感情タグBEST3
Posted by ブクログ
“精神科”
ストレス社会の中、この病気に対する偏見は少なくなってきていますが、それでも“精神科”について話すときは一段声が低くなります。そんなタブーの世界にカメラを向け、トキュメンタリー映画を撮った監督がいます。
作り手の意図を観る人に刷り込まないように、テロップ・ナレーション・BGMを排除した「観察映画」という手法を使って撮られた映画です。観客がその映画を観てどのように思うか、自由に思考することを促します。
舞台となったのは、“こらーる岡山”という外来専門の精神科です。古民家に少しだけ手を加え、居間のような待合室で、患者が寝転びながら、患者同士で談話しながら診察の順番を待ちます。
この映画の驚くべきところは、患者をモザイクなしで写しているところです。予め患者の了解を得ています。もちろん、NOと言った人は写しません。
なぜモザイクをかけないのか?
患者のプライバシーを守るためには、モザイクが必要…と考えがちですが、それは反対に、作り手がリスクや責任から逃れる手段にもなるのです。そのような逃げの姿勢からは、患者の本質を捉えることはできない。そう監督は考えたのです。
この映画を観てはいないのですが、ここに登場する患者が皆、魅力的に感じるのはなぜでしょう?
苦しんでいる。
もがいている。
でも闘っている。
この映画を探して観て見たいと思っています。
Posted by ブクログ
映画「精神」と合わせて。
正気と狂気の境目がわからんとずっと思っていたが、なるほどスロープか。
境目なんかなかったのだ。
斉藤先生の「病院に近づかない方がいい」に共感。
病院と美容院は苦手やわ。
Posted by ブクログ
映画『精神』の編集後記的内容。
色々な問題を提起しているが、どれもこれも考えてみれば当たり前のことのように思えてくる。
それだけ、自分たちが普段このような問題から目を背け、思考停止しているということだろう。
モザイクをかけていないこの映画をどう扱うか、メディアが逡巡している風景の記述がなんともリアルで、印象的で、象徴的だった。
こういう映画が評価されない、それ以前に、評価するかどうかの土俵にすら上がれない、という状況がいつまで続くんだろうなぁ、と思う。
「ドキュメンタリーは主観的作品」と断言してくれるからこそ、僕はこの映画や本の内容にリアリティを感じることができた。
次回作も既に撮影中とのことで、しかも被写体が平田オリザさんということで、それはもう期待せざるを得ない。
Posted by ブクログ
感想代わりに、著者あとがきより。
ちょっと効率が悪くてもいいから、大荷物を抱えた僕や、逆方向に進む人、立ち止る人、身体や精神に障害のある人が、冷たい眼差しを受けずに、自分のリズムで堂々と歩ける駅なら、社会ならなあ、と思う。主流から脱落しても、「別の生き方があるさ」とへっちゃらでいられる世のなかになったらなあ、と思う。
でも、それは「弱い人を保護しよう」というのとは、ニュアンスが違う。むしろ、リズムの異なる非主流派の生き方や見方、考え方の面白さに、主流派はもっと気付けばいいのに、そこからもっと学べばいいのに、という思いが強い。
これがこの本、そして、「精神」という映画で想田監督が訴えているテーマである。
Posted by ブクログ
タブーを扱っているけれども
彼そのものは決して興味本位でないところに
注目してください。
そう、著者自身も精神に一時的な
異常をきたしたことのある「経験者」でもあるのですから。
ドキュメント映画の
何たる蚊、究極を見せ付けてくれる作品です。
一部患者さんの内容には
本当に強烈なものを含む人もいます。
でもこのケースは私は絶対批判できないなぁ。
なぜならば彼女は味方もおらず
「極限状態」だったのですから。
その気持ち、本当によくわかります。
かつての私もこれと同様の経験を
したことがありますから。
残念ながら私はこの映画を見たことがありません。
だけれども機会があったら
絶対に観たいです。
正しい精神疾患の世界を
知りたいのです。
Posted by ブクログ
映画「精神」の作成にまつわる話や後日談.
精神障害者をタブー視しないことの陰と陽の部分について.
映画の内容について言及されている部分が多いので映画を見てから読んだ方が楽しめると思います.
Posted by ブクログ
山本先生との対談が印象深かった。
先生の、長年の経験に裏打ちされている
説得力のある言葉の数々。
でも、おっしゃっている言葉は
穏やかで優しいのです。
この章だけでも、もう一回読もうかな。
この後の斎藤先生との対談もいいです。
Posted by ブクログ
映画『精神』のメイキング/ルポルタージュ
想田監督の「観察映画」製作に対する姿勢がよくわかる。貫かれた一筋があって安心できる。
メディアと精神医療の「業界」事情も赤裸々。
いろんな意味でちょっと新鮮。
Posted by ブクログ
ドキュメンタリー映画「精神」のメイキングや公開後の対談収録。
映画観覧後に読むと、当事者の本音や想いがより深く理解できる。
★印象的な言葉★
精神病者は異質なものではない。
自分自身の心の動きに対して目を向ければ向けるほど、自分もそういう行動を取る可能性があると思い当たる。