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Posted by ブクログ
アフリカの少数民族の写真集が有名なヨシダナギさん。
初めてその写真を見た時に、その鮮やかな色合いと凛とした佇まいに一瞬で惹きこまれた。
強い憧れから現地に赴いて、撮影現場では自身も相手と同じように服を脱いで受け入れられたというエピソードが強烈で、強く印象に残っている。
そんな彼女の好きなものばかりを集めたエッセイ。
美しいものが彼女のフィルターを通して次々登場する。
そこには私には気付かなかった美しさもあって、とても楽しい。
例えば、サヨリの尻尾。言われてみれば、透けるような虹色で、繊細で、とても美しい。
でも魚でしょ、臭くない?、ただの尻尾じゃん、など数々の先入観を排除しないとたどり着けない美しさ。
社会で生きている私たちは、まず頭で物事を考えがちなのかもしれない。
何かを見てただ美しいと思えることは幸せなことだと思う。そして何を美しいと感じるのか、そんな感性の部分を言語化しようとする試みがこのエッセイで行われていて、それは彼女のフォトグラファーという職業柄なされた部分もあると思うけれど、そんな風に私自身考えてみたことがなかったなと気付かされた。
途中彼女の美しい作品が挟み込まれてあるのも素敵でした。
Posted by ブクログ
1986年、石原さとみ、イモトアヤコと同年生まれ、ヨシダナギさん、贔屓という言葉がお好きとかw。「贔屓贔屓(ヒーキビーキ)」、2021.10発行。著者が美しいと思うものについて綴った24編のエッセイ集。例えば: サヨリの尻尾、黒の洋服、溶けかけたもの(ナメクジ・カタツムリ)、雫のフォルム、漢字、錆、流木・苔、うぶ毛、世界の少数民族・先住民など。ヨシダナギさんの感性に触れた楽しいエッセイ集でしたw。
Posted by ブクログ
市場に需要があり世間に飽きられる前にあれこれと売り込まんとするマネージャーの奮闘(作中で繰り返し語られる)の一環なのか「好き(贔屓)嫌い」だけをネタに書き下ろす、という「暴挙」な一冊だが、意外とイケる。何が好きか、何故嫌なのか、と説明される内に、作者の過去現在未来が見えてきて心中が分かってくるような気がしてくる。黒一色がトレードマークだったが最近はUMA WANGを買い漁って変身中というくだりには、しこたま儲かっている近況が窺えて微笑ましい限り。サービスカットとして挿入される絵葉書写真はお得感あり。