【感想・ネタバレ】新訂 徒然草のレビュー

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Posted by ブクログ

吉田兼好@tsuredure_bot1さんのツイートに触発されて、読んでみた。もう最高。もちろん、高校の授業でも読んでるんだけれど、こんなに面白い本だとは知らなかった。
人間って、兼好法師の時代からちっとも変わってないんだということがよくわかる。それは、ちっとも賢くなってない、ということだけじゃなくて、賢い人もちゃんといていろんなことがわかっているのに、それが人々の間で共有されてない、というところも一緒。迷信で人々が右往左往するのとか、今と何も違わない。そして、それを「愚かな」と思う人はすでにあの時代からいたんだよ。びっくりだよ。1000年経っても何も変わらない。本当に人間ってバカだね。

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2017年05月24日

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古紙回収待ちの山から救出した物。本格的に始めるまでに、かなりの段、気の向くまま拾い読みしてきた。そのようにして尚、度毎得る処のきっとあるのが先ず佳い。
編者は此の草を上下の二段に分けて解釈する。上は三十路、やや間をおいて下は四十路の身空が為したもの、という次第。指摘されてみると確かに境地に変化は明らかだ:上では主に人間(時に個人)についての考察がされるのに対して、下では何歩も引き視野が広がり、人間を含めた世界全体が度々俯瞰される。今私が読むならやはり下段の方に、より自己の言葉を見出して愉しい。
だが著した者は愉快のみで世界を俯瞰したのでもなかろう。やはり今の私に重ねるなら、“私” を離れ自己をも世界のグラデイションに塗り込め眺める時、そこには救いにも似た安息が迎え待っている。遁世も長くなり齢積んだ法師にも、去私の安寧が感得されたのかも知れない。

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2013年06月04日

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日本語、そして著者の思想の奥深さを感じる。何年、何十年、何百年経とうとも、人の心というのはそうは変わらないのだなぁ、と感慨深い気持ちになった。考えさせられるところが多く、一度読むだけでは到底理解が及ばない。

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2012年01月15日

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自分が持っているのは,まだ以前のもの。検索ヒットしなかったのでこちらで選択。
古文の教材としてのイメージが強いが,本来はもっと愛されるべき書物だと思う。
美しい日本語に会いたい時に・・・

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2009年10月04日

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桜は満開だけを見るものではない。花咲く前の桜のつぼみの枝、散った後の花びらが残る庭にも趣がある。月は満月だけを見るものではない。雨の空に隠れた月にも趣がある。

手紙を書くとき、字が下手でも、代筆なんてさせず、自分の文字で遠慮なく伸び伸びと書け。▼何かを身に着けたいなら、笑われてもいいから、下手なうちから上級者の間に混じって平然と練習せよ。きっと上手になる。

人を木に登らせて枝を切らせる時、木に登った人が高い場所の枝を切っている時には何も言わず、作業が終わり降りてきて軒先の高さくらいになったとき、下から「注意して降りろ」と声をかけよ。人は高くて危ない場所では恐怖心から自ずと注意するが、下まで降りてきて安心した途端、足を踏み外す。

石清水(いわしみず)八幡宮を拝みたいと思っていた仁和寺(にんなじ)の僧。ある時、ついに参詣(さんけい)。しかし石清水八幡宮の山の麓(ふもと)にある極楽寺と高良(こうら)神社を拝んで、「石清水八幡宮はこれだけ」と勘違いして帰ってしまった。僧は仲間に言う、「石清水八幡宮は聞きしに勝る貴さでした。にしても参拝者が皆、山へ登って行ったのは何だったのでしょうか」。ちょっとしたことにも、その道の先導者はあってほしいものだ。

筆を手にすれば自然に書き始め、楽器を手にすれば音を出したいと思う。盃を手にすればお酒が飲みたくなる。心はそれに関連したものについて動く。仮にでもよくない遊びをしてはいけない。外面に現れた言動と、内面の真理は合致している。言動が正しければ、心も正しいものとなる。

