【感想・ネタバレ】川端康成と女たちのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2022年10月に川端康成の再読を始めたとき、結構長いマラソンになりそうだから、中間地点としてこの本を読もうと考え、目次に現れている本を搔き集めた。

ところへ作者が、津原泰水に対する中傷に近い文章をブログにアップした。
私は作者の下劣な品性を心底から軽蔑することになった。
もとより新書の「性と愛の日本語講座」、「日本人のための世界史入門」、
「文學界」で「ヌエのいた家」や「東十条の女」を読んだくらいの読者。
積読に「『こころ』は本当に名作か」「純文学とは何か」が控えているが。
おそらく「歯に衣着せぬ」と戦略的に取ってきたセルフイメージに、ブログやSNSで内側から食われているのだろう。
無頼と劣等意識とポジショントークとで訴訟馬鹿に。
この人はSNSは辞めたほうがいい。

と、思うが、川端初心者にはこの本は結構面白かった。
「川端康成伝 双面の人」「川端康成 詳細年譜」の落穂拾い、いや、それこそ新書にぴったりの初心者向け「小谷野敦、川端康成を放談する」みたいなコンセプト。
ものすごく面白いブログ記事のよう。褒めてる。
作者が川端を「信奉まではしていない」というスタンスが、面白さを引き出している。
また「魔界」だとか「旅人」といった川端評論のジャーゴンから距離を取っているのも、よい。
作品論とゴシップの間を縫う、雅俗の間を行き来する、とても面白い文章だと思う。

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2022年12月14日

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