【感想・ネタバレ】味の台湾のレビュー

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Posted by ブクログ

やばい。どれも美味しそうで、お店を検索しながら読んだら、1ヶ月かかった。
日本にもお店はいっぱいあるけど、やっぱり台湾に行きたい。

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2023年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とにかく読んでいてお腹が減る。
食いしん坊というより食を大いに堪能する著者の情熱が凄い。
朝市に何度も行くのに奥さんに浮気を疑われたり、挨拶の場で1人黙々と食べ続ける笑ってしまう場面もあれば、
パートナーが亡くなってしまい悲しみに暮れながら食べ物を思い出すほろ苦い場面もある。
人生は食事とともにある
悲しくても嬉しくてもお腹は減る。

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2023年04月26日

Posted by ブクログ

中華の食の華やかな多彩と深い文化を伝える『中国くいしんぼう辞典』も楽しかったが、台湾の詩人の手になるこちらは、この国の複雑な歴史と、また著者の亡き妻への想いをからめて綴られており、そこはかとなく漂う哀しみや苦みが全体を引き締め、格調すら与えているようだ。
ああしかし、調理と美味を表現する言葉の広さ豊かさ!
チマキを縛るには「まるで初恋の相手の手を握るように、柔らかく、だがしっかりとしめていく」。
豚スペアリブのスープから出汁の生姜や葱は捨て、「ただ大根だけが残って、明星が月に寄り添うように、白く清らかに姿を現すのだ」。
少食のくいしんぼというタチの悪い食い手の私ですが、こんなふうに食を表せたらなあ。
いやいや、美味を追うだけの書物ではないですよ。 
米干(幅広の米麺)が雲南に根づく事情を探れば過去の内戦に行きつき、夜市の栄枯盛衰を見れば発展する台湾が捨てていかざるをえない風情への嘆きを感じる。
そしてそして、出会った頃の妻と食べたスナック、岳母の絶品の手料理、子育ての食事の思い出、妻の看病を支えた味、そして、彼女を偲びつつ食べるもの…亡き人への食を通じたラブレターでもあって心に迫る。
何を食べたかじゃない、誰と食べたかだとは言いますが、大切な人と一緒にする食事をより丁寧に味わい大切にしていきたいと思えたのでした。

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2022年03月12日

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現代詩と料理のレシピを融合させた詩集をだしたため美食家だと誤解されたのがきっかけで台湾の食文化を研究し始め、フィールドワークにも出かけるようになった台湾の詩人・焦桐さんの台湾の料理にまつわるエッセイ
原書となる本には160篇収録されているそうですが、この日本版には60篇選ばれていて、たくさんの台湾の食べ物が紹介されています。

知らないものがほとんど!
食材も日本にはないものが多く、丁寧に作り方や材料が紹介されているので、想像しているととても楽しくなります。
食べてみたいな〜。

著者の生い立ち、人生、家族が合間合間に食べもののエピソード共に語られ、それがまた心に響いてきます。
特に奥様への愛情がにじみ出るエピソードに温かい気持ちになりました。

「人生とはやはり茶葉蛋のようなものだ。ときに傷跡や欠損があり、茶葉を煮こんだように、かすかに苦味がある。苦味の中に甘さがあり、渋みの中に楽しみがある。それはほほえみの中に涙がきらめくようなものだ。茶葉蛋は味のしみこむことによるうまさを表現したもので、ひび割れが多ければ多いほど味が入る。」

ちょうど菜脯蛋(干し大根のオムレツ)を読んでいておいしそう〜と思っていた翌日、台湾料理屋さんに行くことになり、メニューにあったので食べることができました。
まさに「シンプル」で「外はさくっと中は軟らか」くてとってもおいしかったです

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2024年03月14日

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読みながら近隣の台湾小吃(シャオチー)を食べられる店を探し、鹹豆漿(シェンドウジャン)にいたっては家で作るほどになってしまった。台湾の詩人が書く料理エッセイ…と簡単に言ってはいけないと思うくらい文章は表現力に富み、台湾の歴史と作者の人生を垣間見ることができる本。
日本版は160篇から60篇を抜粋してあるようで、全部読んでみたかった。味覚も嗅覚もすべて人生と深く繋がっている。

