【感想・ネタバレ】いかれころ(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

幼女の頃の記憶を回想し、家族・一族の歪みや窮屈さをとらえる構図。家族とは何か問われる今の時代らしいテーマだと思う。

大人は子供を半人前と考えて子供の前で油断してさまざまなことを晒し、それを子供は繊細な感覚で正確に捉えている。
子供を主人公とする作品は、子供が観察者として最適だからなのかと思わさせられた。言葉にしないだけで子供はたくさんの情報を頭に抱えている。

心の移ろいよりも情景の描写が多く、言葉にせずとも様々なものを感じさせる。また、全体の不気味さや暗さに胸が詰まると思えば、草花の描写が美しくそのバランスが素晴らしかった。静かな作品ながら、するすると読ませる力がある。

志保子のカゴの中身がわかるシーン、最後のシーンは特に秀逸。

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2022年03月29日

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