【感想・ネタバレ】消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神のレビュー

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Posted by ブクログ

ここ10年くらいミニマリストのインフルエンサーを見かけることが多くなったことから、気になって読んでみた。本書はミニマリズムが脱資本主義の突破口になり得る可能性を論じている。

周知の通り資本主義にはあらゆる側面から限界が近づいており、さらにその代替となるパラダイムは未だに存在しない。共産主義も、明治以前の封建主義も、自給自足の原始的な生活も今さら受け入れられないので、我々は甘んじて今日も汗水流して働くのである。(※私はニートですごめんなさい)

そんな現代において、消費欲望を抑え最小限のモノ・サービスを利用するミニマリストたちは、資本主義の苦しみから逃れ、自分らしく生きている。
脱資本主義を実現するパラダイムが無い限り、資本主義にぶら下がるが精神は囚われず自由に生きるミニマリストが、少なくとも現代では一番賢い生き方と言えそうだ。

私も三年前までサラリーマンとして馬車馬のように働いていたが、今は好きなことを仕事にして(ほぼニートだが)、無理せず必要な分だけ稼ぎ、プライベートの時間を大事にすることで幸福度が上がった。

忙しくて辛さを抱えている社会人には、是非ご一読いただきたい。


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2024年05月11日

Posted by ブクログ

[脱資本主義の精神]=資本主義を活性化させないための消費
・ミニマリズム的な生活だけではだめ
・勤労倫理と快楽消費をやめる
・稼いだお金を「資本の支配力」を削ぐ方向へ
・資本が一部の人へ集まらないようにする消費

[具体的行動]
・余暇の時間を地域的なコミュニケーションに使う
・経済的自由主義(メルカリなどの資本が少ないビジネス)
・リベラルな福祉国家
・ディープエコロジーの立場(自然の恵みだけで生活する)


[ミニマリストの目的のひとつ] =自己実現
・身の回りの不要なものを捨て、自分にとって本当に価値があるものを見つけ、それに時間と情熱を投資すること。

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2021年10月20日

Posted by ブクログ

ミニマリズムの生き方がいろいろ紹介されてて面白かった。また脱資本主義の解説も勉強になった。確かに勤勉に働くこと、貨幣で買えるものに価値を見出すことから見直す必要がある。
作るという行為の大事さもあったな

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2021年11月01日

Posted by ブクログ

意欲作で楽しめたが、まだ「消費ミニマリズム」という概念が新しくて定義が確立されておらず、深堀りもされていないので、そういう前提条件の解説とかミニマリズム系界隈の書籍解説が多かった気がする。とくに新奇な話をしているわけではない。題名から察せられるくらいの普通の話を展開している。本書では消費ミニマリズムを反資本主義的立場に位置付けて論考している。

私見では、消費ミニマリズムは結局のところ貧乏を正当化(=金持ちになるという強迫観念からの脱却など、反資本主義というより資本主義からの逃避など)するツールなのかもしれない。まず格差の激しい欧米先進国からムーブメント、そして今、同じように格差が拡大して国の大多数が昔より貧乏になった日本で着実に根を下ろし始めているというわけだ。

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2022年02月09日

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