【感想・ネタバレ】心にナイフをしのばせてのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

2018年初読み。
現実はお話よりも奇なりとはまさにこれ。
残された家族、妹さんとお父さんがすい臓がんに侵されたところは涙涙。
お母さんのもろさと、お父さんも妹さんも怒りやその他の感情のぶつけどころがないために、もし、日本にも被害者家族の心のケアが国から手当されていれば全然心と体の在りようが違ったのになと2018年に思う。
もし今、こういう事件があったなら被害者家族の心のケアはどうなるのかな…と気になるところです。

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2018年01月06日

Posted by ブクログ

先日、川崎市で起きた中学生殺人事件の犯人は18歳の少年。彼は少年法によってプライバシーを保護され、国家による無償教育を受けて、数年後に社会復帰する。そして、どんな償いをしたのか、どのように復帰するのかは、社会にも被害者遺族にも明らかにされることがない。

少年による凶悪犯罪が起こるたび、日本の少年法が被害者側の救済と加害者の更生に役に立っているのかが議論される。その参考となるのが、1969年に起きた高校生による同級生殺人事件の被害者、加害者側の30年後を追った本書。

結論を言えば、加害者少年から遺族への謝罪はなく、少年の親も金銭的賠償を途中で放棄する。そして、少年は社会復帰し、結婚し、弁護士となる。著者と被害者遺族はその弁護士と連絡をとるが、謝罪の言葉どころか暴言を浴びせられる。

殺人を犯した少年が、「更生」し、弁護士になる。これこそ、まさに少年法の目的を充分に達成したケースなのか。「更生」には罪の意識を持つことは含まれないらしい。

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2015年03月10日

Posted by ブクログ

足を踏んだ方は忘れることはある
しかし
足を踏まれた方は決して忘れられない
ましてや
ひとつしかない「命」である場合
その 苦しみ 痛み は
想像を絶するものがあるだろう

一度きりしかない「生命」
を 理不尽な「死」
それも「殺人」という形で
奪われてしまった遺族に
ここまで 寄り添って
書き上げてくださった
奥野さんに頭が下がる
本当に尊い仕事をされたのだ
と 思う

読み進めているだけで
重くて切なくて
途中で投げ出したくなるけれど
今 私たちが生きている
この世の中に 実際に起きていること

読んだ私ができることは
次の読者に手渡すこと

決して忘れてはならないこと
が ここにある

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2014年11月25日

Posted by ブクログ

被害者遺族の話。加害者が国から保護を受け前科もつかず普通に生きていて、被害者家族がずっと苦しめられる。心が痛くなって、ところどころ休憩をしながらでないと読めなかった。

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2023年10月24日

Posted by ブクログ

「被害者(遺族)は証拠に過ぎない。」本当にそうだ。それなのに驚いた。加害者を更生させるためのお金は国が出すのに、被害者には何もない。この国の法律がガバガバ過ぎて怖い。未成年の犯罪も前科扱いにしてほしい。前歴なんて機能してない。

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2022年12月09日

Posted by ブクログ

被害者遺族の話。
被害者側の話がほとんどで加害者の話は触れる程度しかなく珍しく感じた。残された家族や知人、友人、それぞれの葛藤や苦悩が、宗教や自傷に縋る場面が生々しい。ニュースで事件や事故をみると遺族が報われたらいい、加害者には少しでも重い刑を…と感じることは多々あったがこの本を読んでそんな考えはおこがましい。事件を表面でしか知らない者の自己満足な発想なのかなと思った。きっと自分には計り知れない思いがあるんだろうと思う。

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2022年10月17日

Posted by ブクログ

少年法について考えさせられる本。加害者が被害者よりもいい生活を送れるかもしれないっていうのはやっぱりなんか心情的にどうかと思ってしまう、不幸になれって言う訳じゃないけど。それはやっぱり被害者に赦しを得てから、だと思う。

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2022年06月20日

Posted by ブクログ

犯罪被害者の家族の話でした。少年犯罪が起きるたびに議論になりますが、加害者の権利が守られるが被害者の情報などはいつもつまびらかにされます。この本を読んで、被害者の家族もやはり守られていないなと思いました。心にナイフを忍ばせているのは被害者の家族でした。

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2021年09月18日

Posted by ブクログ

こわいこわい。少年Aって人間を野菜に例えて有名だけど、その心を考える。野菜って当然自分以下だけど、調理によってはうまいんじゃね?栄養あるしさってかんじかね。わからんでもない。しかし、ダメだろ。自惚れにもほどがある。

