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ホッキョクグマの繁殖のための、円山動物園の努力がよくわかる本でした。ホッキョクグマの繁殖の難しさもよくわかりました。
また、人間の活動の影響を受けて野生のホッキョクグマが減少しているという話、過去にはスポーツハンティングをされていた話など、地球環境に関する問題提起があり、ただただ動物園のがんばりアピールになっていないところがよいと思いました。
札幌トヨペットがホッキョクグマの繁殖を応援しており、産室や監視カメラの設置などをしたという話は、企業がそういう形で地球上の問題に貢献することもできるのだと感心しました。
2012年9月現在、ララとデナリの子がララのお腹にいるようなので、無事に産まれたら会いに行こうと思います。
Posted by ブクログ
北海道の円山動物園ではホッキョクグマの出産が成功している。ホッキョクグマは神経質な動物で、世界的にもホッキョクグマの出産は難しい。そんな中で5頭の赤ちゃんを育てた円山動物園の飼育員の河西賢治さん。
河西さんは札幌に生まれ、子どものころから生き物が好きでした。札幌の「業務職員」という地方公務員になって、仕事の希望に動物園をしていたら円山動物園の飼育員になった。はじめの担当動物は鹿とトナカイ。けれど、担当になって半年ほどした時、トナカイがバタバタと死んでしまうという事になった。寒い地域の生き物であるトナカイが夏の暑さに耐えられなかったのか?もう生き物が死ぬのを見たくないと思い、仕事をやめたいと思ったこともありました。が、それまでの餌を変えて栄養のあるものにしたら、トナカイが死ぬことはなくなり、出産にも力を入れられるようになったのです。これからもトナカイの赤ちゃんを大きく育てていこうとしていた矢先、配置換えでホッキョクグマの担当になりました。
ホッキョクグマはポーラーベアともいわれ、絶滅危惧種にも指定されています。
円山動物園にいるメスのホッキョクグマはララ。でも神経質なところがあり、今まで妊娠しても出産して赤ちゃんを育てられたことはまだありません。せっかく産んだ赤ちゃんを食べてしまったり、育児放棄したり。そこで河西さんたちは出産する部屋を防音にしてリラックスできるようにしてみた。
獣医師ではなく、飼育員である河西さんたちが成し遂げた偉業。仕事に真摯に向き合うことで、素晴らしい結果につながるのがいい。