【感想・ネタバレ】漱石山房の人々のレビュー

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Posted by ブクログ

筆者の主観とはいえ、夏目漱石の周辺や没後の弟子たちの相克が赤裸々にされていて、野次馬としては面白かった。
私信をさらけ出すのはどうかという気がしないでもないが、自然科学でフラットな討議をするのと同様なことなのだろうか。私は理系なので、そこらへんがよくわからない。しかし、兎にも角にも、後世には役立っている

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2022年09月10日

Posted by ブクログ

 久し振りに漱石関係、しかも漱石山房関係者の本を読む。著者、林原耕三という名前は知らなかった。著者によると、明治40年から大正5年先生(漱石)が亡くなられた時まで、10年間漱石山房に出入りしたとのことである。
 漱石との関係は、漱石からもらった手紙に良く現れている。漱石は著者の学生時代の保証人にもなっていたようで、漱石は著者の学費等の金銭的な心配や奨学金の給付にも手を尽くしていた。師漱石に対する著者の敬愛の念は深い。
 それだけに、漱石を巡っての鏡子夫人との確執や、兄弟子、先輩同輩との関係にも難しいものがある。漱石全集の校正に関するイザコザを読むと、それぞれの言い分があるのだろうが、著者のあまりの一途さが周りとの軋轢を生んだのかもしれないと思う。

 なお、本書第三部では、直接山房の人々ではないが、著者の記憶に残った人たちについての文章も収められている。素木しづ子という人から著者への書簡が載せられているが、一体どんな関係だったのだろうか。最後は絶交の手紙が来たとある。(ただし、その手紙のみは掲載されていない)


 しかし、時代もあるのだろうが、文学者の間のこととは言え、やり取りした手紙を公表されてしまうというのは厳しいものだ。

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2022年02月14日

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