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2021年07月26日

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本書でも酒鬼薔薇聖斗と比較してますが、同級生同士の殺しなのでもう少し両者の言い分と、学校自体に焦点を当ててもよかったのでは?と思いますが、とりあえず随分前とは言えど痛ましい内容ですね。。

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2018年01月04日

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殺人事件の被害者家族のその後を追ったヒストリー。いかに事件の衝撃が10年後、20年後、半世紀たっても事件に翻弄されるのか、深い衝撃を感じた。心の傷をフォローに対応できる体制が社会にはなく、傷を抱えたまま暮らしていくことの残酷さを顕わにしていると思う。被害者の妹さんの「常識的な対応が、必ずしも心でこもったものとは限らないし、むしろそうではないことが多い」という言葉は、厳しい現実とともに歩んできたからこそ絞り出される見解だと感じた。

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2017年12月03日

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大切な家族を、ある日突然誰かに殺されてしまったら。
こういう想像を、軽くでなく真剣に我が事として考えてみるひとはいないだろうと思う。
ひとは、殺人事件になど巻き込まれないと根拠もなく思い込んでいる。わたしを含めて。

本書は、高校生になった少年が同級生に無残に殺された事件の被害者を丁寧に取材して書かれた一冊だ。
こういった事件が起きると、わたしたちの関心は加害者の心情や背景にばかり行きがちだ。
そういったものを知ることにより、自分や自分の関係者が加害者にならない術を見つけたい。わたしはそう思うことと、単純な好奇心から事件を扱うルポルタージュをよく読む。
でも結局いつも、加害者の心情を知っても理解が出来たことなどまず無い。
例えば誰かに絡まれて、振りほどいた手が強すぎたためか相手が転倒して頭を打って死んだ。
こういった偶発的な殺人事件なら、どっちが被害者だかわからないということなどから加害者の気持ちも理解しやすい。
しかし、はなから殺すつもり、それも恨みとかいったものでなく単に殺したいからという理由で殺人を犯せる人間の気持ちなど理解出来るわけがない。理解出来たときは、きっと自分も同じことをしているだろうから。

本書で扱うのは加害者側でなく、被害者遺族だ。
ここに本書を読んでおいたほうがいいと言える価値がある。
殺された少年はとてもいい子で、といった被害者賛美で終わるのでなく、遺された家族の終わることのない苦しみが描かれていることが大切だ。
事件を報道によって知った人間が、事件のことを忘れてしまっても被害者の苦しみは形を変えながらつづく。
本書で扱うように、加害者が少年なら尚更悲惨なことだろう。
僅か数年で加害者は何も無かった顔で社会に戻ってしまう。更生したということにされて。

更生は、目に見えるものではないし、数値で表されるものでもない、試験もないのに何を基準に判断するのだろう。
被害者遺族に、更生を認めますと決める権利もない。
制度ありきの日本のやり方は、被害者遺族に皺がより過ぎている。

本書は、司法にも一石を投じた一冊だ。
ルポルタージュなら中立であることが前提だとは思うが、亡くなったひとは言い訳も出来ないのだから、どちらかに比重を置くなら被害者側だろうと思う。
加害者の更生や社会復帰といった過剰な人権保護ばかりで、被害者遺族は置き去りという我が国の状況を僅かながらでも改善させるきっかけを作った。
ひとを殺した人間には手厚く保護をするのに、殺された側の人間は勝手に乗り越えろということには憤りしかない。
わたしは最近になって本書の存在を知ったのだが、ひとりでも多くのひとに読んでもらい、被害者遺族の気持ちを忖度することから始めてもらえたらと思う。

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2015年09月06日

Posted by ブクログ

最後まで読み、怒りを憶えました。
少年法が以前と変わったといえ、いまだに被害者より加害者の更生のために、たくさんのお金が使われています。名前も報道されず、時期がくれば名前を変え、社会に戻ってきます。
被害者家族のやりきれない気持ちはどこにいけばよいのでしょうか。
この本の中では、被害者家族達はこの事件の後に崩れていきます。
その保障も支援もされないのが現実なんですね。
偉い人達には、少年Aは更生したと思われているんでしょうね。被害者側からの目線ですがもし更生していたらあの言葉は出てこないですよね。

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2015年02月11日

Posted by ブクログ

酒鬼薔薇事件に似た類の事件が他にもあったとは。しかも過去。

おそろしい話。
少年法って何なんだ
少年Aどんな神経してんだ

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2013年02月23日

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被害児童のご家族の生き様が事細かく書かれていて胸が苦しくなりました。
どんなことがあろうと殺人だけは絶対にしてはいけないと心底思います。
そして、この加害児童が本当に憎いです。
また、マスコミについても考えさせられました。