生を楽しんでいない人は、死が近いことを忘れている。

吉田兼好『徒然草』
※鎌倉時代。随筆/エッセー

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2023年06月24日

Posted by ブクログ

2016.1記。

初めて通読。
これはまさしく昔のツイッターというかSNSみたいなものだな、と。もちろんリアルタイムで回覧されていたということではないだろうが、一言言わないと「腹ふくるる」ことを書かずにはいられない、という感じ。

読む前はもっと仏教思想に裏付けられた静かな心境を語っているのかと思ったがそうでもない。きらきらネーム考(むかしから奇をてらった名前をつける、という風潮はあったんですね)、「モテる男論」、「意識高い系って疲れる」話など、読んでいると今も昔もほんとかわらないし、「なんだよ、結局世の中のこと気になってしょうがないんじゃん」という感じで笑える。ツイッターがこの時代にあったら、兼好法師は絶対小うるさかったはず。

一方で、やはり時代を超えてなるほどな、と思うことも多々書いてある。「充実した人生を生きるスキル(医術、武術(つまりは修練)、料理)」とかはさすが。また、六曜などの迷信について「今日はうまくいく日です、などというのは人生が連続したものであることを分かっていない」と批判する視点はやはりはっとさせられる。何より心を打たれるのはその死生観だろう。「死は突然訪れる。それはあたかも(…中略)沖の干潟が遥かに隔たっているように見えながら、いつのまにか磯から潮が満ちてくるようなものだ」と。

透徹した哲学、人生観をもち世を厭いつつも、なんだかんだと俗世間の理不尽も放ってはおけない、そんな思いのほか人間的な作品だった。

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2019年01月06日

Posted by ブクログ

地位や名声を追い求める事に興味がない。きらびやかな高級品で着飾る事に興味がない。
何物にも心を惑わされず、ひとりゆっくりと本でも読んでいたい。
そんな事を思うかたなら、「徒然草」を楽しく読めると思います。

かしこい、愚か、善い、悪い、そのような人が人に
下す評価は絶対ではなく、すぐに消えてしまうもの。
必死で得た地位も名声も、いずれは忘れられ消えていく。
信頼した友さえも、掌返しで失うこともある。

変わらないもの、絶対のものを否定したうえで、
それでも構わない、静かで落ち着いた自信が伝わってくる文章です。

人からの批判や評価に惑わされて疲れた時、
自分の目標を見失った時には、
この本が、心を慰め励ましてくれる先生になります。

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2017年02月23日

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ネタバレ

隠棲的なところが好みが分かれるところだ。
枕草子的な世俗の世界のが若者にはわかりやすい。随筆というのは、きわめて主観的なものであり、老人の人生を経た文章は、味わい深くはあるが、共感しがたい。
有職故実の類や説教臭く仏のみちを説く点もつまらない。

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2014年12月10日

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べたに徒然草が好きです。
古文を読む能力が著しく低下している今、内容をどれだけ正確につかめているかは謎です(笑)。下手の横好き。まさにその言葉のとおりです。

古典の場合は、いろんなところから出版されていて選ぶのが楽しい。
岩波文庫は訳はなく、注にて解釈がある程度。(解釈がほぼ訳となっていることもありますが)おせっかいじゃないところが岩波文庫のいいところです。長文ばっかりで訳がとれなさそうな、自信がないときは角川さんです!角川は本の前半に本文をまとめてあって、後半が訳になっているので読むときに訳が邪魔にならないのがいいところ。教科書スタイル(見開き上に本文、下に注釈)なのでなじみやすいです。
わたしのなかでは、その作品へのハードルの高さが「訳があるかないか」ということになりますね…。わたしは買うときにそれぞれの出版社のものを見て買うのですが、結局いつも角川か岩波。