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2023年12月26日

Posted by ブクログ

詩人としても知られる著者が「『台湾の味』とはなんなのか」を考えながら魅力的な台湾料理の思い出を語るうち、記憶と味の結びつきに深く分け入っていくエッセイ集。


本書で取り上げられるのはどれも屋台や家庭の味。焦桐は自身が愛着を持つ類いの料理を「労働者階級の美食」と呼んでいる。一見粗野に見えるものにも料理人の美学が宿っていることを丁寧に説きながら、それでいて心理的ハードルは限りなく低い庶民の味を称揚する。露店の雰囲気を伝える挿画もいい味をだしている。
台湾は移民の国であり、先住民と漢民族はもちろん、オランダ・スペイン・日本の統治時代を経て混淆された食文化が「台湾の味」をなしているという。日本版まえがきでは「ポスト植民地時代の飲食文化」と言い表されている。「天婦羅」と表記される料理が「さつま揚げのおでん」だという衝撃。冬瓜を砂糖漬けにしてお菓子として食べたり、未熟なパイナップルを漬物にしてスープに入れたりする食べ方も知らなかった!フルーツの使い方ではやっぱり和食は大陸に勝てない。鶏肉とパイナップルとゴーヤのスープ美味しそうだなぁ。
食いしんぼうとしての焦桐のスタンスにはかなり親しみをおぼえた。「情欲に満ち、人を魅惑する封肉(客家風角煮)のかたまりがあるのに一杯のあつあつの白飯がなければ、どんなに寂しいことか」なんていう一文に、いい意味での暑苦しさと少しの気持ち悪さと嫌いになれない食いっぷりの良さが表れている。恋人として初めて妻の実家に行って食事したときのエピソードも強すぎる。客家というエスニシティの話も面白かった。
取り上げられる料理はどれも著者の個人的な思い出と結び付いているが、特に後半で生き別れの兄と再会したエピソードのあたりから〈記憶と食〉の関係性が一段深堀りされていく。父とは再会しないまま亡くなり(この章の気持ち全体的にわかりすぎる)、妻のガン発症と死が食の記憶と共に語られる。できたての料理が並ぶ湯気の立つ食卓はどうしようもなく生者の領域だが、同時に味の記憶で死者とつながれる空間でもあるのだ。
邦訳にあたって160篇(!)あった原書から60篇を抜きだし、食材別になっていた収録順を並び替えたという。完全な時系列順ではないものの、著者の人生を辿るような順番にしたのは正解だと思う。滋味深いスープのような食エッセイの良作だった。

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2023年03月27日

Posted by ブクログ

知っている味、知らない味、60の料理。
どんな料理なのか、どんな美味しさなのか、だけでなく、そこにまつわる自身の思い出や、台湾の歴史、人々の暮らしが滋味ある筆で描き出されていて、口が台湾料理になりつつも、しみじみした気持ちに。
台湾で味わってから再読したら、また味わい深いだろうな。台湾、行きたいなあ

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2022年11月09日

Posted by ブクログ

詩人である著者が魯肉飯や麺線、刈包など台湾の食べ物をネタに綴るエッセイ集。閉店してしまっているのもあるものの、実在のお店が登場する。いつの日か台湾に行く時を考え、ゴーグルマップでお店の場所を見ながら読むと楽し。

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2022年09月02日

Posted by ブクログ

いまハマっちゃっているTV番組「オモウマい店」で取り上げているテーマ(?)のひとつに「店名に『味の〜』が付く店は名店が多い!」というものがあります。本著「味の台湾」も美味しい本なのでは、と期待でページを開きました。目次にある漢字だらけの60ものメニューに海外のレストランで何をオーダーしていいのか、という不安と同じ拒絶感を一緒、抱きますが一個一個は、実は食べたことがある料理、なんとなく知っている料理で、実は台湾料理って日本の味覚にも入り込んでいるのを感じました。いわゆる中華料理よりも台湾料理はヘルシーで食べやすいってこと、胃袋が思い出させてくれました。本著にも出来てますが日本統治時代の影響もあるだろうし、また戦後の日台関係による日本国内での存在感もあるだろうし。前に読んだ「中国料理の世界史」で中国料理のローカル化という切り口に出会いましたが、文化大革命で中国本土で消え去った調理文化が台湾に流れ込んだというのも改めて料理と近代史の関係の側面なのでありました。そう、この本は台湾という島国のナショナルアイデンティティの物語なのです。そして、同時に著者の子どもの時から今に至る自我形成の物語でもあります。最初は料理の話に挿入されるエピソードぐらいな感じで受け止めていましたが、中盤、後半に進むにつれ著者の人生そのものものが本書の主食材なのだ、と思い知りました。一貫して、食材の新鮮さと作る人の工夫と誠意を料理に見出す著者の視点は、彼の人生観でもあるようです。なにげない美味しいひとときの積み重ねがかけがえのないものであることを感じます。もしかしてそれが、台湾人の特質であり中国から距離を置きたいメンタリティーなのかもしれません。中国が台湾を飲み込んだら、台湾料理はどうなるのだろう?

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2022年02月20日

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