【感想・ネタバレ】都市伝説セピアのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろい。読書好きの友人に勧めてもらって読んでみたけど、予想以上におもしろかった!
一話目からぐぐっと引きこむ世界観。
昭和のかおり漂う何とも言えない不思議な雰囲気に引き込まれて、ぐいぐい読んでました。
全5話、すべてが完成されてて、これぞ「短編集」って感じで大満足。
不思議な感じから始まって、最後にがらっとひっくり返す手法。
前半の話はラストまで不気味なままだったけど、最終話、「月の石」はラストに救いがあってよかったなぁ。
「死者恋」はエロチズムがなんとも言えないし、「アイスマン」の不気味さったらすごすぎた。この話、ちょっと江戸川乱歩っぽいよね。おもしろい。
「昨日公園」は切なすぎる展開にちょっと泣きそうになったし、デビュー作の「フクロウ男」は、ラストのどんでん返しにマジビビりでした。
最初は「君」の性別が女だと思ってたから、まさかこっちかー!! って最後びっくりした。
うーん。うまいなぁ。

この人、是非他の作品も読んでみたいなぁ。

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2012年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「情」の爆発力と悲哀の中に混じる温かみかな。

僕が朱川作品に惹かれてしまうのは。

この本で言うと、それは②。

たまにしか出会えないから、必死になって追いかけてしまうのだろう。

⑤も好きだなと感じる温かい作品。

そのほかの3作は、好きかと問われると疑問だが、作品としてはとてもしっかりしていると思う。

【あらすじ(始めの部分)】
①アイスマン
25年前、16歳の夏、精神を病んで叔父の家に預けられた僕は、夏祭りの見世物小屋に入ろうとしたとき、傍らの少女に手を引っ張られ、別の見せ物を見に行くことに。
②昨日公園
遠藤は息子とキャッチボールをする。三十数年前、親友のマチを見捨てざるを得なかったこの公園で。
③フクロウ男 ⭐️デビュー作
都市伝説になることに憧れ、完全犯罪も成就させた男が、自分の中の10%に衝き動かされて、君宛の告白の手紙を書いている。絞首刑になるやもしれぬのに。
④死者恋
私が本気で恋した相手は朔田公彦。二十歳で自殺した画学生で、17歳から死の前日までの日記を読み、恋してしまったのだ。そんなある日、同じ彼に恋する三ケ崎しのぶに出会ってしまった。
⑤月の石
電車の車窓から見えた、数秒で通り過ぎた光景に藤田は釘付けになった。本村と目が合ったのだ。マンションの窓辺に佇む、自分がリストラした男だった。

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2022年04月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「昨日公園」の映像化から。

短編集で他作品が結構ダークなので ん?と思ったが「昨日公園」もラストは原作だとこうなのか。。
ナルホド。。。
「フクロウ男」が文章ならではの技法と、作中でも触れているが江戸川乱歩っぽくて好きだった。

「いっぺんさん」のようなほのぼの系の作風だと思っていたので驚いたが、他の作品も読んでみたい。

解説の石田衣良氏が男性だと初めて知った。。。

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2015年12月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

Q:口裂け女に出会って「私きれい?」って聞かれたらどう答える?
A1:「きれいです」→これでもかぁとマスクを外したら、裂けた口が見えてその口で頸動脈食いちぎられて殺される
A2:「不細工です」→鎌で口を割かれた後、殺される

で、どうせ死ぬなら「そんなに殺したいか、かかってこんかい」とタイマン張る。という結論に達した小学校6年生。修学旅行帰り新幹線の中のバカな俺たちでした。

というような青春時代を過ごした俺たちには、怖さよりも懐かしさがたまらない、タイトル通りのセピア色した短編幻想ホラー小説集。怖さに偏らず、切なさに偏らず、懐かしさというおもりでバランスとっているやじろべえみたいな作風が面白い。

この本を読むなら、夏の後半、ひなびた民宿で蚊帳をつってもらい、その中に敷いたせんべい布団に寝っ転がって、電気スタンドの明りの下、BGMはいらんけど大日本除虫菊のアロマがあるとなお良いかも。

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2015年03月25日

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