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2013年02月09日

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酒鬼薔薇事件の何年も前に類似した残酷な事件があったことには驚いた。そしてまた少年Aの心理がまったくもって理解不可能。
少年法、被害者家族へのあまりのケアの無さについて深く考えさせられる。読後も少年Aへの怒りはおさまらない。

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2013年01月17日

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いろんな人間関係(犯人と家族、両親と娘、記者と家族)が一つ一つすごく生々しく書かれている。
犯人を恨みはじめたらおわりというような感覚は、分かるようできっと遺族の方にしか分からないんだろうな

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2023年12月30日

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1969年高校生首切り殺人事件という、実在する少年犯罪の被害者遺族にスポットを当てたルポタージュ。
この本の出版後、犯罪被害者支援制度を変える契機になったとの事。

欠陥だらけの法律である少年法を振りかざし、加害者の更正に力を注ぐよりも、命も未来も日常も奪われてしまった被害者遺族の人権を損なう事なく、心のケアに重きを置いてほしいと願う。
本当に守られるべきものは何かを、今一度深く考えていきたい。

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2021年09月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんとも言えない気持ち。
被害者の無念はもちろん、被害者家族がこんなにも人生が変わってしまうのかという、やるせなさ。

加害者Aは、何もなかったように人生をやり直していることと対照的すぎて憤る。

少年法への疑問。

出版された本を読んで、初めて被害者の人生や気持ちが理解できたと、Aから謝罪したい旨の連絡があったようだが、それは真意なのか。

あとがき被害者の母親の手記より
『人はそんなに簡単に変われるのか』
本当に、そう思う。

********
事件の真相が本当の意味で明らかになっていないので(Aからの一方的な供述しかないので)、なぜ事件が起きてしまったのかは分からないまま。
同時に、理由が分からないから、自分にも自分の家族にも起こりうることとも思ってしまう。
我が子が、被害者に。加害者に。
あり得ないことではないと頭の片隅において、責任と愛情をもって、子育てしていきたい。
********

やるせなさ過ぎて、評価は3。
再読は無いかな。。。

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2020年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯罪被害者家族のその後、法律では及ばない被害者の救済を考えさせられる。
被害者家族の苦悩と、加害者の成功が比較され、理不尽さが強調されているが、冷静に考えたい。

・被害者家族の苦悩は、何も少年犯罪だけではなく、その他の凶悪犯罪にも言えること。本著は、少年法について問題提起しているのではなく、犯罪被害者支援について問題提起している。
・加害者側のその後、加害者の考えや人生についても取材してほしかった。加害者が社会的制裁をあまり受けず、むしろ保護された中で弁護士として成功しているのは、少年法の成功例ではないか。加害者の主張も聞いてみたい。”なぜ謝罪がないのか。””あの事件について今どう考えているのか。”
・後半、被害者家族と加害者が接触することになるが、これに関する著者の行動は正しいのか?

それでも、被害者家族の苦悩を考えると、罰は足りているのか、救済は足りているのか、と釈然としない。
裁判が行われ、判決が出た段階で、世間的には事件は終結しているように思われてしまうが、当事者の中ではずっと続いているということに気付いた。
判決の効果・妥当性を考えるうえでも、このようにその後を取材する意義は大きい。

『とりわけ驚いたのは、母娘そろって、加害者を恨んだことがなかったと言ったことである。恨まなかったのは、自分たちの家族を回復させ、本来の姿を取り戻すことに精一杯で、加害者を恨む余裕がなかったためだと~』

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2020年07月25日

Posted by ブクログ

1969年に起きた高校生首切り殺人事件を長年の追跡調査によって明らかにしたルポ。一部、著者への批判があるものの、犯罪被害者等の心情を赤裸々にする。いじめ、更生、レジリエンス...。言い切れない事の重大さ。少年Aはその後、弁護士として活躍するもこの著書によって消息不明に...。自身が当事者となった時に迫られる決断。そう簡単に答えなど出せないが、考え、行動し続けるしかない...。

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2020年04月04日

Posted by ブクログ

108円で購入本。

こちらサカキバラ君ばりの連続殺人者の被害者の遺族の家族のルポタージュでした。

加害者の家族の話や、犯人のその後の話などはよくフィクションでもあったりするけど、被害者遺族のその後はなかなかないなと読んでて思う。

プラス、ものすごい大変なんだなと。残された人間のその後。すごい傷を負って生活してる。むしろそんなことした連続殺人者が14歳だったことで、更生施設で更生したうえで弁護士になって金儲けしてる。ってことにもびっくりした。