徒然草は逸話が書かれているところより、現代でも普遍的な内容がすきです。
特に好きなのは137段。有名ですよね。国語の授業でも取り上げられるかなあ?
始まり方がかっこいいんですよ。
「花は盛りに、月は隈なきをのみ、みるものかは。~」
そしてこの感覚はとても日本的なんじゃないかなあとも思うので(呉善花さんがそんなことを言ってたような「日本の曖昧力」で)、そんなところもすきな段です。お花見するなんて田舎ものだぜ、というようなところもあって、身につまされつつ(笑)。いや、花見あんまりしないけど、と言い訳したところで結局「あんまり」という時点で田舎ものなのでした(笑)
おもしろい段も結構ありますよね。でもそれはわたしのようなぱらぱら読みではなく、もっとがちで読んでるかたにお願いします。


寝る前などにぱらぱらーっと適当なところを開いて読むのがいい。
適当に読んでも許してくれそうなのが徒然草だと思ってます!(蜻蛉日記はたぶん許してくれない)そして古典って面白い、と初めに思わせてくれる名著だとも思う。中学生とか。仁和寺のにある法師のところとかで。

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2013年11月26日

Posted by ブクログ

 「つれづれなるままに―」という書き出しはあまりにも有名です。この序段を含め、全部で244の短いお話から成っています。内容は様々で、筆者の人生観を語ったものから当時の習慣を記録したものまで多岐に渡ります。
 古文は難しそうという印象をお持ちの方も多いでしょうが、所詮日本語です。もちろん全部を理解することはできませんが、なんとなくの意味は分かります。それに語注もついていますので心配することはありません。現代語訳もあるようですが、文章の調子を味わうにはやはり古文で読むことをお勧めします。一つ一つの話が短いので比較的とっつきやすいと思います。

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2009年10月04日

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いい日記。この時代のこの位の人が普段何を思い、行動していたかがよくわかる。
勿論文章も秀逸。
自分の日記が未来にこのような形で公開されたら、どうなるか?
きっと笑われるな。
ま、日記書いてないけど。

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2012年04月14日

Posted by ブクログ

読んだのは、もう少し昔の版のやつですが、まぁ一緒なので。
日本人ならば、一度は読んでおきたい一冊かと。当時の世俗が分かるのは勿論ですが、今でも通用するような人生哲学だとか風流が書いてある、人生の教科書。
古文が苦手な人には相当辛い。というか、おそらく読めないと思いますが、嫌いでもない人なら我慢できるレベル。
語の訳が横に出てるので、一生懸命頭の中で訳しながら読みましょう。
自分は大学受験の勉強中に、一日話2つのペースで読みました。
勉強のつもりがあってもなくても、読む価値あり。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

●読んだ版は岩波じゃないが・・・まあいいか。●ちょっと鎌倉時代の雰囲気を知りたいなあと思ったら、なにはともあれ兼好法師でございます。
そして、高校の時必要に駆られて読んだ時以来、ひっさびさに目を通して思ったことは・・・なんちゅう細かいおっさんや。苦笑。 
なんつかバリバリの保守主義者。てか、部長や次長クラスに、こう言うおっさんいるぜ?(´Д`;) 何かっつっちゃあ昔は良かった昔は良かったって言ったり、なにごとも控えめがいちばんみたいなことを言ってるわりに、結構自慢しいだったり、いるでしょー? ねえ??
日本の誇る随筆文学と言うには、ちょっとどないやねん。
ヒマな親父が文句を垂れ流してるだけっつーか、なにごとも書いて残したもん勝ちだよなあと思わざるを得ないのでした。
ま、そこがいいのかも知れんがよ。書かずにはいられない気持ちはわからんでもないし(笑)
 ●もしかしたら、そのへんがやたらと読み返される普遍性ってヤツなのかもしれませんな。あるいは私の誤読かもしれないので、いつかそのうちもう一度だけ読み返してみることでしょう。死ぬまでにはまだ時間がある。

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2009年10月04日

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