばかりだが)自分の感覚で付いていけそうなものも多く、作歌のヒントになりそうな気がした。
また、54のコラムもとても参考になった。例えば、「こんなの自分だけしか考えていないかも、と引いてしまわず、その点を思い切って主張するように表現するといい」、「短歌を読むときの速度を落としたいときはひらがなを多く使い、早めたいときは漢字を多用します」、「ネガティブな部分とポジティブな部分の両面があることによって、気持ちに揺らぎが生まれ、そこに新たな情感を含む詩が立ち上がってくる」、「詩歌の言葉は、実は少し、あるいは大分、不親切な方がいい・・・一体、何が起こったか分からない、知りたい-。この「知りたい」と思わせる部分に、詩としての広がりがある」、「いったん覚えた言葉の知識を忘れて新たに自分の言葉でそれを表現する、つまり言葉を異化することで自分の表現が見つかることもある」等々。
尚、本書では、(後に?)歌集を出す、九螺ささら、五十子尚夏、木下侑介、toron*らの歌が、繰り返し選ばれている。(私が現在投稿している日経歌壇の常連、風花雫、芍薬、各氏も多数選ばれている)
(2022年5月)

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2022年05月09日

Posted by ブクログ

歌人・作家・イラストレーターの東直子さんが、雑誌『公募ガイド』に連載された「東直子の短歌の時間」(2015年4月〜2021年10月号)に一部加筆、修正をしてまとめられたものになります。

東さん自身も、短歌をはじめられたのは雑誌の短歌の公募欄だったということで、「自分の作品が選ばれたこと。そこに込めた心をよんでもらえたこと。それは、この世の片隅で生きている自分と社会とがつながったと実感した一瞬でもありました。」とあります。選出にあたってはその責任の重さ、残酷さも痛感されたと。誌面の都合上、特選、秀逸、佳作とありますが、それが絶対のものではなく、「私はこの歌の方が好きだな、私はこう読む、などと、好きに読んでくださって大丈夫です。」とあります。
自由に愉しむことを、後押ししていただけた気がします。

毎月「題」が設定され、必ずその言葉を短歌に詠み込む「題詠」と、その言葉から連想される世界を描く「テーマ詠」を交互に出題されています。
少しだけご紹介させてください。

《テーマ詠 数字》
睦月くらげさん
「はるはると二回唱えて春を待つ
  遥か彼方のチハルのために」

九螺ささらさん
「目を閉じる目を開ける次は閉じている
  二進法にてまばたきはつづく」

数字というテーマも面白いし、睦月くらげさんのリズム感のあるはるの並びが可愛らしくて、九螺ささらさんのまばたきが二進法という点がユニークで好きです。

短歌に全く詳しくない私ですが、投稿された作品の感情を現す言葉のチカラやリズムに驚き、魅了されたり、様々な感情をいただきました。
ありがとうございました。

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2024年05月08日

Posted by ブクログ

学生のときに少しの期間
投稿していたときがあったけど、
いい!って思うものができる
ことなんてそうそうなくて。
さすが皆さんすごい上手でした。
常連さんが結構おられました。
さっきもこの方のだったなみたいな。

どんな人が詠んだんだろう、
どんな人か見たいなと思いながら
読みました。
表現が素敵だったり、切なくなったり
そのシーンが浮かぶような描写
だったり、勝手に場面を想像したり。
こんな短い文で伝えられる
能力に感嘆!

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2022年09月10日

Posted by ブクログ

夏休み⑤
東さんはひとえに、(共感)と(発見)を短歌に求めているのだなぁ、シンプルでわかりやすいと感じた。
わたしは、やっぱ下の句でばーんと撃たれるようなギャップがある歌がすきだなあ。

目の中に光る氷を射抜かれて崩れてしまう私、もう水/真篠未成
ごみ袋 そこに詰まっているものはすべて等しくゴミとする神/菊池優花
球体のどこを斬っても丸になる あなたは恋をしているのです/五十子尚夏
お日様に敬礼をする人々をつぎつぎと産み出す地下通路/寺井奈緒美

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2022年07月28日

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