しかも、殺した相手に払う慰謝料?なども滞納したりとか。。。。金じゃないだろうけど、だけど、だけど、最低限の約束は果たすべきだよね。
帰ってこないけど、なんだかとてもとても腑に落ちない法律ばかりなんだな。と改めて思う一冊でした。ノンフィクションです。

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2015年08月05日

Posted by ブクログ

「28年前の酒鬼薔薇」サレジオ高校生首切り殺人事件を追ったノンフィクション。

加害少年の更生が優先された時代、遺族達は捨て置かれ、家族を惨殺された傷を癒す術もなく自分達でお互いを支え合わなければいけなかった。
読むのが苦しくて、苦しくて。家族が殺されるって事がどれだけのものを壊すのか。感情を殺して、犯人への憎悪に苦しんで…遺族は死ぬまで苦しめられるんですね。犯人少年は慰謝料を踏み倒し、弁護士になり、事務所前には殺人現場と同じツツジが植えられていたって…ぞっとした。
装画:Akiko

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2015年05月31日

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ネタバレ

今から46年前に起きた酒鬼薔薇事件的な内容の事件のルポタージュ。残忍な手口で同級生である被害者を切りつけ、首を切断。そして、自らも傷を負うという偽装工作までやってのけ、反省の色が現在も無い。そんな、元少年Aが弁護士をしているという事実に驚きを隠せない。人を残忍な手口で殺めた人間が弁護士とは我が国の少年法の甘さに憤りを感じる。被害者1人の人生だけでなく、被害者家族の人生をも狂わせておきながら、のうのうと暮らす、元少年Aは畜生以下である。

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2015年03月27日

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東名高速川崎インター 田園都市線鷺沼駅サバイバルナイフ 丹沢山 世田谷区カトリック喜多見教会 サレジオ高校 浅間山荘 渓流釣り 宅間守多摩川に飛び込みます 睡眠薬 胃を洗浄 生贄 目黒 南武線で国立 天国 後悔が毒に 山梨県身延山 反撥はんぱつ 墨田区向島 ボクサー犬ちょうさん 仔猫ちんぺいアリス 田中角栄 日本列島改造論 武蔵溝ノ口のケーキ屋でバイト スケバン 学生鞄にお湯をかけてぺったんこにするのが流行った 経理担当の総務部長 狛江市 増水した多摩川 山田太一 岸辺のアルバム 製菓学校 登戸の喫茶店 サイフォン ブルーマウンテン つり人 山と渓谷 はにかんだような笑顔 山梨の従兄弟の自死 リストカット 猛烈な痛みで、心の中がすっきりするのは、体験した人でないとわからない バイクで走り回る キーセン韓国の風俗嬢にあたる 武蔵野市 弁護士 離婚 少年法 ツツジ畑でクビチョンパ 精神分裂病 14歳が一番危ない モノローグ独白フランス語

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2015年02月21日

Posted by ブクログ

神戸の「酒鬼薔薇」事件の28年前に起こっていた類似事件。
被害者と加害者の少年は同級生だった。
事件後の被害者家族の人生を取材した本書は、被害者側は何の保証もなく守られることもなく、ただ過去に苦しめられて生きてきたことが綴られている。
一方、加害者の少年は少年法に守られ、弁護士になっていたという。
これは法制度を考え直すきっかけになったという。

2014.7.23

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2014年07月24日

Posted by ブクログ

被害者の家族に焦点を当てたノンフィクション。
加害者の更生とはなにか。
被害者の家族は、加害者を恨めるほど心に余裕がない。
大切な人を失ったこと、それだけでもう十分だ。

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2014年07月16日

Posted by ブクログ

個人的には、人を殺したならば殺したのと同じ方法でそいつも死ねばいいと思っている。しかしやむを得ずということも世には存在するだろうし、更正のチャンスを永遠に奪ってもよいのかという問いにわたしは答えを出せない。というかそもそも「やむを得ず」とか「更正」とか、誰が、何をもってそう判断するのだろう。結局、人間って怖いね、どうにもならないこともあるのさ、という薄っぺらい感想になる自分の馬鹿さが悲しい。

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2014年01月18日

Posted by ブクログ

「心にナイフをしのばせて」とは、てっきり加害者の言葉だと思ってたけど、そうか、そういうことね。
思いがけず比較的近所で起こった事件だったのでびっくり。当時は大変な騒ぎだっただろうな。

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2019年05月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ノンフィクションであるが故に何がどう事実なのか、知りたい確認したいという思いで最後まで読みました。
読んだ後に、色々と考えざるを得な一冊でした。事実に対する恐怖や矛盾と、鑑定書の引用について、そして国家の手続きに従ったもののこの本の出版という存在があることで想像される加害者の人生について。

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2013年07月24日

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